記事FV
コラム
2025/02/12 更新

会計専門職の副業完全ガイド|メリット・リスク・成功のポイント

はじめに

今回は会計専門職の副業に関するお話です。

会計専門職の皆様は肌で感じていることだと思いますが、ここ数年ずっと引く手数多でございまして、専門性が高い人であればあるほど、スポットでもいいから手伝ってほしいという需要が存在します。
もちろんハイクラス人材の場合、現在の職場の業務で手一杯という人も多いと思いますが、もし時間が空いているなら、副業をした方が得をする時期です。

しかしいざ副業をしてみようと思ったとしても、実際にどのようなメリットがあるのかあまり想像がつかないという方もいると思います。
そこで本記事では、副業のメリットを中心に語っていきたいと思います。
会計専門職の皆様の参考になれば幸いです。

 

1.会計専門職のリスク

まず、会計専門職が抱える一般的なリスクについて検討していきましょう。

公認会計士・税理士に限らず、会計畑で生きている皆さんは、総じて同じようなリスクを抱えています。
それが、スキルの偏りです。

監査法人に勤めている方は監査スキル、税理士事務所にお勤めの方は確定申告・記帳スキル、M&Aコンサルに従事している方はM&A関連スキルに偏っていきます。
そして、企業で勤めている経理・財務のメンバーは、特定の企業の会計処理にだけ特化していく傾向があります。

これらのスキルの偏りは、おそらく本人が一番感じていることだとは思いますが、かなり大きなリスクだと思います。
30歳くらいまでずっと一つの分野のスキルに特化してしまうと、それ以降のキャリアも、基本的にはずっとその分野で活動することになります。
そのまま30代後半になってしまうと、すでに記憶力も体力も落ちていくので、全く新しい分野に挑戦するということは難しくなります(不可能ではない)。
だからこそ、スキルが偏りがちな会計専門職こそ、転職や副業を通じて、新しい分野のスキルを身につけておくべきだと思うのです。

 

2.副業のメリット

続いて本題である副業のメリットをまとめていきたいと思います。

私が考える、主な副業のメリットは以下のとおりです。

  • (1)所得が上がる
  • (2)他社事例が貯まる
  • (3)スキルが増える
  • (4)転職先候補が増える
  • (5)知人が増える
  • (6)精神が安定する
  • (7)主業で応用できる

以下、一つずつ解説していきます。

 

(1)所得が上がる

副業の最大のメリットは所得増加だろうと思います。

年収1,000万円というハードルも、副業と主業の合計であれば、比較的超えやすいハードルです。
しかし、注意しておかないといけないのは、副業は労働集約型の稼ぎ方であるという点です。

たまに、副業を始めたばかりの人が、所得が面白いように上がっていくことで調子に乗ってしまって、自分ひとりでは処理できない量のタスクを請け負ってしまうことがあります。
これでは本末転倒で、主業にも迷惑をかけますし、副業先からの評判もガタ落ちです。
そのため、最初は軽いタスクのみを請け負うことをオススメします。

そして、何でもかんでも請け負うのではなく、自分の中で明確な目的を持って仕事を選んだ方が良いです。
例えば、お世話になっている知人からの依頼だからこそ受けるとか、自分が欲しいスキルが手に入るから受けるなどの理由を一つ一つ確認しながら仕事を選ぶことをおすすめいたします。
お金というものは、良くも悪くも人間を変えてしまうことがあるので、お金に精神を支配されないように注意してください。

 

(2)他社事例が貯まる

専門職にとっては資格や知識が最も重要な資産ですが、それら知的資産の中でも極めて汎用性の高いものが他社事例です。
他社事例が貯まっていくと、様々な状況に対応できるようになっていきます。

中小企業から大手企業まで、様々な事例を脳内に蓄積しておけば、企業のフェーズ(段階)にしたがって、今後どういう問題が発生し、どう解決していけばいいのかという点もわかるようになってきます。
ベンチャー業界で10年以上様々な企業に関わってきた人の多くは、スタートアップが今後陥る事態や犯しがちな失敗も予想できてしまうことがありますが、まさしくあの予測能力が手に入ります
これはとても貴重な能力で、転職時などの企業分析にも応用できますし、日々の業務でも先を読んで対処できるようになるので、結果的に自分のキャリアにとっては大きな利益をもたらしてくれます。

