人事部門でのキャリアを成功させるためには、専門的な知識とスキルが求められます。
その証明としての強力な武器となるのが、資格や検定の取得です。専門的な知識を要する資格や検定を取得することで、キャリアアップや転職の際に他の候補者との差別化を図れます。
この記事では、人事担当者が取得しておくと有利な資格・検定を13選ご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
人事職に必須の資格はありません。経験や資格の有無を問わず、誰でも就業可能です。
ただし、人事関連の資格や検定を持っていると、就職やキャリアアップの強みとなります。
未経験者にとっては、人事に必要な知識を効率的に学べるのも資格を取得するメリットです。
企業において「ヒト」「モノ」「カネ」は重要な資源とされますが、人事職は主に「ヒト」に関する業務を担当します。社員を企業の財産として生かすことが人事の役割です。
業務の種類 | 主な内容 |
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採用・雇用管理 | 採用計画を立て、それに基づいて採用活動を実施 |
組織配置管理 | 社員のスキルや適性を理解し、適切な部署に配置・異動 |
評価制度運用 | 社員の能力や業績を評価し、昇進や報酬に反映 |
人材育成・能力開発 | 研修を企画・実施し、必要なスキルを持つ人材を育成 |
制度や環境整備 | 働きやすい環境を整えるための制度を策定・改善 |
このように、人事職は企業の成長と社員の満足度向上に不可欠な役割を担っています。
人事系資格を取得することは、キャリアの向上に大いに役立ちます。
この章では、人事系資格を取得することにどのようなメリットがあるのかを詳しく見ていきましょう。
人事系資格を取得することで、業務に直接かかわる専門知識を効率的に学べます。
労働法規・人事評価の手法・採用プロセスの最適化など、実務に直結するスキルを習得できるのがメリットです。これにより、日々の業務をより効率的に進められ、結果として業務パフォーマンスの向上につながります。
資格取得は、自己啓発の一環としても非常に有益です。
資格を持つことで専門性が認められ、社内での評価が高まるのもメリットです。
とくに人事部門では、最新の知識やスキルが重視されるため、資格取得はキャリアアップのための大きなアドバンテージとなります。
また、資格取得を通じて得た知識やスキルは、リーダーシップやプロジェクト管理などの新たな役割を担う際にも役立ちます。
資格は専門知識とスキルの証明となるため、採用担当者に対して信頼性をアピールでき、転職市場での競争力が高まります。
とくに競争が激しい市場では、資格を持つことが他の候補者との差別化につながります。また、転職先で即戦力として活躍できることを示せるのも資格を取得するメリットです。
このように、資格取得はキャリアチェンジを考える際の強力な武器と言えます。
人事職としてキャリアを積むためには、対人スキルの向上が不可欠です。
採用活動や人事異動の際、社員一人ひとりの適性やニーズを的確に把握し最適な配置を行うためには、専門知識とスキルが求められます。
この章では、対人スキルを身に付けるのにおすすめの人事系資格を3つご紹介します。
キャリアコンサルタントは、個々の社員のキャリア開発や職場での成長をサポートする専門家です。
社員のキャリア相談に応じることで、組織全体のパフォーマンス向上に貢献し、信頼性の高いアドバイザーとしての地位を確立できます。
未経験者におすすめの国家資格であり、労務系の経験者が人事スキルを向上させるのにも適しています。
資格名 | キャリアコンサルタント |
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受講料 |
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難易度 | ★★★☆☆(合格率50~60%前後) |
級 | なし |
試験日程 | 年3回(春・夏・秋、年度により2~4回) |
公式サイト |
メンタルヘルス・マネジメント検定は、職場のメンタルヘルスケアに関する知識を持つ専門家を育成する資格です。
メンタルヘルスに関する知識を持つことで、社員の健康管理やストレスケアに貢献し、健全な職場環境を築く手助けができます。
とくに、ストレスの多い現代のビジネス環境において、社員のメンタルヘルスを守ることは、企業全体のパフォーマンス向上にも直結します。
資格名 | メンタルヘルス・マネジメント検定 |
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受講料 |
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難易度 | ★★★☆☆(合格率Ⅰ種約20%・Ⅱ種約60%・Ⅲ種約70%) |
級 |
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試験日程 | 3月・11月(年2回) |
公式サイト |
産業カウンセラーは、心理学的なアプローチを用いて社員のカウンセリングを行う専門家の民間資格です。
この資格を取得することで、社員のメンタル面での健康管理をサポートするスキルを習得でき、メンタルヘルス対策に貢献できます。
受験には、指定された講座を受講するまたは大学院で特定の心理学関連の教育を受ける必要があるので注意しましょう。
資格名 | 産業カウンセラー |
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受講料 |
