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2024/06/23 更新

営業事務とは?仕事内容や求められるスキル、あると良い資格などを紹介

営業部を裏方でサポートする営業事務。営業部署や営業担当者にとって欠かせない仕事です。しかし、具体的な仕事内容や一般事務との違いがわからないと感じられる方も多いかもしれません。

そこで今回は、営業事務と一般事務の違いや営業事務の仕事内容、必要なスキル、持っていると役立つ資格などを紹介します。これから営業事務に転職しようと考えている方はぜひ参考にしてみてください。

営業事務と一般事務の違い

営業事務を志望するうえで、一般事務との違いを理解しておくことは大切です。では、仕事内容がどのように違うのでしょうか。

営業事務は社外にいることが多い営業担当のサポートが主な仕事で、営業担当に代わって事務作業にあたります。ここでは、営業事務と一般事務の違いを仕事内容から紹介します。

営業事務とは?

営業事務は、社外にいることが多い営業担当者が顧客との交渉など、商品やサービスを売ることに集中できるように、社内での事務業務をサポートする仕事です。そのため、「営業サポート」や「営業アシスタント」と呼ぶ会社もあります。

具体的な仕事内容は後述しますが、メールや電話の対応、請求書などの書類作成、受発注データの入力、社内会議用資料の準備などが挙げられます。サポートといえども、決して地味でやりがいのない仕事ではなく、「営業事務がいなければ商品もサービスも売れない」といえるほど、大切な仕事です。

また、電話やメール対応など社外の人や顧客と関わることも多くあります。デスクワークが中心でワークライフバランスが整いやすいと人気のある職種の一つです。

一般事務との違い

では、一般事務との違いは何でしょうか。一般事務と営業事務の大きな違いは、担当する業務の範囲にあります。

一般事務が担当する業務は、企業や配属された部署によってさまざまですが、部門を限定せず、幅広い事務を行う傾向にあります。たとえば、ファイリングや電話応対、資料作成などの事務作業全般で、加えて庶務や経理など幅広い業務を担当することもあります。

一方、営業事務は営業活動に関わるものが中心です。営業担当者の業務サポートとして、営業担当者が営業活動をスムーズに行うための事務作業を行います。営業に関わる業務をサポートするため、商品知識が求められますし、見積書や請求書などの作成にあたっては、経理的な知識が必要な場合もあります。

営業事務の仕事内容

営業事務は、営業活動に関わるデスクワークの仕事を中心に取り組みます。メーカー、商社、建設会社、IT企業など、さまざまな業界や会社がありますが、それぞれ扱う商品、サービスによって営業事務の仕事内容は変わります。

ここでは、主な営業事務の仕事にどのような内容があるのか、具体的に説明します。

メール・電話の対応

営業事務は、クライアントとの電話・メール対応も仕事の一つです。会議中だったり担当営業が外出していたりする際、かかってきた電話や送られてきたメールに対応します。

内容は、顧客からの問い合わせや、商品の在庫有無の確認など多岐に渡ります。お客様が相手なのでビジネスマナーが求められるだけでなく、問い合わせのあったお客様の契約情報や納品状況を正しく把握しておくことが求められるでしょう。

さらに、内容がクレーム対応の場合もあります。営業担当者の代わりにクレームに対処するときは、営業担当者とクライアントとの間で発生したやり取りも理解しておく必要があります。印象も大切になるため、誠意を持って丁寧な態度で接しましょう。

書類を作成

営業にあたっては、見積書、請求書、納品書、送付状など、顧客との取引にさまざまな書類が必要です。書類は業界や会社によって多岐に渡りますが、これらの書類作成を営業に代わって営業事務が行います。書類のやり取りは取引上でも重要ですので、スピーディで正確な対応が求められる重要な仕事です。

これ以外にも、顧客向けの提案資料や説明書類などを作成することもあるでしょう。また、営業担当の指示のもと、プレゼンテーションや社内会議用の資料を作成する場合もあります。いずれにしてもWordやExcel、PowerPointなどのソフトを使って作成することが一般的なので、基本的なPCスキルを身につけておいた方が良いでしょう。

部署の売上管理や報告書の作成

部署の売上を日別、月別などで記録し、決められたフォーマットにまとめます。社内システムが整備されている場合はシステムに入力を、表計算ソフトで管理している場合はシートに入力します。会社によっては、記録するだけでなく、分析作業を行うこともあります。専用のツールやExcelなど、分析に使用するツールは会社によってさまざまです。

