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法務
2024/02/02 更新

5大法律事務所とは?それぞれの特徴と転職のポイントを解説

弁護士として将来を考える際、多くの人が5大法律事務所への就職を目指しています。これらの事務所の特徴や転職方法を知ることで、今後のキャリアの選択肢が増えるでしょう。

この記事では、5大法律事務所の特色や転職方法について説明します。

5大法律事務所について

5大法律事務所とは、日本で最も大規模な法律事務所のグループを指します。これらの事務所は多くの弁護士を抱え、一つの事務所には400人以上の弁護士が所属していることが一般的です。中規模の法律事務所の弁護士数が10名ほどであることと比べると、かなり多いと言えます。

さらに、5大法律事務所は主に企業をクライアントとして抱えており、個人案件よりも企業案件が多いのも特徴の一つです。そして、海外での案件を取り扱うこともよくあり、高い語学力が求められます。

5大法律事務所の詳細

ここでは、法律事務所ごとの得意分野や、海外拠点が幅広い点を理解しましょう。

1.西村あさひ法律事務所

西村あさひ法律事務所は、提携先を含めると所属弁護士数が800名を超える日本最大規模の法律事務所です。1966年に東京で設立され、何度か統合を行ったのち2007年に現在の形態となりました。東京をはじめとする5つの拠点に加え、海外にも事務所を構えクライアントの幅広いニーズに応えています。

取り扱うジャンルは多岐にわたり、企業法務や金融、倒産・事業再生、争訟、独占禁止法、知的財産などさまざまです。所属する弁護士は多彩な職歴を持つ人材が多い傾向にあります。

参考:西村あさひ

2.長島・大野・常松法律事務所

長島・大野・常松法律事務所は、弁護士が500名ほど所属する日本の大手法律事務所です。2000年に2つの法律事務所が統合し、現在の形態として20年以上運営を続けています。長い歴史の中で、アジア各国やニューヨークなど世界にさまざまな拠点を設けてきました。

業務内容は銀行・金融、キャピタル・マーケット、紛争解決、保険法、税務など多岐に渡ります。また、効率的で質の高いサービス提供のために、AIを用いたリーガルテックの導入を行う最先端の法律事務所です。データ分析により、さまざまな分野でワンストップの法的サービスを提供しています。

参考:長島・大野・常松法律事務所

3.アンダーソン・毛利・友常法律事務所

アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、所属弁護士数500名以上を誇る大手法律事務所です。1950年初頭から日本で第一線として活躍してきた法律事務所が合併し、現在の形態となりました。東京をはじめとする国内3箇所の事務所のほかに数々の海外拠点を構え、世界の幅広いニーズに応えています。

得意なジャンルは多岐にわたりますが、中でも国際法務分野はアジアをはじめとする海外から高い評価を得るほどです。海外クライアントの比率が高い上、多くの外資系企業から信頼を獲得しているためワールドワイドな法律事務所と言えるでしょう。

参考:アンダーソン・毛利・友常法律事務所

4.森・濱田松本法律事務所

森・濱田松本法律事務所は、2023年9月時点で所属弁護士数700名を超える国際的な法律事務所です。2002年に2つの弁護士事務所が統合して以来、20年に渡ってさまざまなクライアントのサポートを行ってきました。日本の5つの拠点から国内の課題に取り組むほか、アジア各国にも幅広く事務所を構え国際的な案件にも携わる組織です。

金融・キャピタル、訴訟・紛争、企業法、投資ファンドなど、多くのジャンルを得意分野としています。また、所属スタッフのワークライフバランスの実現にも取り組んでおり、優秀な人材の確保にも力を入れる法律事務所です。

参考:森・濱田松本法律事務所

5.TMI総合法律事務所

TMI総合法律事務所は、2023年9月時点で所属弁護士数が500名を超える大規模な法律事務所です。1990年の設立から長きに渡り、プロフェッショナルサービスへの需要に応えてきました。日本国内では初となる外国大手法律事務所との業務提携を結び、各国と共同事業を行っています。

得意ジャンルはさまざまありますが、弁理士が多く所属しているため知的財産分野が強みです。また、海外進出を次々と進めており、各国に駐在員を置きながらグローバル展開しています。

