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CFO
2024/08/31 更新

CFOの知識を身につけるためにおすすめの本(書籍)8選!

CFOは、経営環境が日々変化する中で、常に時代の先を見据えた実践力が求められています。そのため、常に学習や知識を深めることが必要不可欠です。

この記事では、CFOの役割や知識・戦略コンサルタントを目指す上で、読んでおくべき本を紹介します。この記事を参考に、CFOの知識や考え方を学べる1冊をぜひ見つけてください。

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CFOとしての役割や基礎知識

CFOとは、Chief Financial Officerの略称です。企業の財務戦略の策定と経営管理を主導する「最高財務責任者」という役員ポジションです。

CFOには、主に以下の3つの重要な役割があります。

  1. 財務戦略の策定と実行

    市場動向や財務状況を踏まえ、資金調達・投資・費用管理などの財務戦略を立案し実行します。不確実な環境下で、中長期的な企業成長につながる最適な選択を求められます。

  2. 経営陣との連携による経営管理

    財務データの解析・予算策定・経営成績モニタリングなどを通じて、経営の効率化と目標達成を支援します。数字に基づく客観的な情報や提言を経営陣に提供します。

  3. 投資家やステークホルダーとのコミュニケーション

    財務状況や戦略を適切に開示し、企業の透明性と信頼性を高めます。投資家の適切な投資判断と、社内外のステークホルダーの信頼構築に寄与します。

CFOには会計・財務の専門知識はもちろん、リスク管理力・資金調達知識・経営戦略の理解・コミュニケーション力など、幅広い能力が求められる重要な役職です。

CFOの基本を学ぶための書籍

ここからは、CFOを目指す上で読むべき本について、概要とともに紹介します。

経理・財務の基礎知識

CFOの最も重要な役割は、財務戦略の策定と実行です。市場動向や企業の財務状況を踏まえ、中長期的な企業成長につながる最適な財務戦略を立案する必要があります。

不確実な経営環境下で適切な戦略を立案するには、確かな経理・財務の専門知識が不可欠です。財務データの正確な分析力・リスク管理能力・資金調達知見など、CFOには幅広い財務リテラシーが求められます。

このように、CFOには経理・財務の専門知識が欠かせません。では、具体的にどのような知識が必要とされるのでしょうか。まずは、経理・財務の基礎知識を深められる本を2冊ご紹介します。

『ファイナンス思考』(著者:朝倉祐介)

著者である朝倉祐介氏は、企業の成長を実現するためには単なる会計知識ではなく、「ファイナンス思考」が必要不可欠であると説いています。ファイナンス思考とは、短期的な業績ではなく、長期的な企業価値の向上を重視する発想法です。

著者は、目先の利益のみを追求する「PL脳」に陥ることなく、事業の収益性・保有する経営資源・企業の将来価値を総合的に捉えることの重要性を解説しています。事例として、日本たばこ産業(JT)が、一時的な売上減を覚悟で将来を見据えた戦略を実行した例が紹介されています。

本書では、ファイナンス思考の概念を分かりやすく説明するとともに、具体的な企業事例を交えながら、その実践的な活用方法を示している点にあります。経営者やビジネスパーソンがファイナンス思考を身につけることで、健全な企業成長を実現できると説得力をもって提言しています。

出典:Amazon「ファイナンス思考 日本企業を蝕む病と、再生の戦略論」

 『CFOの実務 企業価値向上のための役割と実践』(著者:EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社)

本書は、CFOが企業価値向上のために果たすべき役割と実務について、CFOの機能変革の必要性から具体的なソリューションまでを体系的に解説しています。

第1章では、CFOの役割の再定義と機能変革の重要性が述べられています。第2章以降では、成長戦略(戦略的M&A等)・財務戦略・グループ経営管理・グローバル税務・会計基準(IFRS)・内部統制・リスクマネジメントなど、CFOが関与するテーマ別に実務が詳しく解説されています。

特に注目すべき点は、グローバル経営に対応したCFOの役割を多角的に取り上げていることです。例えば、グローバル人材の採用や育成・国際税務対応・IFRSへの備えなど、グローバル企業が直面する課題への対処法が具体的に示されています。

終盤では、日本を代表する大手企業の経営者の声を反映し、グローバルリーダー人材の重要性を強調しています。CFOを目指す実務家はもちろん、経営層や企業の経理財務部門の方々にも参考になる実践的な1冊です。

