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CFOとは何か?その役割、必要なスキル、そしてキャリアの道について説明

2023/10/31 更新

CFOは企業の財務・経理部門で最高責任者であり、企業経営において極めて重要なポジションです。多くの人がCFOという言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、CEOやCOOといった役職との違いや、具体的な業務内容については理解しきれていないかもしれません。

この記事では、CFOが果たす役割、求められるスキル、CFOを目指す方法について詳しく説明します。CFOとしてのキャリアを築くために必要なスキルやキャリアパスを理解し、理想の職業プランを実現しましょう。

CFO(Chief Financial Officer・最高財務責任者)とは何か?

CFOとは「Chief Financial Officer(最高財務責任者)」の略語で、その名の通り、財務・経理部門における最高責任者です。この立場では、企業の財務戦略の策定と実行に対する全責任を負い、企業の資金に関する活動全般を監督します。また、経営陣の一員として企業活動を統括し、マネジメントにも貢献します。

CFOには財務と経理に関する知識だけでなく、税務、法務、マーケティング、経営に関する広範な知識と経験が求められます。なぜなら、彼らは企業の活動全体を俯瞰し、戦略を立てる役割を果たすからです。

CFOとCEO

CFOとしばしば混同されるのは、「CEO(Chief Executive Officer)」という企業の役職です。CEOは業務執行役員の最高位で、「最高経営責任者」として、企業の経営戦略を策定し業務の執行を担当する立場を指します。CFOが企業の「財務」に関連する活動全体を監督する一方、CEOは「財務以外」の業務を統括する役目です。

日本の企業では、CEOやCFOの肩書きに法的な制約は存在しないため、厳密には異なる役職であるが、社長や代表取締役がCEOの称号を用いる場合もあります。

CFOとCOO

CFOとCEOに加えて、「COO(Chief Operating Officer)」という役職も存在します。これは「最高執行責任者」を指し、CFOが「財務」に、CEOが「経営」に焦点を当てるのに対し、COOは「執行」に関する最高責任者です。

COOはCEOが策定した経営戦略や業務を実行し、「透明かつ健全な経営」を実現する役割を果たします。日本の企業では、副社長や部門長などの高級幹部がCOOの地位にある場合が多いです。

CFOと財務・経理部長

CFOと経理部長や財務部長がしばしば混同されますが、厳密には異なります。経理部長や財務部長は、経理部・財務部だけを監督する立場にあります。一方、CFOは企業の財務戦略の策定から実施までを担当する役職です。

CFOは単に経理・財務だけでなく、営業、システム、研究・開発など企業全体の多くの部門を見渡し、事業における資金の流れを管理し、企業の財務パフォーマンスを向上させる重要な役割を果たします。

日本企業にCFOが必要な理由

日本企業においてCFOが必要とされる理由の一つは、バブル経済の崩壊により資金調達が難しくなった背景が挙げられます。企業の運営には資金が不可欠でありましたが、従来の金融機関からの資金調達が難しくなり、自力で資金を調達し、財務戦略を策定する必要性が高まりました。

CFOの役割は、このような財務の観点から経営をサポートし、企業価値を最大化することです。賢明なCFOの配置により、スムーズな資金調達が実現し、財政面で企業活動を円滑に進めることができるでしょう。

CFOの職務と業務内容

CFOは企業財務の責任者であり、その役割は「企業価値の向上」を担っています。しかし、具体的にはどのような業務を遂行するのでしょうか。CFOの主要な業務内容は以下の4つです。

CFOの主要な業務内容

  • 財務戦略の策定と実行
  • 調達資金
  • 企業会計管理
  • IPO(新規株式公開)に関わる業務

財務戦略の策定と実行

CFOの主要な役割は、企業が安定的に利益を上げ、事業を成長させるための財務戦略を策定し、実行することです。

各部門がどれだけの資金を必要とし、資金の調達、投資、配分に関する資金の流れを計画します。経営戦略やコスト削減を考慮しながら、事業計画、KGI(Key Goal Indicators)、KPI(Key Performance Indicators)の目標数値を検討し、実現可能な財務戦略を立案する必要があります。

調達資金

CFOにとって極めて重要なタスクの一つは資金調達です。資金がないと、効果的な投資ができず、資金繰りの問題が会社の経営や事業の拡大に悪影響を及ぼします。

資金調達にはいくつかの方法があり、「デットファイナンス(金融機関からの融資)」や「エクイティファイナンス(資本を増やすための資金調達)」などがあります。CFOは最適な方法を選択し、借り入れ先や出資先を適切に評価して資金を調達し、事業成長を促進する役割も果たします。

企業会計管理

企業会計は、企業の財務諸表を用いて厳密にお金の出入りを記録・管理する業務です。財務諸表には、損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書などが含まれ、これらは投資家や税務当局などに企業の収益、負債、資金の使途などを分かりやすく説明するために利用されます。

