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法務の年収を理解する|仕事のポイントから年収アップの手法まで詳細解説

2024/02/02 更新

「法務の年収ってどのくらいなんだろう」「法務職になるにはどうしたらいいのか、業務の詳細を知りたい」。法務という言葉で一括りにされても、具体的な業務内容が理解されていない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、法務の年収や業務内容について丁寧に解説します。さらに、年収向上の方法や必要なスキルについても説明しますので、ぜひ参考にしてください。

法務の平均年収は550~590万円

出典

平均年収

年代別年収

NO-LIMIT(ノーリミット)

591万円(※1)

  • 20代:393万円
  • 30代:516万円
  • 40代:639万円

マイナビAGENT

596万円(※2)

  • 20代:596万円
  • 30代:509万円

LEGAL JOB MAGAZINE

560万円(※3)

  • 20代:350~450万円
  • 30代:570万円
  • 40代~50代:750万円

求人ボックス 給料ナビ

544万円(※4)

月給:45万円

indeed

579万円(※5)

月給:41万円

doda

634万円(※6)

法務の平均年収は550〜590万円ほどになっており、一般的に高い傾向にあります。なぜなら、企業は優秀な法務職を採用したいと考えているからです。

法務を目指している人は法学部や法科大学院出身者が多いです。法務は専門的な知識が評価されるため、その分年収が高くなっています。法務職と言っても、所属している企業規模や業務内容、持っている資格によっても年収に差があり、役職についているかでも年収は大きく変わるので注意してください。

法務の年収は青天井ではなく、一般法務職の平均年収は600万円前後となっています。なぜなら、法務部は必ずしも弁護士や弁理士、司法書士などのように、法律に関する専門家としてふるまうことを求められているわけではないことと、法務は営業などと違い直接的な利益を生み出す部署ではないため、自社への貢献度合いが年収に反映されづらいケースも少なからずあるからです。

(※1)参考:NO-LIMIT(ノーリミット)「【2023年】法務職の平均年収は575万円が相場|年代・業務内容別の相場と年収アップの方法」
(※2)参考:マイナビAGENT「法務」
(※3)参考:LEGAL JOB MAGAZINE「【法務】年齢別の平均年収や年収相場・年収を上げる方法」
(※4)参考:求人ボックス 給料ナビ「法務の仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)」
(※5)参考:indeed「日本での法務の平均給与」
(※6)参考:duda「年収の高い職業は? 平均年収ランキング(職種・職業別)【最新版】」

法務の年収について3つのポイント

法務は高度な専門知識が必要であり、一般的に高い傾向があります。この記事では、法務の年収に関する3つの特徴を紹介します。

企業規模で比例

法務は企業内で訴訟対応などを担当する法律のスペシャリストであり、サラリーマンとして位置づけられます。給与体系は他の部署と同様になるため、法務の給料は基本的に企業規模に応じて変動するのが基本です。

中小企業では年収が約400万円前後、大企業では約600万円前後が目安でしょう。大手企業ほど年収が高い傾向があります。これは大企業での法的リスク管理やコンプライアンスの要求が高いため、高度な専門知識や経験が求められるからです。一方、中小企業では法務の需要や業務量が少ないため、年収が比較的低い場合があります。

資格の有無で変動

法務の年収は資格の有無によって異なります。資格は法務の専門知識やスキルの証明となるため、特に弁護士や弁理士、司法書士などの資格を持つ者は企業において高い評価を受けるのです。これらの資格を持つ人材は転職市場でも求められ、競争力が高まります。逆に資格を持たない場合は競争が激しく、給与水準が低い傾向があります。資格手当が支給されるケースもあるが、資格だけでなく実務経験や専門知識も重視されるでしょう。

キャリアによる変動

法務の年収はキャリアによっても変化します。キャリアを重ねることで経験と専門知識が積み上がり、責任や役割大きくなるのです。キャリアの積み重ねにより、企業内外での評価が向上し、高い給与を得ることができる傾向があります。法務の職種は一人前になるまでに時間がかかるが、コツコツと経験を積むことで将来的には高い専門性を発揮でき、評価されるでしょう。

法務職の年収向上策について

仕事においてやりがいだけでなく、年収アップも重要な要素です。法務職で年収を向上させるための方法について、以下に3つ解説します。

転職を検討する

法務職において年収を増やす一つの手段は、転職です。特に、以下の職種に焦点を当てると、法務分野での年収向上の傾向があります。

・大手企業の法務マネージャー

法務部マネージャーは、組織内の法務活動を統括し、戦略的な意思決定やリスク管理などの役割を果たします。特に大手企業では、経営の安定性と充実した法務体制により、法務に対するリソースが充実しています。そのため、年収も高い傾向があります。一般的には法務の経験、スキル、マネジメント能力によって年収が決まりますが、800万円以上の年収が期待されることがあります。

