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2025/05/09 更新

税理士は転職市場でどう評価されている?将来性とキャリア戦略を徹底解説

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はじめに

今回は難関資格の一つである「税理士」の転職市場での価値について語っていきたいと思います。

 

1.税理士とは

税理士とは、税理士試験に合格した者であって、税理士事務所などで「租税または会計に関する事務」の実務経験を2年以上積んだ者がなれる税金のスペシャリストのことをいいます。

税理士は、主に大手企業の監査を担当する公認会計士と異なり、原則として中小企業や個人事業主を顧客に持つことが多いので、比較的身近な存在で、誰もが一度は見かけたことがあると思います。
税務署の近くに行くと、ビルのあちこちに「◯◯税理士事務所」という看板を見かけると思いますが、税理士さんたちは主にああいう事務所で働いています。

ではどんな仕事をしているのか。

税理士の主な業務は、以下の3つです。

  • (1)税務書類の作成
  • (2)税務代理
  • (3)税務相談

それぞれ簡単にご説明いたします。

 

(1)税務書類の作成

税理士は、納税者に代わって、確定申告書、相続税申告書、青色申告承認申請書、その他税務署などに提出する書類を作成することができます。

このとき税理士は、自らの責任と判断において上記の書類を作成することができます。
これは、税理士だけに認められている独占業務で、無資格者が勝手に行うと違法となります。

国家資格にも様々なものがありますが、この「独占業務」が存在するかどうかは非常に重要な要素で、独占業務が存在するだけで、かなり安定した所得を得ることができるようになります。
その中でも税務書類の作成は、すべての法人及び個人事業主が、毎年必ず作成しないといけないものなので、一生無くならない業務と言っていいでしょう。

※会計ソフトのおかげで作成依頼は減少傾向にはある

 

(2)税務代理

税理士は、納税者を代理して、確定申告、青色申告の承認申請、税務調査の立会い、税務署の更正・決定に不服がある場合の申立てなどを行うことができます。

こちらも税理士の独占業務となっています。
税務代理は非常に専門性の高い業務なので、税理士だけに代理権が認められています。
税務調査の立会いや申立てなどについては、法人や事業者にとっては一生お世話になりたくない場面ではありますが、いざというときには税理士の助けが必要となりますので、顧問税理士さんとは日頃から密に連携しておきましょう。

 

(3)税務相談

税理士は、税金に関する各種のコンサルティング業務を行うことができます。

最近では、このコンサルティング業務を主業務としている税理士さんも多くなってきていて、M&Aや事業承継に関する相談に乗ることもあるようです。
税理士の活躍の場が広がっているのはとても良いことです。

 

2.税理士の転職市場での価値

それでは、税理士という資格は転職市場でどのような評価を受けているのでしょうか。

この点について語っていきたいと思います。

(1)税理士は転職で有利か

税理士は元々独立を前提としているような資格なので、多くの人が税理士事務所を開業したり、先々の独立を見越して税理士事務所で働いたりしています。
そのため、一般の事業会社を対象とする転職市場にはあまり出てこないというのが現状です。
それもあって、希少性が高く、企業側からの需要も安定して高いままです。
公認会計士と同様、税理士も会計専門職なので、転職市場での人気は極めて高く、転職で困ることはほぼ無いといって良いと思います。
仕事を過度に選ばなければ、一生食いっぱぐれない資格といっていいでしょう。

ただ、せっかく苦労して税理士になったのであれば、高い年収を稼ぎたいと思うのが通常だろうと思います。
もしくは、ある程度の年収を無理のない稼働時間で安定的稼ぎたいと思うはずです。
税理士は、そのどちらでも選べる強い国家資格です。

しかし、キャリアの志向については、予め決めておいた方が良いと強く思います。
税理士資格を持っているのにあまり成功できていない人の多くは、無計画で転職活動をしています。
10年後の志向をあまり検討せずに、運任せの転職をしがちなので、それはとても勿体ないことです。
税理士が事業会社の中で会計専門職として生きていこうと思った場合、高確率で公認会計士たちと競合することになります。
彼らは監査や財務会計のプロなので、CFOや管理部長などのポジションでは公認会計士の方が強いと言わざるを得ないです。
この市場で勝負しようとすると、少し分が悪い勝負をすることになります。

一方で、経理部長や上場を目指していない企業での管理部長であれば税理士の方が強いことが多いです。
特に節税等のニーズが強くある儲かっている事業者の場合は税理士の方が求められる傾向があります。
他にも、財務(主にデットファイナンス)・経営企画・税務コンサル・M&Aコンサル・中小企業の監査役など様々な職種にチャレンジできるのが税理士の強みです。
税理士という強い資格があれば、会計の基礎はかなり高度に出来上がっているとみなされますから、派生する職種のいずれにもアプローチが可能です。
だからこそ、若いうちから自分のキャリアを考え、将来どの分野で一流を目指すのか、いつ頃独立して、どのような分野で報酬を得ていくのかを検討しておきましょう。

