人事職は、社員一人ひとりの能力を最大限に引き出し、企業全体のパフォーマンスを向上させる重要なポジションです。しかし、未経験者でも適切なスキルや資格を身に付けることで、このキャリアに転職することは十分に可能です。
この記事では、未経験から人事職に転職するための具体的な方法と、転職を成功させるために有利なスキルや資格を5つ紹介します。人事職を目指す方は、ぜひ参考にしてみてください。
人事部門は、採用・育成・評価・労務管理などが主な業務内容です。これらの業務を通じて、企業の成長を支える重要な役割を果たします。
平均年収は、経験・スキル・企業の規模などによって異なりますが、一般的には400~700万円程度と言われています。
以下で、人事の仕事内容や年収について詳しく見ていきましょう。
人事とは、企業において人材を管理・運営する部門のことを指します。
【人事部門の主な担当業務】
など
人事は、上記のような業務を統括し、社員一人ひとりが最大限の能力を発揮できるようサポートします。
また、企業の文化や価値観を反映した人事戦略を立案・実行するのも人事の役割です。これにより、組織全体のパフォーマンス向上を目指します。
人事の具体的な仕事内容は多岐にわたります。以下の表に、人事の主な業務と具体的な内容をまとめました。
主な業務 | 具体的な内容 |
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採用活動 |
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新入社員教育・研修 |
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社員の評価・昇進 |
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給与・福利厚生の管理 |
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労務管理 |
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ダイバーシティ推進 |
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メンタルヘルスケア |
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リモートワークの導入 |
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人事は、これらの業務を通じて企業全体の成長をサポートする役割を果たします。
人事職の平均年収は、企業の規模や業種、担当する業務の範囲によって大きく異なります。
一般的な平均年収は、以下の通りです。
中小企業 | 556万円 |
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大企業 | 626万円 |
参考:MS-Japan「人事で大手企業に転職したい!平均年収・待遇の比較や、採用・労務別アピールポイントなど」
また、管理職や専門性の高い業務を担当する場合は、さらに高い年収を得ることも可能です。経験やスキルを積むことで、キャリアアップと共に年収も増加する傾向にあります。
人事職への転職を目指すには、まず基礎知識を身に付けることが重要です。
この章では、未経験からでも人事職に転職するための方法を解説します。
まずは、人事に関する書籍やオンラインコースで、採用・労務管理・評価制度などの基本を学びましょう。
たとえば、「人材育成・人事の教科書」といった書籍や、「LinkedIn Learning」や「Udemy」のオンラインコースを活用するのがおすすめです。これにより、業務内容の理解が深まり、面接時にも有利に働きます。
さらに、最新の人事トレンドや法令についても把握しておきましょう。あらゆる知識を学ぶことで、即戦力として評価される可能性が高まります。
出典:Amazon「ハーバード・ビジネス・レビュー HR論文ベスト11 人材育成・人事の教科書」
未経験者は、転職エージェントや求人サイトを利用して人事関連のエントリーレベルのポジションを探すのがおすすめです。
たとえば、求人情報サイトで人事アシスタントを検索し応募します。これにより、実務経験を積むことが可能です。
また、インターンシップや契約社員としての経験も将来的なキャリアアップにつながります。現場での経験を積むことで業務の流れや実務スキルを身に付けられるので、積極的に挑戦しましょう。
人事に関連する資格を取得することで、信頼性と専門性をアピールできます。
【人事に関連する資格例】
など
これらの資格は、履歴書に書くことで採用担当者へのアピールポイントになります。資格取得のための講座や試験情報は、公式サイトや資格スクールで確認しましょう。
とくに、社会保険労務士は労働法や社会保険に詳しくなるため、人事の幅広い分野で役立ちます。
実務経験がなくても、関連するボランティア活動やインターンシップで実践力を養うことが大切です。
たとえば、地域のNPO法人での人事サポートや、大学のキャリアセンターでのインターンシップなどがあります。これにより、実務での即戦力として評価される可能性が高まります。
ボランティア活動やインターンシップは、具体的な経験を積むことで業務の流れや課題解決能力を身に付けられる点がメリットです。また、履歴書に書くことで実務経験としてアピールできるため、転職の際の強みとなります。
人事職は、企業の成長を支える重要な役割を担っています。
この章では、人事職に向いている人の特徴について詳しく見ていきましょう。
人事担当者には、採用面接・社内研修・労務問題の相談など、さまざまな場面で円滑なコミュニケーションが求められます。高いコミュニケーションスキルは、信頼関係を築き、社員の意見やニーズを正確に把握するために不可欠です。
