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コンサルタント
2024/06/23 更新

経営コンサルタントになる前に知っておきたいこと|やりがいとキャリアの可能性

最近では、さまざまな分野でコンサルタントと呼ばれる仕事が増えています。その中で、企業経営に関わるのが経営コンサルタントです。経営コンサルタントは魅力的なイメージがあり、多くの人がその仕事内容や年収に興味を抱くようになりました。

この記事では、経営コンサルタントの職務内容や平均年収、やりがいなどについて説明しています。経営コンサルタントへの転職に役立つ可能性がある資格や、将来性についても紹介しています。理解を深め、転職の際に役立てください。

経営コンサルタントとは何か?

経営コンサルタントは、企業や団体などからの相談に応じ、経営状態を詳しく調査・分析し、経営を向上させるための提案や指導を行う専門職です

企業が抱える課題に対処するために、戦略の立案から業務改善まで、幅広いコンサルティングサービスを提供しています。

また、経営に関するセミナーの講師や、経営や自己啓発に関する本を執筆するなど、クライアントの要請以外でも、経営コンサルタントは多岐にわたる分野で活躍している専門家です。

経営コンサルタントになるためには

経営コンサルタントになるためには、特定の必須資格はありません。ただし、経営コンサルタントが関わる分野は広範で、経営戦略、財務、人事、営業などに深い知識が求められます

経営コンサルタントとしての専門知識を身につける一般的な方法は、大学や大学院で経営学や経営工学などを学ぶことです。また、一般企業で経験を積み、その業界の知識と経験を活かして特定の分野のコンサルタントになる道もあります。

経営コンサルタントの多くは「コンサルティングファーム」と呼ばれる企業に所属しており、転職を考える場合は通常、コンサルティングファームへの応募が一般的です。

未経験から経営コンサルタントに転職する方法

コンサルティングファームでは、新卒や第二新卒などのポテンシャル採用も実施しています。ただし、基本的には前職の経験やスキルを活かして仕事に貢献してほしいという考えが一般的であり、そのため専門知識を有する中途採用者に注目しているのがほとんどです。

未経験から経営コンサルタントになることは容易ではなく、仕事に必要な資格や特定のスキルを身につけることが求められます。

経営コンサルタントの職務内容

経営コンサルタントは、具体的なデータや論理的思考力を駆使して企業の課題を解決し、業績向上を目指す役割を果たします。仕事の内容は案件やポジションにより異なりますが、まずは企業が抱える問題をデータや社内調査によって明らかにし、それをもとに検証・分析し、解決策を提案し、サポートが基本です。

支援の方法や内容には、クライアント企業の長中期戦略の立案やマーケティング戦略、デジタルトランスフォーメーション、新規事業の企画などがあります。さらに、人事、財務、IT、M&Aなど、企業の活動領域全体がコンサルティングの対象です。

経営コンサルタントが1人で全ての業務を担当するわけではなく、専門分野ごとのスタッフがチームを組んでプロジェクトを進めます。プロジェクトに関与する経営コンサルタントは、最終的な責任を負うパートナーから、リーダーとして活躍するマネージャーや、主導的なコンサルティングを行うコンサルタント、情報収集を担当するアナリストなどがチームとして組まれることが一般的です。

職位ごとに異なる仕事内容

経営コンサルタントの職務内容について、コンサルタントファームの異なるポジションを紹介します。呼び方はファームによって異なりますが、基本的な構造は同じです。

1.アナリスト

アナリストは、新卒や第二新卒などが最初に就くポジションであり、市場調査や分析を通じて必要な情報を収集するのが主な仕事です。この段階では、論理的思考力や仮説思考など経営コンサルタントとして必要なスキルを身につけていく過程です。

アナリストはクライアントとの直接交渉はなく、多くの資料に向き合いながら、解決に必要な情報の収集や分析、資料の作成を行います。アナリストとしての発見を地道に発信する重要なポジションであり、仮説構築のために必要なデータを確実に収集する必要です。

2.コンサルタント

アナリストを3年ほど経験した後、コンサルタントとなります。一般的に経営コンサルタントというと、この職位を指すことが多く、課題の解決に向けた仮説の構築や検証、コンサルティング実務の大半を担当するのが一般的です。

アナリストのように情報を集めるだけでなく、分析結果から自身の意見や考えを形成することが求められます。また、問題解決に向けたスケジュールを立てるためのセルフマネジメント能力も重要です。

3.マネージャー

マネージャーはプロジェクトのリーダー的な役割を果たし、進行の責任者です。アナリストやコンサルタントの仕事とは異なり、メンバーを指導して業務を進めたり、プロジェクト全体を俯瞰的に管理する役割があります。

マネージャーはメンバーの担当を割り振ったり、プロジェクトの管理やクライアントとの交渉を担当することが多いです。また、プロジェクトが黒字になるように予算を管理するのもマネージャーの業務に該当します。

