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法務で活躍するために必要な資格は?企業就職にオススメの法務資格を紹介

2023/12/31 更新

法務でのキャリアを目指す際、法学部出身や弁護士であることが必須と誤解されがちですが、実際のところそうではありません。しかしながら、企業は多岐にわたる規則を順守しつつ事業を展開する必要があり、法務部で働く人には多彩な知識が求められます。専門知識を有することは、転職時に有利な要素です。資格取得は、その専門性を証明する一つの手段となることでしょう。

この記事では、法務部への転職を考える方々に適した資格をご紹介します。

法務業界には資格が必要か

弁護士になるには国家資格が不可欠ですが、企業法務でのポジションにおいては法律資格が必須とは限りません

しかしながら、法務業務には高度な法律知識が要求されるため、法務未経験者やキャリアアップを目指す人にとって、資格取得は転職の際有利な要素となります。

法務部の主な役割は、企業活動における法的な問題に対処したり、事前に未然に防ぐことです。また、経営者を法的な観点からサポートする戦略法務も、現代の企業法務で重要な役割を果たしています。

法務業務の例

  • 契約や取引に関連する法務
  • 機関法務
  • 訴訟や紛争への対応
  • コンプライアンスの遵守
  • 法律に関する相談事
  • 行政機関との連携

法務業務には、大きな責任と高度な専門知識が求められますが、法的な知識を活かし、問題解決に貢献することで充実感を得られるでしょう。

法務職を目指す人向け9つのオススメの資格一覧

 
法務を目指す人にオススメの資格は以下のとおりです。

資格・検定名

種類

合格率)

難易度

ビジネス実務法務検定

民間資格

1級8.9%、2級51.6%、3級83.2%

1級難しい、2級比較的易しい

ビジネスコンプライアンス検定

民間資格

55%程度

比較的易しい

個人情報保護士

民間資格

37.3%(平均)

比較的易しい

知的財産管理技能検定1級

国家資格

ブランド7.09%、コンテンツ3.31%、特許5.05%

難しい

公認不正検査士(CFE)

国際資格

非公開

比較的易しい

行政書士

国家資格

12.13%

難しい

司法書士

国家資格

5.18%

難しい

弁理士

国家資格

6.1%

非常に難しい

弁護士

国家資格

45.5%

非常に難しい

①ビジネス実務法務検定

ビジネス実務法務検定は、ビジネスを行う上で必要な法律知識が身についていることが証明できる資格です。法務関連資格の中でも知名度が高く、人事異動や採用の際に能力評価の参考にする企業が増えています。

この資格を持っている人は、たとえば取引先との契約締結の際、契約内容の不備を発見することでトラブルや不利益を未然に防ぐことができる可能性が高いです。

ビジネス実務法務検定は1級から3級まであり、数字が小さくなるほど難易度が高くなります。

資格名

ビジネス実務法務検定

1級

2級

3級

試験形式

論述式

選択式

選択式

試験日程

年1回(12月)

年2回(6月、10月)

年2回(6月、10月)

試験時間

共通問題90分、選択問題90分

90分

90分

受講料

9,900円

7,700円

5,500円

合格率

8.9%

51.6%

83.2%

参考:東京商工会議所「ビジネス実務法務検定試験」

②ビジネスコンプライアンス検定

コンプライアンス遵守意識の高まりを受けて、各企業でもコンプライアンスに対応できるビジネスパーソンへの需要が高まっています。コンプライアンス違反を起こすと時として企業存続に大きな影響を与えることもあり、企業におけるコンプライアンスの遵守は大切な課題です。

この資格を持っていると、コンプライアンス違反になる言動をとるリスクを低くすることができ、企業活動を安全・健全に進めるられます。

ビジネスコンプライアンス検定には初級試験と上級試験があり、上級試験でも2~3ヶ月程度の勉強時間で身につけることができ、転職や就職の際にも有利に評価されやすいため、企業の法務職を目指す人にオススメの検定と言えるでしょう。