出典:Amazon「CFOの実務―企業価値向上のための役割と実践」

経営戦略としてのCFOの役割

CFOは、経営戦略の実現において重要な役割を担っています。新規事業への投資や予算配分など重大な意思決定において、事業の収益性や成長見込みを精査し、数値に基づく適切なアドバイスを経営陣に提供します。戦略実行の各フェーズで財務リスクを分析して対策を講じ、企業価値最大化を実現するサポート役も務めます。

経営陣と緊密に連携することで、CFOは経営の核心に影響を与え、企業が目指す戦略的方向性を明確に打ち出すことができるのです。CFOには財務知識に加え、経営全般に対する高い理解力が求められます。

ここでは、そうした経営戦略としてのCFOの役割が実例を踏まえて解説されている本を2冊ご紹介します。

『CFO思考 日本企業最大の「欠落」とその処方箋』(著者:大塚寿昭)

著者である大塚寿昭氏は、光学機器メーカーのニコンの復活を果たした実力派CFOです。本書では、CFOの立場から見た日本企業の課題と活性化への処方箋が赤裸々に示されています。

著者は「冷徹な計算力と非合理的なまでの熱意」を併せ持つことが日本経済復活の鍵であると説きます。CFOとしての知識・スキルに加え、背景にある思考力・実行力・情熱といった人間性の重要性を強調しています。

構成は、CFOの役割から財務の基本・サステナビリティ経営・ガバナンスなど、CFOの広範な職務が実務経験に基づいて分かりやすく解説されています。特に注目すべきは、企業再生の実例や社外取締役に関する著者の問題意識の提示です。

本書の特徴は、CFOという立場から日本企業が抱える本質的な問題点を正面から捉え、具体的な改革への処方箋を提言している点にあります。経営陣やビジネスパーソンのみならず、学生にもおすすめの1冊です。

出典:Amazon「CFO思考 日本企業最大の「欠落」とその処方箋」

 『CFOポリシー』(著者:昆政彦・大矢俊樹・石橋善一郎)

『CFOポリシー』は、CFOの本来あるべき役割と経営支援機能について、実務家の視点から詳細に解説した書籍です。

著者らは、CFOには企業価値向上・会計報告と内部統制・資金管理・組織文化マネジメントの4つの主要役割があると位置付けています。しかし日本企業ではこれらが分断されがちで、CFOの役割が不明確な場合が多いと指摘しています。

そこで著者らは、これらの機能をCFOの下に一元化し、「FP&A(Financial Planning & Analysis)」と呼ばれる経営管理組織の設置を提言しています。FP&Aは事業部門と本社が連携し、予実管理ではなく「予予管理(予実予想管理)」などを行い、経営戦略の実現をサポートする役割を担います。

また、FP&Aには事業理解力・機能知識・当事者意識など、高い能力が求められると説いています。本書は、経理の範疇を超えたCFOのあり方と、経営とのつながりを重視した機能再編を示唆しており、CFOの本質的課題に切り込んだ内容となっています。

出典:Amazon「CFO最先端を行く経営管理」

実践的なスキルアップに役立つ書籍

CFOとしての役割を全うするためには、理論的な知識だけでなく、実践で役立つスキルの習得が重要不可欠です。経営環境が日々変化する中で、CFOには常に時代の先を見据えた実践力が求められているのです。

デジタル技術の進化は、CFOの業務プロセスにも大きな変革をもたらしています。AIやRPAなどの新たなテクノロジーを有効活用することで、業務効率化やコスト削減を実現できます。一方で、ビッグデータ分析力の重要性も高まっており、データに基づく経営判断を適切に支援できるスキルが不可欠となっています。

ここでは、デジタル化の潮流やグローバル対応力の強化など、CFOの実践的なスキルアップに有益な示唆が詰まった2冊をご紹介します。

 『デジタルCFO』(著者:中央経済社)

本書では、AI・ブロックチェーン・クラウドなどの先進IT技術の進展が、CFOおよびファイナンス部門の業務にどのような変革をもたらすのかが解説されています。

具体的には、次世代ERP・RPA・AI・ブロックチェーン・クラウド・ビッグデータの6つの主要テクノロジーについて、今後の展望と経理財務部門での活用方法が概観されています。

また、デジタル化に対応するために、CFOに期待される4つの役割(スコアキーパー・カストディアン・コメンテーター・ビジネスパートナー)において、どのような変革が必要となるかが述べられています。

