公認会計士は三大国家資格の一つで、その難易度の高さから勉強方法に悩む方が多いかもしれません。
おそらく、「独学だと難しいから予備校に通いたい」「どの予備校がおすすめか知りたい」と考えている方がいるでしょう。そこで、予備校選びのポイントや費用を抑える方法についても紹介します。記事を最後まで読んで、参考にしてみてください。
公認会計士は、国家資格の最高峰の一つであり、会計監査のプロフェッショナルです。公認会計士になるには、公認会計士試験に合格する必要があります。試験合格には、通常3,000時間以上の勉強が必要で、一般的には合格まで2〜4年かかる難易度が高い資格とされています。
公認会計士の仕事内容は幅広く、企業監査・会計・税務・コンサルティングなどを担当します。監査は公認会計士のみが行うことができる独占業務であり、そのため企業からの需要が高いとされています。また、公認会計士は社会的なステータスが高く、多くの方に憧れられる職業となっています。
通常、公認会計士の予備校は1〜2年かかることが一般的です。各予備校によっては、期間や学費が異なります。今回は、公認会計士の予備校に関する一般的な基準について解説しますので、ぜひ参考にしてください。
公認会計士の予備校では、春コースや秋コースなど、さまざまなコースが提供されています。そのため、入学時期は定められておらず、都合の良い時点で入学することができます。
入学後の期間については、通常1.5年〜2年が一般的です。多くの受験者は2年コースを選び、2〜3年かけて試験合格を目指しています。既に公認会計士の勉強を始めている方に向けたコースも用意されているので、自分のスキルに合わせてコースを選択することが可能です。
予備校の費用は一般的には75〜85万円程度ですが、コースの内容や学習機関によって異なりますので、細心の注意が必要です。
なお、公認会計士の予備校においても、学校の規模やレベルによって費用が異なることがあります。大手予備校では一般的に75〜85万円が相場とされていますが、中堅予備校では45〜60万円程度が一般的です。
大手と中堅の違いは合格者数にあります。年々の統計によれば、合格者の約80%(※1)は大手予備校出身者とされており、大手予備校の費用は高いものの、合格率が高い傾向があります。
(※1)参考:CPA会計学院
公認会計士の予備校では、通学制と通信制の2つのコースが用意されています。
通学制と通信制は異なる特長を持っており、以下ではそれぞれのメリット・デメリットについて詳しく説明します。これらのコースの違いを理解した上で、自分に最適な学習スタイルを選ぶことが重要です。
通学制のメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット
デメリット
通学制は、勉強仲間と共に学ぶことでモチベーションを高めたり、講師にすぐに質問できる利点があります。ただし、通学には時間がかかり、周囲の友達とだらけてしまうリスクも。初めての勉強で不安な方には向いています。
通信制のメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット
デメリット
通信制は通学にかかる時間を削減し、自分のペースで学習できる利点があります。しかし、一緒に学ぶ仲間がいないことや、講師に直接質問できないというデメリットも考慮する必要です。1人で効率的に学びたい方に向いています。
公認会計士の予備校は多岐にわたり、自分に適した選択ができるかどうか不安を感じる方もいるでしょう。
以下では、公認会計士の勉強においておすすめの予備校を紹介します。各予備校の特徴を理解した上で、予備校の選定を行いましょう。
TACは、大手予備校であり、公認会計士だけでなく様々な資格合格者を輩出した実績があります。
TACの特徴は、公認会計士試験に合格した経験を持つ講師陣を採用しており、彼らの経験と知識に基づく講義で受験者をサポートしています。
また、TACは多様なコースを提供しており、個別の質問や相談にも講師が対応しているため、自身の弱点を克服しながら合格を目指す方に適しています。
TACの高い実績と多彩なカリキュラムを持つ予備校で、効果的な学習を望む方は検討してみてください。