 

(2)独立税理士の将来性

これは先々独立を検討している税理士の皆さんがすでに感じ取っていることだろうと思いますが、独立税理士の未来はそこまで明るいものではありません。
現状では、税理士の約7割が独立開業をしている状態だと思いますが、そもそも税理士の半数以上が60代以上なので、昔から活動してきた人(元税務署職員等)が多いです。
この世代の人達は十分に逃げ切れると思います。

しかし、これからの時代は、税理士に高いお金を払って顧問をしてもらうという発想はあまり出てこないでしょう。
経理代行及び記帳代行サービスの単価はかなり安くなっていますし、今では会計ソフトが進化してきたおかげで、素人でも確定申告書を簡単に作れる時代になってしまいました。
そのため、わざわざ税理士に高いお金を支払ってまで確定申告書を作成してもらおうという人は少ないと思われますし、私自身も法人・個人共に、税理士に頼んだことは一度もありません。
それほど今の会計ソフトは優れています。
それもあって、顧問税理士の顧問料も下落傾向が続いてるようで、驚くほどの低価格で受託している税理士も多くなってきており、その結果、税務顧問業全体での価格競争が激しくなっております。
そうなってくると、税理士も違う稼ぎ方を見つけ出さないといけなくなってきますので、より高度な専門性と実務経験が必要になってきます。

私の知っている範囲での話ですが、儲かっている税理士の方々は、M&A(事業再生含む)や相続分野、国際税務その他経営コンサル分野で活躍なさっています。
記帳代行サービスや確定申告という、労働集約型+局所的な繁忙期のある仕事ではなく、短期かつ高額報酬が狙える分野で、かつ、いつでも仕事が存在している領域に集中している感じです。
しかし、それらの領域には天才的な専門家がいますので、新人がいきなり飛び込んで稼げるようになるような世界ではありません。

そもそも新人については、その領域の実務経験を得るのも難しいので、ある程度運の要素も必要になってきます。
さらにいうと、仕事の単価自体は下がっているのに、税理士の登録者数はなぜか増え続けていて、現時点では81,000人を超える規模になっています。
そのため、今後の税理士業界は競争が激しくなることが予想されていて、将来性があるとはいえないのです。

 

(3)今から税理士を目指すべきか

前述のとおり、若干将来性に不安がある税理士ですが、結論としては、年齢に関係なく、会計専門職として生きていくなら目指すべきだと思っています。

まず、会計専門職として生きていくのであれば、どこかのタイミングで国家資格が必要になってきます。
少なくとも、弱い資格(日商簿記2級など)のままではキャリア的に頭打ちになりやすいです。
会計専門職以外の人間からすると、国家資格保有者とそうでない人とでは、やはり安心感が全然違います。
経営者として、どちらかを管理職に選べといわれたら、国家資格保有者の方を選ぶ人が多いでしょう。

これは多くの会計専門職が肌で感じていることだろうと思います。
やはり、会計専門職の世界では、公認会計士・税理士という二大国家資格が最強なのです。

そして、働きながら無理なく目指せる資格は税理士の方だと思います。
税理士試験は、初めから社会人が働きながら受験することを想定しているような制度設計がなされているので、非常に受けやすい試験です。
けして受かりやすくはないですが、チャレンジし続ける価値が十分にあると考えています。

また、転職市場でも、日商簿記2級で勉強をやめた人や日商簿記1級までで満足している人より、税理士の科目合格を達成している人の方が高く評価されます。
私自身も面接のときは、そういう人を尊敬しますし、一緒に働きたいなと感じます。
途中で諦めて満足した人より、今も尚勉強し続けている人、挑戦し続けている人の方がカッコイイじゃないですか。
そういう意味でも、社会人にとって税理士資格はオススメの資格だと思っています。

 

おわりに

私は会計専門職の皆さんを尊敬していますし、公認会計士・税理士が多い会社で働いているので、日々その凄さを実感しています。
したがって、公認会計士・税理士を本気で目指している時点でとても尊敬しております。
本当に大変な資格だとは思いますが、是非諦めずに挑戦し続けて欲しいです。

そして、科目合格を達成したら、是非WARCも転職先・副業登録先の候補としてご検討ください。
副業をする場合は、ぜひWARCMOREにご登録ください。

 

 

それでは最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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株式会社WARC

瀧田桜司

役職:株式会社WARC 法務兼メディア編集長/ 学歴:一橋大学大学院法学研究科修士課程修了(経営法学)及び京都大学私学経営Certificate/ 執筆分野:経営学・心理学・資格・キャリア分野のコラム記事を担当させていただく予定です

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