労働環境を改善し、従業員をサポートする労務。この分野での就職や転職を検討しているけれど、「職務経歴書の書き方がわからない」と困っている方は少なくないでしょう。
今回は、労務向けの職務経歴書の効果的な書き方や注意点について説明します。さらに、労務と人事の職務の違いや、労務に求められる資質についても触れます。
労務とは、従業員の給与計算や社会保険に関する業務などを担当し、就業状況を正しく把握、同時に従業員の健康や安全管理を担っています。企業経営において、人材管理を担当するのが労務であり、それは会社経営に不可欠な人的リソースを管理する役割を果たしています。
具体的な業務には以下のようなものがあります。
労務は日々の出退勤や休憩だけでなく、有給休暇の取得日数や欠勤日数など労働時間の管理も行います。また、福利厚生や社会保険の手続きも担当し、従業員が健全な環境で働けるよう支援します。
人事 | 労務 | |
---|---|---|
業務内容 | 採用・育成・評価・配置管理 | 各種手続き・管理 |
主な役割 | 従業員のキャリアパスや成長をサポートし、組織の目標達成に向けて適切な人材配置を行う | 「裏方的存在」として、従業員が安心して働ける環境を整える |
中小企業などでは、人事が労務の業務を兼ねているケースも少なくありません。
どちらも従業員の管理に関する業務を担いますが、上記の表に記載の通り、人事と労務では役割と業務内容が全く異なります。
労務の経歴を伝えるために職務経歴書には、【職務要約】【資格】【自己PR】3つの内容を盛り込みましょう。
以下で、それぞれの具体的な内容を紹介します。
今まで働いていた企業で貢献・尽力したことをイメージしてもらうための情報です。
【職務経歴】の「職務内容(職務概要)」欄に、担当していた仕事とその量(年間採用数や手続きの対象社員数など)を記入しましょう。
○○大学を卒業後、株式会社○○へ入社し、300名規模の労務管理と給与計算の業務を5年間経験しました。また、労務だけでなく、新卒・中途採用や教育研修の企画など、人事業務も一通り携わってまいりました。20xx年からはリーダーとしてメンバーの管理や育成も同時に担当。チームのプロジェクトである業務効率化にもリーダーとして尽力し、部署内で前年比20%の残業時間改善に貢献することができました。
職務要約(職務概要)では、プロジェクトの中で自分が担当した業務や、プロジェクトの目的、課題、結果などを簡潔に記載するのがポイントです。
資格の項には、現在までに取得した資格を取得年数も含めて記載します。
労務なら、社会保険労務士・衛生管理者・労務管理士・産業カウンセラー・メンタルヘルス・マネジメント検定・労働時間適正管理者検定などの資格があると有利です。
■資格
社会保険労務士 / ○○年○○月取得
産業カウンセラー / ○○年○○月取得
TOEIC Listening&Reading Test xxx点 / ○○年○○月取得
■パソコンスキル
Word(社内外で使用する各種文書が作成可能)
Excel(関数とマクロが使用可能)
PowerPoint(プレゼンテーション資料は作成可能)
労務業務に役立つ自らの強みを、具体的な出来事と一緒に記載しましょう。
労務業務では、作業の正確性や問題解決能力が求められます。プロジェクトへの参加など能動的な経験も立派なアピールポイントとなります。
労務業務における効率化・自動化を推進
全社を挙げてスタートしたDXプロジェクトにおいて、私は労務課主任の立場から業務の効率化と、一部業務の自動化を提言しました。DX化の推進で人的ミス○%、残業時間平均○時間削減に成功しております。
現在の職場環境を冷静に見つつ、限られたリソースを有効活用し、労務業務のクオリティを高める方法を常に考えています。
人事制度改革で課題解決に尽力
働き方改革の一環として全社的に取り組んだ人事制度改革では、中心メンバーとして尽力しました。改革に際しては、私の提案で○人分の社員アンケートを実施して現行の人事評価の課題を抽出。
その結果をもとに大胆な人事制度改革を実現しました。
自己PRには、業務をこなす上で主体的に動いた経験をエピソードベースで具体的に記載できるとアピールポイントになります。
次に、職務経歴書を書くときのポイントを3つご紹介します。
職務経歴書を書く際は、入社年と在籍年数・部署の人数・マネジメント人数・採用人数・達成率などを正確な数値で記入しましょう。
内容に説得力が出て担当者に内容が伝わりやすくなります。 職務経歴のイメージがしやすいと自分に興味を持ってもらいやすくなり、採用へと一歩近づきます。
職務経歴書は「応募先企業に対してどのような貢献ができるか」が、明確に分かるように仕上げましょう。
一般的な労務の仕事に求められる人物像と自分の合致するポイントを記載するよりも、応募先企業が求める人材と合致する人物である点をアピールした方が有効です。自己PRも含め、独りよがりな内容にならないようにしてください。
自己PRを書く際には、応募先企業のニーズに合わせた内容を選びましょう。
自分の強みや経験をアピールするだけでなく、応募先企業が求めるスキルや経験にどのように貢献できるかを具体的に示すことがポイントです。企業の求める人物像に合致した自己PRを書くことで、採用担当者に対して強い印象を残すことができます。
最後に、労務で求められる人物像について2つご紹介します。
労務は、従業員の給与や保険などを扱います。ミスは許されないので丁寧で正確に作業ができる方が向いています。
また、計算や手続きなどコツコツした業務も多いです。どの仕事も期限が定められているので、スケジュール管理をする能力も求められます。
労働者・企業間のトラブルを解決するのも、労務の大切な業務の一つです。
コミュニケーション能力が高く、トラブルを冷静に解決に導くのが得意な方は業務で重宝されます。
職場内の問題解決には、法律の知識も欠かせません。労務関係の法律は昔からあるものが時々改定されるだけでなく、時代に合わせて新しい法律も生まれます。労務の仕事をするには、法律を学ぶ意欲も必要です。
▼労務に向いている人の特徴について詳しく知りたい方はこちら
労務の仕事に就くなら、正確な職務経歴書の作成と専門的なアドバイスが重要です。労務の仕事は経験者を重視する傾向がありますが、未経験でも挑戦できます。企業ごとに異なる働き方や制度をよく調べ、自分に合った企業に応募しましょう。
また、WARCエージェントなら志望動機のアドバイスも行っています。職務経歴書が不安な方は、専門家のアドバイスを受けて、スムーズな転職を目指しましょう。
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