記事FV
コラム
2025/05/07 更新

日商簿記は転職で役立つ?評価・活用シーン・級別のメリットを徹底解説

無料カウンセリングはこちら

はじめに

今回は、日本で最も有名な資格の一つである「日商簿記」について、この資格が転職市場でどれだけ役に立つのかについて書かせていただきます。

これから簿記を学ぼうと思っている皆様の参考になれば幸いです。

 

1.日商簿記とは

日商簿記とは、日本商工会議所が主催している簿記の検定試験で、日本で最も知名度の高い資格の一つです。

しかし、これだけの知名度がありながら、実は国家資格ではありません。
もっとも、ただの民間資格なのかというとそうでもなく、日商簿記1級を持っていると国家資格である税理士試験の受験資格が得られることなどから、公的な側面を持っています。
そのため、一応公的資格として位置づけられています。

念のため「簿記」についても解説しておきます。

簿記とは、企業が行う経済活動を記録・計算・整理して帳簿に記載することをいいます。
要するに、簿記検定というのは、お金の出し入れの記録を帳簿に正確に記載する技術を測る検定試験です。

日商簿記を取得しておくと、どの程度の簿記能力があるのかを証明することができますので、特に経理・財務における需要が高い資格です。

 

2.受験資格及び試験料

日商簿記には受験資格がありませんので、誰でも受験することができます!

試験料は級によって異なりまして、以下のようになっております。

  • 3級(ネット試験):3,300円+550円(事務手数料) 随時受験可能
  • 2級(ネット試験):5,500円+550円(事務手数料) 随時受験可能
  • 1級(筆記試験) :8,800円+550円(事務手数料) 年2回開催

東京商工会議所のホームページを見る限りだと、今は3級・2級については原則としてネット試験(CBT方式)で受験することになっているようです。
他県ではまだペーパーテストでの受験もできるようですが、ネット受験の方が受けやすいので非常に便利になりました。

なお、1級については未だにペーパーテストのようなので、相変わらず不便そうです。
しかも、年に2回(6月・11月)しか受験できませんので、合格するチャンスは限られています。
それゆえに価値が高いともいえます。

 

3.日商簿記は転職で役に立つか

では、本題に入ります。

日商簿記がどれだけ転職で役に立つのかについて話していきましょう!

 

(1)転職市場での評価

まず、転職市場での評価ですが、これは言うまでもなく高いです。
日商簿記を持っていてマイナスの評価を受けるなんてことはまずありません。
知名度、ビジネスでの活用度、費用対効果など、すべてにおいてトップクラスの資格といって良いかと思います。

そして、日商簿記の優れている点は、経理や財務以外の職種であっても有効であるという点でしょう。
一部の例外的な職種を除いて、ほぼ全ての職種で有益な資格だと思います。

そもそも会計はビジネスの共通言語と呼ばれているほど重要なものです。
管理職になって経営に参画するようになっていくと、その重要性はさらに増していきます。
会計の基礎的なところがわかっていない状態では、マネジメントなんてできません。
「全社員に日商簿記を取らせたい」と言う経営者も多いので、職種に関係なく、学んでおいて損はないと思われます。
そのため、資格を実際に取得するかどうかは別として、できればビジネスマンの全員が学ぶべき分野です。

 

(2)何級を取ればいいのか

経理財務、経営企画、IRなどの会計専門職として活躍したいのであれば、最低限日商簿記1級の取得を目指すことをおすすめいたします。
実際に取得できるかどうかはさておき、一度は1級の全体を学んだことがあるという状態にしておくべきです。

転職市場での評価についても具体的にお話していきます。

まず、転職市場を見る限り、2級取得者は相当数存在します。
2ヶ月~5ヶ月程度で取得できる資格であるがゆえに保有者も多いです。
しかし、1級の保有者はほとんどおらず、経理や財務などの会計専門職の中でも1割程度しか保有者がいません。
ということは、それだけ希少価値が高い資格であるということです。

以前、とある転職サイトで会計専門職を探していたとき、ふと気になったので日商簿記1級保有者の現在の年収帯を調べてみたことがあります。
すると、そのサイト内に存在する日商簿記1級保有者の年収平均値は750万円程度でした。
肩書についても、大半の人が「経理マネージャー」「経営管理部長」「経営企画室長」「会計コンサルタント」などとなっていて、社会的に地位の高い役職に就いているようでした。

