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2024/09/04 更新

CFOの仕事内容や役割|似ている名前の職種との違いや、必要なスキルについて解説

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「CFOとはどんな立場?」「CEOとは違うの?」と疑問を持つ人も多いでしょう。CFO(最高財務責任者)は、企業の財務を統括する重要なポジションです。仕事内容や役割について理解すると、CFOへの理解度がさらに高まるでしょう。

今回は、CFOの仕事内容や役割、似ている名前の職種との違いについて解説します。

また、求められるスキルやCFOになる方法についても紹介しますので、キャリアパス設計にもお役立てください。

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CFO(最高財務責任者)とは

CFO(最高財務責任者)とは、その名のとおり企業の財務責任を負うトップのことです。組織内で財務および経理業務を統括し、取締役会や経営陣に対して財務関連の戦略を提供します。

もともと、CFOはアメリカ企業で設けられていた役職であり、財務全般を統括する立場として扱われていました。現在では財務と経営戦略を結びつける役職柄、CEO(最高経営責任者)の直属ポジションとして扱われることが一般的です。

日本企業でも、財務面から経営戦略策定をサポートする重要なポジションとして、役職を設けられることが増えています。

CFOを配置する理由

企業がCFOを配置する主な理由は、経営資金の調達をスムーズに行うためです。日本ではバブル崩壊以降、金融機関からの融資だけでは資金調達が難しい状況が続いており、投資家からの資金サポートが必要です。

投資家から資金を受けるには、自社に投資価値があることを示すために企業の成長性や競争優位性、財務状況などの情報を提供する必要があります。投資家への情報提供のために、経営者と財務のダブルの視点を持つCFOが配置されるのです。

CFO(最高財務責任者)と財務部長との違いは?

CFOと財務部長とでは、責任の範囲や仕事内容が大きく異なります。

責任範囲

主な仕事

CFO(最高財務責任者)

企業全体

財務戦略の策定

財務部長

財務部門内

予算管理、財務報告など、日々の運営に関わる業務

CFOの責任範囲は、財務部門に留まらず企業全体に及びます。企業全体の財務戦略を策定し、長期的なビジョンを持って会社の成長をサポートします。

一方で、財務部の管理者である財務部長の責任範囲は、部門内に留まります。予算管理や財務報告、部下の指導など日々の運営に関わる業務を担当し、財務部門の業務遂行に注力します。

CFO(最高財務責任者)とCOO(最高執行責任者)の違いは?

CFO(最高財務責任者)とCOO(最高執行責任者)は、担当する業務が大きく異なります。

担当業務

CFO(最高財務責任者)

企業の財務戦略や資金調達

COO(最高執行責任者)

業務プロセスの効率化や運営の最適化

CFO(最高財務責任者)は企業の財務戦略や資金調達を行うのに対し、COO(最高執行責任者)は業務プロセスの効率化や運営の最適化を図ります。日常的に行われる業務の効率化や人材管理、組織運営など、企業の短期的な目標達成に向けた責務を負います。

なお、CFO(最高財務責任者)、COO(最高執行責任者)、CEO(最高経営責任者)の関係性は以下のようになります。

CFO(最高財務責任者)とCEO(最高経営責任者)役割の違いは?

CFO(最高財務責任者)とCEO(最高経営責任者)も、担当する業務が大きく異なります。

担当業務

CFO(最高財務責任者)

企業の財務戦略や資金調達

CEO(最高経営責任者)

企業全体の経営を統括し、意思決定を行う

CFO(最高財務責任者)が企業の財務戦略や資金調達を行うのに対し、CEO(最高経営責任者)は会社の最高責任者として経営全体を統括し、最終的な意思決定を図ります。CFO(最高財務責任者)とCEO(最高経営責任者)は、重要なパートナーとして財務面と経営面の両方から企業の成功を目指します。

なお、CFO(最高財務責任者)、CEO(最高経営責任者)、COO(最高執行責任者)の関係性は以下のようになります。

CFOは経営陣と投資家のつなぎ役

CFO(最高財務責任者)は、経営陣と投資家の間に入る仲介役のような役割を担っています。

経営陣

CFO(最高財務責任者)

投資家

CFOがいることで投資家の考えを反映した意思決定ができる

←経営陣には財務状況を報告

投資家には企業の将来性を説明→

CFOがいることで経営陣の企業戦略を理解できる

CFO(最高財務責任者)は、経営陣に対して企業の財務状況や資金調達における戦略を報告します。また、投資家に対しては、企業の将来性や事業戦略をわかりやすく説明します。

