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2024/07/15 更新

人事職に転職するためのコツ|未経験からの転職方法と将来性について解説

採用や研修の過程で人事の仕事を見学すると、人事職に関心を持つ人が多いと思います。未経験の方でも「人事職に転職できるのかな?」と考える方がいるのではないでしょうか。「未経験から人事職に転職するにはどうすればいいのか?」という疑問を抱く方も多いはずです。

この記事では、未経験から人事を目指す方々に向けて、成功への転職方法や将来性について説明していきます。

人事の主な業務は?

人事職に転職を考える際には、人事の業務内容を理解しておくことが重要です。一般的に企業で人事と聞くと、採用や評価、人材育成が主なイメージかもしれませんが、実際にはそれ以外にも多岐にわたる業務を担当しています。以下で、人事の業務内容について見てみましょう。

給与計算

給与計算業務は、人事の労務部門に属しています。労務は、従業員の働きやすい環境整備に関わる業務であり、給与計算や各種社会保険業務も毎月定期的に行います。

給与計算は残業時間などで変動し、毎月各従業員の給与額や社会保険等の控除額を正確に計算し、適切に支払うのが大切です。勤怠管理も労務管理の重要な部分であり、給与計算とも密接に関連しています。

人材採用

人事は新卒採用や中途採用の両方において、採用計画から募集、選考、採用者の手続きまでを担当しています。採用は経営計画に基づく重要な部分です。

新卒者採用では、会社説明会の計画や運営、インターンの管理、書類審査、面接設定などの業務があります。中途採用では、欠員が出た部署と連携して採用計画を立案し、採用媒体の管理などが必要です。

人事制度を企画

人事環境は大きく変化しており、リモートワークなど勤務形態や雇用の多様化に対応し、制度を改善する必要があります。

人事制度の企画・運用は専門性が高く、関連法令や過去の事例、新しい人事の考え方などを学ぶことが必要でしょう。

メンバーの健康管理

従業員の健康管理も人事の労務管理に含まれます。労働安全衛生法に基づき、企業は従業員に医師による健康診断を受けさせる義務があります。人事は全従業員に適切な告知やスケジュール調整を通じて健康診断を実施しなければなりません。

また、従業員のメンタルケアも重要な労務の一環です。企業の中には、メンタルケアやカウンセリングなどで従業員の心の健康をサポートする仕組みを整えているところも多く見られます。

育成・教育

人材育成やタレントマネジメント、キャリアアップも人事が管理する業務です。人材育成では、新卒新入社員向けの研修、従業員に対するリーダーシップ研修や営業社員に対するロールプレイングなど営業スキルの研修などを、社内の状況や経営計画に基づいて、計画的に実施します。従業員のスキルと知識の向上を目指すためです。

また、社内のさまざまな部署を経験させることで従業員を成長させるジョブローテーション等も人事の仕事に含まれます。従業員一人ひとりの目標を定め、その達成度などをヒアリングし、フィードバックするフィードバック面接なども定期的な実施が重要です。

未経験者が人事職になることは可能なのか?

人事職は、未経験からでも可能ですが、その道のりは専門的であり、中途採用で未経験からの採用は非常に難しいです。20代ならば、ポテンシャル採用でアシスタントとして入社し、その後、人事に必要な知識や経験を積み重ね、自立するキャリアプランもあります。

人事職への未経験者の転職には、それまでの経験や実績が人事領域でも活用できることを示すことが重要です。さらに、今後の人事職での取り組みや将来の展望を持つことも重要な第一歩でしょう。

人事の実務に必要なスキルや知識を身につけるには、人事の教科書として位置付けられている書籍で勉強したり、オンライン講座、セミナー、ワークショップなどを受講するのが効果的です。

人事業務の魅力

人事職は、営業や開発、企画などとは異なり、成績が直接的に個人の評価につながるものではありません。人事の仕事は、従業員や求職者と協力して会社の人材を管理し、育てることが求められます。

