第二新卒で転職したいと考えている人は少なくないでしょう。多くの職種がある中で、法務職への転職は可能なのでしょうか。
この記事では、法務職の主な仕事内容や求められるスキル、第二新卒で法務職に就くためのポイントなどを紹介します。法務職に興味を持っている人はぜひ参考にしてください。
法務の職務は大まかに3つに分けられます。それぞれのポイントについて見ていきましょう。
法的リサーチと分析は法務の中核的な業務の一つです。ここでの法務の役割は、企業や業界に関連する法律や規制に関する情報を収集し、理解することです。これにより、企業が法的に正しい行動を取れるよう支援します。
具体的な作業としては、法的リサーチや文献調査を行い、その情報をもとに関連する法的問題を分析します。また、契約書や法的文書の作成や検討も重要な法務業務になります。これは、企業が法的な問題を避けたり、問題が発生した場合に適切に対処できるようにするために不可欠な作業です。
法的アドバイスとコンプライアンスは、法務部門が企業内や関係者にビジネス活動や意思決定が法的に適合しているかを確認し、アドバイスを提供する役割です。この役割は、法的リスクやコンプライアンスの問題を特定し、予防策や改善策を提案することも含みます。
法的戦略とリスク管理は、法的な観点から企業のビジネス目標やリスク管理を考慮に入れ、企業の戦略を策定し実施します。その業務内容は広範で、契約や取引条件の交渉から、知的財産権の保護、そしてコンプライアンスプログラムの開発までを含むものです。
これらの活動は、法的な観点から企業の戦略的な目標を達成するための重要なサポートを担います。企業がビジネスを展開するにあたり、法的なリスクを最小限に抑えることは極めて重要です。
法務部門は、そのようなリスクを識別し、適切に対策を講じるための戦略を企業に提供します。これにより、企業は法的な問題を未然に防ぎ、ビジネスを順調に推進することが可能となります。
法務で必要とされるスキルや能力は、その職務内容に基づいて大きく4つに分けられます。
以下の能力が備わっていると、法務職として企業の法的課題に対処し、ビジネスの成功をサポートすることができます。それぞれの能力について詳しく見ていきましょう。
法務職で最も重要な能力は、法的知識と分析能力です。法務の仕事に携わるにあたっては、やはり法律や規制に関する深い知識と理解は欠かすことができません。合わせて、法的文書や契約書を解釈・分析し、法的なリスクや問題を特定して対策を提案する能力も重要になります。
コミュニケーション能力も、法務職で不可欠なスキルです。法務担当者には、法的な問題やリスクを専門外の人にもわかりやすく説明し、適切なアドバイスやガイダンスを行わないといけない場面がしばしばあります。
また、企業内外の関係者と協力して業務を進める必要もあります。たとえば、契約交渉や訴訟対応では、他部門や外部の法律専門家との連携を求められます。この際、コミュニケーションスキルが不可欠です。法務担当者は、専門知識を持つだけでなく、他の人と情報を共有し、理解を深める能力も重視されます。
法務職では問題解決能力と戦略思考も重要視されます。複雑な法的問題や紛争に直面することが頻繁にあるため、これらを解決するための能力が求められるのです。
法的な観点から問題を分析し、リスクを評価する能力は、企業が法的な問題に対応し、その影響を最小限に抑えるために必要です。また、この分析に基づいて適切な戦略やアクションプランを策定する能力も求められます。
法務担当者は、ビジネスの目標や法的要件を考慮しながら、効果的かつ合法的な解決策を見つける能力を身につけておきましょう。
昨今、企業のグローバル化に伴い、英語を用いた契約の機会も増えています。しかし、英文の契約書は日本語の契約書とは体裁が異なるため、英語を読解し内容をきちんと把握していないと不利益を被る場合があります。
そのため、法務担当者には日常会話以上の英語力に加え、法律に関する専門用語などについても英語で理解する能力が求められます。
法律事務所の採用では、大手法律事務所以外では即戦力を求められる傾向にあり、第二新卒にはややハードルが高いといえます。しかしながら、そうしたハンデを補えるスキルや熱意があれば、第二新卒でも十分に採用される可能性があります。法務職への転職を考えている第二新卒の方が理解しておくべきポイントをおさえておきましょう。
法務部門では、法的知識や経験を持つ人材が求められます。しかし、なぜ第二新卒を特に求めているのでしょうか。
第二新卒の人の社会人経験が短いことは必ずしも不利とは言い切れません。今までのやり方に執着せず、新しい視点や環境を受け入れて仕事に向き合おうとする柔軟さをプラスに捉える企業も少なくありません。
また、法律の改正などにともなって、状況が絶えず変化するため、柔軟性を持っている人が重宝されます。
第二新卒は、自身のキャリアを積極的に形成したいという強い意欲を持っている人が多く、その意欲は、学ぶ意欲や成長意欲につながると考えられています。未経験の業界は若年層ほど有利であり、年齢を重ねるほど体力・能力的に異業種への転職は難しくなるのが一般的です。その点、第二新卒は企業側としても教育コストをおさえつつポテンシャルの高い人材を採用できるチャンスでもあるのです。
第二新卒は既に社会人としての経験を持っており、企業の組織文化やチームで働くことの重要性を理解しています。そのため、新しい職場やチームにスムーズに適応できると期待されています。
第二新卒者の扱いは企業によって異なります。前職の経験が比較的浅いため、経験者と比べて一部の企業では採用の優先順位が下がる可能性も少なくありません。しかし、その一方で、第二新卒のポテンシャルを高く評価する企業もあります。
