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コラム
2024/12/23 更新

ベンチャー企業における管理部門の適正割合とは

はじめに

ベンチャーの経営者の方々とお話していて、年に1~2回くらい話題に出るのが「間接部門の人件費が重い問題」です。

ここでいう間接部門には、主に経営管理部門の部署が入ります。
経理・財務・法務・労務・総務・経営戦略・経営企画・人事・広報などです。
業種によっては、営業部ごとに「営業事務」というポジションが設けられることがあるので、そういう部署があるときは営業事務も間接部門の一種となります。

これらの部署の人件費は通常、間接的にしか利益に貢献しないので「間接部門の経費」ということでPL上では「一般管理費」に計上されます。
そのため、間接部門の人件費が多ければ多いほど、営業利益が下がるのです。

営業利益は経営者にとって一番気になる利益といっても過言ではないですから、その利益が下がる要因である間接部門の人件費という問題は常に頭の片隅にあるのです。

そこで今日は、ベンチャー企業における間接部門の適正割合について検討していきたいと思います。
ビジネスモデルによって変動はあるものの、一つ目安となる割合を考察してみましょう。

 

1.経営管理部門の人件費はなぜ重いのか

経営管理部門は、基本的には利益に貢献しない部署です。
あくまでも間接的にサポートして、事業が円滑に回ることを補佐します。

しかし、その業務が単純作業かと言われるとちょっと違います。

経営管理部門の部署の多くは、何らかの専門性を必要とする部署です。
経理財務であれば会計・財務理論の専門家である必要があり、法務であれば法律、労務であれば労働諸規則の専門家でなければなりません。

当然のことながら、それらの専門知識を獲得するためには長年の勉強と実務経験が必要になりますし、場合によっては資格等によって証明もしないといけません。
マネジメントを担えるクラスの人材となると、士業の有資格者も多くなり、年齢も30代半ば~40代以降の人が多くなります。
それゆえに、経営管理部門は比較的年齢層の高い専門職集団となりやすく、一人当たり人件費も比較的割高となります
その結果、間接部門であるにもかかわらず、人件費が重くなりやすいのです。

 

2.経営管理部門の適正割合

前述のとおり経営管理部門の多くは何らかの分野の専門家なので、経営管理部門は原則としてプロフェッショナル集団です。
とするならば、少数精鋭であるべきです。

したがって、全社員との関係では、頭数で10~15%程度に収めるのが適正割合であると考えます。
つまり、従業員100人のベンチャー企業であれば、経営管理部門のメンバーは10~15名程度が適正値です。

もし頭数でカウントしない場合は、費用でカウントしても構いません。
仮に営業マンが10億の粗利を上げている会社なら、そのうちの1.5億までを間接部門の人件費に充てられるということです。
売上で考えることもできますが、売上の10~15%だと間接部門のコストとしては大きくなりすぎるかなと思います。

私が思う適正割合は上記のとおりですが、果たして頭数15%以下、粗利15%以下で経営を回せている会社がどれほどあるかと言われると、かなり少ないのが現状だと思います。
多いところでは、間接部門の人数が全社員の30%を超えている会社もあります。
わかりやすくいうと、10人の営業マンについて3人以上事務がついている状態です。
感覚的にすごく多いことがわかると思います。

10人の営業マンが、3人の事務員を食わせられるだけの利益を上げ続けられたらいいでしょうけど、営業マンにも高利益人材と赤字人材がいるはずですから、そう上手くは行きません。
そのため、多くの場合、間接部門の頭数割合が30%もあると営業赤字になります。

ではなぜ、利益を生まない間接部門の頭数が増えすぎてしまうのでしょう?
その原因と対応策について考えてみましょう。

 

3.経営管理部門が多くなる原因

私も長年経営管理部門に所属しておりますが、管理部門というのはちょっとでも気を抜くとすぐに人が増えそうになります。
その原因を考えてみます。

様々な理由があるとは思いますが、私は以下の4つが主な原因ではなかろうかと思っています。

  • (1)専門人材不足
  • (2)意識不足
  • (3)万が一に備えている
  • (4)離職率が低い

以下、それぞれ説明します。

 

(1)専門人材不足

経営管理部門の採用を担当するようになってやっと解ったことなのですが、転職市場に専門家が極めて少ないのです。

転職市場で、十分な専門知識もあって、マネジメント経験もあるというハイクラス人材と出会えることは殆ど無いといってもいいでしょう。
毎日転職市場の隅々にまで目を光らせ、友人や知人まで全部含めて転職意向のあるハイクラス人材がいないかを探索しても、なかなか見つからないものです。