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難易度 | ★★☆☆☆(合格率約60%) |
級 | なし |
試験日程 | 1月(年1回) |
公式サイト |
人事に関係する事務的な作業や福利厚生などの場面で、専門知識を持っていることは業務の効率化と正確性を高めるために不可欠です。
この章では、人事担当者が身に付けておきたい労務系知識を学べるおすすめの資格をご紹介します。
人事総務検定は、人事総務の実務や法律知識を学んでいることを証明する民間資格です。
この資格を取得することで、人事や総務の実務に関する知識を身に付けられます。人事総務検定には、初級から上級までのレベルがあり、経験や知識に応じてステップアップが可能です。
試験に合格する他に、「特別認定講習」の受講と確認テストでも取得可能です。
資格名 | 人事総務検定 |
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受講料 |
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難易度 | ★★☆☆☆(合格率非公開) |
級 |
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試験日程 | 3月・10月(年2回) |
公式サイト |
マイナンバー実務検定は、マイナンバー制度・法律・ガイドラインに関する理解を証明する民間資格です。
この検定では、マイナンバーの取得から管理・利用・廃棄までのプロセスを学び、個人情報保護の観点から適切な対応が求められます。
そのため、資格取得を通じて、年金・健康保険・源泉徴収など、マイナンバー関連業務における知識が身に付きます。
資格名 | マイナンバー実務検定 |
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受講料 | 一般
※学割もあり |
難易度 | ★★☆☆☆(合格率は非公開、3級80%前後・2級50~60%前後の予想) |
級 |
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試験日程 | 6月・9月・12月・3月(年4回) |
公式サイト |
労務管理士は、社員の労務管理スキルを持っていることを証明する民間資格です。
試験の受験方法は複数あり、法令遵守を基本に、採用から退職までの就業管理に役立ちます。
労務管理士資格は2級と1級があり、2級認定後に一定の条件を満たし、昇級試験に合格すると1級に昇格できます。オンライン講座も実施しているため、忙しい方や地方在住の方も挑戦しやすいです。
資格名 | 労務管理士 |
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受講料 | 8,000~20,000円(所得方法による) |
難易度 | ★★☆☆☆(合格率非公開) |
級 |
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試験日程 | 随時 |
公式サイト |
社会保険労務士は、各種保険法や労働関連の法律に精通した専門家であることを証明する国家資格です。
資格取得を通じて、労働法や社会保険法などの広範な知識と実務スキルを学び、労務管理や社会保険に関する専門家として活躍できます。
難易度が高く、取得によってキャリアチェンジの大きな強みとなる資格です。
資格名 | 社会保険労務士 |
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受講料 | 15,000円 |
難易度 | ★★★★★ |
級 | なし |
試験日程 | 8月(年1回) |
公式サイト |
衛生管理者は、作業環境の管理に必要な知識を持つことを証明する国家資格です。
事業場の人数に応じて企業に選任義務が課され、衛生管理・労働者への衛生教育・衛生委員会の運営などにかかわります。
とくに、人事に関係する事務的な作業や福利厚生の管理において、衛生管理者の資格は重要です。そのため、現在人事職に就いている方は積極的に取得しましょう。
資格名 | 衛生管理者 |
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受講料 | 6,800円 |
難易度 | ★★★☆☆(合格率50%前後) |
級 | 級ではないが、第一種・第二種の分類あり |
試験日程 | 会場にもよるが、基本的に1か月に複数回 |
公式サイト |
MOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)は、Microsoft Office製品のスキルを証明する国際資格です。
この資格は、以下のMicrosoft Officeアプリケーションを効率的に活用するための高度な知識と実践的なスキルを評価します。
とくに、人事に関係する事務的な作業や福利厚生の管理において、MOSの資格は大きな強みとなります。
資格名 | MOS(マイクロソフト ・オフィス・スペシャリスト) |
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受講料 |
※学割あり |
難易度 |
(合格率非公開) |
級 |
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試験日程 | 毎月1~2回 |
公式サイト |
個人情報保護士は、個人情報保護法や安全管理の理解と企業での実践力を証明する民間資格です。