とくに、法務未経験者であっても基本的な法的知識やスキルを持っていること、新しいことを積極的に学ぼうという意欲があること、そして自身の成長ポテンシャルをアピールすることができれば、採用のチャンスは広がります。
企業は、第二新卒が前職で得た社会人経験や人間関係の構築能力、問題解決能力などを高く評価するでしょう。そのため、これらのスキルを活かして自己PRを行い、自身が法務の仕事に適していることを伝えることが重要です。
第二新卒で法務に転職する際に有利な資格はいくつかあります。とくに価値があるのは、法学部卒業または法律関連の学位です。これは法的な問題について深く学んできた証といえます。
同様に、司法試験の受験資格も大きな強みです。司法試験は困難な試験として知られており、受験資格を得ているだけでも自分の法的知識と決意を示すことができます。また、簿記や会計関連の資格を持っていると、さらにプラスの要因となります。
では、第二新卒という条件で法務職を目指す場合、どのようなステップを踏むと希望が叶うのでしょうか。
多くの企業では、残念ながら法務の配属ルートは新卒もしくは社内他部門からの異動がほとんどです。
そのため、法務の仕事を希望するなら、まずは法務に注力している企業へ転職してみましょう。いったん他部門に配属されたとしてもそこで経験とスキルを積み、タイミングをみて異動願いを出す流れが現実的かもしれません。もちろんその間、法律に関する勉強を進めておくことが大切です。また、ビジネス実務法務検定など、法務への配置転換に有利に働く資格の取得も目指してください。
法務関連の事務は、正社員の場合経験者を採用することがほとんどです。しかし、派遣社員であれば、未経験歓迎という求人を見かけることがあります。そのため、まずは派遣社員として法務事務に携わり、スキルを積んでから正社員を目指すのも良いでしょう。中には、正社員前提の紹介予定派遣の案件も存在するため、求人情報をよく見て応募する企業を選ぶことが大切です。
前述の通り、法務事務は、求人があったとしても、即戦力になる経験者を採用することがほとんどです。そのため、第二新卒で未経験の場合、転職できる可能性はほぼ0に近いかもしれません。このような時は、転職エージェントを利用してみましょう。相談だけでもOKですし、非公開求人も取り扱っているため、法務事務に近づける求人も見つけられる可能性があります。
特に第二新卒や未経験に特化したエージェントなら、ノウハウを元にしたアドバイスが期待できます。
第二新卒での法務転職は、法的知識やスキルを持つだけでなく、適切な戦略と準備が必要です。ここでは、法務未経験者が第二新卒での転職を成功させるポイントについて解説します。
創業年数が浅いベンチャー企業は新しいアイデアやダイナミックな成長を目指しており、従来の法務業務にとらわれず、新たな視点や発想で業務に取り組む能力を求めていることが多々あります。
第二新卒の法務未経験者は、このような柔軟性や創造性を持つ人材として、採用機会を得やすいといえます。また、ベンチャー企業では多角的な業務に関与する機会が多く、法務としてのスキルや経験を幅広く得られます。
法務未経験者が第二新卒で転職を目指す際、履歴書や職務経歴書は重要な自己PRの場となります。
法務職に必要な能力や知識をいかに持っているか、そしてそれを業務の中でどう活用できるかを明確に表現すると良いでしょう。過去の職務で得た経験やスキル、自己学習を通じて獲得した法的知識、問題解決能力やコミュニケーションスキルなどを具体的なエピソードとともに書き出すと魅力的なアピール文が作成できます。
法務職への転職を考える際、基本的な法的知識を身につけておくことも非常に大切です。
法律の基本原則、契約法、企業法、労働法などの基礎知識はもちろん、コンプライアンスやリスク管理についての理解も必要とされます。これらの知識を獲得するために、法律関連の書籍を読む、オンラインコースやセミナーに参加するなどの自己学習も進めましょう。
また、法務職に関する業界のトレンドやニュースも追うことで、最新の法的課題についての理解を深められます。このように転職前から準備しておくと、面接での自己PRだけでなく、採用後の実際の業務でもいかすことができます。
法務職への転職を考える場合、法律や規制は常に変化しているため、学び続ける姿勢を持つことが必須となります。
面接などでは、自己啓発の取り組みや新たな法律の動向に対する関心を明確に示しましょう。転職後も法律やビジネス環境の変化に対応できる能力を持つことをアピールすることで、採用者からの信頼を得ることができます。
また、専門知識を深めるための継続的な学習意欲や自己改善への姿勢も大切です。
転職サイトやエージェントは、求職者に対して情報提供やサポートを行っています。これらの転職サービスを利用することで、個々の求職者のスキル、経験、希望条件に基づいて最適な職場をマッチングすることが可能です。
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転職サービスを最大限に活用することで、自身のキャリアゴールに合った企業やポジションを見つけられるでしょう。
第二新卒で法務に転職を考える際は、自身のスキルアップをはかったうえで、能力と目指す職種のニーズをきちんとマッチさせることが大切です。
適切な資格の取得、法務に関する知識の学習、そして転職後も学び続ける姿勢を見せることで、採用を目指しましょう。その道のりを支えるために、転職サイトや転職エージェントの活用も重要です。
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