CFO(最高財務責任者)が経営陣と投資家の間に入ることで、両者の信頼関係を築き、資金を効果的に調達できるようになっているのです。

CFOの仕事内容と役割

CFOの主な仕事内容は、以下の4つに大別されます。

【CFOの役割】

  • 資金調達
  • 財務戦略の策定
  • 内部統制の整備(上場へ向けて)
  • 証券会社や監査法人との交渉

1.資金調達

CFOの役割の一つが、経営の安定に欠かせない外部からの資金調達です。資金調達は、主に以下の手段で行われます。

  • 金融機関からの融資
  • 投資家やベンチャーキャピタルからの出資を受ける

金融機関からの融資を受ける場合は、財務諸表や返済計画の提出が必要となります。また、投資家たちから出資を受ける場合は、発行する株式数の交渉が求められます。

優秀なCEOがいる場合、資金調達の流れがスムーズになり健全な企業経営を目指せます。

2.財務戦略の策定

CFOは、新規事業の立ち上げや事業転換における財務戦略の策定にも貢献します。会社のお金が大きく動く局面において、資金のやりくりが上手くいくようにサポートします。

なお、新たな事業の立ち上げだけでなく、既存事業の分析や将来の見通し、リスク評価なども担います。既存事業の改善では、財務情報をもとに以下の戦略を策定します。

  • 予算配分
  • 利益率向上のための施策
  • 効果的なコスト削減策
  • KPI(主要業績指標)、KGI(主要業績目標)など、数値の再評価

3.上場へ向けた内部統制

企業が上場を目指す場合、CFOは内部統制や必要な財務諸表の準備を行います。企業の上場には、金融商品取引法に定められている内部統制報告制度に則った準備が必要です。

内部統制により財務報告の信頼性を高め、投資家や利害関係者が企業の状況を正確に把握できるように手配します。

4.証券会社や監査法人との交渉

CFOは、企業が上場を目指す際、証券会社や監査法人との交渉も担当します。企業が上場するにあたり、監査法人による監査を受ける必要があります。また、株式の販売や引受けの審査、証券会社との折衝も頻繁に行われます。

 CFOは各機関の担当者との交渉を有利に進め、スムーズに上場できるように万全の準備を整える役割も担います。

CFOの年収は?

Indeed(※1)によると、CFOの平均年収は約930万円となっています。(2024年5月時点)ただし、この数字はあくまでも全体の平均であるため、より正確に年収を把握するには企業規模別にチェックする必要があります。

以下の記事では、CFOの年収を企業規模別に解説しています。

(※1)参考:Indeed「日本でのCFOの平均給与」

CFOに必要なスキルとは?

会社の未来に影響を与えるCFOには、高度な専門知識とスキルが求められます。

【CFOに必要なスキル】

  • 財務、経理、税務に関する専門知識
  • 投資家との交渉力
  • マネジメント能力
  • 経営者としての判断力

財務、経理、税務に関する専門知識

CFOには、財務や経理、税務などの高い専門知識が必要です。企業の財務戦略を立案するためには、会社の数字を正しく読む知識が求められます。

ほかにも、財務報告書の作成や予算管理、税務コンプライアンスの確保についての深い理解が必要です。

投資家との交渉力

CFOには、投資家との交渉力も求められます。投資家から資金を得るためには、企業の財務状況や事業の成長可能性、リターンの見通しなどの情報を提供し、投資価値があると判断してもらう必要があります

投資家がほしい情報を提供しつつ、自社に魅力を感じてもらえるようにプレゼンするスキルが求められます。

マネジメント能力

CFOには、メンバーをマネジメントする能力も求められます。CFOは、自らが率先して動くべき業務のほかにも、財務やバックオフィス、法務など、関連部門を巻き込む仕事も豊富です。

メンバーとともに成果を出すために、ともに働く部門をマネジメントするスキルが必要です。

経営者としての判断力

CFOには、企業の経営陣としての判断力も求められます。CFOは、CEOをはじめとした経営陣とともに企業の方向性を決定し、運営する役割を担います。

資金の管理や資源の分配、投資戦略などの意思決定において、CFOとともに合理的な判断を行うスキルが必要です。

CFOにはどうしたらなれる?日本のCFOの経歴を紹介

CFOを目指す場合、経験者がどのような経歴を持つのか気になる人も多いでしょう。ここでは、日本企業でCFOを務めた3名の経歴を紹介するので、キャリアパスの参考にしてください。

日本板硝子 楠瀬玲子氏

年月

会社名

役職

1990年4月

株式会社住友銀行(現株式会社三井住友銀行)

入社

1998年8月

ハイペリオン株式会社(現オラクル・コーポレーション)

入社

2001年10月

富士重工業株式会社(現株式会社SUBARU)