・外資系企業の法務

外資系企業の法務は、日本国内でのビジネスを成功に導くための法的支援を担当します。外資系企業は一般的に高い給与水準を保有しており、法務職でも他の企業に比べて高い年収が見込まれます。具体的な年収は企業の規模、業界、経験やスキルに依存しますが、年収相場は700万〜800万円が目安です。

・ベンチャー企業の法務部立ち上げポジション

ベンチャー企業は成長段階によって資金やリソースの制約が異なります。初期のベンチャー企業では資金が限られているため、年収もそれに合わせて低い場合が多いです。一方で急成長するベンチャー企業では、企業の成功や業績に応じて報酬が増加する可能性があります。一般的な水準はおおむね500万〜600万円です。

経験を積むか、成果を出すことを検討する

現在の所属企業で年収向上を考える場合は、人事考課制度を確認するのが良いでしょう。この制度は、企業が定めた基準に基づいて社員の実績や業務態度、能力を評価するものです。

年収の向上を望むなら、課長や部長といった管理職への昇進が基本になります。管理職への昇進には経験の積み重ねや成果の出し方が重要です。経験を積むには、幅広い案件に関与し、異なる分野や業界の法律に習熟する必要があります。

同様に、成果を上げるためには、問題解決能力や交渉力を向上させ、リーガルサポートを有効に提供することが鍵です。成果を挙げることで信頼を築き、組織への貢献が評価され、昇進への可能性が広がります。

スキルアップを目指す

法務で年収アップを望むなら、スキルアップが欠かせません。法務職では契約書の作成や法的調査など、専門的な知識が求められます。専門知識を深めるためには研修やセミナーに参加し、資格取得を目指すことが肝心です。

同時に、コミュニケーションスキルや交渉力、プロジェクト管理能力などのビジネススキルも向上させる必要があります。これにより、部署内での協力関係を構築し、リーダーシップを発揮することで、クライアントに高品質なサービスを提供する力を身につけられるでしょう。

法務の年収アップに欠かせないスキルや経験

法務の年収向上を図るためには、卓越した専門知識や実務経験、ビジネススキルが必要です。法務で求められるスキルや経験を向上させ、実績を積み重ねることで年収アップに繋げることが可能です。以下では、年収アップに不可欠なスキルや経験について説明します。

①国際法務案件の実務経験

国際法務案件は、企業の海外進出を法的に支援するものであり、その需要が高まっています。国際的な取引が増加する現代のビジネス環境において、国際法務の専門知識や経験を持つ法務担当者は企業にとって重要な存在です。

この需要の高まりに伴い、国際法務スキルを有する法務担当者の市場価値が向上し、それに応じて年収も上昇する可能性があります。ただし、全てのケースでの年収向上が確定するわけではなく、年収は様々な要因に左右されるため、具体的な状況や条件により結果が異なる可能性も。

②海外の人とコミュニケーションがとれる語学能力

法務で年収向上を目指すためには、海外の人と円滑にコミュニケーションがとれる語学能力を身につけることが極めて重要です。国際案件においては異なる言語を話す関係者との効果的なコミュニケーションが必須になります。語学スキルを向上させることで、外国のクライアントやパートナーと円滑な対話が可能となり、案件の進行がスムーズにできます。語学力の目安としては、TOEICスコアが700点以上が望ましいです。

③コンプライアンスを意識した業務経験

コンプライアンスは法令順守を指し、現代の企業経営において不可欠な要素です。法務が担当するコンプライアンス業務は、法令違反を未然に防ぐことや組織全体にコンプライアンス意識を浸透させることを目指しています。

法務部門がコンプライアンスを管理し、法的なリスクを低減する役割を果たすことは非常に重要です。

④立ち上げやマネジメントをした経験

これまで企業の法務は、主に総務部などが担当している場合が多く、トラブルが生じた場合は顧問弁護士に相談する形で対応することが多くありました。

しかし、最近では中小企業を始め、法務部を立ち上げる企業が増えてきています。法務部を1から立ち上げを行うことはなかなかできる機会がなく、法務の年収アップに繋がる付加価値の一つになるでしょう。

また、立ち上げにはリーダーとしてコンプライアンスの推進やリスク管理といった業務をしていくことになり、マネジメントや高度なリーダシップ能力が必要になります。そういった経験は法務として年収アップに繋がるでしょう。

⑤法律に関する高度な知識

法務に必要なスキルは、法律に関する高度な知識です。高度な知識とは、法律の基礎的な理解だけでなく、専門分野や関連する法律の知識が含まれます。

法務担当者は、契約法、労働法、知的財産法など、ビジネスに関連する法的な規制や法律を理解し、適用する能力が求められます。高度な法律知識は、企業のリスク管理や法的コンプライアンスの確保、契約書や法的文書の作成・解釈、訴訟対応などの業務において重要な役割を果たします。さらに、ミスは許されないため法律の変化や最新の判例に対する洞察力や迅速な学習能力も重要です。