企業を支える役割

人事は、経営と連携しながら会社の人材を管理する役割を担っています。人材は企業にとって重要な資源であり、人事においては、会社の生産性を最大化し、業務効率を向上させる戦略の立案が重要です。

新卒採用や中途採用、人材育成などの業務や労務管理など、従業員が安心して働ける環境を整える仕事を通じて、経営者と連携しながら会社全体を支えることができます。

全従業員と関わる機会

特に労務管理を担当する人事は、全従業員が働きやすい環境を整える業務を担当しており、全従業員の勤怠管理や給与計算、福利厚生などの実務に直接関わります。

さらに、採用や人事評価、人材育成などの業務では、個々の従業員と向き合い、彼らのエンパワーメントやエンゲージメント向上、適切な人員配置などについて親身に考える役割も担っています。

人事は多岐にわたる業務を担当し、全従業員と関わる仕事です。そのため、やりがいも大きいでしょう。

キャリアの成長に有利な職種

人事職は、経験や実績によって個々の専門性が高まる職種です。そのため、人事経験者は昇進や経営企画に近いポジション、執行役員、役員などへの昇進が期待されます。

人事の職務内容は他の企業でも通用するため、転職時にも高く評価され、より良い条件の企業への移行が可能です。また、社会保険労務士やキャリアコンサルタントとして独立し、起業もできるでしょう。

人事の仕事の厳しさ

人事担当者は人事評価や異動に携わるため、従業員の中には彼らに対して良い印象を持っていない人もいます。仕事に対する理解がある社員も多いですが、時には業務の厳しさを理解していない人多いはずです。人事の仕事が厳しいと感じる状況はどのような時でしょうか。以下で解説します。

リストラや退職勧奨など恨みを買う業務

リストラや退職勧奨など、反感を買う業務があります。問題社員の対処やリストラ時の退職勧奨、また本人が受け入れ難い転勤や異動など、従業員の生活に大きく関わる変更を通達する立場にいるためです。

このような場合、相手の立場を考慮して誠実に対応し、嫌な気持ちにさせないようにする気配りが求められます。相手の質問に丁寧に答えることや、誠意を持って対応することが大切です。

社内で本音を話しにくい

組織内で、時には本音を誰かに話したくなることもあるでしょう。しかし、人事の立場ではそのようなことが容易ではありません。たとえば、経営判断に異議を唱えたり、会社の方針転換に同意しなかったりしても、「人事」のポジションからは、それらを率直に表現することは難しいです。

さらに、機密情報に関わることも多いため、口外することができない機会も多いでしょう。

経営陣が常に近くにいて、リラックスできない

人事は管理部門の一環として、経営判断や計画に基づいて業務を行う責任を負っています。経営者や役員が常に近くにいるため、リラックスすることが難しいです。

一方で、会社の方向性や戦略を把握できるポジションにありますので、会社全体の状況を理解することができる利点もあります。常に緊張感のある環境が楽しめる方にとっては、リラックスできない状況も魅力となるかもしれません。

人事に必要な資質について

人事になるためには、どのような資質が求められるのでしょうか。ビジネスには多様なスキルや知識が必要ですが、人事は特に専門性が求められる分野ですので、必要なスキルや資質も幅広いです。

コミュニケーションスキル

人事には高いコミュニケーション能力が求められます。経営陣や管理職、従業員だけでなく、労働基準監督署や社会保険労務士など、さまざまな人との対話機会が多いためです。

社員や経営陣とのコミュニケーションでは、丁寧で正確な傾聴の姿勢が求められます。採用においては相手の本質や資質を見抜く力も必要です。日常的にセミナーや書籍を活用し、コミュニケーションスキルの向上に努めることが良いでしょう。