大前提として、ハイクラス人材の多くは十分な待遇を得ているので転職しませんし、しようと思った場合でもすぐに別の会社からお声がかかるので、転職サイトやエージェントを利用するまでもないのです。
横の繋がりですぐに転職先が決まります。
わざわざリスク満載のベンチャーに来てくれるような人はほとんどいません。

そして、運良く転職サイトに登録してくれたとしても、数日でスカウトが数百件~1,000件くらい来ます。
その中から自分に合う条件を選び放題です。

また、ハイクラス人材の多くは士業資格を持っていることが多いので、独立することも可能です。
そして30代後半から40代前半はちょうど独立ブームになる年代なので、尚更人材不足が解消されません。
さらにいうと、日本の会社の多くは「若手を育てよう」などとは微塵も思っていない会社が多いので、管理部門の若手(20代後半~30代前半)の有望株が全然育っていません。
結果的に、常に人材不足で、解消の見込みもないという状況が続いています。

この傾向が特に強いのが、経理・財務・法務・労務・経営戦略です。

私は法務人材の一人なので、現実的なお話をすると、転職市場でベンチャー法務をすべて任せられるくらいのマネジメント層は、法務人材の100人に1人くらいしかいないという実感があります。
むしろ、100人のプロフィールを見て、そのうちの1人が自社に来てくれるなら凄まじい採用力です。
実態は採用が確定するまでに、エージェントの皆さんが代行する分を含めて500~1,000人くらいと接触を持たないといけないだろうと思います。
それでも優秀な人材を採用できるかは運次第です。

そもそも経理財務法務労務等は、極めて高い専門性が要求される部署で、かつ、常に学び続けなければいけない部署です。
それゆえ、よく学ぶ優秀な人は更に優秀になっていきますが、学ばない人間は何年実務経験を積もうが中途半端なままです。
そのため、二極化が進んでいて、真ん中くらいの程よい専門家というのがあまりいません。
とても優秀な人か、微妙な人のどちらかです。

とても優秀な人は前述のとおり転職しませんし、してもすんなり紹介で他社に入るか、恐ろしい数のスカウトの中から好条件を選ぶだけで良いので楽に決まります。
これが専門職の実情なので、ベンチャーが欲しがるようなハイクラス人材は常に不足しています。
その結果、本来であればプロフェッショナル1名で回せる仕事に2~5人採用しないといけなくなるのです。

これが経営管理部門の頭数が増えてしまう主たる原因だと思いますし、実情だと思います。

 

(2)意識不足

ここでいう意識不足には、2つの意味があります。

一つが、経営管理部門で働く人間の意識不足です。

もう一つが、経営層の意識不足です。

 

まず、経営管理部門で働く人間の意識不足について説明します。

経営管理部門の人材は、基本的には受け身な性格な人が多いです。
営業職ではないですし、その経験もない人が圧倒的多数だと思いますので「攻める」という意識はありません。
また、行動的傾向も保守的な人が多く、自己保身的ともいえます。
そのため、原則として能動的に動こうとはしません。
自分から進んで仕事を獲得しに行く人や自分から進んで勉強をしようという人はそこまで多くないのです。
明日は自分の存在価値が無くなるかも知れないという危機感をあまり持っていないように見えます。

一部の優秀な方については、強い危機感を持っていて、常に学び続けているのですが、このような意識を持っている経営管理部門の人は圧倒的に少ないと感じます。
何年もその分野の業務をやっているのに新しい知識が全然増えていない人もかなり多いです。

さらにいうと、自分の現時点の居場所を何が何でも守ろうとする人が多いです。
一生懸命「現状維持」をしようとしているのです。
大手企業であればそれでも許されるのかもしれないのですが、ベンチャーで現状維持をしようとするのは非常に危険な行為です。
むしろ、企業の成長との関係では害悪でしか無いと思います。

しかし実情としてはそういう現状維持型の人材が多く、成長しようという意識が乏しいので、ベンチャーの成長と共に新しい能力を持った誰かを採用せざるを得なくなっていきます。
現状維持をし続けるメンバー自体はそこに留まったままなので、頭数だけは増えていくという構造です。

 

 

次に、経営層の意識不足についてお話します。

ベンチャー企業の経営者の多くは、経営管理部門に対する知識が不足しています。
そのため、よくわからないから放置するという事態がよく発生します。
経営管理部門担当の役員(多くはCFO)を一人置いて「後は任せた!」と放任するのです。