他方で、数が多くて全員を調べることはしませんでしたが、同じく日商簿記2級保有者を1級のときと同じくらいの人数で無作為に選んで、平均値を出してみたところ450万円程度でした。
2級保有者の年齢は比較的若い人が多いので、資格だけの差異であるとはいえませんが、少なくとも1級を保有していて損をするということはなさそうです。

知人経営者らに聞く限りでも、日商簿記1級保有者は「経理メンバー」ではなく「経理マネージャーや管理部の部長クラス」の候補者だと認識されているので、提示する年収帯も相対的に高くなることが多いです。
これによって、年収帯が200万円くらい上がるので、大きなメリットといえます。

1級はけして簡単な試験ではありませんが、会計専門職として生きていくのであれば是非とも取得したい資格です。

 

(3)今からでも取るべきか

今からでも日商簿記を取るべきかどうかは、年齢や職種次第だと思うので、場合分けして考えていきます。

まず、現在の年齢が20代であれば、日商簿記2級を取得するメリットは大きいと思います。

若い頃に会計の基礎を学んでおくと、会社の事業活動を会計的視点で見ることができるようになるので、日頃何気なく使っている備品やPCが会計上どういう扱いになっているのかを考えたり、自分が上げている売上のうち、どの程度が利益になっているのかを考えたりできるようになります。
こういう視点は、先々管理職になったときに極めて重要な視点で、会計的に経営を見られるマネージャーはとても貴重で優秀です。
だからこそ、先々管理職を目指すのであれば、若いうちから簿記を学んでおくべきだと思います。

その他にも、経理財務、経営企画、事業部長等を目指している人たちにもオススメの資格です。
そういう職種を目指す人にとっては、2級までは必須といえます。

もし先々管理職まで上り詰めたいと思うであれば、1級まで取得しておきましょう。
管理職になると会計的視点がより重要になってくるので、1級まで持っておいた方が何かと便利だと思います。

 

次に、30代以降の人で会計専門職以外の職種に就いている人の場合は、簿記を取得することにそこまで大きなメリットはありません。
そのため、資格の取得自体は不要だと思います。

しかし、30代以降で会計の基礎がわかっていないというのは、ビジネスマンにとっては致命傷になり得ると思うので、常識として学んでおいた方が良いです。
このとき、簿記のメイン科目である「仕訳」を中心に学ぶのではなく、BSとPLの読み方を中心に学ぶと良いでしょう。
その方がすぐにビジネスに活かせるはずです。

 

最後に、30代で経理や財務などの会計専門職へのジョブチェンジを検討している人については、日商簿記1級を目標にすべきだと思います。
ジョブチェンジをする場合、日商簿記2級だけだと知識的にも経験的にも能力不足を補えないので、最低でも1級を持っているということが必要になってきます。
1級まで保有しておけば、たとえ経理未経験であったとしても、どこかの会社が拾い上げてくれる可能性があります。

 

おわりに

今回は日商簿記の転職市場での評価について解説させていただきました。
会計の道に進もうとしている皆様の参考になれば幸いです。

それでは最後までお読みいただきありがとうございました。

【お問い合わせ】

WARCで働きたい!WARCで転職支援してほしい!という方がもしいらっしゃれば、以下よりご連絡ください。

内容に応じて担当者がお返事させていただきます。

公認会計士の転職なら「WARCエージェント」の無料カウンセリングへ!

WARCエージェント」なら、大手上場企業からIPO準備企業のベンチャー求人まで幅広く対応しています。
業界トップクラスの転職実績もあり、業界に精通しているエージェントも多数在籍していますので、ぜひ気軽にご相談ください!

無料カウンセリングはこちら

著者画像

株式会社WARC

瀧田桜司

役職:株式会社WARC 法務兼メディア編集長/ 学歴:一橋大学大学院法学研究科修士課程修了(経営法学)及び京都大学私学経営Certificate/ 執筆分野:経営学・心理学・資格・キャリア分野のコラム記事を担当させていただく予定です

満足度98%のキャリアコンサル

無料カウンセリングはこちら