さらに、分析した結果を表やグラフにまとめ、会議で報告できるような資料にまとめるところまでを依頼される場合も。また、社内報告に使う売上報告書の作成を指示されることもあります。会議や社内報告がスムーズにできるようサポートします。

書類のファイリング

営業活動や取引で使用する書類をファイリングするのも営業事務の仕事です。整理されていない資料や書類は、業務の効率性を低下させる要因となってしまいます。どこに何があるか分からない状態では、必要な書類を探すのに時間がかかり、非生産的な時間を過ごしてしまうことになるため、地味ですが大切な仕事の一つです。

ファイリングする書類としては、契約書や見積書、発注書や納品書、請求書が挙げられます。書類は、クライアント別や種類別、日別など自分以外の人でも探しやすく、見やすいように整理し保管することが大切です。見積書や納品書など、中には法律で一定期間の保管が義務付けられている書類もあるため、数年後にもわかるようにしておきましょう。

納品や在庫の管理

形のある商品を扱う企業では、商品の納品や在庫管理を任されることもあります。日ごと、月ごとなどの在庫数を記録し、管理します。商品そのもののほかに、営業活動に必要な商品サンプルを管理したり、顧客からの依頼に応じて発送したりすることもあるでしょう。

納期の確認依頼があれば、在庫や生産計画を確認し顧客へ回答します。在庫が足りないときは、発注をかけたり納期を調整したりして、必要数を確保します。

また、商品を受注した場合の納品手続きや納品書の送付も営業事務が担う場合もあります。納品されたら、会社のやり方に従って、経理に請求書発行の依頼をするか、営業事務自身が請求書を発行し、相手先に送付します。

いずれも、無駄なく商品の生産・発注を行うための大切な業務です。

顧客情報の管理

顧客管理とは、取引先や新規顧客、見込み顧客など、取引にかかわる顧客情報を管理する仕事のことです。

管理する情報は、住所や電話番号、契約内容、担当者名、取引履歴、契約期間などで、これらを必要なときすぐ参照できる状態にしておきます。

BtoCの事業では、顧客は個人の場合が多く、BtoBの場合は会社が顧客となるため、それぞれ分けて管理します。履歴をもとに新規案件の案内を行うこともあります。更新作業が必要な継続的な取引の場合は、契約期間が満了する前に担当営業に連絡し更新を促したり、顧客に直接アプローチして、継続契約の案内を送付するといった事務も発生するでしょう。顧客を適切に管理することは、売上に関わる重要な業務の一つといえます。

来客対応

顧客や取引先が自社に訪れるときに、待合スペースや会議室に案内する仕事です。会議室の予約や準備をしたり、飲み物を出したりすることもあります。

会社には多くのお客様が来社されます。お客様がアポイントメントのある方であればもちろん、飛び込みの営業の方だったとしても、お客様を迎えたときにはまずは自分が会社の顔として対応する必要があります。そのときの対応次第でその会社への印象が大きく左右されますから、来客対応のマナーは身につけておく必要があります。

営業とアポイントがある場合は、担当者に連絡します。アポイントがない場合は、まずは担当者に連絡をし、営業の指示にしたがって適切な対応をとりましょう。

営業事務に必要とされるスキルや資格

ここまで、営業事務の多岐にわたる仕事内容を紹介してきましたが、営業事務として活躍するためにはどのようなスキルを身につけておくと良いのでしょうか。

ここからは、営業事務の仕事を円滑に進めるために役立つスキルや、あると良い資格などを解説します。一般的な事務とは違うスキルや資格も含まれていますが、キャリアアップのためにも参考にしてみてください。

4つのスキル

営業事務に必要とされるスキルは大きく4つに分類されます。事務能力としての「OAスキル」に加え、お客様との関わりが多いことから「ビジネスマナー」「コミュニケーションスキル」、さらには「スケジュール管理能力」も身につけておくと役立ちます。それぞれ、具体的にみていきましょう。

OAスキル

PCを使って受注や発注などの処理を進めるため、PCの基本操作が行えるスキルが求められます。契約書や見積書、請求書、提案書など、さまざまな書類を作成するにあたって、オフィス系ソフトの使用は避けられません。