しかし、CFOが経営管理部門全体のことを知っていることなんて稀です。
経営管理部門の割合等に関してはCEOが直接見ないといけません。
他の役員に対して放任して、放置した時点から、徐々に人が増え始めると思っていた方が良いくらいです。
なぜなら、多くのCFOにとって最大のリスクは「経営管理部が機能せずに責任を取らされること」なので、それを防ぐために余分に人を集めておく傾向があるからです。
それによって頭数ばかり増えていきます。

これからの時代、CEOなのに経営管理部門の知識が足りないというのは致命的です。
ちょっと調べればいろんなことがわかりますし、考えるチャンスが生まれます。
それにもかかわらず、事業だけに集中するというのは経営者としては微妙な意思決定です。
その結果、経営管理部門が強化されず、徐々に肥大化し、最終的に利益を圧迫してどう頑張っても利益が出ない組織体制になっていきます。

極めて優秀なCFOや管理部長を雇えたならこの事態を回避できるかもしれませんが、そういう人は極僅かです。
多くの役員は、管理部門が回らなくなるとすぐに増員で対応しようとします。
その結果、間接部門の経費がどんどん肥大化します。
CEOが意識的にコストカットしたり、体制強化をしたりしない限り、間接部門のコストは増大していくばかりです。

ただし、これはコスト意識だけを強く持てと言っているのでありません。
その意識だけを持つと、優秀な人材から辞めていくことになります。

大事なのはメリハリと採用です。

「本当に優秀なメンバー以外は入れない」という強固な意思決定と「優秀なメンバーには高い報酬を出す」という誠実性が重要です。
この意志がブレると、微妙な人材を採用してしまって人数だけが増えたり、優秀な人材を採用できたのにすぐに離職されてしまったりします。

経営管理部門にとって「優秀」とはどういうことなのか、CEO自身が一度深く考えてみてください。
経営管理部門のマネージャーには、どんな能力要素が必要で、どういう経営管理部門であってほしいのかを深く検討して、自分の中で明確な答えを持ちましょう。
それが採用基準になります。

 

(3)万が一に備えている

間接部門のコストが重い会社によくある事象の一つに、万が一に備えた組織戦略があります。

経営管理部門は、営業と同様に繁忙期があって、忙しい時期は本当に忙しいです。
日付が変わる頃に帰るということもよくあります。
この繁忙期にアクシデントが起こった場合、徹夜もあり得ます。

例えば、突然コアメンバーが退職したときや大きめの事件が重なったりした場合です。
こういうときは一時的にカオス状態になりますので、どうしようもない状態に陥ります。
場合によっては連鎖的退職が発生することもあります。

このような悲惨な状態を経験した経営管理部門の統括者は、万が一に備えた組織戦略を採用してしまうことがあります。
誰が欠けても良いように、少し余分に採用しておくのです。
私がその人の部下だったら「なんて素敵な上司!」と思うでしょう。

しかし、これは固定費を引き上げてしまう要因になります。
ただでさえ利益を生まない間接部門の経費が固定的に重くのしかかる戦略です。
よほど利益体質なビジネスモデルでもない限り、経営者としては愚策だと思います。

確かに、経営管理部門がいつもパツパツで、何かあった場合には即崩壊という状態はよろしくないです。
しかし、常に余裕があるというのもおかしな話です。
通常時が8割くらいの力で回せて、繁忙期は100%で回せる組織がちょうどよいバランスだと思います。
繁忙期なのに8割で回せるという会社は、間接部門の人件費が利益を圧迫してしまいます。

もしどうしても万が一に備えたいのであれば、私なら外注先を常に確保しておきます

会計分野であればWARCのようなハンズオン型コンサルにいつでも依頼できるように関係を構築しておきますし、法務なら弁護士事務所と仲良くしておきます。
労務分野なら社労士事務所、人事ならエージェントです。

全部を内製化しようとするより、外注を上手に活用した方がコストは下げられることが多いです。
経営管理部門の統括者になったら、まずは様々な外注先の経営者クラスの人と仲良くなっておくべきです。
困った時、本当に頼りになるので。

 