法務の職務内容

法務の職務は、法的アドバイスやサポートを提供し、組織の法的健全性を確保することです。以下に、法務の主な職務内容について5つ解説します。

取引先との契約書類確認

法務の主な仕事は、取引先との契約書類の確認です。企業は、取引で契約を結ぶ際、売買契約書や業務委託契約書など、さまざまな契約書を作成します。

契約書類の確認は、法律や規制に準じているかどうかを確認し、リスクや法的な問題がないかどうかを確認が必要です。万が一、契約書が違法な内容であったり、自社に不利な契約内容であった場合は、会社の信用を損ねたり、トラブルに発展する可能性があります。

そうならないために、法務担当者は契約書類を的確に評価し、企業の利益と法的な要件を守るために尽力します。契約書類の確認は、法的リスクの最小化や取引関係の円滑化に重要な役割を果たしているのです。

社内規定を整備

社内規定の整備は、企業の運営や業務に関する規定を策定し、法的に問題がないかどうかをチェックします。社内規定は、就業規則や給与規定、服務規程などさまざまな規定が多いです。

これらの規定は、企業が独自に定めているものですが、労働法などの法律に触れている内容では、従業員は安心して働くことができません。法務担当者は、関連する法律や規制を調査・分析し、組織のニーズやリスクを考慮しながら社内規定を作成・改訂します。

適切なコンプライアンスの実現やリスク管理のために、社内規定の整備は重要な業務となります。法務担当者は、社内各部門や役員と連携し、適切な規定の制定と周知徹底を行うことで、企業の運営の透明性と法的な合法性を確保します。

法律に関連する社内対応

法律に関する社内対応は、社内での法令遵守や法的問題の予防・解決に努め、企業の法的健全性を確保することです。たとえば、社内で行う予定の事業が法律的に問題ないかを確認することも法務の職務に含まれます。

また、個人情報保護法に関する場合、従業員や顧客の個人情報の適切な管理が求められます。法務部門は、組織内での個人情報保護に関するガイドラインやポリシーの策定、従業員への教育・啓発活動の実施などを通じて、個人情報保護法への遵守を確保します。さまざまな法律があるため、法務は法律に関するスペシャリストでなければならないのです。

企業の法的な手続き

法務の仕事は企業の法的手続きの管理とサポートです。これは、企業が法的な要件を遵守し、法的手続きを適切に実施するための役割を果たします。

たとえば、子会社を設立したり、株式の発行や分割等を行ったりする際、契約の作成や管理、法的文書の作成やレビューなどの業務を行います。法務担当者は、法的なリスクを評価し、適切な法的アドバイスを提供するだけでなく、必要な手続きを遂行し、法的な問題の解決に向けて企業をサポートです。

企業の法的手続きの適切な管理は、リスクを最小限に抑え、法律を正しく守ることに貢献します。

訴訟などトラブル対応

顧客からのクレームや、取引先とトラブルや紛争が起こった場合は、法務担当者が解決に向けて対応を行います。具体的な業務内容は、企業と顧客との間でトラブルが発生しないよう、事前に契約書の確認や営業部門からの相談を受け付けたりします。

しかし、どんなに事前にトラブルを防ごうとしても問題が起こることはあります。そのようなときは、弁護士との連携などを通じて、訴訟に関する戦略や解決策を検討し対応します。近年では、インターネットの発展によって企業に損害を与えるような人も残念ながらまれにいます。法務の役割は企業の利益を守り、法律に背かずしっかりと守っていくことが使命です。

法務になるためのステップ

法務になるためには、弁護士などとは異なり、特定の資格や学歴がなくても就くことができる職種です。ただし、法務は高度な専門性が求められ、法律の知識や法的思考力、契約交渉などが求められます。そのため、法務部で働く多くの人が法学部出身者です。法務部で働きたいと考える学生は、法学部への入学を検討することが重要でしょう。

また、資格取得も有益です。弁護士や司法書士、行政書士などの資格は難易度が高く、取得には膨大な勉強時間と努力が求められます。初めにビジネス実務法務検定やビジネスコンプライアンス検定などから始め、徐々にステップアップしていくと良いでしょう。資格は専門知識の証明となりますが、実務経験も重要視されるため、転職を考える際には実務経験も積んでおくことが有益です。

法務職への転職を考える際のポイント

法務職への転職で年収アップを目指すには、以下のポイントに留意することが重要です。まず、法務の専門知識を磨き、法律に深く理解することが必要でしょう。また、実務経験を積み重ね、成果を上げることが求められます。高い語学力の取得やマネジメント経験、コンプライアンス業務への参加も必要です。熱意と努力をもって法務のキャリアを築くことで、年収アップの可能性を拡大できます。

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株式会社WARC

WARCエージェントマガジン編集部

「人材紹介の『負』の解消を目指す、新しい転職エージェント」をビジョンに、ハイクラス人材紹介事業を展開しているWARC AGENT。WARCエージェントマガジン編集部は、このビジョンを支えるために、転職者に役立つ情報を執筆し、個々のキャリア形成をサポートしていきます。