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財務
2024/08/04 更新

財務職の業務内容と魅力|経理との違いや必須スキル・資格を詳しく紹介

財務部は、企業内で特に優秀な人材が集まる部門として知られています。そのため、待遇は良く、多くの人が希望する部署となっています。では、財務部の実際の業務内容はどのようなものなのでしょうか?また、経験がなくてもこの部門を目指すことは可能でしょうか?

本記事では、財務部の業務内容を解説し、そこで働くために必要なスキルやオススメの資格について紹介します。

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財務部の主な仕事内容

財務の職務は、企業が将来に向けて必要とする資金を管理することです。資金の運用や予算の立案、資金調達などを担当します。具体的な業務内容としては、以下の内容です。

【財務の主な業務内容】

  1. 財務戦略の策定
  2. 予算と資金の管理
  3. 資金調達
  4. 資金の運用計画

これらの業務は、企業の将来に向けた資金の使い道を決定する重要な要素です。「戦略」「予算」「資金」などは、将来の資金使用に密接に関わります。

各業務内容について、具体的な説明をしていきます。

財務戦略の策定

「財務戦略」は、経営目標を達成するための資金をどのようにして集め、どのように使用するかを計画するものです。

財務戦略の策定は企業価値の向上に密接に関わる重要な業務になります。適切な選択をしないと資金不足に陥り、成長が制限されるケースも多いです。また、財務上の問題があると企業の信用が低下し、その結果、銀行からの融資が難しくなったり、株価が下落したり、株式や社債の取引が難しくなる可能性があります。

戦略を練る際には、財務諸表などのデータを分析することから始めます。このデータをもとに全体像を把握し、資金の調達や運用の計画を立てていくのです。財務諸表を解読するためには、財務分析の知識が求められます。財務分析にはさまざまな手法がありますが、その中には次のようなものが含まれているので、認識しておきましょう。

  • 収益性分析
  • 安全性分析
  • 生産性分析
  • 成長性分析

これらの分析手法を活用して財務戦略を立案します。

予算と資金の管理

予算や資金の管理は重要な業務です。各部門に予算を割り当てた後、その予算が適切に使用されているかどうか、資金不足に陥っていないかを確認します。必要に応じて、追加で資金を調達する場合もあります。

途中で予算不足になると、事業を進めることが難しいです。また、支払いが滞ると信用が損なわれ、時には倒産のリスクもあります。

管理する予算は大きく次の4つに分けられます。

【予算・資金の管理項目】

  • 売上予算:売上目標と同じ。市場や為替の影響を受ける業種では定期的に見直して調整が必要です。
  • 原価予算:原材料や仕入れなどの原価。生産計画と連動し、売上によって変動するため、定期的な見直しや調整が必要です。
  • 経費予算:企業活動に必要な費用。人件費や事務所の賃貸料、光熱費などが含まれます。
  • 利益予算:売上から原価と経費を差し引いた予算。売上・経費・原価の3点から管理されます。

これらの管理には会計の知識だけでなく、全体像を俯瞰して見る力が必要です。

資金調達

財務部の業務では、外部から運転資金や事業拡大、新規事業に必要な資金を調達することがあります。

調達が円滑に行かないと、新規事業の計画が実行できなくなったり、場合によっては運転資金が不足するケースも多いです。これを避けるために、銀行からの融資や株式・社債の発行などで資金を調達をするのです。その際、書類の作成や銀行・投資家との交渉も財務の業務に含まれます。

交渉力や折衝力だけでなく、銀行や投資家との良好な関係構築も重要です。コミュニケーションのスキルや知識が求められます。また、調達先のバランスや金額を適切に判断する分析力や決断力も必要です。

資金の運用計画

資金の運用も財務業務です。会社の資産の中で、運転資金としては不要な余剰資金を運用し、利益に貢献します。資産運用によって利益を増やすことができれば、企業価値の向上につながる効果があります。

運用の手段には、M&Aによる企業の買収や合併、有価証券や不動産への投資などが挙げられます。そのため、市場や商品価値を判断し、投資で利益を生み出すための知識が重要です。M&Aに関わる場合には、決算書を解読する能力や会社法などの法律知識も必要でしょう。

IRや監査対応について

IRや監査対応は、企業が外部に対して情報開示やコミュニケーションを行う重要な活動です。

具体的には、決算発表や株主総会などで株主や投資家に対する説明や回答を行ったり、内部監査や外部監査への協力を行ったりします。

財務と経理の違いについて

経理・財務・会計はすべて資金を取り扱う部門ですが、それぞれの役割や業務内容は異なります。それぞれの大まかな特徴は次の通りです。

  • 財務:将来の資金管理
  • 経理:過去の資金管理
  • 会計:お金の流れを帳簿に記録する業務(経理を含む)

財務部は会社が将来に使用する資金の調達と管理が主な仕事です。

一方、経理と会計は、過去に使用されたお金や現在の資金の流れを管理します。経理は「経営管理」の略であり、会計業務の一部です。会計はお金の収支を帳簿に記録する業務であり、お金の管理だけでなく物品の取引なども含まれます。経理は主にお金の管理を担当する役目です。

こうした違いから、経理・財務・会計それぞれには仕事内容の違いがあります。財務が将来の資金管理を行う一方で、経理や会計は過去の資金を取り扱います。しかし、財務の業務は会計や経理が整理したデータに基づいて行われるもので、それぞれの部門は緊密に結びついているともいえます。

