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労務の職務範囲と人事との違い|キャリアアップに役立つ資格情報を公開

2023/10/31 更新

労務の役割としては、従業員が快適に働ける労働環境の確保が主になります。とはいえ、多くの人が労務の具体的な業務内容や人事部門との差異を詳しく知らないかもしれません。

この記事では、労務の基本的な情報や、転職を考える際に役立つ資格についてご案内します。労務に関連する深い知識を求めている方や、労務の分野への転職を検討されている方の参考となる内容をお伝えしますので、ぜひご覧ください。

労務の職務範囲について

労務とは、従業員をサポートし、より良い労働環境を追求する業務を指します。具体的には、以下のようなタスクを行います。

  • 給与の計算
  • 福利厚生の整備
  • 出勤・退勤の管理
  • 社会保険の手続き
  • 規定やルールの制定
  • 労働関係の調整

労務の役割は、従業員が心置きなく勤務できる環境を構築することにあります。しかしながら、人材を中心にした業務であるため、人事部門とどこが違うのか疑問に思う方もいるでしょう。次のセクションで、より詳細な業務内容を見て、労務に関する理解を深めていきましょう。

人事と労務の業務の差異

人事と労務は、ともに従業員の業務に関わりますが、主な違いとして、人事が「個別の従業員に焦点を当てた業務」を持ち、労務が「従業員の入社からの一連の流れや組織全般に関わる業務」を受け持っている点が挙げられます。

具体的には、人事部門では採用や人材の育成、昇進や人事異動、配置変更といった個々の従業員のキャリアをサポートします。対照的に、労務部門は社会保険手続き、福利厚生の取り組み、給与計算など、働く環境を整える役割が中心です。

ただ、企業や組織の規模によっては、総務部が労務のタスクを担当することもあります。特に中小企業では、人員不足から総務や経理の担当者が労務業務を同時にこなすことが珍しくありません。

労務業務のやりがいや醍醐味

労務の業務の中で感じられる醍醐味の一つは、「学んだ知識を実務に直接活かせる」点です。労務業務は、社会保険、税制度、労働法などの専門的知識を要しますし、新しい法規制や変更点に常にアップデートしていく姿勢が不可欠です。これまでの経験や知識を用いて問題解決を果たした際の満足感は、労務業務ならではです。

さらに、労務の業務では成果を実感しやすいのも大きな特長です。例えば、社会保険の申請や給与の計算などの緻密な作業を完璧にこなすと、自らの実績を実感することができます。また、組織全体の運営に関して大きな視野で貢献し、従業員が快適に働ける環境を作り上げることも、労務の業務の中での喜びとして感じられることでしょう。

労務の業務に適した人の特徴

職種や業務内容によって、その仕事に適した人の特徴が異なります。労務の分野においては、会社の基盤として地道に業務をこなすことができる能力が求められます。

  • 細かい作業をミスなく行える人
  • 組織や業務の管理が得意な人
  • 問題を解決するスキルを持つ人
  • 情報保護に対する意識が強い人

これらが、労務の業務に適した人の特徴となります。

細かい作業をミスなく行える人

労務の仕事には、社会保険の処理や給与の計算といった、従業員の生計に関わる多くの事務処理が含まれます。給与の計算に際しては、時間外の給与や労働時間、社会保険の料金、住民税、控除の計算など、細かく複雑な計算が必要となります。

一つのデータを誤って入力するだけで全体の誤りを招く可能性があるため、業務に対する集中力と注意力を保ちつつ取り組むことが必須です。

組織や業務の管理が得意な人

労務の仕事には、給与計算や社会保険手続き、年末の調整など、締切りを守る必要がある業務が多いため、計画的に仕事を進めるスキルが要求されます。給与の計算が遅れると、給料の振り込みが遅くなり、これが従業員の信用を失う原因となることも考えられます。従業員の日常生活に密接に関わるこの業務を担う以上、綿密な管理と迅速な対応が必要とされます。

さらに、計算ミスがないかを慎重に確認する数値管理のセンスも重要です。細部にわたる確認作業が求められるため、細かい作業を苦手とする方には難しいかもしれません。

問題を解決するスキルを持つ人

労務の業務中には、従業員間の問題や予期せぬ退職など、突然のトラブルに遭遇することが考えられます。そうした際に、落ち着いて適切に対処し、解決するスキルは労務の担当者として不可欠です。

たとえば、ゴールデンウィークや年末年始などの長い休みの後では、従業員の退職や休職の手続きに忙しくなることも予想されます。様々な問題を持つ従業員に対して、心を込めてサポートし、問題解決に向けて尽力することができる方は、労務の分野に適していると言えるでしょう。