 

(3)スキルが増える

続いて、会計専門職にとって一番重要かもしれないメリットが、スキルの増加です。

「会計」と一括りにしても、その分野は様々で、財務会計、税務会計、管理会計、経営戦略、M&A、監査、ファイナンスなどの高度な専門分野が別々に存在しています。
そして、他の分野の実践的な専門知識・スキルを得るためには、実務経験を積むしかありません。
その実務経験を副業で積めるという点がとても大きなメリットです。

例えば、WARCMORE(ワークモア)という会計専門職の副業プラットフォームでは、案件によっては、複数人でチームを組んでプロジェクトを遂行していきます。

 

 

チームの中には、その分野のベテラン会計士・税理士がいることが多いので、非常に勉強になるでしょうし、大きなプロジェクトに関与できた経験は、スキルアップや自信に直結します。
年間でこなせるプロジェクトの件数は人それぞれだと思いますが、例えば年間で10件ほどこなせたとしたら、それだけで一社に勤めた場合の数年分の実務経験を先取りしたような状態になることも多いです。
プロフェッショナルがチームを組んでこなすプロジェクトの多くは難易度が高いので、経験値の価値が高いのです。
そういう貴重な機会に巡り会えるのも副業の魅力だと思います。

 

(4)転職先候補が増える

次に、ちょっと打算的なお話をすると、転職先候補が増えるというメリットもあります。

今の時代、一社に依存しきって働くのは非常にリスクの高い行為だと思いますし、一社しか知らないというのは自分の将来の選択肢を狭めてしまう可能性が高いと思います。
副業をいくつかこなしておけば、その都度新しい会社と関わるので、その職場の重要人物と知り合いになることができます。
副業で良い仕事をし続けていれば、業界内で良い噂が流れていくので、自然と声がかかる機会が増えますし、転職したいと考えた場合にすぐに候補先が見つかります。
転職先の候補はいくらあっても困りませんから、副業を通じて未来の選択肢を作っていけるというのも大きなメリットの一つだと思います。

ただし、副業先に直接転職をするというのは契約違反になる可能性が高いので、副業先に転職をする場合は事前に関係者の承諾を取った上で動きましょう。

 

(5)知人が増える

副業をいくつかこなしていく過程で、副業先の専門職の皆さんとも仲良くなりますし、同じプロジェクトで一緒になったプロフェッショナルの皆さんとも仲良くなる機会があります。
そうやって少しずつ人脈が広がっていきます

会計専門職同士の横の繋がりというものは、実はとても価値の高い人脈で、業界に関する情報などを入手するのに非常に役立ちます。
特に転職時にこの人脈が活きてきます。

専門職もただの人間ですから、転職で失敗することだってありますし、関わってはいけない会社に関わってしまうおそれだってあります。
このリスクを減らすためにも、繋がりのある知人たちに「あの会社って実際どうなの?」と聞くべきです。
会計専門職の知り合いが多ければ多いほど、より正確な情報が手に入るので、事前に転職先の状況を知ることができます。
知人から得られた情報によって、大きなリスクを回避できた、または良い転職先と出会うことができたというケースはかなり多く、私自身も助けられたことが何度もあります。
専門職同士の横のつながりは本当に貴重なので、気の合う仲間をたくさん作っておいて損はないと思います。

 

(6)精神が安定する

これは人によるかもしれませんが、副業を上手にこなしていけるようになると、精神がとても安定します

自分のスキルが他社案件でもちゃんと通用するということがわかるからだろうと思います。
自分の存在、能力に需要があるのだということを実感できれば、会社に対する執着や依存心が薄れ、良い意味で今の職場への依存度を減らすことができるので、将来に対する不安がだいぶ解消されます。

私は、30歳ごろから複数の会社で働いていますが、そういう状態を維持できるようになって初めて、お世話になった人や今の自分を形成する過程で多大なるご恩を受けた人に対して、恩返しがしたいと思えるようになりました。
心に余裕が生まれた証拠だと思います。
そういう精神状態になれるということ自体が、専門職にとってはとても大事なことです。

特定の会社、特定の役職に執着が出て、いつクビになるか、いつ不要だと言われるかとビクビクしていたら、常に上司の顔色を窺って仕事をしないといけなくなって、恩返しどころではなくなります。
副業を通じて自分という存在の独立性を保って初めて、恩を受けた方々にお返しができるのだと思っています。

