「このまま今の会社で働き続けていて、出世できるのだろうか……」と悩みながら日々業務に取り組んでいる内部監査の担当者は少なくありません。内部監査の仕事は専門性の高い職種である一方、キャリアパスが見えづらく、将来に不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
今回は、内部監査からのキャリアアップ戦略について徹底解説します。社内での昇進を目指す方法や、転職エージェントを活用したキャリアチェンジのコツをまとめたので、参考にしてみてください。
内部監査は、専門性と信頼性が評価されるポジションです。まずは、内部監査の役割や重要性、出世コースについて紹介します。
内部監査は企業の信頼性を守る「最後の砦」として、経営層にとって不可欠な存在です。
内部監査の主な役割は、業務が社内ルールや法令に適合しているかを確認し、リスクを未然に防ぐことです。単なるミス探しではなく、経営課題の可視化や、業務改善の提案など、企業の健全な成長を支える視点が求められます。
たとえば、社内での不正リスクを検知し、早期に経営層へ報告できる体制を作ることは、株主や取引先からの信頼を維持するうえでも重要です。また、昨今は「ガバナンス(企業統治)」の観点からも、内部監査の機能強化が求められています。内部監査が経営層のパートナーとして認識されることが増えており、その重要性は年々高まっているといえるでしょう。
内部監査は、他部門への出世ルートとしても非常に有利なポジションだといえるでしょう。理由は、会社全体の動きを把握し、経営課題に深く関与できるからです。
監査部門に在籍しながら、現場の非効率な業務を分析し、改善提案を通して収益性を高めた実績は、経営陣から高く評価されます。こうした実績は、将来の経営企画部門や管理職登用への布石になるでしょう。
さらに、監査で関わる領域は多岐にわたるため、他部署への異動や横断的なプロジェクト参加の機会も多く、自らの市場価値を高めやすいという利点もあります。つまり、内部監査は「評価されにくい地味な部署」ではなく、「出世の近道」として大きな可能性を秘めているのです。
内部監査でキャリアアップするためには、スキルと知識の習得が不可欠です。組織内での信頼性を高め、出世への道を切り拓くために必要なスキルと知識を紹介します。
内部監査人には、内部統制や関連法令に関する深い理解が求められます。内部統制の仕組みや、J-SOX法(内部統制報告制度)などの法令を正確に理解し、業務が適切に行われているかを評価する能力が必要です。これにより、リスクの早期発見や適切な対策の提案が可能となります。
また、資格取得も有効で、中でもCIA(公認内部監査人)は内部監査の専門性を証明する国際資格として知られています。
内部監査の現場では、複雑な業務プロセスを分析し、潜在的な問題点を特定する能力が不可欠です。具体的には、業務フローの非効率性やリスク要因を見抜き、データに基づいた改善策を提案する力が求められます。このスキルを磨くことで、組織全体のパフォーマンス向上に貢献し、経営層からの評価も高まるでしょう。
内部監査人は多様な部門と連携し、監査結果を的確に伝えるコミュニケーション能力が必要です。また、改善提案を実行に移す際には、関係者を巻き込み、プロジェクトを主導するリーダーシップも求められます。これらのスキルを備えることで、監査の成果を最大化し、組織内での影響力を高められるでしょう。
出世やキャリアアップのためには、知識やスキルを身につけるだけでは不十分です。日々の業務で「どのような実績を積み上げるか」が問われます。以下で、キャリアアップのための実践的なステップをみていきましょう。
監査で気づいた課題に対して、自ら改善策を提案・推進した経験は、社内で高く評価されます。
たとえば、非効率な業務プロセスを改善する提案や、リスク低減のための具体的なフロー構築などは、組織にとって直接的な価値となります。
さらに、単発ではなく継続的にPDCAを回し、改善後の効果測定まで行うことで、監査の枠を超えた「プロジェクトマネジメント能力」もアピールできるでしょう。実績は数値化して記録しておくと、上司への報告や将来の転職にも役立ちます。
資格取得は「能力の証明」以上に「学び続ける姿勢」そのものが評価され、キャリアアップへとつながるでしょう。たとえば、CIA(公認内部監査人)やCISA(公認情報システム監査人)は、内部監査の専門性を高める上で代表的な資格です。また、経営やリスク管理への理解を深めるために、中小企業診断士やMBA(経営学修士)の取得を目指す人もいます。資格は自身の専門性を示すだけでなく、社内外での信頼度にもつながるでしょう。
社内外で積極的にネットワークを築くことは、キャリア形成において欠かせません。内部監査の仕事は閉鎖的になりがちですが、他部署の担当者や外部の専門家とのつながりがあることで、情報収集力と提案力が向上します。たとえば、社外セミナーや勉強会への参加、SNSや社内ポータルでのナレッジ共有などが有効です。情報を「受け取る」だけでなく、「発信する」ことで、あなたの視点や実績が周囲に伝わり、評価されるチャンスが増えるでしょう。
内部監査での実績をもとに、より良い環境へ転職したいと考える方も増えています。しかし、専門性の高い職種だからこそ、転職には戦略が必要です。ここからは、転職エージェントを利用したキャリアチェンジの戦略について紹介します。
内部監査の経験を伝えるには「成果」と「再現性」を意識した自己PRが大切です。単なる職務の羅列ではなく、「どのような課題を発見し、どんな改善を行い、どのような効果を出したか」といったストーリーを具体的に記載しましょう。
たとえば、「非効率だった購買プロセスを見直し、年間500万円のコスト削減を実現」など、数字を盛り込むことで説得力が増します。また、社内だけで通じる言葉ではなく、第三者にも伝わる表現に言い換えることも重要です。監査業務に取り組む姿勢や、学び続ける姿勢も積極的にアピールしましょう。
内部監査職に特化した転職エージェントを活用すると、質の高い求人情報にアクセスできるだけでなく、書類添削や面接対策まで含めた手厚いサポートが受けられます。
エージェントは企業の採用背景を理解しているため、応募先ごとに最適なアピールポイントをアドバイスしてくれます。また、非公開求人やハイクラスポジションなど、自力では探しづらい選択肢に出会えるのも大きなメリットです。
転職を検討している段階でも、早めに相談することで市場価値の確認やキャリアプランの整理が進みます。信頼できるパートナーと二人三脚で転職活動を進めましょう。
内部監査の経験を活かして出世を目指すなら、戦略的なスキル習得と実績づくりが不可欠です。業務改善の実績や資格取得、ネットワーク構築を継続的に行うことで、社内での信頼を獲得し、管理職への道が開けます。
また、キャリアチェンジを検討するなら、転職エージェントに相談するのがおすすめです。着実な努力の積み重ねが、理想のキャリアへとつながる近道になるでしょう。
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