(4)離職率が低い

最後に、経営管理部門の離職率の低さが原因としてあると思います。
一度入ったらなかなか辞めないので、頭数が減らないのです。

離職率が低いこと自体は良いことのようにも思えます。
確かに、優秀な人材については離職率が低い方が望ましいことです。
しかし、明らかに能力が不足していて、勉強や努力もしない現状維持をし続ける人の場合はどうでしょう。
そういう人たちが多く残ってしまった組織は、人件費という固定費だけが重くのしかかる組織になります。

それだけで済めば良いのですが、実態としてはもっと悪い影響を及ぼします。
その悪影響とは、優秀な人材のモチベーションを削ることです。

能力不足で成長もしない人が多く在籍している組織では、難易度の高いタスクを処理できない人ばかりなので、そういった手間暇のかかる作業がすべて優秀な人材のところに回ってきます。
そうやって優秀な人材の稼働時間だけが増えていき、近い将来限界を迎えます。
そういう優秀な人たちは、外部とほんの少し交流を持っただけで「うちに来ませんか?」と声がかかりますので、もう嫌だなと思った瞬間に転職先が決まって辞めていきます。
これが長く続くと、優秀な人材ほど辞めていき、学ばない人ほど行き先がないから居続けるという状態が生まれるのです。

現に、とある会社では経営陣の意思決定に大きめのミス(不誠実な意思決定)が出たとき、その意思決定に納得ができない優秀層がごっそり辞めるという事態が発生しました。
わずか半年くらいの期間に、マネージャークラスの優秀層が5人以上抜けたのです。
もちろん、経営管理部門がガタガタになりました。
元々いたマネージャー達と同等クラスの人材なんてそう簡単に見つからないですから、結果的に人数で対応するしかなく、辞めた人数の倍近い人員を採用することになっています。
間接部門の大幅なコスト増です。
残念ながら今も営業赤字を出し続けていますが、どこまで耐えられるかは資金調達次第だなと思います。

離職率が低いというのは、優秀層については素晴らしいことですが、それ以外の層については適切な新陳代謝が起こらないと組織は弱体化していきます。
経営陣は、自社の経営管理部門の離職率の低さと能力の向上度合いをよく分析し、対応策を考える必要があります。

もし仮に、離職率は低いけど全体的な能力は数年前から全然変わっていないという状況だと、かなり危険な状態だと言わざるを得ません。
速やかに意識革命を行うべきですし、社内教育や採用に力を入れないといけない時期です。

 

4.経営管理部門のコスト削減案

上記の原因がそれぞれある程度正しいと仮定すると、その対応策にはどのようなものがあるでしょうか。
経営管理部門のコスト削減に繋がると思うので、少し考えてみましょう。

経営管理部門の人員が増加してしまう原因(私見)は、以下のとおりです。

  • (1)専門人材不足
  • (2)意識不足
  • (3)万が一に備えている
  • (4)離職率が低い

この4つの原因それぞれに対応する策を検討してみます。

 

(1)人材不足に対する対応策

これについてはCEOが直で採用に本気出すしかないと思います。

転職市場に経営管理部門のマネージャーができるほどの人材は極めて少数です。
ゆえに優秀層の採用は実質的には「奪い合い」です。
基本的には複数社で取り合いになるので、年収をいくら提示できるか、報酬以外にどれだけの魅力を提示できるかで決まります。

このとき、CEOが直接動かないような会社は負けやすいです。

CEOが経営管理部のコアメンバーの採用に出てこないということは、それだけ管理部門を軽視していることの現れなので、優秀な人材であればそのことにすぐ気づきます。
採用が上手な企業は、転職サイトのプロフィールを熟読して、優秀そうな人についてはCEOが直接スカウトメールを送って、面談もすべてCEOが担当します。
それくらい時間を使って本気で対応しているから強い管理部を作れるのです。

ほとんどの企業では、スカウトメッセージの氏名欄だけ「代表取締役社長」になっていて、実は人事スタッフが代わりに送っているだけという不誠実なことをしているのですが、それで優秀な人材を獲得できるかといわれるとかなり怪しいです。
スカウトメールやその返信なんて数分でできることなのですから、他人任せにしてはいけません。

CEOの最重要任務は優秀な仲間を集めることです。
そこを疎かにしている時点でなかなか厳しいかなと思います。

仮にハイクラスエージェントを活用する場合でも、極力面談にはCEO又はCFOが出ましょう。
一次面接から役員が出てくる会社は、優秀な人材からもウケが良いです。
採用に本気なんだなということが伝わるからです。

なお、上記でお話した常識的なテクニック以外でも、優秀な人材を獲得するための小技として以下のようなものもありますので、自社で活用できるかどうかご検討ください。

 