また、精神的に余裕が生まれると、新しい貢献の仕方とか方法を考える余裕も生まれるので、違った角度から貢献方法を模索するようにもなります。
これが功を奏するかどうかはわかりませんが、貢献意欲が湧くのはとても良いことだと思っています。

 

(7)主業で応用できる

最後に、主業で応用できるというメリットが挙げられます。

特に会計専門職については、副業をすればするほど、主業に活かせると思います。
他社事例を通じて得た知識や経験をそのまま主業でも使えます。

専門職の多くは、なぜか「全部わかるでしょ」と思われていることが多いので、主業でわからないことが発生する前に、副業を通じて様々な案件に関わり、知見を貯めておく必要があります。
そうやってスキルと経験を積み重ねておくことがリスクヘッジになるのです。
私も副業で得た知識を主業で応用できたことが何度もあるので、その都度助かっています。

 

3.副業のリスク

会計専門職の皆様の方がリスク関係には詳しいと思うので、ここでは簡単に述べさせていただきます。

副業の主なリスクは、主に2つあります。

一つが副業禁止規定違反であり、もう一つが税金です。

 

まず副業禁止規定違反については、各自勤めている会社の就業規則を確認してください。
今の時代でもなお、ほとんどの会社で副業禁止規定があるはずです。

そして、副業を禁止していない会社であっても、大半の会社では、事前承認制または事前届出制になっているはずです。
これもまた古臭い制度だなとは思いますが、何でもかんでも副業されると主業側にもリスクがあるので、事前承認は致し方ないかなと思います。

ちなみに、ベンチャー企業では副業自由としているところも増えてきています。
むしろ推奨しているところもあるくらいです。
そういう会社に勤めていた方が所得は上げやすいと思います。

もし自社の制度が古いままで、副業自体ができないという場合は、まずは転職をすることがオススメいたします。
会計専門職で副業できないというのはキャリア的にはあまりに勿体ないので、副業OKの会社に転職してでも副業した方が良いです。
その方が所得も高くなりますし、スキルも身につくので、一石二鳥だと感じます。

 

続いて、税金については、リスクというよりは、手間です。

副業の多くは業務委託契約による事業所得になりますから、確定申告が必要になります。
そのため、今まで給与所得しかもらっていない人にとっては、確定申告の手間が新たに発生します。
しかし、会計専門職にとって確定申告なんて朝飯前だと思いますので、ここについてはほとんどリスクとはいえないと思っております。

より心配すべきは、法人成りするかどうかです。

専門性が高い会計専門職の皆様の場合、時間単価が7,000円~15,000円くらいになることも多いので、下手をすると副業だけで年間800万円以上の所得になってしまいます。
そうなってくると、法人成りするかどうかという論点が出てきて、悩むところです。
元々会計専門職の皆さんの年収は高いので、そこに副業所得が入ってくると、多い人では年収が2,000万円を超えることもあります。
そのため、税金(所得税、住民税、消費税)に関する知識はあらかじめ蓄えておいて、どういう戦略で副業を展開していくのかは決めておいた方が良さそうです。
私の知人たちは法人成りしていることが多いですが、それはそれで手間が増えますので、慎重に検討してください。

 

おわりに

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

会計専門職の皆さんは、ぜひ副業をやってみてください。
最初は軽い案件からこなしてみて、自分に副業が向いているかどうかを検討してみるのが良いと思います。

人生は人との出会いで大きく変わると思うので、副業を通じて様々なプロフェッショナル人材と出会って、見聞を広め、新しいキャリアの形を模索してみると、想定していなかった新しい道が見つかるかもしれませんよ。

 

【お問い合わせ】

WARCで働きたい!WARCで転職支援してほしい!という方がもしいらっしゃれば、以下よりご連絡ください。
内容に応じて担当者がお返事させていただきます。

著者画像

株式会社WARC

瀧田桜司

役職:株式会社WARC 法務兼メディア編集長/ 学歴:一橋大学大学院法学研究科修士課程修了(経営法学)及び京都大学私学経営Certificate/ 執筆分野:経営学・心理学・資格・キャリア分野のコラム記事を担当させていただく予定です

満足度98%のキャリアコンサル

無料カウンセリングはこちら