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バックオフィス
2024/08/01 更新

AIとDX化でバックオフィスの仕事は将来なくなる?AI導入が必要な理由5選

企業の業務効率化が進む中、バックオフィスのAI導入が注目されています。しかし、多くの人がAIによってバックオフィスの仕事がなくなるのではないかと不安に思っているかもしれません。

この記事では、バックオフィス業務がどのように変わるのか、AIの導入によってどんな業務が変化し、どんな業務が残るのかを詳しく解説します。

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バックオフィスとは

バックオフィスとは英語で「back office operation」「back office task」と呼ばれる業務を意味し、企業や組織において主に事務処理や管理業務などの裏方業務を行う部署や機能を指します。

ここでは、バックオフィスについて詳しく見ていきましょう。

バックオフィスの定義

バックオフィスとは、顧客と直接やり取りすることなく、企業運営に関わる事務実務を担う部門です。企業によっては「間接部門」「コーポレート部門」とも呼ばれています。

具体的には、以下の部門が「バックオフィス」に該当します。

  • 経理・財務
  • 人事
  • 総務
  • 法務
  • 情報システム

顧客と直接的に関わったり、売上を上げる部門はフロントオフィスと呼ばれ、バックオフィスはフロントオフィスをサポートする役割も持っています。

▼バックオフィスとフロントオフィスの違いについてはこちら

バックオフィスの重要性

バックオフィスは企業活動の根幹を支える不可欠な存在です。

ヒト・モノ・カネに関わる業務を担当し、とくに事務・会計・生産・販売分野で中心的な役割を担います。

企業の規模や状況によってその重要性は異なりますが、大企業ではフロントオフィスの活性化、中小企業では売上向上や事業拡大、IPO準備企業ではコーポレート・ガバナンスの整備など、多岐にわたる役割を果たしています。

DX推進に伴い効率化が進む一方で、企業の成長と生産性向上に直結する重要な部門として、その価値は今後も変わりません。

バックオフィスの課題と解決策

バックオフィスが抱える課題について、以下の表にまとめました。

課題

解決策

業務の非効率性

  • 業務プロセスの見直し
  • デジタル化の推進

コスト削減の圧力

  • アウトソーシングの活用
  • AI・RPA

人材不足

  • 社内教育の充実
  • 専門性の高い人材の採用

変化への対応

  • 継続的な学習
  • 適応力の向上

ポイントは、これらの解決策を個別に実施するのではなく、総合的なアプローチを取ることです。たとえば、デジタル化を進める際には、同時に社内教育も行い、従業員のスキルアップを図ることが効果的です。

バックオフィスがなくなるといわれる理由

バックオフィス業務の効率化が進む中で、AI導入やペーパーレス化、電子帳簿保存法改正などの動きがあり、これまでの業務がいずれなくなるのではと懸念されています。それぞれの項目について具体的にみていきましょう。

AIの発展

バックオフィスには、データ入力やチェック作業などの定型業務が多く存在します。これらの業務は、AIやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)が得意とする分野です。

RPAとは、人が行っていた定型業務を自動化するプログラムのことであり、以下の特徴が挙げられます。

  • 24時間稼働可能
  • データ入力、チェック作業、データ分析を得意とする
  • 人員削減や作業時間短縮に貢献
  • 請求書の作成・発行から送付までを自動化
  • 人為的ミスの減少
  • 作業スピードの向上

これらの利点によって、バックオフィス業務の効率が飛躍的に向上します。

電子帳簿保存法の改正

2024年から電子帳簿保存法が改正され、決算書類や取引書類の電子保存が義務付けられました。

この法改正により、バックオフィスの業務は大きく効率化されることが期待されています。具体的には、経理で使用する帳簿や書類がデータ化され、AIやRPAを活用して経理業務が自動化されます。

これにより、バックオフィス業務のデジタル化とシステム化が進み、全体的な業務効率が大幅に向上することが期待できます。

AIの導入によってバックオフィスの仕事はどうなる

AIを導入すると、バックオフィスの業務がなくなるのではないかと考えられていますが、すべての業務がなくなるわけではありません。ここではまず、どのような業務がなくなる恐れがあるのか、職種ごとに解説します。