4.パートナー

パートナーは共同経営者としての役割を果たす職位です。業務は大きく分けて2つあり、1つは新規顧客の獲得や開拓、プロジェクトの発注、もう1つはコンサルティングファームの経営そのものを担います。

パートナーは最も上位の職位であり、業務内容は広範で、大きなやりがいと責任が伴う役目です。経験が十分であってもパートナーに昇進することは容易ではなく、狭き門であり、魅力と充実感を得られる立場と言えます。

経営コンサルタントの魅力

経営コンサルタントが感じる魅力ややりがいは、具体的な要素がいくつかあります。以下に紹介するので参考にしてください。

企業の発展を支える

コンサルティングファームで携わるプロジェクトは、高度な難易度を持つ課題が多いです。

クライアントからの依頼を受け、経営上の課題を分析し、複雑な問題に取り組みながらも解決策を見つけ、全体のチームと連携してサポートしていくことが求められます。

提案した解決策が企業の業績向上に寄与し、最終的には企業の発展に繋がることは、経営コンサルタントにとって大きな達成感を生むでしょう。課題が厳しいほど、サポートした経営コンサルタントのやりがいも一層深まります。

卓越した人材と共同作業ができる

経営コンサルタントの環境では、卓越した人材との共同作業が増えるため、自身のスキル向上につながります。コンサルティングファームの同僚は、通常トップエリートであり、高いスキルの人ばかりです。

コンサルティング業務では、各スタッフの異なる知識やスキルを最大限に活用してプロジェクトの成功を目指す必要があります。全員が力を合わせて仕事を成し遂げる中で多くの学びがあり、自らの能力向上に寄与することでしょう。

多様な経験が積める

経営コンサルタントは日常的に多岐にわたるプロジェクトに関与します。全社戦略、IT戦略、財務戦略など、通常の企業の社員では部門のトップにしか経験できないプロジェクトにも参加も可能です。

また、クライアント企業の業界も通信、メディア、医療ヘルスケア、公共サービスなど幅広く、異なる業界や業種の様々なプロジェクトに携わることで、多様な経験を積み重ねることができるでしょう。

経営コンサルタントの平均年収は?

経営コンサルタントの年収は、経験や企業によって変わりますが、一般的には他の業種よりも高水準となっています。20代で480〜530万円(※1)、30代で670〜720万円、40代で810〜860万円が平均的な経営コンサルタントの年収です

職位によっても大きく変わり、マネージャーになると2,000万円を目指すこともできますし、パートナーになれば実績次第で2,000万円以上となることもあります。また、地方よりも、大企業が集中している首都圏の給与の方が高い傾向があります。

(※1)参考:求人ボックス「経営コンサルタントの仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)」

経営コンサルタントに必要なスキルや適性

経営コンサルタントは通常専門分野の知識が豊富であることが求められますが、その他にも業務遂行において不可欠な能力が存在します。ここでは、一般的な経営コンサルタントに期待されるスキルや適性についてご紹介するので参考にしてください。

論理的な思考力

経営課題に取り組む経営コンサルタントの業務では、「根拠」→「結論」の論理的な進行が重要であり、高い論理的思考力が不可欠です。

このスキルはプロジェクトの進行において基盤となり、論理的思考を駆使して仮説を構築し、課題解決をサポートしていく役割があります。論理の道筋がただ通るだけでなく、あらゆる要素を検証・検討し、クライアントに最も論理的なアプローチを提供することが求められます。

分析力と洞察力

クライアントの抱える課題の核心を把握するには、現状を正確に分析するスキルと、見えない深層部分を洞察する力が必要です。卓越した洞察を得るには、異なる視点から物事を見つめたり、多角的な視点を持つことが大切になります。

日頃から問題を発見し、解決策を考案する習慣を身につけ、直感的な思いつきを検証することで、洞察力を向上させることが可能です。

コミュニケーション能力

プロジェクトチーム内には専門分野の異なるメンバーが参加し、関係者との協力が求められるため、高いコミュニケーション能力が必要です。

クライアントやメンバーと効果的な意思疎通を図り、円滑なコミュニケーションを築くことは、プロジェクトの適切な進行に不可欠でしょう。同時に、仲間と協力して仕事を進める協調性や人間力、自分の提案を分かりやすく発信するプレゼンテーション能力も重要です。

肉体的にも精神的にも強い

経営コンサルタントの仕事は一見華やかな印象を受けるかもしれませんが、実際には地味で厳しい局面もあります。クライアントの要望に迅速に対応したり、様々な問題に直面することも多いでしょう。

これらを解決し、プロジェクトを成功に導くためには、精神的にタフであることが不可欠です。また、経営コンサルタントは多忙な職業でもあるため、体力的にも耐え忍ぶ力が求められます。

