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2024/08/18 更新

庶務(しょむ)とは?事務や総務との違い、仕事内容、求められるスキル

管理部門や事務職の仕事を探している方は、庶務の求人を目にする機会が多いのではないでしょうか。庶務は、バックオフィスの業務を扱う職種ですが、具体的な業務内容を知らない方も多いです。総務や事務と混合されがちの庶務ですが、その業務内容や求められるスキルは異なります。

本記事では、庶務について紹介しながら、事務や総務との違いを解説します。業務内容や必要なスキルについても解説するので、最後まで読んで参考にしてみてください。

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庶務(しょむ)とは?

庶務の仕事は、企業で働くメンバーが快適に仕事ができるようにサポートすることです。所属企業によって具体的な業務内容は異なりますが、一般的には来客や電話対応、備品管理などが庶務の業務に含まれます。その他にも、データ入力やファイリング、伝票整理など、さまざまな業務を担うのが特徴です。

庶務は、営業のように目に見える活躍や成果を披露する機会は少ないですが、庶務の活躍によって社内環境が整い、メンバーの業務効率をあげる重要な役割を担っています

「庶務」の意味

庶務の「庶」には、「もろもろ」という意味があります。「もろもろ務める」という文字通りで、オフィスの諸々の事務作業は庶務の仕事です。

現在は、一般事務と同類で呼ばれるケースが増えてきています。企業によって呼び方が異なるため、求人票では「一般事務」「庶務」「サポート」などさまざまな呼び名で募集がされています。

庶務と事務の違い

一般的には、庶務と事務は同じ意味です

企業の部署によって呼び方が変わるため、混乱する方が多いのではないでしょうか。電話対応やデータ入力など、企業が求める事務作業やその他雑務などを担うのが庶務の役目です。呼び方は異なりますが、事務でも同様の業務を担います。

「一般事務」と呼ばれる場合もありますが、一般事務も庶務や事務と同様の業務内容です

庶務と総務の違い

庶務と総務の違いは、所属先です。総務は「総務課」や「総務部」といった部署に所属するため、企業に一つしか部署がありません。一方で、庶務は各部署に配属されるケースが多いです。

また、総務は社内制度の改正や社内イベントを企画・実行、さらには教育研修などを行います。いわゆる「企業や組織全体をサポートする」役目があるのです。一方で、庶務は「各部署の事務的な業務」を担うため、さまざまな業務を担当する点が特徴として挙げられます。

庶務と経理の違い

庶務と経理の違いは、専門性の高さや所属部署です

経理は、企業の「経理部」に配属され、企業のお金に関するあらゆる業務に対応します。具体的には、日々の現金や預金の動きを記録・管理、月次決算や給与計算、決算業務や税務申告などです。年末には、年末調整など高い専門性が問われる業務を経理は担います。

一方で、庶務は各部署に配属され、メンバーが求める要求に対し柔軟に対応する役目があります。書類作成や経費処理、来客時のお茶出しや電話対応など、あらゆる業務を網羅しなくてはいけないため、業務の幅が広いです。

庶務の仕事内容

庶務とその他バックオフィスの違いを理解しましたが「結局庶務の仕事は何?」と疑問を感じている方は多いのではないでしょうか。次では、庶務の具体的な業務内容について解説します。

庶務は、多岐にわたる業務に対応します。それぞれの業務をしっかりと理解した上で、庶務へのキャリアを考えてみましょう。

電話やメール応対

営業先やお取引先など社外からかかってくる電話や、社内からの問い合わせの電話に対応するのは、庶務の役割です。また、メール対応も同様に庶務の業務に含まれます。

電話では、電話相手の名前や会社名を確認し、担当者につなげる必要があります。担当者が不在の場合は、相手の連絡先を確認し折り返しをすることを伝えたり、必要であれば伝言を受け担当者に報告します。部署によっては、クレームの電話がかかってくる場合もあるので、必要に応じて上司につなげるなど、柔軟な対応が求められるでしょう。

書類の作成・管理

配属先のメンバーに頼まれた書類の作成や管理も庶務の仕事です。

会議資料やプレゼン資料などの作成が一般的でしょう。資料を作成する際は、Excel・Word・PowerPointなどのソフトを使用します。わかりやすい資料を作成するために、表やグラフ作成などのスキルは必須です。

また、お客さまのデータや取引先データをパソコンで管理する業務を任される場合もあります。データ管理など、正確かつ細かい作業が得意な方には向いているでしょう。

備品管理

コピー用紙や文房具など、業務で利用する消耗品管理も庶務の仕事です。在庫を確認し、欠品しそうなものは事前に注文し補充します。メンバーが必要としたときに、在庫がないという事態にならないように事前準備が大切です。