資格名

ビジネスコンプライアンス検定

試験形式

筆記試験

試験日程

年2回、2月・8月

試験時間

120分

受講料

初級5,500円、上級8,000円

合格率

55%程度

参考:サティーファイ「ビジネスコンプライアンス検定」

③個人情報保護士

個人情報保護士という資格は、2005年施行の個人情報保護法施行に伴って設けられた民間資格です。

デジタル社会が進む中で個人情報の取り扱いが複雑になり、企業に対してより一層正しい個人情報の管理や運用方法の徹底が求められています。個人情報の扱い方をよく知った人材は法務部においてニーズがあると言えるでしょう。

比較的新しい資格ではありますが、企業側でもこの資格の知名度は高く、評価されやすくオススメです。

資格名

個人情報保護士

試験形式

マーク式

試験日程

年4回(3月・6月・9月・12月)

試験時間

150分

受講料

11,000円(学割:7,700円)

合格率

37.3%

参考:全日本情報学習振興協会「個人情報保護士認定試験」

④知的財産管理技能検定

知的財産管理技能検定は、2008年から国家資格となった歴史の浅い資格です。

知的財産管理技能士になるには、この検定を取得する必要があります。知的財産管理技能士は企業において、著作権や商標、特許などに携わる業務全般を行います。業界によっては著作権が大きな問題となるケースも近年多く見受けられるため、企業にとっては知的財産を守るためにも必要な人材です。

試験は1〜3級までのレベルがあり、法務への転職で有利に使うためには2級以上を目安に取得するといいでしょう。

ただし1級・2級を受験する場合は、実務経験が必要であるため、未経験から知的財産管理技能検定を取得する場合は3級から受験してください。

資格名

知的財産管理技能検定

試験形式

筆記試験(1級は口頭試問あり)

試験日程

年3回、3月・7月・11月

試験時間

1級(学科100分・実技30分程度)、2級(学科・実技60分ずつ)、3級(学科・実技45分ずつ)

受講料

1級(学科8,900円・実技23,000円)、2級(学科・実技各8,200円)、3級(学科・実技各6,100円)

合格率

1級(ブランド7.09%・コンテンツ3.31%・特許5.05%)、2級(学科49.3%・実技33.2%)3級(学科67.5%・実技71.1%)

参考:知的財産教育協会「知的財産管理技能検定」

⑤公認不正検査士

公認不正検査士とはCEFとも呼ばれ、日本公認不正検査士協会が主催する資格です。アメリカ発祥の資格であるためあまり知名度は高くないかもしれませんが、企業のコンプライアンスが重要視される現在では、組織内での不正防止に取り組む必要があるため、注目されている資格の一つになります。

各専門家が監修した以下の4つのコースに合格することで、公認不正検査士として名乗ることが可能です。

  • 会計
  • 法律
  • 不正調査
  • 不正防止

資格名

公認不正検査士

試験形式

選択式(オンライン試験)

試験日程

年2回、6月・12月

試験時間

各科目最大180分

受講料

25,000円

合格率

非公開

参考:一般社団法人 日本公認不正検査士協会

⑥行政書士

行政書士は、各役所に提出する書類の作成や代理申請などができる国家資格で、企業では非常に頼られる存在です。

行政書士の資格は非常に難易度が高い資格であり、行政書士の資格を取得するには大変な努力がいります。そのため行政書士を取得する人は、ゆくゆくは独立開業を目指していることも多いです。

資格名

行政書士

試験形式

選択式、記述式

試験日程

年1回、11月

試験時間

180分

受講料

10,400円

合格率

12.13%

参考:一般財団法人行政書士試験研究センター

⑦司法書士

司法書士は不動産や法人の登記などの書類作成や代理申請ができる国家資格です。

司法書士の資格がある場合、企業の法務以外に司法書士事務所への就職も選択肢に入ってきます。企業においては、司法書士は専門性の高さや対応できる範囲が広いことから、高く評価される資格の一つです。