多くの会社が、ExcelやWord、PowerPointといったオフィス系ソフトを採用しているため、これらが使えるスキルは必須です。

営業活動に関わるデータの集計をはじめ、営業の企画会議に使う資料の作成などにあたっては、関数を使ったり、グラフを作ったりすることもあるでしょう。作業の正確さやスピードも要求される作業のため、ショートカットキーの利用や関数の理解などができているとスムーズに行えます。

ビジネスマナー

営業事務の仕事は、顧客や取引先と電話やメール、ビジネスチャットなどで直接やりとりする機会もあるため、ビジネスマナーも求められます。

電話やメール対応、来客時の対面対応などそれぞれの場面において失礼にならないよう、所作や敬語の使い方、言葉遣いなどを身につけておく必要があります。

営業事務のビジネスマナーがなければ、営業担当者だけでなく、会社全体の評価に悪影響を及ぼす可能性があります。逆に、正しい所作で対応できると、顧客や取引先からの印象がよくなり、今後も商品購入や取引の継続につながるなどのメリットが期待できるでしょう。

社内・社外を問わず、信頼の置ける良好な関係を築き、営業活動を円滑に進めるために、正しいビジネスマナーを意識してください。

コミュニケーションスキル

営業事務の仕事の特徴は、営業のサポートを行うということです。そのため、相手の意図を正確に汲み取り、伝えるためのコミュニケーションスキルがあると役立ちます。

前項でも触れていますが、営業事務は、営業担当者だけでなく、顧客や取引先とも電話やメール、ビジネスチャットなどで接する機会が多い仕事です。そのため、相手の要望や意見を対面、または非対面で正しく理解しなければなりません。

また仕事で確認したいことがあるときは、自ら連絡を取ったり、社内の営業担当者と報連相を意識して仕事を進めたりするなど、積極的に関わる姿勢が必要です。指示待ちの受け身ではなく、自らの働きかけや柔軟な対応ができると、信頼できる営業事務として活躍ができるでしょう。

スケジュール管理能力

営業事務が、営業社員のスケジュールを管理するケースもあります。仕事の優先順位を明確にし、日々の業務や週で管理する業務、月次業務などに分けてスケジュールを調整します。重複した場合は、さらに優先順位をつけ、仕事が滞らないようにします。時には、営業社員の進捗確認や声掛けも必要となるでしょう。

もちろん、自分自身のスケジュール管理も怠ってはいけません。たとえば、顧客と新規取引をする場合、事前に見積書の提示や契約書の締結などさまざまな事務手続きが発生します。そこにかかる時間をあらかじめ見込んだ上で、納期に間に合うように段取りを進める必要があります。

業務量をきちんと把握し、納期から逆算したスケジュールを立て管理する能力が求められます。

7つの資格

営業事務には持っていると役立つ資格があり、取得を目標にすることでスキルアップも目指せます。

たとえば、マイクロソフトオフィスの操作スキルであるMOSをはじめ、ビジネスマナーとしての秘書検定、経理に関わる日商簿記などです。

ここでは7つの資格について、ポイントを紹介します。

MOS

営業事務が持っていると役立つ資格にMOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)があります。MOSは、マイクロソフトオフィスのWordやExcel、PowerPoint、Access、Outlookの操作スキルを身につけたと証明する資格です。営業事務では、頻繁に使うため、Excelを使ったデータ集計や表計算、PowerPointを使った資料作成など、学んでおくと強みになるでしょう。

MOSの難易度はそれぞれ、一般レベルと上級レベルにわけられており、受験資格はありません。

未取得の場合は、スキルアップとして勉強することをおすすめします。採用面接でも、MOSを取得していると即戦力として活躍できる人材として見てもらえる可能性があります。

秘書検定

秘書検定は、秘書技能検定試験と言われ、公益財団法人実務技能検定協会が運営・実施する検定です。社会人が身につけておきたい基礎的なスキルを証明することができるため、秘書として勤務する予定がある人以外も取得しておくと良いでしょう。取得にあたって、たとえば、ビジネス用語、敬語、情報管理、応対の仕方などを学ぶことができます。

秘書検定で受験できる難易度は、3級・2級・準1級・1級の4段階で、受験資格はありません。秘書検定で学べることは、事務作業だけに関わらず幅広い職業で必要とされる知識で、あらゆるビジネスの現場で役立つ振る舞いを身につけられます。取得しておくと、転職や就職の際に有利になる可能性が高いと言えるでしょう。