2022年4月の改正個人情報保護法の施行により、全企業がこれに対応する必要性が高まりました。この資格は、応募者や社員の個人情報を適切に管理するための知識を習得できるのが魅力です。
オンライン受験も可能なので、地方在住の方にも適しています。
資格名 | 個人情報保護士 |
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受講料 |
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難易度 | ★★★☆☆(合格率40%前後) |
級 | なし |
試験日程 | 3月・6月・9月・12月(年4回) |
公式サイト |
中小企業診断士は、中小企業の経営改善や成長支援を行う専門家を認定する国家資格です。
この資格で習得できるのは、経営戦略・財務管理・人事管理・マーケティングなど、多岐にわたるビジネス分野の知識とスキル。とくに、人事に関係する事務的な作業や福利厚生の管理において、中小企業診断士の資格は大きな強みとなります。
資格名 | 中小企業診断士 |
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受講料 |
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難易度 | ★★★★★ |
級 | なし |
試験日程 |
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公式サイト |
ビジネスキャリア検定は、ホワイトカラーの必要な専門知識についての検定です。
人事系に関連する分野では、「人事・人材開発」と「労務管理」の2つの試験があります。これらは、実務で役立つ知識が学べるのが特徴です。
この検定は3つの級に分かれており、経験者から初心者まで幅広く受験できるため人気があります。
資格名 | ビジネス・キャリア検定 |
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受講料 |
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難易度 | ★★★☆☆(合格率3級50~60%前後・2級50%前後・1級10~20%前後) |
級 |
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試験日程 | 10月・2月(年2回) |
公式サイト |
ビジネス能力検定ジョブパス(B検定)は、ビジネスの基本知識やスキルを幅広く習得するための資格です。
この検定は、ビジネスマナー・コミュニケーション能力・問題解決力・リーダーシップなど、実践的なビジネススキルを評価します。
比較的難易度が低めなので、初心者がまず初めに挑戦する検定としてもおすすめです。
資格名 | ビジネス能力検定ジョブパス(B検定) |
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受講料 |
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難易度 | 3級:★☆☆☆☆ 2級:★★☆☆☆ 1級:★★★☆☆ |
級 |
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試験日程 |
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公式サイト |
人事の資格を取得するためには、効率的に学習を進めることが重要です。自分の学習スタイルや生活スタイルに合った勉強法を選びましょう。
以下で、人事の資格を取得するためにおすすめの勉強法を3つご紹介します。
独学は、自分のペースで学習を進められるのが特徴です。市販の参考書やインターネット上の無料リソースを活用して、自分で計画を立てて勉強しましょう。
独学のメリットは、費用が抑えられることと自分の都合に合わせて柔軟に学習時間を調整できることです。
しかし、モチベーションの維持が難しい場合や、疑問点を解消するのに時間がかかることもあります。独学を成功させるためには、計画的な学習スケジュールの作成と自己管理能力が求められます。
通信講座やオンラインコースは、プロフェッショナルな指導を受けながら学習を進められる方法です。
専門の講師による解説やわかりやすい教材が提供されるため、効率的に学習を進められます。また、オンラインで学習できるため、場所を選ばずに学べるのも大きなメリットです。
通信講座やオンラインコースは、質問がしやすくフィードバックも受けられるため、独学よりも理解が深まりやすいという利点もあります。ただし、受講料が発生するため、コストがかかる点には注意が必要です。
セミナーやワークショップは、専門家から直接指導を受けることで実践的なスキルを身に付けられる方法です。
いろいろなセミナーやワークショップに参加することで、最新の情報やトレンドをキャッチアップでき、人脈を広げる機会にもなります。また、他の参加者と交流することで、新しい視点や知識を得られるのも大きなメリットです。
ただし、開催場所や日時が限られているため、スケジュールと合わない場合もあります。
人事担当者としてのスキルを向上させるためには、資格取得が非常に効果的です。資格を取得することで、専門知識と実務スキルを習得し、社内外での信頼性を高められます。
また、資格はキャリアアップや転職時の強力なアピールポイントにもなります。計画的かつ継続的な学習を通じて、より高度な人事担当者を目指しましょう。
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