折衝スキル

人事には折衝能力が欠かせません。人事は経営者、部署、個々の従業員など、異なる立場の人々の間に立つ役割を果たします。それぞれの利益や考えが異なるため、調整が必要なこともあります。特に、人事異動や評価においては従業員の不満が生じるケースが多いです。

その際には、双方の意見を聞き、公平な立場で問題解決を目指す折衝能力が求められます。条件が最初には異なっていても、適切な折衝の進め方で双方が歩み寄ることができるでしょう。会社と従業員にとって良い決断を導くために、高度な折衝能力を身につけることが大切です。

社会の変化に敏感に対応するスキル

人事の環境は政治や経済、市場の動向などの広範な視点と、個人の経験による視点の両方によって形作られます。社会の情勢は常に変化しており、「働き方改革」や「ダイバーシティ」、「ジョブ型雇用」などのトレンドがこれまでにあったように、これからも人事に多くの影響を与えるさまざまな変化が起こるでしょう。

人事担当者は、社会の動向を敏感に察知し、情報を収集し分析して適切に対応していかなければなりません。

論理的思考力

人事には論理的な思考能力が求められます。なぜなら、人事は各従業員に対して公平で合理的な対応をしなければならないからです。従業員は自身の能力や労働力を使って仕事をしており、評価や配置に不満を持つことがモチベーションやエンゲージメントに大きな影響を及ぼす可能性があります。

人事評価や異動、配置においては、根拠を持ち、論理的な決定を下さなければなりません。論理に合わない決定を繰り返すと、人事の信頼を失う可能性もあるでしょう。

人事には資格が必要か?

人事として活動する際に、特に必要とされる資格はありません。しかし、人事のキャリアを形成する際に役立つ資格は多いです。たとえば、社会保険労務士は取得が難しい資格ですが、人事としてのキャリアアップに非常に有益でしょう。

社会保険労務士は、社会保険や労務管理に関する専門的な知識を持つ資格であり、労務管理に関連する法令に詳しい専門家です。また、国家資格であるキャリアコンサルタントや、民間のメンタルヘルス・マネジメント検定(R)なども、人事業務において有用な資格といわれています。

未経験から人事職を目指す際に必要なアピールポイント

未経験から人事として採用されるためには、自身が人事業務に適していることをアピールすることが重要です。職種や業界にかかわらず、人との関わりや業務の効率化、リーダーシップの発揮など、経験したことが評価されます。

自己アピール

未経験から目指す際は、自己アピールの部分が重要です。以前の職務経験の中から、人事に役立つ経験を選んで戦略的にアピールしましょう。

たとえば、コミュニケーションスキルや調整力を使って課題解決に取り組んだ経験や、未経験の業務に積極的に関わった経験、チームをリードしてプロジェクトメンバーを育成した経験などがあります。具体的な数値や成果を提示することで、有益な判断材料になるでしょう。

志望動機

志望動機も重要なアピールポイントです。これまでの経験と結びつけつつ、なぜ人事に興味を持つのかを説得力を持って伝えましょう。

たとえば、以前の販売チームメンバーとして業務シフトを管理した経験から人事に関心を持った、またはインターンシップを通じて採用に興味を抱いたなどです。それと同時に、なぜその特定の企業で働きたいのかも重要な要素に含まれます。

未経験からの人事キャリアチェンジは可能

人事は企業全体の人材を管理する仕事であり、経営的な視点を持つ人にとって魅力的な職種です。未経験から人事に転職することは挑戦ですが、成功の可能性はあります。これまでに培ったコミュニケーション能力や折衝能力を活かして、チャレンジしてみましょう。

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株式会社WARC

WARCエージェントマガジン編集部

「人材紹介の『負』の解消を目指す、新しい転職エージェント」をビジョンに、ハイクラス人材紹介事業を展開しているWARC AGENT。WARCエージェントマガジン編集部は、このビジョンを支えるために、転職者に役立つ情報を執筆し、個々のキャリア形成をサポートしていきます。

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