AI導入でなくなる恐れのある経理業務

経理業務でなくなる恐れのある仕事は、比較的規則性のある単純な業務です。

たとえば、以下のような業務があげられます。

  • 伝票の仕訳や入力
  • 経費精算業務の一部
  • 請求書の発行や発送業務
  • 給与計算
  • 現金出納管理

上記のような業務はAIに置き換わる可能性が高いといえます。AIが伝票の数字の内容を読み取り、仕訳や請求書の発行・発送を行い、勤怠システムや交通系ICカードなどと連携させれば、人の手で行うことは大きく削減されます。

AI導入でなくなる恐れのある人事業務

人事の分野でなくなる恐れがあるのは、定型業務でRPAを入れやすいデジタル業務です。

社員から提出された勤怠システムに入力できない情報を集計し、別の管理システムに入力する単純な定型業務などが当てはまります。

人事系でもデジタル情報間での集計、転記業務はRPAの得意分野であり、導入することで業務の効率化が図れるため、人の仕事ではなくなる恐れがあります。

AI導入でなくなる恐れのある総務業務

総務の業務でAIが導入され、なくなる恐れのあるのは、一定のルールに基づいて繰り返し行われる単純作業です。

さまざまなオフィス関連のベンダーからメール等で届く情報を集計し直し、デジタル伝票化したり、勘定システムに仕訳入力する業務などが当てはまります。また、総務・施設系のデジタル情報間での集計や転記業務もAIによって効率化が図れる業務です。

今後も必要なバックオフィスの仕事とは

AIやRPAがいくら発展しても置き換えられない業務もあります。

以下のような業務に関しては今後も人間の手が必要とされるでしょう。

今後もなくならないと考えられる経理業務

経理業務の中でも専門性が高く、規則性がない以下のような業務はなくならないといわれています。

  • 税務関連の対応
  • イレギュラーな経理業務への対応
  • 帳簿や決算書類の最終的な確認作業
  • 財務分析・経理データの分析
  • 経理システムのメンテナンスや管理業務

税務関連の法律は毎年のように変更があるため、それらの対応や経理システムの管理などは人間が改正点をまず把握しなければなりません。

また、AIやRPAができるのはデータの処理や集計までですので、作成された書類の確認やデータの分析などは人間の仕事になります。

今後もなくならないと考えられる人事業務

人事業務の中でも経営者と社員との間に立って行動する仕事はAIに取って代わられることはありません。手書きの書類や打刻された勤怠表を集計し、勤怠管理システムに入力しなおす業務などは人間にしかできません。また、人事系の紙ベースのデータ内容をデジタルへ転記する作業なども人の仕事です。

人事業務は人を扱う職種であるためAIによってなくなってしまう可能性は低いでしょう。ルーティンワークが多くありますが、幅広い業務に関わり複雑化しているため、AIの導入によって人員が減ることはあってもなくなることはないと考えられます。

今後もなくならないと考えられる総務業務

オフィス関連のベンダーから紙で届く請求書や計算書などの集計や、管理システムに入力する業務は人の仕事です。総務・施設系の紙ベースの情報をデジタルへ転記する業務なども当てはまります。これらは今のところなくならない業務と考えられます。

また、AIはデータを元にさまざまな処理を行うことができますが、0から何かを生み出すことは苦手です。そのため、実施経験のないイベントの企画立案や、これまで受けたことのない問い合わせに対する電話対応などはAIまかせにできません。人の感情や場の雰囲気を読み取るような作業もAIでは難しいといえます。

バックオフィスのAI導入が必要な5つの理由

AIを導入することで業務が無くなる恐れがあるにもかかわらず、なぜAI導入が必要なのでしょうか。

ここでは、AI導入が必要な理由を見ていきましょう。

1.急激に変化する働き方に対応するため

コロナ禍によってテレワークの導入が進む中、バックオフィス業務の効率化が急務となっています。テレワークは感染予防やコスト削減のメリットがある一方で、対面コミュニケーションの減少や業務進捗の把握困難といった新たな課題が浮上しています。とくに、書類の管理や業務承認の遅延が問題となり、バックオフィス業務に影響を与えています。こうした状況に対応するためには、バックオフィス業務のリモート化やクラウド化が必要です。

日本ではAI活用が遅れているものの、経営者層はAIツールへの投資を加速しています。これにより、急激に変化する働き方に柔軟に対応し、生産性を向上させることが求められています。