  • ハイクラス層専門かつ管理部門専門のエージェントを活用する
  • ダイレクトリクルーティングを行う
  • 候補者への報酬提示を早い段階で行う(高い報酬提示を早期に行える会社は強い)
  • 面接スパンを短くする(1次面接終了の2日後に2次面接をするなど)
  • プロのエージェントの報酬を一時的に上げる(紹介料率を35→50%にするなど)
  • プロのエージェントと一時的に優先紹介契約を締結する
  • プロのエージェントに先払方式の紹介契約を一時的に締結する

    など

 

ここであえて「プロの」という言葉を入れているのは、本当の意味での人材紹介のプロが少数だからです。

また、一般的にプロと呼べるだけの実績を出しているエージェントであっても、自社に合うかどうかはわかりません。
自社のビジネスモデル、文化、採用方針、欲しい人物像など様々な点で合う合わないがあるので、自社にとって最高のエージェントを見つけてください。
それが最も効率的に優秀な人材を獲得できる方法だと思います。

 

(2)意識不足に対する対応策

こちらも採用が重要になってきます。

受動的な人間がある日突然能動的になるということほとんどありませんから、最初から能動的で、よく学ぶ、意欲あふれる人を採用すべきです。
そういう人は転職市場には極々少数しか存在しないので、もし見つけたら意地でも引っ張ってくる覚悟を持ってください。
長い時間をかけて口説き落とすしかありません。

最も効果的には高い報酬を提示することだと思いますが、ベンチャーだとそれが難しいということがあると思います。
その場合は、とにかく時間をかけて自社のことを知ってもらってください。
社内のメンバーと食事会を設けたり、オフィスに遊びに来てもらったりして、少しずつ愛着を持ってもらうと良いです。

そのときの交通費や食事代などはもちろん会社負担で対応しましょう。
そういう些細なコストでも、人間の心は動くものです。

 

(3)万が一に備えていることに対する対応策

こちらについては外注先をリストアップして、繋がりを作っておくと良いです。

会計分野であれば弊社のCo-WARC(コワーク)でもご支援できるかもしれません。

 

 

一方で法務系であれば、企業法務系の弁護士事務所を3つは用意しておきたいところです。
4大事務所だとフィーが極めて高いので、中堅か小型の企業法務系弁護士事務所との繋がりをいくつか持っておくと良いかと思います。
知財戦略として、特許事務所なども最近では重要になってきているので調べておくべきです。
労務分野は社労士事務所、税金分野は税理士法人を確保しておくことも重要です。

人事(採用)であれば、弊社のWARC AGENTがありますので、必要に応じてこの記事の下部ページからご連絡ください。

 

(4)離職率に対する対応策

この点については、上記(1)~(3)までを実施していれば自ずと解決されるかと思います。
ただ、全社的な制度設計として、優秀な人材がずっと働きたいと思えるような制度を作っていかないといけません。

そして、優秀でない人材、成長しない人材をどうしたいのかという点もしっかり検討しておく必要があると思います。
サボりまくる人を放置すると、優秀な人材は愛想を尽かして辞めていきますから、厳重注意等はすべきだと思います。

 

おわりに

長くなってしまいましたが、今日は経営管理部門の適正割合について考えてみました。
業種によって適正割合は異なると思うので、一概には言えないところがありますが、私はやはり全社員の頭数の10~15%がしっくり来ます。
そのくらいの頭数で回せないなら何かが非効率的になっていると思うべきです。

業務プロセスをほんの少し工夫するだけで、一人分くらいのコストはすぐに削減できます。
経営管理部門の業務は本来的に無駄が発生しやすいので、一度固定概念を捨てて、本当に必要なコアタスクは何なのかを考えてみると良いかも知れません。
特に上場企業の場合、業務の厳格性が求められるがゆえに無駄なタスクが増えがちです。
会社が大きくなればなるほど、無駄が発生しやすいので、早い段階でタスク整理を行うことをオススメしたいところです。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
本記事が参考になることを願っております。

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内容に応じて担当者がお返事させていただきます。

著者画像

株式会社WARC

瀧田桜司

役職:株式会社WARC 法務兼メディア編集長/ 学歴:一橋大学大学院法学研究科修士課程修了(経営法学)及び京都大学私学経営Certificate/ 執筆分野:経営学・心理学・資格・キャリア分野のコラム記事を担当させていただく予定です

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