また、新人メンバーや異動してきた方に、新しいパソコンを支給したり、文具や名札を準備するのも、庶務の役目に含まれます。

小口現金管理

小口現金管理とは、日常的な経費精算のために少額の現金を社内において管理することを言います。

庶務は、メンバーが営業先に持っていく手土産や外回りの際の移動費として、発生する交通費の管理をする役目があります。経費精算と聞くと経理の仕事だと思いがちですが、小口現金管理のような少額の金額の場合、まずは庶務が管理し月末に経理部へ申請するケースが多いです。

来客応対

取引先やお客さまが部署の担当者を訪ねてきた際は、まずは庶務が案内をします。具体的には、お客さまを会議室や応接室に案内し、必要であれば飲み物を出す役目です。事前に来客がわかっていれば、会議室や応接室を予約しておきます。

来客対応する際、お客さまに対して失礼がないように挨拶やビジネスマナー、お茶出しの知識が必要です。

清掃

一般的に、大企業では社内の清掃を業者に委託するケースが多いですが、細かい箇所まで担ってくれる業者は少ないです。オフィスのデスク回りや給湯室、応接室や会議室など、配属先の部署だけでなく、共有箇所の掃除を担当する場合もあります。

庶務として働くメリット

庶務の業務内容を理解した次は、庶務として働くメリットについて解説します。今回は2つに絞って紹介していますが、その他にも庶務として働くメリットは多いです。

管理能力が身につく

庶務は、伝票や小口現金、郵便、備品などさまざまな管理を担います。そのため、これらの業務を担うことで、管理能力を養えるでしょう。さらに、管理する際は正確性や効率性が必須です。日々の業務をこなす中でレベルが高い管理能力を身に付けられるのが、庶務のメリットとして挙げられます。

書類の提出日や納入日など、庶務の業務を担う上で把握すべきスケジュールは多いです。スケジュール管理も大切な庶務の仕事であり、管理能力向上に直結するのも庶務の魅力でしょう。

マルチタスクができるようになる

書類作成や来客対応、電話対応、ファイリングなど、庶務はあらゆる業務を担当します。自分が仕事を抱えている場合でも、他の業務をメンバーから依頼されたら、複数の業務を同時進行させなくてはいけません。

そのため、庶務には優先順位を付けながら効率的に業務をこなすことが求められます。最初は難しいですが、慣れてきたらマルチタスクをこなせるスキルが身につくでしょう。

庶務として働くデメリット

次は、庶務として働くデメリットです。メリットとデメリット両方を理解することで、庶務として働く姿をイメージしやすくなります。両者をしっかり理解した上で、庶務へのキャリアを考えてみましょう。

雑務係として軽視されやすい

庶務の多くは、目立たない業務です。そのため、雑務として軽視されるケースが多いでしょう。

庶務の仕事は、営業のように目に見える成果が少ないため、評価されにくいです。「自分は頑張っているのに評価されない」と感じる方も多く、やりがいを実感しにくい点は庶務のデメリットといえるでしょう。裏方の仕事やサポート業務が苦手な人には、庶務は向いていません。

モチベーションの維持が難しい

庶務の業務特徴として、繰り返しの業務が多いことが挙げられます。伝票作成や資料作成など、同じ業務の繰り返しが苦手な方にとって、モチベーションの維持は難しいでしょう。

また、自分の業務がたまってしまったとき、残業をせざるを得ない状況や、優先順位の配分に悩む機会も多くなります。そういった際、仕事に対する不満がたまりモチベーションが低下しがちです。

庶務に求められるスキル

庶務に求められるスキルが気になる方は多いのではないでしょうか。庶務として働きたいと考えていても、実際の業務でどのようなスキルが必要か理解していなくては、活躍できません。

以下では庶務に求められるスキルを紹介します。紹介されているスキルを参考に、準備してみましょう。

ビジネスマナー

庶務は、電話対応や来客対応をする「会社の顔」です。庶務の行動や態度次第で、社外の人に会社の印象が左右されます。庶務のマナーや態度が悪いと、会社の印象が悪化しかねません。会社の印象をよくするためにも、庶務にはビジネスマナーが求められます。

ビジネスマナーは、秘書検定で学ぶことが可能です。秘書検定に合格すれば、ビジネスマナーが身についていることを証明できます。庶務に必須な資格ではありませんが、庶務としてのスキル習得やキャリアアップを目指す方にオススメの資格です。