入社

2005年10月

同社

広報IR室長

2011年7月

同社

スバル海外第一営業本部北米企画部次長

2013年6月

株式会社LIXIL

入社

2015年4月

同社

執行役員ウォーターテクノロジー事業CFO

2019年7月

同社

理事経理財務本部経理標準化推進部長

2020年2月

日本板硝子

入社常務執行役員副CFO

2020年7月

日本板硝子

執行役常務CFO(最高財務責任者)

楠瀬玲子氏は、銀行やIR室長、海外営業部の企画部などを経験し、およそ15年ほどで株式会社LIXILのCFOに就任しました。

その5年後、日本板硝子の執行役常務CFO(最高財務責任者)となりました。

参考:IRBANK「日本板硝子 楠瀬玲子氏」

株式会社ジオコード 吉田知史氏

年月

会社名

役職

1994年

等松・トウシュ・ロスコンサルティング株式会社(現在アビームコンサルティング株式会社)

入社

1999年

朝日監査法人(現有限責任あずさ監査法人)

入社、公認会計士2次試験合格

2003年

-

公認会計士登録

-

Big4系ファイナンシャル・アドバイザリー会社

-

2012年

アイビーシー株式会社

入社

2018年

株式会社ジオコード

専務取締役CFO

吉田知史氏は、コンサルティング会社入社後、監査法人への入社と公認会計士試験合格を果たします。その後、BIG4や情報通信系のコンサルティング会社を経て、株式会社ジオコードの専務取締役CFOに就任しました。

参考:マネーフォワードクラウド「マネーフォワードクラウドPresents「& money」 株式会社ジオコード専務取締役CFO吉田知史さんに聞く!(後編)」

ソニーグループ株式会社 吉田憲一郎氏

年月

会社名

役職

1983年4月

ソニー株式会社

入社

1988年6月

同社

ソニーネットワーク販売株式会社出向

1990年6月

同社

ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカ赴任

1994年4月

同社

証券業務部

1997年10月

同社

財務部

1998年6月

同社

社長室室長

2000年7月

ソニーコミュニケーションネットワーク株式会社

-

2001年5月

ソニー株式会社

執行役員コーポレートプランニング担当

2005年4月

同社

代表取締役社長

2007年6月

同社

グループ役員

2013年12月

同社

執行役EVP CSO兼デピュティCFO

2014年4月

同社

代表執行役EVP CFO

2014年6月

同社

取締役

2015年4月

同社

代表執行役 副社長兼CFO

現在、ソニーグループ株式会社のCFOを務める吉田憲一郎氏は、大学卒業後から今日に至るまで同社でキャリアを積んできました証券業務部や財務部などを経たのち、2015年にCFOに就任しています。

参考:SONY「ソニーグループ(株)役員一覧」

最短でCFOを目指すためにすること

日本のCFOの経歴からもわかるように、CFOに就くための選択肢は主に3つです。

【CFOになる方法】

  • 会社内で昇進する
  • 他企業に転職する
  • 経営企画としての経験を積む

会社内で昇進する

CFOのポジションには、自社内で長らく財務や経理に従事してきた社員が昇進し就任するケースが一般的です。財務や会計の領域での経験がある場合、社内でCFOに進むために実績を築く機会が多いでしょう。

他企業に転職する

CFOになるためのもう一つの方法は、財務関連職への転職です。財務部門はもちろん、公認会計士や監査法人、金融機関での経験からCFOにキャリアチェンジするケースも少なくありません。

CFOを目指すステップとして、日商簿記や公認会計士などの資格取得を目指すと財務関連職への理解が深まります。

以下の記事では、CFOに関連する資格について詳しく解説しています。

経営企画としての経験を積む

CFOになるには、経営企画部での経験を積むことも方法の一つです。CFOは、CEOやCOOとともに中長期計画を立案し、経営企画メンバーをマネジメントしながら実行に移す役割も担います。

経営企画メンバーとしての経験があると、CFOに就任した際の業務管理がスムーズになるでしょう。

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CFOを目指して堅実に実務経験を積みたい人には、とくにオススメな転職活動手段です。

役割を理解し、CFOのキャリアを目指そう

CFOは、日本企業でますます重要な役割を果たすことが期待されます。財務系職種の実務経験を積み、企業の運営を第一線でサポートできるCFOを目指しましょう。

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以下の記事では、CFOの採用について詳しく解説しています。

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株式会社WARC

WARCエージェントマガジン編集部

「人材紹介の『負』の解消を目指す、新しい転職エージェント」をビジョンに、ハイクラス人材紹介事業を展開しているWARC AGENT。WARCエージェントマガジン編集部は、このビジョンを支えるために、転職者に役立つ情報を執筆し、個々のキャリア形成をサポートしていきます。

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