例えば、RPAの活用による業務の自動化や効率化・インメモリーデータベースを活用した次世代ERPの高速データ処理・ブロックチェーンを用いた新しい決済システムの構築などが取り上げられています。

本書の特徴は、経理財務分野の最新デジタル技術動向を広範に概観しつつ、CFOおよび部門がとるべき具体的な対応策を示している点にあります。デジタル時代の経理財務部門の在り方を、テクノロジーと人材の両面から構想している実践的な1冊です。

出典:Amazon「デジタルCFO」

『実践CFO経営 これからの経理財務部門における役割と実務』(著者:EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社)

本書は、経営環境の不確実性が高まる中で、CFOおよび経理財務部門に求められる新たな役割と実務について、実践的な視点から解説しています。

構成は、IFRS会計基準・事業ポートフォリオ管理・リスクマネジメント・グローバル財務・税務・M&A・ガバナンス・ITシステム活用など、CFOの業務に関連する幅広いテーマが章立てされています。

各章では、トレンドの概説とともに、日本企業が直面する課題(基幹システム老朽化・人材流動性の低さなど)が踏まえられ、それらへの具体的な対応策が提言されています。

特に注目すべき点は、単なる経理業務の効率化にとどまらず、より高付加価値な経営支援を行うためのCFO組織の在り方に言及していることです。経営企画部門との連携・デジタル人材の確保や育成・ビッグデータ活用などが挙げられています。

現役のCFOはもちろん、CFO候補やCFOを支える経理財務スタッフ、経営企画部門の方々に、CFOの新たな役割と経理財務部門の進化のあり方をわかりやすく示している点で有用な1冊といえます。

出典:Amazon「実践CFO経営 これからの経理財務部門における役割と実務」

CFOとしてのキャリア形成

『CFOを目指すキャリア戦略』(著者:朝倉祐介)

『CFOを目指すキャリア戦略』は、CFOを志す財務・経理関係者向けの実践的なキャリア形成の指針書です。

本書では、CFOの具体的な職務内容と報酬が企業規模別に整理された上で、270を超えるCFOに求められるスキルが列挙されています。専門知識に加え、経営戦略・リスクマネジメント・コミュニケーション力など、CFOに必要な幅広い能力が網羅されています。

さらに、公認会計士・MBA・コンサルティング経験など、さまざまなキャリアパスの選択肢が提示されており、AI導入によるCFO業務の変化への言及もあります。

キャリアコンサルタントの著者ならではの実践的観点から、わかりやすくCFOを目指す際の指針が示されている点が本書の大きな特徴です。

出典:Amazon「CFOを目指すキャリア戦略(最新版)」

『CFOの履歴書』(著者:大塚寿昭)

『CFOの履歴書』では、CFOの役割と必要なスキル、そして10人のCFO経験者の実際のキャリアが紹介されています。

第1章では、CFOに期待される役割・経営システムの変化・ベンチャー企業の基礎知識・CFOのスキルセット・キャリアプラン・報酬水準などが分かりやすくまとめられています。

第2章では、ベンチャー企業から上場企業まで幅広い10人のCFO経験者の経歴が赤裸々に語られ、CFOの実際の体験談が読み応えのある内容となっています。

本書の大きな特徴は、CFOという役職への具体的なイメージを、経歴事例から掴めることです。CFOを志す人がキャリアパスの参考にできる点が魅力です。一方で、専門的な財務理論は含まれていませんが、CFOの仕事全体を捉える良い入門書となっています。

出典:Amazon「CFOの履歴書」

本からCFOとして成功するための継続的な学びを

CFOに関する情報は多岐にわたります。そのため、自分に適した情報を見つけて継続的な学習が必要です。学習の過程で、より大きな会社やさまざまな課題にチャレンジをしたくなった場合、転職も視野に入れてみることをおすすめします。

CFOとして転職を希望している方は、まずは転職エージェントに登録しましょう。そもそもCFOの求人数は少なく、魅力的な企業ほど募集が早くに埋まります。CFOへの転職を検討中の方は、まず転職エージェントにお問い合わせしてみることをおすすめします。

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株式会社WARC

WARCエージェントマガジン編集部

「人材紹介の『負』の解消を目指す、新しい転職エージェント」をビジョンに、ハイクラス人材紹介事業を展開しているWARC AGENT。WARCエージェントマガジン編集部は、このビジョンを支えるために、転職者に役立つ情報を執筆し、個々のキャリア形成をサポートしていきます。

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