参考:資格の学校TAC
資格の大原は、一発合格を目指すためのカリキュラムが用意されています。
勉強開始時点から細かい計画が組まれており、計画に基づいたスムーズな勉強が可能です。そのため、計画通りに勉強を進めることが難しい場合でも、柔軟に計画を見直し、最適な進学スピードを見つけることができます。
また、欠席や授業の聞き逃しに対するサポートも充実しており、振替講座や音声・映像配信を通じて遅れた分の学習ができるため、体調管理をしながらも効果的な学習が可能です。
参考:資格の大原
CPA会計学院は、公認会計士試験に特化した予備校であり、そのために圧倒的な実績を誇っています。
この予備校の特徴は、基礎から応用まで徹底的に考え方を確立させる指導法です。基礎知識を確実に身につけた上で全体像を理解したい方に向いています。
参考:CPA会計学院
LEC東京リーガルマインドでは、最新の公認会計士試験の傾向を分析し、短答式試験に迅速に合格できるカリキュラムが組まれています。
公認会計士試験では、短答式試験合格者は2年間試験免除となる制度が2005年以降導入しているため、多くの受験者がまず短答式試験に合格し、その後2年間は論文式試験に集中する傾向があります。LEC東京リーガルマインドは、この効率的な学習法が特徴です。
また、短答式試験と論文式試験の講義が分かれており、他の予備校よりも費用を抑えることができるのも魅力でしょう。
クレアールは通信専門の予備校であり、他の予備校に比べて費用を抑えつつ学習できることが大きな利点です。
通信専門のため、費用は一般的に合格目標1年コースで515万円から、合格目標2年コースが540万円からとなっています。割引制度もあるため、条件に該当する方は更にリーズナブルに学習できます。
詳細な割引内容には、初学者特典としてインターネット特待生試験が無料受験可能で、最大35%の割引が適用される制度も存在します。試験内容は400〜600文字の作文であり、対象者によって異なる内容です。費用を節約したい方にとって魅力的な予備校でしょう。
参考:クレアール
予備校の特長を理解したとしても、最終的にどの予備校が自分に最適か迷っている方に向けて、予備校を選ぶ際のポイントをご紹介します。
予備校を選ぶ際には、まず自分が特に重視したい要点を考え、そのポイントに適した予備校を見つけるよう心がけましょう。
予備校に通う場合は、自分の経済的な範囲内で選ぶようにしましょう。通常、費用は約70万円程度かかることが一般的です。自分がどれだけ費用を捻出できるかを事前に考え、予備校選びを進めましょう。
予備校によっては割引制度を導入していることがあります。学割や社会人向けのキャンペーン、時期ごとの特別なキャンペーンが展開される予備校も多いです。
自分の属性や入学時期によって費用が変動するため、気になる予備校の公式サイトを定期的に確認しておきましょう。
予備校の合格実績は必ず確認しましょう。
合格実績が高い予備校は、合格までのカリキュラムや計画がしっかりしています。受験者一人ひとりに合わせた勉強計画で合格までサポートされるため、効率的に勉強を進めることができます。
高い費用をかけて予備校に通うのであれば、実績のある予備校がおすすめです。短期間での合格はモチベーションを維持したまま勉強を続けることができ、効果的な学習が期待できます。大手予備校は費用が高い分合格実績も高い傾向がありますので、気になる方は確認してみてください。
予備校の講師の経歴は様々です。
自身が公認会計士として予備校に通い合格した講師や、合格者以外が講師として勤めている場合があります。
公認会計士としての合格経験を有する講師は、合格者特有の受験経験や知識を駆使した指導を行ってくれます。これらの知識や経験談は受験を控える方にとって非常に参考になります。可能であれば、資格を有する講師に学ぶよう努めましょう。
さらに、講師陣には実務経験がある場合もあります。たとえば、監査法人や会計事務所の代表が講師として在籍していることがあります。これらの講師からは、実務に基づく授業を受けられるため、より実践的な内容を希望している方におすすめです。
各予備校が提供する教育プログラムは異なります。
