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労務管理士の役割とは?資格の取得方法や利点、向いている人の特性を解説

2024/02/02 更新

労務管理の業務全般を任される「労務管理」をご存じでしょうか。国家資格である社会保険労務士と混合されている方や、実際の労務管理士の仕事内容を理解していない人が多いと思います。

今回は、労務管理士とは何かについて解説します。資格取得のメリットや向いている人の特徴についても解説。少しでも労務管理士に興味がある方は最後まで読んでみてください。

労務管理士の概要

労務管理士は、労働基準法や労務管理に関する専門知識を学べる資格です。主に人事や労務の専門分野で役立つ知識が含まれています。

労務管理士は、一般社団法人日本人材育成協会と一般社団法人日本経営管理協会によって運営される民間資格であり、国家資格ではないです。

労務管理士の試験は20代以上であれば誰でも受験できます。性別や学歴を問わずに受験できる民間資格ではありますが、取得しても価値がないと考える人もいるのではないでしょうか。しかし、労務管理士の資格を持つことで、労務管理の専門家としてアピールすることができ、実は非常に重要な資格と言えます。

労務管理士と社会保険労務士の相違点

労務管理士と社会保険労務士の違いが混同されることがあります。以下では、両者の違いについて説明します。これらの違いを理解することで、労務管理士の価値をより明確に把握できるでしょう。

労務管理士と社会保険労務士の異なる点

労務管理士と混同されるのが、社会保険労務士です。これらは異なる資格であるため、注意してください。

それぞれの特性を整理します。

労務管理士

  • 仕事内容:人事制度の設計や労務管理
  • 活動範囲:企業内
  • 資格タイプ:民間資格

社会保険労務士

  • 仕事内容:人材管理、コンサルティング、文書作成など
  • 活動範囲:企業内・自営業
  • 資格タイプ:国家資格

労務管理士は民間資格である一方、社会保険労務士は国家資格です。そのため、社会保険労務士には特定の業務が限定されていますが、労務管理士にはそのような限定業務はありません。

社会保険労務士は、例えば健康保険や年金保険などの書類作成や提出代行を最初の業務として行うことができます。さらに、労働者名簿や帳簿の作成などを第二の業務として行ったり、人事コンサルティングやアドバイスを第三の業務が可能です。

労務管理士資格の難易度

労務管理士の資格取得は、一般的に比較的容易だと言われています。

労務管理士は民間資格であり、国家資格と比較して試験の難易度が低めで、合格を目指しやすいです。試験を受ける際には、全国各地で開催されている講座に参加し、所定の試験に合格すれば資格を取得できます。講座への参加が難しい場合は、オンライン資格認定講座や通信講座も用意されているため、それらを活用して勉強し合格を目指しましょう。

一定の業務経験を持つ方は、書類審査によっても資格を取得できます。自身の業務が該当するかどうか気になる方は、公式ホームページで調べてみましょう。

労務管理士の役割と業務内容

主に企業内で行われる労務管理士の業務内容について説明します。

雇用契約の締結業務

労務管理士の主な仕事の一つが雇用契約の締結です。

雇用契約を締結する際には、労働契約書などさまざまな文書が求められます。雇用契約書には、勤務条件や業務内容、報酬など、従業員の雇用に関する重要事項が、厚生労働省の指針に基づいて記載します。

労務管理士は労働基準法の知識を持ち、適切な書類作成や手続きを円滑に行えるでしょう。

人事考課業務

人事考課は、人員配置や給与、役職などを決定する業務です。これらは、従業員の能力や適性に基づいて公平に行われるべき業務になります。

適切な人事考課は、従業員のモチベーションを高めます。また、適材適所の配置は企業全体の業務効率向上に繋がるでしょう。

ただし、従業員が人事考課を理解していない場合、「評価されない」「頑張っても昇進できない」といった不満が生じる可能性もあります。労務管理士は公平な判断を行い、従業員にとって公正な人事考課を行うようにしましょう。

従業員の健康管理業務

労務管理士の業務の一つに、従業員の健康管理があります。

少子高齢化による人材不足の中、企業は従業員の健康管理を重視しています。従業員の健康診断や運動環境の整備は、健康管理の重要な要素です。従業員は企業の資産であり、彼らが健康で働ける環境を整えることが、労務管理士の役割です。