資格名

司法書士

試験形式

一次筆記試験、2次口述試験

試験日程

筆記試験:7月、口述試験:10月

試験時間

午前120分、午後180分、2次口述は15分程度

受講料

8,000円

合格率

5.18%

参考:日本司法書士会連合会

⑧弁理士

弁理士は特許権・著作権・意匠権・商標などに関するスペシャリストであり、独占業務を行うことができる国家資格です。

国内外の知的財産権の取得、ライセンス契約交渉などが弁理士だけが行える独占業務があります。知的財産管理技能士と似ていますが、知的財産管理技能士が扱えない業務も扱えるため、有利な資格であると言えるでしょう。

資格名

弁理士

試験形式

短答式、論文式、口述式

試験日程

年1回(1次5月・2次7月・3次10月)

試験時間

1次210分、2次300分(特許120分・意匠90分・商標90分)、3次30分(各科目10分程度)

受講料

12,000円

合格率

6.1%

参考:日本弁理士会

⑨弁護士

弁護士資格は法務関連の資格としては最高峰の国家資格で、難易度も非常に高い資格です。難易度が高い割に合格率が高いのは、受験資格に制限があり受験者のレベルが高いことが理由として考えられます。

弁護士資格を有している人は、法務に関する行為全般を行う権限があるため、企業にとって需要が高い存在です。ただし弁護士資格を取得した場合、独立開業ができるため事務所を開業する道を進む人が圧倒的に多いでしょう。

弁護士事務所の開業を念頭においた上で経験を積むために企業に就職をする場合などでは、弁護士資格は圧倒的に有利な資格と言えます。

資格名

弁護士

試験形式

短答式・論文式・口述式

試験日程

年1回、5月

試験時間

選択科目3時間、その他2時間

受講料

28,000円

合格率

45.5%

参考:法務省「司法試験」

法務職への転職で注目されるポイント

法務職への転職を望む場合、評価されやすい要素を把握することで、転職プロセスを円滑に進められるでしょう。

法務職への転職で注目されるポイント

  • 実務経験
  • 法律の知識
  • 語学やコミュニケーション能力
  • IT関連に関する知識

実務経験

法務の職務には、株式の発行、コンプライアンス、社内方針の作成、契約書の作成など、高度な専門知識が必要です。実務経験があると、即戦力として評価され、転職市場でも経験者は求められています。

しかしながら、日本国内では人手不足が深刻化しており、未経験者でも受け入れる求人も最近は増えています。

法律の知識

実務経験は優遇されますが、未経験からも目指せないわけではありません。ただし専門知識を有していることを証明できる資格があると、持っていないケースと比較して圧倒的に有利です。

法務の仕事は多岐にわたるため、全ての知識を網羅していなくても特定の知識に特化しているなどの強みがあれば、評価される可能性が高いでしょう。法務が携わる仕事内容を確認し、自身がアピールできる知識や経験がないか確認するのがオススメです。

語学やコミュニケーション能力

外国企業や海外との取引がある場合、語学力が求められることがあります。特に法務部での転職を考える場合は、即戦力の人材が重視され、高い語学力が要求されることも多いです。

また、法務部では外部とのコミュニケーションも多いため、誤解を避けるためにもコミュニケーション能力も必要です求められます。

IT関連に関する知識

どこの業界もデジタル技術の導入が進んでおり、デジタル技術に関する法律の知識が求められています。

このほか法務業界でもデジタル化が推奨されているため、従来の業務もデジタルを使う必要性が出てくる可能性も高いです。そのため一定以上のIT知識があることも評価の対象となりうるでしょう。

法務の転職は資格があると強い

法務のポジションでは高度な専門知識が求められるため、実務経験が評価される傾向があります。ただし、人材不足などの課題から、未経験者を受け入れる企業も増えています。資格取得などで能力を証明すれば、転職活動が有利に進むでしょう。また、専門職の転職をサポートするエージェントを活用することも、スムーズな転職に役立ちます。ぜひ活用してみてください。

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株式会社WARC

WARCエージェントマガジン編集部

「人材紹介の『負』の解消を目指す、新しい転職エージェント」をビジョンに、ハイクラス人材紹介事業を展開しているWARC AGENT。WARCエージェントマガジン編集部は、このビジョンを支えるために、転職者に役立つ情報を執筆し、個々のキャリア形成をサポートしていきます。