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2024/07/15 更新

法務職でのキャリアを追求するには資格が必要?法務担当者におすすめの資格を紹介

法務職について考えると、一部の人々は法学の専門知識や弁護士資格が必要だと思うかもしれませんが、実際にはそうとは限りません。ただし、企業は法的な規則を順守しながらビジネスを行う必要があり、法務職で働く個人には幅広い知識が求められます。専門的な知識を持つことは、転職において有利になること間違えなしです。資格を取得することで、あなたの専門知識を証明できます。

この記事では、法務職への転職を考える方々に向けて、おすすめの資格を紹介します。

法務職に資格は必要?

弁護士になるには国家資格が必要ですが、企業の法務職に就くためには法律関連の資格が絶対に必要というわけではありません。

ただし、法務職は高度な法的知識が求められるため、法務の経験がない場合やキャリアアップを目指す場合、資格を取得することが有利です。

法務職の主な職務は、企業活動におけるさまざまな法的問題に対処したり、予防したりすることです。経営者を法的観点からサポートし、戦略法務と呼ばれる役割も近年では企業法務の一部として扱われます。

【法務の職務の具体例】

  • 契約と取引に関連する法務
  • 法的業務
  • 紛争や訴訟への対処
  • コンプライアンス規則の順守
  • その他法的相談
  • 行政機関との連絡業務

法務の仕事は高度な専門知識が必要で責任感が伴いますが、法的な知識を駆使して問題を解決することができ、やりがいも大きい職種と言えます。

法務職を志す方におすすめの9つの資格

法務の職に向けて資格を取得する際、以下の資格がおすすめです。

資格・検定名

種類

ビジネス実務法務検定

民間資格

ビジネスコンプライアンス検定

民間資格

個人情報保護士

民間資格

知的財産管理技能検定1級

国家資格

公認不正検査士(CFE)

国際資格

行政書士

国家資格

司法書士

国家資格

弁理士

国家資格

弁護士

国家資格

ビジネス実務法務検定とは

ビジネス実務法務検定とは、ビジネスの遂行に必要な法的知識を持っていることを証明できる資格です。この資格は、法務関連の資格の中で非常に知名度が高く、多くの企業が人事異動や採用の際に応募者の能力評価に参考にしています。

ビジネス実務法務検定を取得した個人は、例えば取引先との契約を結ぶ際に、契約内容の不備を見抜いてトラブルや損失を未然に防ぐことができるでしょう。

この資格には1級から3級までの試験があり、数字が低いほど難易度が高くなります。

  • 資格名称: ビジネス実務法務検定
  • 試験形式: 1級は論述式、2~3級は選択式
  • 試験日程: 1級は年1回(12月)、2~3級は年2回(6月、10月)
  • 試験時間: 1級は共通問題90分、選択問題90分、2~3級は90分
  • 受講料: 1級9,900円、2級7,700円、3級5,500円
  • 合格率: 1級8.9%、2級51.6%、3級83.2%

参考: 東京商工会議所 ビジネス法務検定

ビジネスコンプライアンス検定とは

コンプライアンスへの関心の高まりに伴い、企業ではコンプライアンスに対応できるビジネスパーソンへの需要が増加しています。コンプライアンス違反は時に企業の存続に深刻な影響を及ぼすこともあるため、企業内でコンプライアンスを遵守することは重要な課題です。

この資格を取得することで、コンプライアンス違反のリスクを最小限に抑え、企業活動を安全かつ健全に進めることができます。

ビジネスコンプライアンス検定には初級試験と上級試験が存在し、上級試験も2~3ヶ月ほどの学習で取得可能です。そのため、転職や就職の際にも高く評価されやすい資格であり、企業の法務職を目指す人に向いています。

  • 資格名: ビジネスコンプライアンス検定
  • 試験形式: 筆記試験
  • 試験日程: 年2回、2月・8月
  • 試験時間: 120分
  • 受講料: 初級5,500円、上級8,000円
  • 合格率: 約55%