日商簿記

日商簿記検定とは、日本商工会議所および各地商工会議所が実施する検定試験のことです。日商簿記は、経営に関する簿記や会計の知識を身につけたことを証明する資格で、公的な資格に分類されます。

営業事務では、営業サポートとして経費精算や小口現金管理、売掛金や買掛金に関わる業務があり、これを適切に経理処理を行うため簿記の知識が役立ちます。

難易度は1〜3級、簿記初級と原価計算初級に分かれており受験資格はないため、まずは3級から取得してみると良いでしょう。

営業事務の場合、多くの会社では日商簿記3級を取得していれば評価されるため、採用だけを考えると上級資格まで取得する必要はありません。

ビジネス実務法務検定

ビジネス実務法務検定試験は、東京商工会議所が主催しており、国家資格ではない民間資格です。

ビジネス実務法務検定は、あらゆる業種に通用する法律知識を体系的に正しく学ぶことを目的として創設された資格試験で、営業事務のように契約書を作成したりする作業が発生する事務系職の場合は取得が必須になっている場合もあります。取引先との契約書の締結や、会社法に基づく企業財産の管理など、正しい法的知識を持った人材は重宝されます。

ビジネス実務法務検定は法律関係の資格ではありますが、弁護士や司法書士のように何年間も勉強しないと取得できない資格ではなく、あくまでもビジネスに絞った法律関係の部分を浅く学ぶことができる資格なので、法律に興味がない人でも取り掛かりやすいのが魅力でしょう。

ビジネス・キャリア検定

ビジネス・キャリア検定試験は、企業の職務遂行に必要な実務能力を評価するための公的な資格試験で、人事・人材開発・労務管理、経理・財務管理、営業・マーケティング、生産管理 など8つの分野から自分に合った試験を受験することができます。

業務のなかで覚える知識には多少なりとも偏りが出てしまうもの。しかしビジネス・キャリア検定を受ければ、体系的に職務スキルを習得できます。また自分の実務能力を客観的に測れるのもメリットの一つでしょう。

ビジネス・キャリア検定を取得していることで、会社内での評価が高くなるだけではなく、転職の際にも実務経験に加えた実績として評価してもらえる可能性が高まります。

TOEIC

TOEICとは英語でのコミュニケーション力を判定するための世界共通テストです。

一般的な試験のように合格・不合格はなく、10〜990点の間の5点刻みで採点されるのが特徴です。英語レベルによって受験内容が変わることはなく、英語初学者から上級者まで、同じ問題が用意されています。財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会が運営しており、スコアによって英語でのコミュニケーション能力のレベルが分類されます。

取引が日本国内のみという場合にはあまり重要視されませんが、海外の顧客との取引があり英語力を求められる会社で営業事務として働く場合は、TOEICの点数を求められることがあります。合格・不合格の判定ではないため、一度受験して自分のレベルをはかってみるのも良いかもしれません。

文書情報管理士資格

文書情報管理士資格とは、主に企業で扱う紙の文書(帳票類、伝票類、ビジネス文書、技術資料、図面など)を電子機器でデジタル化し、保管・閲覧できるようにする技術や知識が問われる資格です。最適な電子保存方法の理解ができ、文書の大切さを伝えられるエキスパートだと証明できるもので、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が認定しています。

資格は2級、1級、上級と分かれており、5年ごとの更新が必要です。更新料は有料で、簡易的な課題提出も求められます。

リモートワークなどを中心としたワークスタイル変革が生じた昨今は、書類の電子化や個人情報の保護など、文書管理の重要性が高まっているため、アピールできる資格といえます。

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営業事務は、受注や出荷の対応、取引先や顧客との電話やメール対応など、営業担当者をサポートする仕事です。オフィスワークが中心で、ワークライフバランスを重視する人に人気の職種でもあります。

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株式会社WARC

WARCエージェントマガジン編集部

「人材紹介の『負』の解消を目指す、新しい転職エージェント」をビジョンに、ハイクラス人材紹介事業を展開しているWARC AGENT。WARCエージェントマガジン編集部は、このビジョンを支えるために、転職者に役立つ情報を執筆し、個々のキャリア形成をサポートしていきます。

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