CFOはこれらの財務諸表を分析し、企業の財務状況を理解し、経営戦略や設備投資、研究開発投資などに活用する能力と知識を持つ必要があります。

IPO(新規株式公開)に関わる業務

「新規株式公開(IPO:Initial Public Offering)」とは、株式を初めて市場で自由に売買できるようにするプロセスです。

IPOを迎える企業において、CFOは事前にステークホルダー(株主や顧客などの利害関係者)との関係を構築し、資金の計画やIPO戦略などを管理する重要な役割を果たします。そして、IPO後は企業の成長を促進するために、子会社の管理やM&A(企業の合併・買収)、IR活動(投資家への情報提供など)などの重要な業務を担当する役目です。

CFOに必要なスキル

財務・経理からのキャリアアップ、年収向上、またはCEOへのステップとしてCFOのポジションを目指す多くの方がいます。CFOとしての重要な役割を果たすために、どのようなスキルが求められるのでしょうか。

専門知識と実務経験

CFOには、会計、財務、税務、法務に関する専門知識が必要です。決算書を分析し、企業の状況を理解し、課題を解決し、財務計画を策定・実行するために、これらのスキルは基本となります。CFOは多くの知識と実務経験が求められますが、資金調達、資本コストの管理、IR、リスク管理などの業務を通じて、これらのスキルを習得することができます。

さらに、財務業務は金融や保険など他の分野にも影響を与えるため、金融商品取引法、銀行法、保険業法など法律に関する知識も重要です。

コミュニケーション能力

CFOには卓越したコミュニケーション能力が必要です。財務戦略を円滑に実行するためには、組織内外の関係者と信頼関係を築き、関係者から理解と協力を得る必要があります。

例えば、資金調達の際には、金融機関や投資家に対して自社の将来性とビジネスの魅力を明快に伝え、大きなリターンを説得力を持って説明する機会が多いです。CFOを目指す場合、折衝力とコミュニケーションスキルを日々鍛えることが肝要でしょう。

リーダーシップと経営スキル

CFOは経営陣の一員であり、CEOと協力して企業の意思決定を支援する役割を果たします。そのため、経営に対する洞察力を持ち、目標達成に向けて他のメンバーをリードするリーダーシップが不可欠です。

同時に、財務の最高責任者として組織全体を監視し、各部門のスタッフが効果的に業務を遂行できるように環境を整備し、財務計画を円滑に実行するマネジメントスキルも要求されます。

CFOには、他のメンバーをビジョンに導くリーダーシップと、財務戦略の実行に向けたスキルや意思決定力が必要です。

CFOになるためのキャリアパス

CFOのポジションを目指す方に向けて、一般的なキャリアパスを紹介します。CFOの役割には財務、経理、法務、経営など幅広い知識と経験が必要ですので、適切なタイミングで異なる経験を積み重ねてキャリアを構築することが大切です。

企業財務・経理部門でのキャリア

CFOへのキャリアパスとして、企業の財務・経理部門での経験を積む道が考えられます。CFOのポジションにはファイナンスに関する専門知識が必要なので、財務や経理部門で管理職の経験を積んだ後に昇進することが一般的です。

経理の職務に従事しながら、財務の専門知識や経営企画、資金調達、投資、M&Aなど多岐にわたる業務を経験し、最終的には取締役CFOおよび執行役員の役職に転身するケースもあります。CFOへの道を歩むためには、ますは経理や財務でスキルと実務経験を積むことがおすすめです。

金融業界でのキャリア

金融業界出身者がCFOに転身することは一般的なケースと言えます。CFOになるためには、金融機関から直接転職するケースよりも、他の事業会社で役員などの地位を経てCFOとしての職に就く例が多いようです。

たとえば、「金融機関での勤務経験を活かしつつ、経営に興味を持ち、ファイナンス分野でスタートアップ企業をいくつかサポートした後に、CFOに転職した」といったケースも存在します。

ファイナンスに関する知識を活用しながら経営経験を積むことで、CFOへのキャリアパスを築く方法もあるでしょう。

コンサルティングファームや監査法人でのキャリア

コンサルティングファームや監査法人は、CFOに必要な経営戦略や経営理論、IPO支援などのスキルを習得できる職業の一つです。CFOを目指す上で有効なキャリアパスと言えるでしょう。

実際に、監査法人や事業会社での経験を積んだ後にCFOに転身する事例も存在します。

監査法人が実施する内部監査は、経営目標の達成に向けて業務が適切に遂行されているかどうかを調査し、企業の財務会計や不正行為の有無などを経営陣に報告する仕事です。これらの実務経験を通じて、CFOに必要なスキルを磨くことができるでしょう。

CFOになるために必要なこと

CFOになるために必須の学歴や経歴は特にありません。CFOを目指すためにはどのように進めるべきか、以下に3つの具体的な方法を説明します。自身のキャリアに合った方法でCFOを目指してみましょう。

