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2024/06/29 更新

リファラル採用の仕組みとそのメリット・デメリットを詳しく解説

「リファラル採用」という言葉をご存知ですか?リファラル採用は、企業にとっては多くの利点があるため、最近この採用手法が普及しています。しかし、就職希望者の視点からは、情報が不足していて受動的なアプローチになりがちです。

この記事では、リファラル採用の仕組みと、求職者にとっての利点や欠点、採用されるための重要なポイントについて解説しています。リファラル採用に関心がある方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

リファラル採用について

リファラル採用とは、社員が自身の知人や友人を会社に推薦し、その推薦を通じて採用につなげる方法やプロセスです

「リファラル」は英単語の「referral」に由来し、この文脈では「紹介」「推薦」といった意味を持ちます。アメリカでは、リファラル採用による採用者も多く、近年日本でも特にベンチャー企業などでこの採用手法が広まりつつあります。

具体的な方法は企業によって異なりますが、選抜された社員がチームとしてリクルート活動を行ったり、全社員に推薦候補者を提案するよう促したりするケースがあります。いずれの場合も、リクルーターに求める候補者のプロフィールを共有し、それに合致する知人を推薦してもらうという基本アイデアは共通しています。また、リファラル採用に成功した場合、推薦者には報奨金などのインセンティブが与えられることが一般的です。

縁故採用との違いは?

「縁故採用」と「リファラル採用」は、どちらも人との繋がりを活かした採用方法ですが、いくつかの違いがあります。それは、「紹介者の身分」「選考基準」「採用前の確約」などです。

「縁故採用」では、候補者を紹介するのは通常、社長や重要な役員、または取引関係にある要人などです。この場合、候補者は採用の確約が事実上あり、個人の適性などはほとんど関係ありません。

対照的に、「リファラル採用」では、一般社員が候補者を紹介します。候補者のスキルや適性は、採用の可否に影響することがほとんどです。候補者が適性に合わないと判断されれば、採用が見送られることもあります。

リファラル採用が注目の理由

近年、「リファラル採用」が注目されている背後には、効果的な人材獲得手段としての評価があるとされています。

現在、労働力人口は減少傾向にあり、これがしばらくの間改善されないことが確実視されています。そのため、企業は人材を確保し、採用した社員が離職しないようにしたいと考えているのです。

リファラル採用は、企業にとって、通常の採用方法よりも適した候補者を見つけやすく、離職率も低いという特徴があります。このような利点により、人材確保の問題に対処できる可能性が高まっています。

さらに、一般的な求人広告や人材紹介サービスに比べて、採用コストを削減できるという点も、リファラル採用が注目されている理由の一つと言えます。

リファラル採用の利点

リファラル採用は企業にとってメリットがあるだけでなく、採用された労働者にも多くの利点があります。以下では、リファラル採用の働く側の利点を詳しく説明します。具体的には以下のような点が挙げられます。

リファラル採用の働く側の利点

  1. 仕事内容や社風をよく理解できる
  2. 質問しにくい情報を知る手助けがある
  3. 会社に適応しやすい環境が提供される

これらの利点は、友人や知人による紹介だから発生するものです。それぞれの利点を詳しく見ていきましょう。

仕事内容や社風をよく理解できる

最初に、仕事内容や社風をしっかり理解できる機会があります。採用プロセスでは、通常の応募よりも気軽に会社を訪問し、担当者とオープンにコミュニケーションをとることも可能です。このため、会社の実際の雰囲気をより身近に感じることができるでしょう。さらに、リファラル採用は、一般的に採用プロセスに時間をかける傾向があるため、会社を深く理解する機会が豊富にあります。

また、リファラル採用は本来、社員が知人を紹介する方法です。紹介者である知人は、すでにその会社で働いており、社内の状況を理解しています。したがって、入社前に知人から会社について情報を得ることができ、事前に詳しく理解してから入社するか判断することができます。

質問しにくい情報を知る手助けがある

仕事内容や社風についても同様ですが、通常は少し尋ねにくい情報も友人を介して簡単に聞き出せます。例えば、残業時間や上司との関係などは、場合によっては質問しにくいトピックかもしれません。しかし、こうした詳細な情報も、親しい友人ならオープンに質問できるでしょう。

紹介する側は、友人に自信をもっておすすめできる会社だと考えているはずです。そのため、気になることは気にせずたくさん質問してみましょう。

会社に適応しやすい環境が提供される

リファラル採用で入社する場合、働く側にとって、会社に馴染みやすいのも利点です。

知人が会社と候補者の両方に精通しているので、両者をスムーズにつなげることができます。紹介者は会社の業務内容や社風を把握はもちろん、会社が求める人物像について理解しており、その条件に合う人を推薦します。したがって、適合度が高く合格しやすいでしょう。

また、同じ会社に友人がいることは、入社者にとって安心感をもたらします。さらに、友人とは通常、共通の興味を持つことが多いため、友人がすでに会社に馴染んでいるのと同じように、新入社員も迅速に適応できる可能性も高いです。