参考: ビジネスコンプライアンス検定

個人情報保護士とは

個人情報保護士という資格は、2005年に個人情報保護法が施行された際に導入された民間資格です。

デジタル社会の進展に伴い、個人情報の取り扱いが複雑化しており、企業には正確な個人情報の管理と運用方法がますます重要とされています。個人情報に関する専門知識を有する人材は、法務職で需要が高まっていると言えます。

この資格は比較的新しいものですが、企業側でもその知名度が高く、高く評価されるため、おすすめの資格です。

  • 資格名: 個人情報保護士
  • 試験形式: マーク式
  • 試験日程: 年4回(3月・6月・9月・12月)
  • 試験時間: 150分
  • 受講料: 11,000円(学割:7,700円)
  • 合格率: 37.3%

参考: 個人情報保護士認定試験

知的財産管理技能検定とは

知的財産管理技能検定は、2008年に国家資格として制定された歴史の浅い資格です。

知的財産管理技能士を目指すには、この検定を合格する必要があります。知的財産管理技能士は、企業内で著作権、商標、特許などの知的財産に関連するさまざまな業務を担当します。特に著作権に関する問題が多く発生する業界では、企業にとって知的財産を守るために欠かせない資格と言えるでしょう。

この検定には1級から3級までの試験があり、法務関連の職に転職を考える場合、2級以上の取得を目指すことが望ましいです。

ただし、1級または2級の試験を受験する場合、一定の実務経験が必要なので注意してください。未経験から始める場合は、3級から受験することができます。

  • 資格名: 知的財産管理技能検定
  • 試験形式: 筆記試験(1級には口頭試問も)
  • 試験日程: 年3回、3月・7月・11月
  • 試験時間: 1級(学科100分・実技30分程度)、2級(学科・実技各60分)、3級(学科・実技各45分)
  • 受講料: 1級(学科8,900円・実技23,000円)、2級(学科・実技各8,200円)、3級(学科・実技各6,100円)
  • 合格率: 1級(ブランド7.09%・コンテンツ3.31%・特許5.05%)、2級(学科49.3%・実技33.2%)、3級(学科67.5%・実技71.1%)

参考: 知的財産教育協会 知的財産管理技能検定

公認不正検査士とは

公認不正検査士、またはCEFとしても知られ、日本公認不正検査士協会によって主催される資格です。アメリカで始まった資格で、知名度はあまり高くないかもしれませんが、現在、企業のコンプライアンスがますます重要視されているため、組織内での不正行為の防止に貢献できる資格として注目されています。

この資格を取得するには、専門家が監修した4つのコース(会計、法律、不正調査、不正防止)の試験に合格する必要があり、合格すれば公認不正検査士として認定されます。

  • 資格名: 公認不正検査士
  • 試験形式: 選択式(オンライン試験)
  • 試験日程: 年2回、6月と12月
  • 試験時間: 各科目最大180分
  • 受講料: 25,000円
  • 合格率: 非公開

参考: 一般社団法人 日本公認不正検査士協会

司法書士とは

司法書士は不動産登記や法人登記などの書類作成や代理申請ができる国家資格です。

この資格を持っていると、企業の法務職に限らず、司法書士事務所でのキャリアも選択肢に含まれます。企業では、司法書士は高度な専門知識を持ち、広範な業務に対応できるため、高い評価を受ける資格の一つです。

  • 資格名: 司法書士
  • 試験形式: 一次筆記試験、2次口述試験
  • 試験日程: 一次筆記試験:7月、2次口述試験:10月
  • 試験時間: 一次筆記試験午前120分、午後180分、2次口述試験15分程度
  • 受講料: 8,000円
  • 合格率: 5.18%

参考: 日本司法書士連合会

弁理士とは

弁理士は特許権、著作権、意匠権、商標などに関するスペシャリストであり、独占業務を遂行できる国家資格です。

国内外の知的財産権の取得やライセンス契約交渉など、これらの業務は弁理士にしかできません。知的財産管理技能士とは類似していますが、知的財産管理技能士が対応できない業務も行えるため、非常に有用な資格と言えます。