50人以上の企業では、メンタルヘルスチェックが義務化されており、従業員の心身の健康を管理することは、労務管理士の重要な役割ともいえるでしょう。

労働環境改善

従業員が不満を感じる労働環境は、働きにくい環境です。労務管理士は、従業員が働きやすい環境を整える役割を果たします。

残業時間の削減や休暇取得の促進、職場環境の改善など、従業員が抱える悩みに対処することは、労務管理士の仕事です。従業員の定着を図るために福利厚生を整えたり、従業員同士のコミュニケーションを促進も労務には求められます。企業の課題や従業員の不満を分析し、労働環境の改善に取り組むのも労務管理士の役割です。

各保険の管理業務

企業に雇用されている従業員は、一定条件を満たしている場合、社会保険や労働保険に加入が必要です。社会保険や労働保険は、パートやアルバイトも同様に加入対象になります。

これらの保険に加入するためには、複数の書類が必要です。また、人によっては必要な書類や加入条件が異なるため、ある程度の専門知識が必要とされます。その際に、専門知識を保有している労務管理士が手続きを行うことで、効率的に進めることができるでしょう。

就業規則の管理業務

従業員が企業で働く上で、企業はルールを策定する必要があります。これを就業規則といいます。企業によって就業規則の内容は異なりますが、10人以上雇用している企業では、就業規則を定めることが義務化されています。

就業規則が明確でなければ、企業と従業員の間でトラブル発生の危険性があります。労務管理士は、トラブルを発生させないためにも、企業の状態からどのような規則が必要か判断し、規則を作成します。また、作成した規則を管理しながら、従業員に対して促進するのも、労務管理士の仕事です。

給与・勤怠管理業務

従業員の勤怠管理も、労務管理士の仕事です。

従業員の残業時間や休日出勤の有無を確認し、労働条件に基づいた給与計算を行います。インセンティブ制度を設けている企業では、個々の成績を給与や賞与に反映は必要です。そのため、複雑な仕事と認識しておきましょう。

給与計算に間違いがあると、企業の会計処理への影響や従業員からの信頼を失いかねません。給与計算や勤怠管理は、特にミスが許されない慎重な仕事です。

労務管理士の資格取得の利点

労務管理士資格の取得による利点を紹介します。

労務管理士の資格は、20歳以上であれば誰でも受験可能な、チャレンジしやすい民間資格です。資格取得のメリットを理解し、積極的に挑戦してみましょう。

労働法規に関する知識の獲得

労働法規とは、労働基準法や労働契約法など、労働者を保護するための法律です。労務管理士の資格を取得することで、これらの知識を身につけられます。

労務管理士の仕事には、複数の労働規則や法的知識が必要です。資格取得の勉強を通じて、実務で活用できる知識を獲得できます。

また、習得した知識は、個人としても活かすことができます。企業で問題が発生した際に、自身を守るために身につけた知識を活用できるでしょう。積極的に知識を活用し、問題解決に役立ててください。

人事業務での有用性

企業の生産性向上には、従業員の適性を把握し、適切なポジションに配置することが不可欠です。さらに、従業員の能力を評価し、適切な役職を与えます。

労務管理士の資格を持っていると、人事業務で役立つ専門知識や人材配置に関する知識を活かせるでしょう。企業にとって労務管理士の人事業務に関する知識は需要が高く、人事部門での活躍が期待されるため、おすすめです。

資格手当が支給される可能性

資格手当とは、企業が規定する資格を保有している場合に、その分の給与が増額される福利厚生の一つです。

資格手当の対象となる資格は企業によって異なりますが、働きやすい環境を整備する企業では福利厚生を充実させ、資格手当の対象資格を広げる傾向にあります。その中には労務管理士の資格も含まれる企業があります。

資格取得により知識の獲得だけでなく、給与面でもメリットを享受できるため、年収の向上につながります。

就職・転職・キャリアアップの可能性

労務管理士の資格は、転職時に有利に働きます。

労務管理士の資格は労働法規や人事に関する知識を証明するものです。企業の採用担当者は書類審査で資格を重視する傾向にあります。労務管理士の資格を持つことで、スキルや知識が事前に確認され、書類審査を通過しやすくなるでしょう。