情報保護に対する意識が強い人

労務の仕事には、企業や従業員の様々な情報を扱うため、情報保護の意識が求められるポジションです。従業員の生年月日、連絡先、マイナンバー、家族構成、さらには給与の詳細といった秘密を守るべき情報を管理しているからです。これらの情報の取扱いに対する認識や、情報の流出を防ぐ取り組みを責任をもって進めることは不可欠となります。

その上で、従業員間の対立や配置転換などの機密とされる情報を扱うことも考えられるので、情報が社内外に漏れないようにすることが大切です。情報の漏洩は、信頼を損ねるだけでなく、安定した労働環境の維持にも影響を及ぼす可能性があるため、秘密保持の原則の遵守は欠かせないでしょう。

労務職へ進む方法は?

労務の役割は、医者や弁護士とは異なり、特定の資格が必須とされるわけではありません。しかし、労務に関する未経験者を募集する案件は必ずしも多いとは言えません。労務の募集を行っているということは、その会社での人材が不十分であることを示唆しており、求められるのは早急に実務に対応できる人物であると思われます。

労務の領域に飛び込むためには、労務に関連する資格の取得や、必要最低限のパソコン操作能力、人とのコミュニケーション能力を磨き、それをアピールポイントとして強調することが大切です。さらに、もし直接的な労務経験がないとしても、企業の組織や人事構築に関する業務経験があれば、それを前面に出して訴えることが効果的でしょう。

労務の業務に役立つおすすめ資格

労務の業務には特定の資格が必要ではありませんが、所持していると転職の際にプラスとなるでしょう。労務の業務では、基本的なPCスキルの他、保険や労働法、財務に関する情報の理解が求められます。これらの基本的な知識を習得していれば、新しい企業でもすぐに活躍できるため、資格の取得は転職を考えている人にとって非常に重要と言えます。

以下では、労務の業務に関心がある方向けに、未経験者・経験者それぞれに適した資格をご紹介いたします。適切な資格を取得し、労務の分野への進出を考えてみてください。

労務未経験者向けのおすすめ資格

前にも触れましたが、未経験者を募集している求人は少ないのが実情です。そのため、労務に関する資格を有しているとアピールポイントとなります。おすすめの資格を見ていきましょう。

資格名

説明

マイクロソフトオフィススペシャリスト

WordやExcelのようなマイクロソフトの正規ソフトウェアの業務能力を評価する資格となります。公式な合格率は明らかにされていませんが、おおよそ80%程度だと言われています。

労務管理士

労働基準法等、労務業務で必須となる法律の知識を評価する資格です。この資格は民間が提供しており、一般的には取得しやすい資格だとされています。

給与計算検定

給与計算に関する知識や実務的な能力を判断する資格です。この資格は一般財団法人・職業技能振興会が提供しており、2級の合格者は約80%、1級の合格者はおおよそ35%とされています。

労務経験者向けのおすすめ資格

経験者として転職を考える際、手がけた業務の多様性や過去の実績はもちろんのこと、資格も高く評価されるポイントとなります。さらに自身のスキルを向上させる意味でも、資格の取得を検討すると良いでしょう。

資格

詳細

社会保険労務士

労働に関する書類作成や社会保険に関する知識を対象とした国家資格です。約7%の合格率と難易度の高さで知られ、労務の専門家や士業への道を目指す方に向いています。

衛生管理士

職場の健康や衛生環境を守るための国家資格です。1種と2種の2つの種別があり、1種は約43%、2種は約50%の合格率を持っています。労働環境の改善や調査のスペシャリストとして活躍したい方におすすめです。

メンタルヘルス・マネジメント資格1種

心の健康をサポートする知識を評価する資格です。3段階中、最上位の1種は約12%の合格率があります。従業員の心のサポートを行いたい方に適した資格です。

年金アドバイザー2級

年金に関する知識を有することを証明する資格です。約21%の合格率で、深い理解が求められます。社会保険労務士との組み合わせで、さらなる専門性を持ちたい方に推奨されます。

労務のスペシャリストになるためにも資格取得は必須

労務は従業員が働きやすい環境を整えるために必要不可欠な仕事であり、会社の屋台骨として活躍できるところが魅力です。税金や社会保険など法律に関する専門知識やパソコンスキルなどが求められるため、転職活動前に資格を取得しておくと有利でしょう。

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株式会社WARC

WARCエージェントマガジン編集部

「人材紹介の『負』の解消を目指す、新しい転職エージェント」をビジョンに、ハイクラス人材紹介事業を展開しているWARC AGENT。WARCエージェントマガジン編集部は、このビジョンを支えるために、転職者に役立つ情報を執筆し、個々のキャリア形成をサポートしていきます。