リファラル採用の欠点

リファラル採用は多くの利点がある一方で、欠点も存在します。以下では、その欠点について説明します。

リファラル採用の欠点

  1. 自己応募が難しい
  2. スキルが不足していると受け入れられにくい
  3. 知人との職場での関係が複雑な場合もある

採用プロセスは「紹介に頼る」という性質上、積極的な姿勢が求められず、友人を介した採用には独自の難しさがあることがあります。詳細は以下で見ていきましょう。

自己応募が難しい

リファラル採用は、自分から希望して応募はできません。この方法の特性上、企業は通常、公然と求人広告を出すことがないからです。

基本的に、自分で「会社を選ぶ」というよりも、最初に友人や知人に「候補として選ばれる」ことが機会を提供します。雇用主からすれば、「優れた候補者を見つける」という積極的なアプローチです。しかし、雇用される側から見ると、自発的な方法ではなく、受動的な方法になってしまいます。そのため、自分でできることはほとんどないと言えるでしょう。

転職を検討している場合、普段から友人や知人と連絡を取っておくことで、機会が巡ってくる可能性はあるかもしれません。ただし、それが確実な方法ではないので注意してください。

スキルが不足していると受け入れられにくい

スキルや専門知識などが不足していると、リファラル採用に選ばれにくいというデメリットも存在します。リファラル採用は紹介制度であるため、先に述べたように、採用される側から見ると選ばれるために積極的にアピールする必要があります。選ばれるためには、得意なスキルやアピールポイントを持つことが重要です。

リファラル採用において、会社が求める理想の人物像は、通常、「〇〇のスキルを持つ人」など、スキルが重要な条件となることが多いです。人柄が良くても、紹介する側がスキルを説明しづらい候補者は、紹介の機会が減少するでしょう。仮に紹介されたとしても、会社がその候補者を選ぶ可能性は低いと考えられます。

知人との職場での関係が複雑な場合もある

時には、知人との社内での関係が複雑になることもあります。例えば、会社内では知人が自分の上司だったり、入社後に会社の実態が予想と異なっていたとしても、友人の前ではなかなか転職を検討しにくい場合もあるでしょう。また、知人が同じ会社にいることは、一部の人にとってはプレッシャーになることもあるかもしれません。

こうした問題を避けるために、入社を決断する前に十分に検討することが重要です。ミスマッチを防ぐために、仕事内容や社内の人間関係などをじっくり確認し、検討するようにしてください。

リファラル採用で採用されるためのポイント

リファラル採用で友人や知人から声をかけられたとしても、無条件で必ず採用されるわけではありません。したがって、リファラル採用での成功のためには以下のポイントに気を付けることが重要です。

リファラル採用で採用されるためのポイント

  1. 明確な志望動機を持つ
  2. 会社の実態を徹底的に理解する
  3. 事業について意見を交えられるように準備する

これらのポイントは一般の求人応募にも当てはまりますが、リファラル採用では見逃されがちなことがあるため、それぞれに焦点を当てて考えてみましょう。

明確な志望動機を持つ

まず、意識的に志望動機を明確にしましょう。通常の応募なら、志望動機は綿密に考えて練ることが一般的です。しかし、リファラル採用の場合、この点がおろそかにされることがよくあります。

自分自身が転職を意識していなかったり、転職先としてその特定の会社を考えていなかったりする場合でも、リファラル採用では突然選考の対象となることがあります。そのため、志望動機を明確にする重要性が度々忘れられがちです。

リファラル採用においても、選考プロセスは通常の採用方法と同じように進行します。特に、志望動機を綿密に考えることは通常の採用プロセスと同じくらい重要です。

会社の実態を徹底的に理解する

リファラル採用において、友人や知人からの紹介を受けるという点は確かですが、それが必ずしも自分がその会社に適しているとは限りません。どのようなポジションやスキルを会社が求めているかを理解しましょう。これに合わせて、自己PRを行えるようにすることが重要です。

同様に、その会社が自分に合っているかどうかも確認しましょう。友人からの推薦や選考に選ばれることは嬉しいものですが、会社に対して偏った視点で評価しがちです。転職の際は、将来にわたり自分と会社のためになるかどうかを客観的に評価する必要があります。そのためにも社風、人間関係、仕事内容、労働条件などを細かく把握しましょう

事業について意見を交えられるように準備する

その会社の事業について議論できるように準備しておきましょう。

リファラル採用の場合、面接というよりも面談のような形で選考が行われるケースがあります。その際、質問に答えるのではなく、その会社の事業についてディスカッションすることが求められます。対策や準備として、その会社の事業や業界について情報を収集し、質問される可能性があるトピックについて自分の意見や考えを整理しておきましょう。

一般的な求人に応募する際にも、応募先の企業や業界についての調査は通常行われるべきです。リファラル採用の場合も同じように情報を収集し、加えてリファラル採用特有のディスカッションに備えることが重要です。

リファラル採用と転職活動は効率的に

リファラル採用は、働く側にとっても多くのメリットがある採用制度です。したがって、自分から積極的にリファラル採用へのアプローチは難しいことがあります。転職を考えている場合、まずは通常通りの転職活動を進めることが大切です。そして、リファラル採用の機会が訪れた際に、その選択を検討するのが適切でしょう。

転職活動を効率的に進めるには、求人情報が豊富なウェブサイトを利用することが鍵です。リファラル採用を求めて、自分に適した企業を見つける場合、求人情報サイトを活用してみてください。多くの求人情報が掲載されています。

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株式会社WARC

WARCエージェントマガジン編集部

「人材紹介の『負』の解消を目指す、新しい転職エージェント」をビジョンに、ハイクラス人材紹介事業を展開しているWARC AGENT。WARCエージェントマガジン編集部は、このビジョンを支えるために、転職者に役立つ情報を執筆し、個々のキャリア形成をサポートしていきます。

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