今回は「ベンチャーに適した優秀な人材はベンチャーに対して何を望んでいるのか」という論点について私見を書いていこうと思います。
一般的な大手企業では、高学歴で、高学力で、何らかの専門知識を持っている人材が好まれますが、ベンチャー企業の場合はどうでしょうか。
最近のベンチャー企業の多くでも、学歴や学力等の形式的要件を設定していることは珍しくないと思いますが、大手ほど厳格には見ていません。
というのも、大手企業並の要件を設けてしまうと、候補者がほとんどいなくなってしまうからです。
高学歴、高学力、何らかの専門性を持っている人がほしいのはどこの会社も同じですが、ベンチャー企業では、そこまで高望みはできません。
しかし、ベンチャー企業でも譲れないものがあります。
その特徴を言語化すると、以下の3点になるのではないかと思います。
これらの特徴を持っている優秀な人材をベンチャーの転職市場で探そうと思った場合、良さそうな候補者を20名ほどピックアップして、1人いるかどうかだろうと思います。
ベンチャーの転職市場はそもそも小さいので、その中で20人に1人程度ということは、転職市場全体でみると、100人に1人くらいだと思ってもらえればいいかなと思います。
職種やその他の要件次第では500人に1人くらいになる場合もあります。
そのため、極めて難易度の高い採用活動になります。
では、ベンチャーに適した優秀な人材は、会社に対して何を求めているのでしょうか。
その求めているものを自社が提供できさえすれば、良い候補者を獲得できる可能性が高くなります。
彼らが何を求めているのかは、本人たちに聞いた方が早いので、ベンチャーで活躍中の優秀な知人らに聞いてみました。
すると、以下のような意見が出てきたので、参考にしたいと思います。
以下、一つずつ解説していきます。
私の知っている範囲内の人たちなので、非常に狭い範囲のリサーチしかできていませんが、彼らの多くは元々は大手企業にいました。
新卒でベンチャーに入っている人はほぼいません(新卒でメガベンチャーに入った人なら数名います)。
そして、なぜわざわざ安定した身分を捨ててベンチャーに来たのかというと、ほぼ全員が大手の雰囲気に耐えられなかったからです。
最も耐え難かった点は、社内に意欲的な人が少なかったところだそうで、このままこの場所にいると、自分の成長が止まってしまうような恐怖感を抱いたらしいです。
すべての大手企業がそうであるわけではないですが、一般的には、大手企業に入ったらその時点で人生は勝ち組で、あとは悪いことさえしなければ、年功序列で勝手に給与が上がっていきます。
出世もよほどのヘマをしなければ、ある程度年功序列で上がっていきます。
そういう環境下でも新卒の頃は意欲溢れる人も多いのですが、2年目、3年目と年を重ねるごとに、社会の荒波に揉まれ、人混みに流されて変わっていき、丸くなり、少しずつ意欲が無くなっていきます。
5年もすればかつて幻滅した先輩たちと同じような人種になってしまいます。
10年もするとほぼ完成された歯車になるので、努力しようとか、一旗揚げようとか、そういう意欲は消え去っていきます。
住宅ローンや子育てなどの家庭の問題も多発する頃なので、自分の労力を将来の飛躍にために使うという発想すら無くなっていくのが普通です。
そうやって、安定した身分に落ち着くものです。
それが一般的な正しい生き方というやつです。
そういう一種の安定したレールに乗り続けられなかった向上心の塊のようなはぐれメタルがベンチャーに来ます。
ゆえに、彼らが会社に求めることとして、同僚や上司などに「意欲的な仲間が多くいること」が挙がってくるのだと思われます。
ベンチャー業界の残ってくれている優秀層の人たちの多くは、若干変わっていて、特殊な能力を持っている自由人が多いです。
それゆえに、大手上場企業で当然とされているルールやしきたりが若干苦手な傾向があります。
より踏み込んで表現すると、何かに縛られることを嫌う傾向が強いです。
ベンチャーで活躍する優秀な人達は、ルールを守って従っていく側というよりは、新しいルールを作っていくタイプの人たちです。
まだ法整備すらまともに整っていない業界で、新しいビジネスを立ち上げようというのがベンチャーの常なので、そういう世界で活躍できる人たちは一般とは異なる思想や価値観を持っています。
それゆえに、自由度は重要な要素です。
ベンチャー企業の多くでは、なにか変革を起こそうというときに、●●部長が反対するから進められないとか、誰々が発案すると○○派閥が黙っていないとか、そういうどうでもいい内部政治に振り回されることがほとんどないので、居心地が良いそうです。
また、多くのベンチャーではリモートワークが普及しているため、家庭との両立が可能な点も魅力を感じているそうです。
わざわざリスクの高いベンチャー業界に飛び込んできている人たちは、原則として向学心や向上心が普通の人より強いです。
そのため、彼らの多くは常に新しい「学び」や「経験」を求めています。
ここでいう「学び」や「経験」という言葉のニュアンスは、座学というよりは、有益な実務経験といった方が良いかもしれません。
大手企業では、細分化された作業をこなしていくことが多いので、良い実務経験を得るためには長い順番待ちが発生します。
他方でベンチャー企業では、基本的に人員不足で、必要最低限の人数で回しているため、市場価値の高い実務経験を得る機会が比較的頻繁に回ってきます。
彼らの主目的はそこにあるので、新しい実務経験から得られる学びに貪欲です。
そういう学び多き職場であり続けることを望んでいます。
すべての大手企業がそうというわけではないですが、やはり組織が大きくなればなるほど、人事評価に恣意が入り込みやすくなります。
上司の機嫌一つで評価が大きく変わったり、社内政治の出来不出来で出世が決まったりするところがあります。
大手からベンチャーに来ている若手の優秀層の多くは、そういう実力とは関係がないところで評価されることにうんざりしている人が多いため、成果が正当に評価される職場であることを望んでいることが多いです。
良くも悪くも実力主義というものは自分自身に明確な課題を突きつけて来ますが、優秀層はそれを努力によって乗り越えるということに喜びを感じる人が多いようです。
最後に、ビジョンに共感できることを望んでいる人が多かったです。
これは大手からベンチャーに来た人に限らず、多かれ少なかれベンチャーにいる人は全員が持っている感情だろうと思います。
経営陣がやろうとしていることに一切共感できない、むしろ批判的な感情しか湧いてこないという状態では、仕事そのものがとてもつまらないものになってしまいます。
わざわざリスクを冒してベンチャー業界に入っているのに、全く共感できないことに協力するのは人生の無駄遣いです。
だからこそ、転職先のビジョンやミッションには細心の注意を払って確認すべきだろうと思います。
おそらく、優秀層の皆さんはビジョンやミッションの確認を怠らないはずです。
自分の人生の貴重な数年間を投資するのですから、真剣に分析するのが通常です。
上記は一部の意見ではあるものの、ベンチャーに適した優秀な人材が求めている典型的なものではあると思います。
自社の風土や制度を整える過程で、上記の点を考慮に入れておけば、より効率的に優秀な人材を集められるかもしれません。
この記事がベンチャーにおける組織構築の参考になれば幸いでございます。
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