コミュニケーション力

庶務は事務作業だけでなく、電話対応や来客対応、他部署との連携をする機会が多いです。その際、コミュニケーションの力は必須でしょう。

相手の要求や要件を正確に聞き取るだけでなく、自分の考えや意思を誤解されないように正確に伝えることも、コミュニケーション力です。

コミュニケーション力は、ただ話すだけでなく、相手に合わせた会話や話し方、さらに声のトーンや大きさも重要になります。メンバーから話しかけられやすい雰囲気をつくるためにも、温厚なコミュニケーションを意識してください。

周囲に気を配る力

庶務の仕事はいわゆる「サポート業務」です。メンバーが効率的に働ける環境をつくることが庶務の役目とも言えます。そのため、庶務には「メンバーが今何をしてほしいか」「何があれば気持ちよく仕事ができるか」など、周囲を気にしながら行動ができる力が求められます。

メンバーが困っているときには手助けをしたり、事前になくなりそうな備品を補充することも、周囲への気遣い力です。

周囲への気遣い力は、庶務だけでなくビジネスパーソンとして一緒に働くメンバーに好印象を与えます。意識して行動することで身につくので、日常生活から挑戦してみましょう。

正確性

庶務の業務は多岐にわたりますが、数字や個人情報、取引先のデータを扱う機会が多く、ミスが許されないです。そのため、作業には正確性が求められます。資料作成の際も、必ずダブルチェックを実施するなど、慎重な作業が伴います。

また、「すぐにお願いしたい」という急ぎの仕事を依頼されたときは、正確性だけでなくスピード感も求められるでしょう。いかに効率的かつ正確的に業務を遂行できるかが肝心です。

臨機応変に対応する力

庶務の業務は、自分が抱えている業務だけでなく複数のメンバーから同時に違う仕事を頼まれる機会が多いです。頼まれたからと言ってやみくもに業務を進めても、納期に間に合わなかったり、ミスをしてしまう可能性があります。

複数の業務がある場合は、まずは優先順位を決めるのが大切です。1番緊急かつ重要な業務、その次に緊急かつ重要ではない業務、緊急ではないけど重要な業務、それ以外の業務で区分するといいでしょう。優先順位を付けて業務しながら柔軟に対応することは、マルチタスクをこなす庶務にとって必要不可欠です。

業務が手一杯になってしまっても、一度落ち着いて気持ちを切り替える冷静さも求められます。

最低限のパソコン知識

庶務が担うデータ入力や資料作成は、基本的にパソコンを利用して行います。そのため、庶務にはパソコンスキルが必須です。

特に、Word・Excel・PowerPointの3つのソフトは必ず使えるようにしましょう。基本的な業務はこれらの業務で行えます。わかりやすい資料にするためには、グラフや表を扱えるようにするのがオススメです。Excelでは、IF関数やCOUNT関数など一般的な関数を網羅しておくと、効率的に業務を行えます。

企業によっては、独自のソフトを利用している場合もあるので、臨機応変に対応できるようパソコンの基礎知識は必ず身に付けておきましょう。

庶務として働くやりがい

庶務の業務内容は、会社の利益に直接かかわるものではありません。しかし、庶務のサポートのおかげで他のメンバーが会社の利益を生み出す仕事ができるという点で、庶務は企業に欠かせない存在です。

庶務の業務であるお茶出しなど、営業担当者だけが対応をすると時間がかかってしまい、お客さまを長時間待たせてしまう可能性があります。しかし、庶務が素早くお客さま対応をすれば、お客さまを不快な思いにさせずに対応できます。

また、メンバーが見落としがちな備品整理などを庶務が担うことで、メンバーが快適に業務に追行できます。

そういった面で、人のサポートや企業の縁の下の力持ちとして貢献をしたいと感じる方にとって、庶務はとてもやりがいを感じるでしょう。

庶務で「企業の縁の下の力持ち」として活躍しよう

庶務は、データ入力や資料作成、ファイリングから、電話や来客の対応、備品管理や清掃まで、幅広い業務を日々こなしています。表に出る活動がないので、地味な仕事だと思われがちですが、企業の縁の下の力持ちとして重要な存在です。メンバーから「ありがとう」と感謝の言葉をかけられる機会も多く、やりがいにもつながるでしょう。

人をサポートすることにやりがいを感じる方は、庶務のキャリアを目指してみてはいかがでしょうか。

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株式会社WARC

WARCエージェントマガジン編集部

「人材紹介の『負』の解消を目指す、新しい転職エージェント」をビジョンに、ハイクラス人材紹介事業を展開しているWARC AGENT。WARCエージェントマガジン編集部は、このビジョンを支えるために、転職者に役立つ情報を執筆し、個々のキャリア形成をサポートしていきます。

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