転職時に労務管理士の資格を求める企業もあります。可能性を広げるためにも、労務管理士の資格取得は有益です。

労務管理士を取得する手段

労務管理士の資格を取得するためには、勉強が不可欠です。

資格取得に向けた勉強方法や試験内容について紹介します。自身に適した資格取得の方法を見つけましょう。

①公開認定講座を受講する

公開認定講座は、日本全国で開催される講座です。受講することで、公開認定講座で行われる資格認定試験を受験できます。

公開認定講座では、疑問点があれば直接講師に質問可能です。その結果、効率的な学習ができるでしょう。

講師から直接学ぶことで理解が深まるので、勉強方法に迷っている方はぜひ公開認定講座を試してみてください。

②Web資格認定講座の活用

Web資格認定講座は、公開認定講座に通えない人向けのオンライン講座です。

忙しい人でもeラーニングを利用して受講でき、オンラインで資格認定試験を受けられます。

受験に合格すれば、労務管理士として登録できます。Web資格認定講座は、受講料や受験料が手頃で、場所に縛られないのが利点です。

③通信講座の受講

公開認定講座が受講できない場合、指定の通信講座を受講することで資格取得資格が得られます。指定の通信講座を受講し、到達度試験に合格すれば労務管理士として登録可能です。

通信講座は、自宅での学習ができるため、時間の制約がある方に適した勉強方法でしょう。

④書類審査に挑戦する

特定の条件を満たす場合、書類審査だけで労務管理士の審査を受けられます。

  • 実務経験が3年以上あることの証明(経歴書または職務経歴書)
  • 労務管理士からの推薦

書類内容を基に協会審査委員会が審査を行います。審査に合格すれば労務管理士として登録できますので、経歴や推薦者がいる場合は書類審査も検討しましょう。

労務管理士にふさわしい人の特性

労務管理士にふさわしい人には、次のような特性が見られます。

  • 整頓が得意
  • 責任感が強い
  • 他人を支援する気持ちがある
  • 優れたコミュニケーションスキルを持っている

労務管理士は法律に関わる仕事を行うため、正確さや慎重さが必要です。そのため、整理整頓が得意な人や正義感の強い人に向いています。

さらに、人事の業務では、多様な従業員の適性や性格を理解することも求められます。的確な判断をするためには、他者と円滑な関係を築くため、コミュニケーションスキルが欠かせません。

誰に対しても偏見を持たず、人間関係を築くことができる人は、労務管理士に向いているでしょう。

労務管理士資格の活用方法

労務管理士の資格には、さまざまな活用方法があります。

まず、労務管理士の資格は労働法に関する知識を持っていることを証明します。そのため、人事を含む専門的な業務に携わる機会が増え、仕事の幅を広げられます。

さらに、自身の専門知識を強調して労務管理のスペシャリストとして活躍できます。労務管理の仕事をしているだけでなく、他の部署で活動している人も同様です。部署移動や転職を考えている人は、労務管理士の資格を利用して自分のスキルをアピールすることを検討してみましょう。

労務管理士の資格で市場価値を高める

労務管理士は、労務管理における専門家です。労務管理は企業経営において極めて重要な役割を果たしています。最近では、コンプライアンスやブラック企業など、企業に関わる問題が社会的に注目されています。そのため企業は、問題を未然に防ぐための取り組みを日々行っているのです・

労務管理士は、これらの取り組みをまとめる役割を担い、企業にとって不可欠な存在となっています。

この記事を読んで、少しでも労務管理士に興味を持った方は、労務管理士の道を考えてみてはいかがでしょうか。市場価値を高めるために、積極的にチャレンジしてみましょう。

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株式会社WARC

WARCエージェントマガジン編集部

「人材紹介の『負』の解消を目指す、新しい転職エージェント」をビジョンに、ハイクラス人材紹介事業を展開しているWARC AGENT。WARCエージェントマガジン編集部は、このビジョンを支えるために、転職者に役立つ情報を執筆し、個々のキャリア形成をサポートしていきます。