外国語能力

経営コンサルタントの業務では一定以上の英語力も必要です。国内案件が主体のコンサルティングファームでは、高い英語力が求められない場合もありますが、戦略系のコンサルティングファームではTOEICなどのスコアが要求されることがあります。

ファームによっては日本人だけでなく、異なる国籍のコンサルタントが働いていることもあるため、社内で使用される言語が英語である場合も多いです。外資系企業ではクライアントが海外企業であることも考慮され、TOEICのスコアよりもネイティブとの会話力が重視されることもあります。

経営コンサルタントとしての仕事に着手する前に、英語力を身につけておくことがオススメです。

経営コンサルタントの資格として活かせるもの

経営コンサルタントは高度で広範な知識やスキルが求められる職業です。仕事に役立つ基盤となる資格を取得することは役立つでしょう。

①MBA(経営学修士)

経営コンサルタントとして業界を問わずに有益な資格の一つは、MBA(経営学修士)です。MBAは学位でありながらも、ビジネススクールで学ぶことで事業戦略、マネジメント、問題解決、論理的思考など、ビジネスの実践に直結する知識を得ることができます。

このため、MBAは戦略系、財務系、事業再生系などの多岐にわたる領域のコンサルティングファームで評価が高く、転職にも有利です。

②税理士・公認会計士

税理士や公認会計士はファイナンス領域の専門家であり、会計コンサルタントやM&Aアドバイザーとしての資格です。これらの資格を有することだけでなく、実務経験も重要視されており、中堅層よりも経験が豊富な者が求められることがあります。

実務経験が不足している場合でも、税理士や公認会計士の知識を持ちつつ、実務経験を積んでいくことが重要です。

③中小企業診断士

日本では中小企業が企業全体の大半を占めており、その多くが様々な問題に直面しています。中小企業診断士は中小企業の問題解決や経営改善をサポートするプロフェッショナル資格です。

中小企業診断士資格を取得することで、経営コンサルティングで必要なスキルや知識を身につけることができます。経営コンサルティング会社だけでなく、独立や開業も視野に入れることができる資格です。

④TOEIC

コンサルティング会社に就職する際、TOEICなどの英語系の試験で一定以上のスコアを保有することが必須条件とされています。採用企業は英語力を特に重視する傾向が高いです。

外資系のコンサルティングファームでは英語の使用頻度が高く、英語での業務能力も大切にされます。戦略系のコンサルティングファームでも、TOEIC 800点以上を求められることが一般的であり、これを取得しておくことがオススメです。

経営コンサルタントのキャリアパスについて

経営コンサルタントのキャリアパスは、先に紹介した「職位ごとの仕事内容」にもあるように、コンサルティングファームでは、実力や経験に応じて職位が変遷していく仕組みとなっています。

通常、最初はアナリストとしてスタートし、その後コンサルタント、マネージャー、そしてパートナーとキャリアアップするケースが一般的です。アナリストは通常3〜4年の経験を積み、コンサルタントになるには5〜10年の経験が求められます。コンサルタントとしての実績を重ね、経験を積む中で、転職や独立開業を選択するケースも最近では多いです。

経営コンサルタントの将来性について

経営コンサルタントの将来性については、今後コンサルティング業界の需要が拡大すると見込まれます。企業はますます競争が激化し、業務の効率化を図るために職場環境や労働時間の見直し進んでいる企業が多いです。また、コロナ禍の影響で企業が経営に苦しむ中、新たな戦略を模索する需要が増加しています。経営コンサルタントは企業に経営改善のアドバイスを提供する役割を果たすため、経営困難な企業が増加する状況は、コンサルティング業界にとってはチャンスです。

さらに、これまでにない分野での需要も増加しており、AIやクラウドサービスなどの領域においてもアドバイスが求められています。このような状況から経営コンサルタントの将来性は高く、需要が一層増加する見込みです。

経営コンサルタントは将来性が高くやりがいがある仕事

経営コンサルタントは将来性が高く、やりがいのある仕事です。彼らは企業の経営課題を解決し、業績を向上させて発展に寄与する不可欠なアドバイザーと言えるでしょう。経営コンサルタントになると、高水準な年収と共に大きな達成感を得ることができます。ただし、これには高い専門知識や能力、論理的思考力、そして英語力などが必要です。

経歴を活かして経営コンサルタントに転職を考える場合は、先述したような資格やスキルの習得をするようにしましょう。転職の成功に一歩近づけます。経営コンサルタントの需要は今後も増加が見込まれているため、必要な知識や能力を身につけ、ぜひ転職を成功に導きましょう。

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株式会社WARC

WARCエージェントマガジン編集部

「人材紹介の『負』の解消を目指す、新しい転職エージェント」をビジョンに、ハイクラス人材紹介事業を展開しているWARC AGENT。WARCエージェントマガジン編集部は、このビジョンを支えるために、転職者に役立つ情報を執筆し、個々のキャリア形成をサポートしていきます。

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