カリキュラムが豊富な予備校では、自身に適した講座やコースを選択できます。適切なコースを選ぶことで、独自の進度で学習を進めることが可能です。
カリキュラムには、短答式や論文式に特化した講座や、短期間での集中コースなどが含まれます。また、弱点克服を目指すコースや、目標の合格時期に合わせた学習スケジュールを提供するコースも多いです。
また、すでに短答式試験に合格している方向けには、論文式試験への対策を行うコースも存在しますので、予め予備校のカリキュラムを確認してください。
質問に迅速に回答できるサポート体制が整った予備校がおすすめです。
予備校によっては、サポートシステムが異なります。学習中に疑問が生じた場合、講師に直接質問できるサポートが整った予備校を選ぶことが重要です。また、電話やメール、オンラインで質問が可能な予備校もいいでしょう。
疑問が生じた際に即座に質問できる環境が整っていると、学習を中断せずに進めることができます。
気になる予備校が提供するサポート体制が充実しているか、自身の希望に合っているかは必ず確認してください。
学生や社会人など、自身の属性によって学習に費やせる時間は異なります。柔軟に学習時間や講座を組み合わせられる予備校を選ぶよう心がけましょう。
通学制の場合、自宅や職場、学校から近い方が学習時間を増やせます。通信制の場合、外出時でもスマートフォンやタブレットで気軽に学習できる方が、隙間時間を有効に利用可能です。公認会計士の合格にはできるだけ多くの時間を学習に充てることが大切といえます。
できるだけ多くの学習時間を確保できる学習方法や予備校を選択しましょう。
公認会計士の予備校に通うための費用は、安いものではありません。
予備校費用をできるだけ節約したいと考えている方に向けて、費用削減の方法をご紹介します。費用を抑えつつも、しっかりと勉強に集中して合格を目指しましょう。
教育訓練給付制度を活用することで、費用を抑えることができます。
教育訓練給付制度は、働く方が指定された訓練を受けた際に、一部受講費が支給される仕組みです。
この制度の対象は在職中の方や、退職してから1年以内の方です。自身が該当する場合は、制度を活用できるか確認してみましょう。
ただし、この制度は国が指定した講座に限られますので、受講を検討する講座が対象になっているか確認が必要です。また、受講料の支給は後払いとなるため、事前に費用を用意しておく必要があります。
予備校によっては、様々なキャンペーンを実施している場合があります。その際は、キャンペーンを含めた総負担額を比較してから予備校を選ぶようにしましょう。
例えば、事前に相談して入学すると割引特典が得られるキャンペーンや、学習期間によって最大3回の短答式試験と最大2回の論文式試験の受験料を保証する予備校も存在します。
合格した場合、一定条件を満たせば「合格お祝い金制度」を受けることができる予備校や、初年度に合格した受験者には2年目以降の受講費を返金する返金制度を設けている予備校もあります。予備校を選ぶ際は、キャンペーンの比較を必ず行いましょう。
特に早期に合格すればお祝い金がもらえるキャンペーンは、モチベーションを高める点で短期合格を目指す方におすすめです。
まとまった資金がない場合、教育ローンが利用できます。教育ローンは、一般のカードローンやフリーローンよりも低金利になっているため、低コストで資金調達が可能です。
ただし、社会人が教育ローンを利用するには、返済能力がある一定の収入が必要なので注意しましょう。
教育ローンは返済が必要なローンであるため、返済計画を事前に立て、しっかりと返済できる見通しを持った上で利用することが重要です。
公認会計士資格は、最も高い資格の一つです。そのため、合格には高い難易度が伴います。この厳しい試験に合格するためには、予備校の利用が必要です。多岐にわたる予備校の中から、自分にフィットしたものを見つけ、学習を効果的に進めることが公認会計士合格への鍵だといえます。
今回紹介した予備校選びのアドバイスを参考に、自身に最適な予備校を見つけ、公認会計士試験の勉強に取り組んでください。
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