CFOを目指すための3つのアプローチ

  1. 社内での経験を積む
  2. リファラル採用を活用する
  3. 転職を考える

社内での経験を積む

社内からCFOのポジションを目指す場合、通常、経理部門で実務経験を積んだ後、財務部門に異動し、さらなる経験を積んでいくのが一般的な経路です。社内での実績が評価され、こうしてCFOに昇進します。

この方法では、社内外からの信頼を築き、また、企業の財務状況について深い理解を持っているため、CFOとしての職務を円滑に遂行できる利点があります。しかし、デメリットとして、キャリアの構築に時間がかかることや、専門知識や経営スキルが1つの企業に特化し過ぎてしまう可能性がある点が挙げられます。

リファラル採用を活用する

社内や知人などの紹介による入社や転職、いわゆる「リファラル採用」も、CFOのポジションを目指す方法の1つです。

CFOは経営陣やCEOとの相性が非常に重要な立場です。リファラル採用では、求職者の性格や経歴などが紹介元の社員を通じて企業に伝えられるため、双方の不適合が起こりにくい利点があります。ただし、辞退が難しい場合や、就任後に問題が発生した場合、紹介元の社員との信頼関係に影響を及ぼす可能性があるデメリットもあるため、慎重に考慮する必要があるでしょう。

転職を考える

CFOの求人に応募して転職する方法も考えられます。 CFOのポジションは、ほとんどが「人脈」「ヘッドハンティング」「転職エージェント」を介して採用されており、近年は能力の高いCFOを外部から採用する企業も増加しています。

転職エージェントに相談すれば、CFOになるために不足しているスキルや要点について的確なアドバイスを受けることができます。 CFOに関する非公開求人も多いため、そのような求人情報にアクセスするためにも転職エージェントの利用を検討することがおすすめです。

CFOに関連する資格

CFOのポジションに就くために必須の資格は存在しませんが、特定の資格を取得することでCFOの業務に役立つ知識やスキルを習得できる場合もあります。 また、これらの資格を取得することで、転職において有利な立場に立ったり、自身の権威を高めたりすることができるでしょう。

①CFO資格試験

CFOを目指す際に注目されている資格の一つが、日本CFO協会が主催する「プロフェッショナルCFO資格試験」です。この資格試験は、財務理論に関する基本的な知識から経営計画、財務マネジメントなど、CFOとして必要なスキルを客観的に評価するものです。

この資格はCFOを目指す方だけでなく、金融機関の融資や外部リレーションの専門家、また企業の財務部門の担当者など、企業価値向上に関心を持つ幅広い方々に価値のある知識を提供します。

ただし、この資格は注意が必要で、取得後に日本CFO協会から退会すると資格が失効するため、その点を考慮することが重要です。

②公認会計士

公認会計士は、会計と監査のプロフェッショナルとして、会計関連の資格の中で最も高い国家資格です。具体的な業務内容は、財務諸表の監査から財務や経理、IPO、会計コンサルティングなど幅広い領域にわたります。

公認会計士の試験は非常に難易度が高いですが、唯一の国家資格として、監査業務を遂行できる資格として多くの強みを持っています。公認会計士の資格を持つことで、CFOを目指す人も多くいます。会計や監査の業務に加えて、経営コンサルタントとして活動し、そこからCFOを目指す道もおすすめです。

③日商簿記

企業の会計や経理領域で広く知られている日商簿記は、基本的なファイナンスの知識を証明する資格です。

日商簿記2級は経理の職に転職するのに有利とされており、1級は経理の専門家としての証であり、非常に価値が高いと言えます。日商簿記の資格は、CFOだけでなく、企業の財務に関わる多くの仕事で必要な知識です。業務や転職に役立つため、取得しておくことはおすすめです。

④FASS検定

FASS検定(Finance Accounting Skill Standard:経理・財務スキル検定)は、経理・財務の実務に特化した唯一の検定です。資産、決算、税務、資金の4つの分野から成り立っており、これらのスキルをA〜Eの5段階で評価します。

この検定を受験することで、CFOにとって必要なスキルを効率的に習得できるだけでなく、自分の実力を客観的に評価する手助けにもなるでしょう。また、自身のスキル向上の目標を具体的に設定するのにも役立ちます。

CFOを目指すためにはスキルとキャリアを積むことが大切

この記事では、CFOの特徴、役割、求められるスキル、そしてキャリアパスについて紹介しました。CFOは財務の最高責任者であり、経営陣の一員でもあります。財務分野だけでなく、経営や事業成長にも関心を持ち、企業価値を向上させることを考えながらスキルを向上させていくことが大切です。

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株式会社WARC

WARCエージェントマガジン編集部

「人材紹介の『負』の解消を目指す、新しい転職エージェント」をビジョンに、ハイクラス人材紹介事業を展開しているWARC AGENT。WARCエージェントマガジン編集部は、このビジョンを支えるために、転職者に役立つ情報を執筆し、個々のキャリア形成をサポートしていきます。