財務部の魅力

財務部は企業内でも最も優れた人材が集まる場所とされています。その理由はいくつかあります。

財務部はお金を管理するという重要な責任を担っています。特に将来に必要な資金を調達することは企業運営において非常に重要な業務です。そのため、高度な能力が求められます。また、企業の意思決定にも大きく関わり、経営陣とも緊密な連携を取る部署です。これらの理由からエリートとみなされることもありますが、責任の重さからプレッシャーを感じる人もいます。

ただし、責任が大きい反面、やりがいも大きいでしょう。経営陣の意思決定に重要な影響を与えることができます。また、自社の業績向上に直結しているという実感も得られるでしょう。専門性が求められる一方で、業務内容は多岐にわたり、刺激に富んでいる部署と言えます。

財務部への転職の利点

次に財務部への転職に伴う利点を考えてみましょう。

経営戦略への関与

財務部門は企業の収益、資金管理、投資、資金調達など、経営に直結する重要な業務を担当しています。このため、財務部門では経営陣と緊密に連携し、経営戦略の立案や実行に関与できます。財務部への転職は、企業のビジョンや方向性を理解し、影響力を持って働きたい人にとって魅力的なキャリアでしょう。

高度な専門知識と市場価値の向上

財務部門では、会計や税務、法律などの専門知識とスキルが要求されます。また、国際取引や規制に対応するため、英語力やグローバルな視点も重要でしょう。

こうした専門性を磨くことは市場価値を高め、他の部署や企業への転職も比較的スムーズに行えるようになります。

さまざまな業界や企業で活躍の場が広がる

財務はどの業界や企業においても不可欠な機能です。そのため、財務部門への移籍は自身の興味や適性に合った分野で活動するチャンスを提供します。

また、財務部門では多岐にわたる事業やプロジェクトに関与する機会が豊富にあります。これは知識や経験の幅を広げるだけでなく、人脈を築く機会につながるでしょう。

財務部への転職に伴う懸念

メリットに続いて、デメリットも考えてみましょう。

繁忙期や決算期に多くの残業が発生する可能性

財務は企業の収益、資金繰り、投資、資金調達など、経営に直結する重要な業務を担当しています。そのため、繁忙期や決算期には業務量が増加し、多くの残業が発生する可能性があります。ベンチャー企業では、CFO(最高財務責任者)への転職も考えられますが、その際にはさらなる責任とプレッシャーが加わるでしょう。

経営陣からのプレッシャーを強く受ける可能性

財務は経営陣と緊密な連携を持ち、経営戦略の立案や実行に関わる職種です。この一方で、経営陣からのプレッシャーを受けることも少なくありません。特に不況や競争激化など厳しい環境下では、収益改善やコスト削減などの対策が求められることも少なくありません。

経理から財務へのステップアップが困難になる可能性

経理と財務は似ている部分もありますが、業務内容には違いがあります。経理は会社の収支や資産を記録や報告することが主な役割ですが、財務は企業の将来の収益や資金繰りを予測や分析することが中心です。

そのため、経理から財務への転職には、数字を扱う能力だけでなく、戦略的な思考やビジネスセンスが求められます。また、財務で必要なスキルや知識は企業や業界によって異なることも考慮すべきです。

財務部で必要なスキルと資格

財務部で働く際、絶対に必要な資格は存在しません。経験者が好まれる傾向にはありますが、未経験者でも財務部への転職は可能です。

ただし、需要の高い部署であるため、財務業務を遂行する上で役立つスキルや資格を有することで、他の応募者と差別化ができます。特に、経理や会計、財務関連の知識や資格を有することは、転職や昇給、キャリアアップに有利に働くことが多いです。

次に、財務部で働くために有用なスキルと資格を紹介します。

財務部で働くために有用なスキル

未経験でも財務業務は可能ですが、一定の知識は有益です。財務部での業務を希望するならば、以下のスキルを身につけることをおすすめします。

  • パソコンスキル
  • 正確さ
  • 簿記の知識
  • 金融に関する知識

財務部では、Excelや会計ソフトなどの表計算ソフトのスキルが最低限必要です。また、お金を扱う業務ゆえに、作業の正確さも求められるでしょう。

簿記の知識は決算書を理解するために不可欠です。転職前に習得しておくことが望ましいです。金融に関する知識は資金調達に関連します。

財務部でキャリアを築きたい方におすすめの資格

財務部でキャリアを築きたい方におすすめの資格をまとめています。これらの資格がなくても財務の仕事ができないというわけではありませんが、これらを取得することでより有利になる可能性があります。

<財務部でおすすめの資格リスト>

  • 日商簿記検定
  • 公認会計士
  • ビジネス会計検定
  • FASS検定
  • ファイナンシャルプランナー

財務や会計、経理関連の資格がおすすめです。公認会計士は特に難関で、取得には相当の努力が必要ですが、他の資格はある程度の学習で取得できます。ただし、財務業務で活用したい場合は、資格には級がありますので、上位の級を目指すことが重要です。

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株式会社WARC

WARCエージェントマガジン編集部

「人材紹介の『負』の解消を目指す、新しい転職エージェント」をビジョンに、ハイクラス人材紹介事業を展開しているWARC AGENT。WARCエージェントマガジン編集部は、このビジョンを支えるために、転職者に役立つ情報を執筆し、個々のキャリア形成をサポートしていきます。

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