監査法人BIG4は、日本で最も規模の大きい4つの監査法人を指します。それぞれの企業の特徴やプロフィールについてご紹介するので、参考にしてください。
有限責任あずさ監査法人(KPMG)は、日本中に約6,000人のスタッフを擁するクライアントアドバイザリーサービスを提供しています。2003年に設立され、2度の合併やBIG4との提携により形成された法人です。監査や保証業務の他にも、金融やIT、アカウンティングアドバイザリーなど多岐にわたる事業を手がけ、全国各地に事業所を展開しています。
有限責任監査法人トーマツは、日本初の全国規模の監査法人を展開したグループです。1968年に5都市で始まり、現在は国内30箇所に拠点を広げています。監査だけでなく、IPOやIFRS、監査アドバイザリーなどの幅広いサービスを提供し、AIを活用した新しいデータ分析にも注力しています。
PwCあらた有限責任監査法人は、2016年に有限責任監査法人に移行した比較的新しいグループで、プライスウォーターハウスクーパースのメンバーファームです。海外企業が多くクライアントとしている法人であり、監査業務に加えて会計や内部統制、リスク管理などのアシュアランスサービスにも力を入れています。
EY新日本有限責任監査法人は、日本で初めて有限責任監査法人となった歴史あるグループで、アーンスト・アンド・ヤングのメンバーファームでもあります。メーカーや銀行、電力や不動産分野を得意とし、高い実力を持つグループです。歴史がありつつも、大規模クライアントに対する高い専門性が特徴です。
監査法人BIG4に勤める場合の、年収や初任給などの情報を比較し表にまとめました。全て2023年9月時点の情報で、平均年収データは公認会計士以外の業種も含まれた数値です。
法人名 | 平均年収 | ボーナス支給回数 | 初任給 | 業務内容 | 会社規模 |
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有限責任あずさ監査法人 | 756万円 | 年2回 | 32万円 | 監査業務、アドバイザリー業務 | 6,735名(令和5年6月30日現在) |
有限責任監査法人トーマツ | 772万円 | 年3回 | 32万円 | 監査業務 | 7,845名 |
PwCあらた有限責任監査法人 | 726万円 | 年1回 | 40万5,740円(みなし残業代含む) | 監査業務、アドバイザリー業務 | 3,006名 |
EY新日本有限責任監査法人 | 759万円 | 年2回 | 32万円 | 監査業務 | 5,859名 |
平均年収は法人ごとに差がありますが、残業の有無を考慮するとそこまで大きな違いはないと考えられます。初任給に関してもPwCあらた有限責任監査法人が最も多く見えるものの、みなし残業代を含んでいるため各社で大きな差はないでしょう。
監査法人BIG4が転職市場で注目を集めている理由について、多くの人が疑問に思うでしょう。公認会計士としてスキルを向上させたい人にとって、BIG4が好都合な条件であることを理解してください。
BIG4は能力主義が根付いており、若くても高いスキルを持てば高収入の可能性が高いです。他の企業と比べても、入社直後の初任給が平均以上であり、実力をしっかりと評価しようとする姿勢が見受けられます。経験者がスキルを発揮して転職すれば、順調に成果を上げ、年収1,000万円に達することも考えられるでしょう。
BIG4に所属することで、大規模な企業やグローバル企業の大きな案件に関わる機会が増えます。規模の小さい企業では経験できないようなプロジェクトに参加できる可能性が高まるでしょう。クライアントが主に大企業であるため、手がける案件も大規模かつ多岐にわたり、大企業の財務状況に触れる機会が増加し、知識や経験の向上に寄与します。
BIG4は海外の大手会計事務所との連携があり、グローバルなキャリアを築くことが期待できます。国内だけでなく国際的な大企業との関わりが多く、外国人との交流が増える環境です。プロジェクトが国際的な内容であることもあり、外国語スキルを活かしたい人にとって理想的でしょう。
最後に、BIG4で手がける案件はボリュームが大きく、高度で細かい専門スキルを身につけることができます。大手企業や外資系をクライアントに持つため、プロジェクトの規模も大きく、チームでの作業により個々の専門スキルが要求されるでしょう。業務が詳細に分かれるため、自分の担当する仕事において深く知識を積み重ねられます。
監査法人BIG4で高い収入が期待できる理由について、多くの人が気になるでしょう。その理由として、求められるスキルの高いレベルや案件の報酬が大きいことが挙げられます。
BIG4は自体が大手であるだけでなく、クライアントの規模も大きいため、高収入が見込まれます。大規模な企業をクライアントに持つ場合、会計処理のボリュームが増え、難易度も高いです。これにより、1件あたりの単価が高額になります。BIG4に所属する多数の専門家が煩雑な処理にも対応できるため、企業経営の安定性が高いと言えます。
BIG4は日本国内だけでなく、海外企業のクライアントも多いため、幅広い顧客から得られる利益が増大します。中小法人が主に国内市場を対象とするのに対し、BIG4は国際的な規模でクライアントを抱えることから、市場の幅が広くなるでしょう。これが大きな利益をもたらし、公認会計士ひとりひとりに還元される報酬も自ずと高水準になります。
BIG4では業務において高度な専門性が求められるため、入社する公認会計士は高収入の傾向があります。BIG4は業界で信頼のある名門であり、クライアントはその信頼を大いに寄せられているのです。クライアントの期待が高い分、各部門において求められる専門性も高度なものとなります。初任給は高額で魅力的ですが、それに見合った高度なスキルを身につける必要があることを理解しましょう。
BIG4での経験後、どのようなキャリアパスを選択するかは重要なポイントです。この業界の高い専門性から、将来の選択肢が広いことを理解しましょう。
一般の企業への転職が考えられます。公認会計士のスキルを生かすため、上場企業やIPO準備企業など、大規模な組織で求められるケースが多いです。決算処理やIFRS対応、有価証券報告書の作成などに精通した公認会計士の需要が高まっています。特に、将来上場が見込まれるベンチャー企業では、IPO責任者やCFO候補などの重要なポジションが募集されることも。転職面接では、自身の志向を明確に伝える練習が重要です。
コンサルティングファームへの転職です。経験豊富な公認会計士は、特に財務アドバイザリーの分野で需要が高いです。国内のM&A市場が広がりつつある中、専門的な知識を持つ公認会計士が不足しています。BIG4でアドバイザリー業務を経験できれば、積極的にチャレンジしてみましょう。ただし、特に海外企業との取引が多い場合は高度な外国語力が求められます。
税理士や会計士として独立する道もあります。税理士としての登録が可能な公認会計士は、独自の事務所を構えることが可能です。税金に関する業務は常に需要があり、公認会計士の専門知識と税務のスキルを組み合わせて提供できるため、幅広いニーズに応えることができます。独立を考える場合は、税理士事務所などで経験を積むことが重要です。
BIG4に転職しようと考える自分を具体的にイメージして、そのための転職準備を始めましょう。BIG4は企業としての実績が著しく、監査業界では高い評価を受けている法人です。大手法人ならではの仕事や高水準の収入を目指せますが、それに応じて求められる実力の水準も高くなります。
BIG4それぞれの特徴を理解しつつ、将来の職場での自分の働き方を考えながら転職準備を進めましょう。
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