参考:TMI総合法律事務所

5大法律事務所の平均年収について

5大法律事務所の平均年収はどれくらいでしょうか?日本を代表する5つの大手法律事務所における弁護士たちの平均年収には興味がありますね。入社のタイミングやポジションによって、平均年収には違いがあります。

ケース①:新卒

新卒の場合、5大法律事務所への新卒採用の年収は通常1,000万円を超えるとされています。厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、2019年の弁護士全体の平均年収は男性で530.6万円(※1)、女性で457.6万円でした。そのため、5大法律事務所への入社で、入社1年目から平均年収の2倍の額をもらえることになります。

入社から3〜5年経つと、年収相場は1,500万円から2,000万円程度になります。この給与のアップ率は非常に高いと言えるでしょう。

(※1)参考:厚生労働省「賃金構造基本統計調査(職種第3表DB)」

ケース②:中途採用の場合

一方、中途採用の場合、5大法律事務所での年収は個人の経歴によって異なります。弁護士としての経験が浅い場合は1,300万円から1,800万円、10年以上の経験者は1,800万円から3,000万円程度が一般的です。

また、アソシエイト弁護士とパートナー弁護士では年収に差があります。パートナー弁護士になると、最低でも年収5,000万円になるケースが多いようです。

5大法律事務所で働く利点

5大法律事務所の一般的な概要が分かったところで、これらの大手で働く利点が気になる方も多いでしょう。大規模な法律事務所ならではの、働く上での利点について理解しましょう。

高水準の給与と福利厚生

5大法律事務所での仕事は高水準の給与と充実した福利厚生が魅力の一つです。先程も述べた通り、5大法律事務所に所属すると、新卒でも年収1,000万円を目指せるとされています。

また、充実した福利厚生には各種保険や手当、研修制度などが含まれ、これらを活用することでキャリアの発展にも繋がります。研修制度を上手に利用し、キャリアアップを図ることで更なる高収入を見込めるでしょう。

5大法律事務所では、働きやすい環境を整えるための組織体制が整っていることが多いです。優れた弁護士を継続して引き留めるために、良好な職場環境やプライベートの充実が重視されます。

図書館の整備やスキルアップ研修の充実、特別休暇の付与など、働き続けるための環境整備が5大法律事務所の魅力の一つです。大手法律事務所は、ワークライフバランスに関して深い理解を持っているとされます。

大規模案件に関与する機会がある

5大法律事務所に所属すると、ダイナミックな案件に携わることができます。これらの名声と信頼性が高い法律事務所では、多くの案件が集まります。そのうちには、国内経済に大きな影響を与えるような、スケールの大きな案件もあるでしょう。

大規模案件に携われることは、5大法律事務所で働く利点の一つです。

日々の業務でスキルを磨ける

5大法律事務所では、日本一流の弁護士たちが集結しています。そのため、日々の業務を通じてお互いに切磋琢磨しながら成長できます。

大規模事務所の弁護士は、多様な経歴やバックグラウンドを持つエキスパートです。大きなプロジェクトにはチームで取り組むことが多いため、他の弁護士との協力が豊富にあります。経験豊かなプロフェッショナルとの連携は、知識の蓄積につながり、自分のキャリアにも良い影響を与えるでしょう。

転職や独立に有利な経験を積める

業界屈指の法律事務所での経験は、将来の転職や独立にとても有利です。5大法律事務所は、様々なプロジェクトや分野で経験を積むことができます。

特に、企業法務や交渉案件は、他ではなかなか経験できないものです。多岐にわたるプロジェクトへの参加経験は、次のキャリアで高く評価されるでしょう。実際、5大法律事務所出身の弁護士が成功を収める例は多く、自身のキャリアの発展が期待できます。

5大法律事務所での難点

5大法律事務所での勤務は非常に忙しく、多忙さをデメリットと感じる人が少なくありません。大規模なプロジェクトへの関与に伴い、多岐にわたる業務をこなす必要があります。

また、海外クライアントとのやり取りには時差を考慮する必要があり、業務外の対応も少なくありません。案件の規模が大きいため、残業や休日労働が増えることがあり、ハードな労働環境と感じることもあるでしょう。

5大法律事務所の主な出身大学

弁護士が5大法律事務所に採用される際には、出身大学も重要な要素だと言われています。これらの法律事務所には、日本トップクラスの法科大学院出身者が多く在籍しています。