  • 資格名: 弁理士
  • 試験形式: 短答式、論文式、口述式
  • 試験日程: 年1回(1次5月・2次7月・3次10月)
  • 試験時間: 1次210分、2次300分(特許120分・意匠90分・商標90分)、3次30分(各科目10分程度)
  • 受講料: 12,000円
  • 合格率: 6.1%

参考: 日本弁理士会

弁護士とは

弁護士資格は法律関連の資格の中でも最高峰の国家資格で、難易度も非常に高いです。その高難易度の背後には、受験資格に厳しい制限があるため、受験者全体のレベルが高いことが一因とされています。

弁護士資格を持つ者は、法務分野における幅広い活動が許可されており、企業にとっては非常に価値のある存在です。ただし、弁護士資格を取得すると、独立して法律事務所を開業する権利も得られるため、多くの人が独立開業を選びます。

弁護士資格を取得した場合でも、企業で経験を積みつつ将来的に独立開業を考える場合などでは、弁護士資格は明らかに有利な資格と言えるでしょう。

  • 資格名: 弁護士
  • 試験形式: 短答式、論文式、口述式
  • 試験日程: 年1回、5月
  • 試験時間: 選択科目3時間、その他2時間
  • 受講料: 28,000円
  • 合格率: 45.5%

参考: 法務省「司法試験について」

法務職への転職において評価されるポイント

法務職への転職を検討している場合、評価されやすい要因を把握しておくことで、スムーズな転職活動が可能になるでしょう。

【法務職転職において評価されるポイント】

  1. 実務経験
  2. 法律に関する専門知識
  3. 言語スキルとコミュニケーション力
  4. ITに関する知識

実務経験

法務の職務には、株式発行やコンプライアンス、社内規程の策定、売買契約における契約書の作成など、高度な専門知識が求められる多くの業務が含まれています。そのため、実務経験を積んでいる人は、即戦力として高く評価され、転職市場でも経験者は引っ張りだこといえます。

しかしながら、日本国内では人手不足の問題も深刻であり、未経験者向けの求人も増加傾向にある実情もあります。

法律に関する専門知識

実務経験は評価されますが、未経験から法務の職に進むことはできます。ただし、専門知識を証明できる資格を持っている場合、資格を持たない場合と比べて圧倒的に有利です。

法務の職務は多岐にわたりますが、全ての分野に通じている必要はありません。特定の分野に特化した知識やスキルがある場合、それが高く評価される可能性が高いでしょう。法務の業務内容を調べ、自分が提供できる知識や経験があるかを確認することがおすすめです。

言語スキルとコミュニケーション力

外資企業や海外企業との取引がある場合、または海外に進出している企業などは、外国語でコミュニケーションを取る機会が増えます。特に法務職での転職を考える場合、即戦力として評価されるため、高い語学力が求められることがあります。

また、法務職では外部の関係者と円滑にコミュニケーションをとることが頻繁にあり、誤解が生じないようにするため、コミュニケーションスキルも重要です。

ITに関する知識

どの業界もデジタル技術の導入が進行中であり、デジタル技術に関する法的知識が必要とされています。

また、法務業界でもデジタル化が奨励されているため、伝統的な業務においてもデジタルツールの活用がますます重要になる可能性が高いです。そのため、一定のIT知識も有することは評価されるでしょう。

資格を取得して法務への転職を成功させえよう

法務の分野への転職は資格を持っていると優遇されます。法務の仕事は高度な専門知識が必要であるため、転職市場では実務経験が評価されることが多いです。しかし、人手不足などの問題から未経験者向けの求人も増加しています。資格取得などにより、自分の能力を証明できると、転職プロセスを有利に進めることができるでしょう。

また、専門的な転職支援を提供する転職エージェントを活用することで、スムーズな転職活動が可能です。

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株式会社WARC

WARCエージェントマガジン編集部

「人材紹介の『負』の解消を目指す、新しい転職エージェント」をビジョンに、ハイクラス人材紹介事業を展開しているWARC AGENT。WARCエージェントマガジン編集部は、このビジョンを支えるために、転職者に役立つ情報を執筆し、個々のキャリア形成をサポートしていきます。