2.コスト、工数の削減を図るため

バックオフィス業務は企業運営に不可欠ですが、多くの人員を必要とし、工数がかかるため、労働人口減少に伴う人手不足が深刻な問題となっています。

そこで、DX推進が鍵となります。自動化やペーパーレス化を進めることで、入力作業や書類管理の工数を削減し、人件費や経費を抑えることが可能です。初期投資は必要ですが、長期的には投資額以上のコスト削減が見込まれます。

3.正確性を担保するため

DX化の進展により、手作業が減少し、ヒューマンエラーのリスクが低下します。

バックオフィス業務はとくに正確性が求められるため、業務の質が安定し、他社からの評価向上にも寄与します。自動化や業務の標準化が進むことで、ITツールによる業務処理はミスが少なく、統一されたフォーマットの使用により作業の一貫性が保たれます。その結果、独自のやり方によるミスも防ぎ、業務の正確性が確保されます。

4.属人化の解消を図るため

AIの導入を進めることで業務の標準化が実現し、属人化を防ぐことが可能になります。

バックオフィス業務は専門性が高く属人化しやすいですが、業務の進め方が統一されることで、特定の担当者に依存しない体制が構築できます。多くのITツールは決まったフォーマットを提供しており、新入社員でも簡単に扱えるため、業務の標準化が容易に進みます。また、事故や休職、退職時の業務停止リスクを低減し、バックオフィス業務の安定性を確保することも期待できます。

5.社員の満足度向上のため

バックオフィスのDX化が進むことで、業務の効率化が図られ、従業員の負担が大幅に軽減され、社員の満足度向上につながります。さらに、リモートワークの導入など、働きやすい環境を整えることも大切です。

社員満足度が高まれば、離職率の低下などの業務外のメリットも生まれるため、バックオフィス体制の整備においても「社員満足度」を意識することが重要です。

バックオフィスのAI導入を進めるための具体的な取り組み

バックオフィスのAIを導入するにあたって、さまざまな方法があります。ここでは、具体的な取り組み方法についてご紹介します。

目的と目標の明確化

AI導入の第一歩は、導入の目的と達成したい目標を明確にすることです。

業務のどの部分にAIを適用し、どのような効果を期待するかを具体的に設定します。たとえば、書類の処理やデータ分析の効率化、ヒューマンエラーの削減など、具体的な課題と目標を定めることで、導入後の評価や改善がしやすくなります。

ペーパーレス・電子署名などを推進する

AI導入の一環として、ペーパーレス化や電子署名の導入を進めることが有効です。

紙ベースの書類管理をデジタル化することで、作業効率が向上し、書類の紛失や管理ミスのリスクが減少します。電子署名を活用すれば、契約書や承認プロセスのスピードも格段に向上します。

アウトソーシング・RPAの活用

AI導入を進める際、アウトソーシングとRPAの活用は非常に効果的です。

アウトソーシングは、電話対応やメール対応、データ入力など専門性の高い業務を外部に委託することで、本来注力すべき作業に時間を確保できます。

一方、RPAは、定型業務の自動化に特化したソフトウェアで、データ入力やシステム間の連携を24時間稼働で実施します。これにより、業務スピードの向上やヒューマンエラーの減少が期待でき、全体の効率化を図ることが可能です。アウトソーシングとRPAを組み合わせることで、バックオフィス業務の自動化と効率化がさらに高められます。

クラウドサービスの活用

AIツールの導入には、クラウドサービスの活用が不可欠です。

クラウドベースのプラットフォームを利用することで、AIツールの運用や管理が簡単になり、データのアクセスや共有も容易になります。さらに、クラウドサービスはスケーラブルであり、業務の成長に合わせて柔軟に対応できるため、長期的なコスト削減と効率化を実現します。

バックオフィスでAIを導入して企業の課題を解決しよう

バックオフィスにおけるAI導入は業務効率化やコスト削減に寄与しますが、全業務をAIに置き換えるわけではありません。AIは定型業務やルーチンワークの自動化には効果的ですが、高度な判断力を要する業務は人間の手が必要です。

企業はAIを活用しつつ、人材育成と業務標準化を進め、変化に適応して価値を最大化することが求められます。

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株式会社WARC

WARCエージェントマガジン編集部

「人材紹介の『負』の解消を目指す、新しい転職エージェント」をビジョンに、ハイクラス人材紹介事業を展開しているWARC AGENT。WARCエージェントマガジン編集部は、このビジョンを支えるために、転職者に役立つ情報を執筆し、個々のキャリア形成をサポートしていきます。

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