これらの出身者は、東京大学法科大学院、慶應義塾大学法科大学院、早稲田大学法科大学院、京都大学法科大学院などの名門校の卒業生が多いです。5大法律事務所を目指す場合、出身大学は重要なポイントとなることを覚えておくと良いでしょう。

5大法律事務所への転職するための条件

5大法律事務所への転職には、必要なスキルや実績が気になるところです。大手事務所ならではの、求められる条件を把握しましょう。

高い司法試験の成績

5大法律事務所への転職に際しては、司法試験での優れた成績が注目されます。大手の法律事務所には多くの応募者がいますので、試験の成績は評価される基準の一つです。

具体的には、司法試験での上位100位以内が一つの目安とされています。経験が豊富でも、司法試験の順位は重要な判断材料となります。

優れた実績の重要性

他の応募者と差をつけるためには、特筆すべき実績が重要です。5大法律事務所には多くの応募者がいますので、能力をアピールするために優れた実績が求められます。

「ネイティブレベルの英語力を有する」「優れた裁判官経験を持つ」など、高い実績が大切です。これまでの勤務経験だけでなく、自信を持って示せる実績を探してみましょう。

特化した専門分野の利点

弁護士として、特定の分野における専門性を持つことは、高く評価される可能性があります。5大法律事務所では、様々な専門分野を持つ弁護士がチームを組み、プロジェクトに携わるシステムが一般的です。

大規模な案件を解決するには、知的財産やITなど多岐にわたる分野の専門知識が求められます。チーム内での相互サポートを図るため、特定分野の専門家が存在すると重宝されることでしょう。

高度な言語能力

5大法律事務所では国際案件が多くあり、高度な語学力を持っていることが有利に働く可能性があります。これらの法律事務所はすべて海外に拠点を持ち、外国語が必要になる機会が増えます。

5大法律事務所への応募を考えるなら、ビジネスレベルの英語力を身につけておくことで、活躍の機会が広がるでしょう。英語以外にも、中国語などの他言語スキルがあれば、更なる評価を受けられます。

5大法律事務所への転職手段

実際に5大法律事務所に転職する際、具体的な方法についても知っておく必要があります。一般的な3つの応募手段を把握し、自身に最適な方法で転職を進めましょう。

自己応募

希望する法律事務所のウェブサイトを訪れ、自己応募を行う方法です。

5大法律事務所のウェブサイトには、新卒や中途採用の募集情報が掲載されています。求められる情報を確認し、エントリーシートを提出するための手続きを行いましょう。

自己応募では、応募から内定までの手続きを自己で進める必要があり、書類作成や面接対策などの計画的な準備が不可欠です。

ヘッドハンティング

5大法律事務所の関係者から声がかかり、能力を評価されてヘッドハンティングされることがあります。

ヘッドハンティングは、外部の優れた人材を採用するための方法です。通常の応募とは違い、企業側から直接声がかかるため、転職活動の手間が少ない点が利点です。

ただし、ヘッドハンティングを受けたからといって内定が確定するわけではないため、慎重に対処する必要があります。

転職エージェントの利用

転職エージェントを介して、プロのアドバイスを受けながら内定を目指す方法があります。

転職エージェントは、業界専門家が求職者をサポートし、内定を獲得する手助けをするサービスです。弁護士業界に詳しいエージェントも多く、エントリーシートの作成や面接の日程調整などのサポートを受けることができます。仕事と転職活動の両立が忙しい人には有益な選択肢です。

転職ポイントの整理をして5大法律事務所への転職を成功させよう

日本のトップ弁護士が集う5大法律事務所は、高収入かつ仕事のやりがいに恵まれる職場です。内定への難易度は高いものの、特有のポイントを押さえると合格圏内に近づける可能性があります。

5大法律事務所を目指すためのポイントを知り、自身に必要な準備を計画的に行いましょう。

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株式会社WARC

WARCエージェントマガジン編集部

「人材紹介の『負』の解消を目指す、新しい転職エージェント」をビジョンに、ハイクラス人材紹介事業を展開しているWARC AGENT。WARCエージェントマガジン編集部は、このビジョンを支えるために、転職者に役立つ情報を執筆し、個々のキャリア形成をサポートしていきます。