さらに、他部署との連携や経営層への報告・提案など、あらゆる場面で対人能力の高さが問われます。
人事担当者には、労働市場の動向・法律の改正・企業文化の変化など、社会の変化に敏感であることが求められます。
とくに、働き方改革やリモートワークの普及といったトレンドに迅速に対応できる能力が重要です。これにより、社員が働きやすい環境を整備し、企業の競争力を維持・向上させることができます。
常に最新の情報をキャッチし柔軟に対応する姿勢が、人事職としての成功につながるのです。
人事業務には、データ分析・問題解決・計画策定など、論理的思考力が不可欠です。
たとえば、社員の評価や採用活動において、データを基にした客観的な判断が求められます。また、労務問題や組織改革などの課題に対しても論理的にアプローチし、適切な解決策を導き出す能力が必要です。
論理的思考力を生かして、効率的かつ効果的な人事施策を実施することが、人事担当者としての大きな強みとなります。
人事担当者は、社員の個人情報や企業の機密情報を扱う機会が多いため、秘密を守ることが非常に重要です。信頼性の高い人事担当者であるためには、情報管理の徹底と倫理観が求められます。
たとえば、採用面接で得た情報や社員の評価内容など、機密性の高い情報は適切に扱わなければなりません。秘密を守ることで、社員や経営層からの信頼を得られ、結果的に企業全体の評価向上にもつながります。
人事職を目指す際に有利になる資格は数多く存在します。
以下で、人事になりたい人向けのおすすめ資格を5つご紹介するので、キャリアアップの参考にしてみてください。
社会保険労務士(社労士)は、労働法や社会保険法に基づき、労働社会保険に関する事務手続きや労務管理のコンサルティングを行う専門家です。
【具体的な業務内容】
など
社会保険労務士は、上記のような業務で企業と従業員の間で発生するさまざまな労務問題に対応します。また、企業のコンプライアンスを守りつつ、働きやすい職場環境を整えるのも社会保険労務士の重要な役割です。
資格名 | 社会保険労務士 |
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受講料 | 15,000円 |
難易度 | ★★★★★ |
級 | なし |
試験日程 | 8月(年1回) |
公式サイト |
人事総務検定は、人事や総務に関する知識とスキルを証明する資格試験です。
試験内容は、労働法規・給与計算・採用・研修管理など多岐にわたり、実務に即した問題が出題されるのが特徴です。人事総務検定を取得することで専門知識の証明となり、キャリアアップや転職の強みとなります。
資格名 | 人事総務検定 |
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受講料 |
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難易度 | ★★☆☆☆(合格率非公開) |
級 |
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試験日程 | 3月・10月(年2回) |
公式サイト |
衛生管理者は、労働安全衛生法に基づき、職場の安全と衛生の管理を担当するための資格です。
主に、事業所における労働者の健康維持や作業環境の改善を目的として、定期的な健康診断の実施や職場巡視などを行います。
衛生管理者には第一種と第二種があり、とくに製造業や建設業などで必須とされています。第一種はすべての業種に対応でき、第二種は一部の業種に限られるのが特徴です。
資格名 | 衛生管理者 |
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受講料 | 6,800円 |
難易度 | ★★★☆☆(合格率50%前後) |
級 | 級ではないが、第一種・第二種の分類あり |
試験日程 | 会場にもよるが、基本的に1か月に複数回 |
公式サイト |
キャリアコンサルタントは、個人のキャリア形成や職業選択に関する相談に応じ、適切なアドバイスを提供する専門職です。
求職者や在職者の能力や適性を評価し、職業選択やスキルアップの支援を行うのが特徴。また、企業内での人材育成やキャリア開発のサポートも担当します。
資格を取得するためには、所定の養成講習を受講し国家試験に合格することが必須。この資格は、人事職やキャリア支援に関わる仕事で役立ち、取得することで信頼性と専門性を高められるのが利点です。
資格名 | キャリアコンサルタント |
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受講料 |
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難易度 | ★★★☆☆(合格率50~60%前後) |
級 | なし |
試験日程 | 年3回(春・夏・秋、年度により2~4回) |
公式サイト |
メンタルヘルス・マネジメント検定は、職場のメンタルヘルス対策を効果的に実施するための知識と技能を評価する資格試験です。
試験は、3つのレベルに分けられています。
各レベルでは、メンタルヘルスの基礎知識・ストレスマネジメント・職場環境の改善策などが問われます。とくに、Ⅰ種とⅡ種を取得することで、職場のメンタルヘルス対策に貢献し、働きやすい環境を整えるスキルが身に付きます。
資格名 | メンタルヘルス・マネジメント検定 |
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受講料 |
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難易度 | ★★★☆☆(合格率Ⅰ種約20%・Ⅱ種約60%・Ⅲ種約70%) |
級 |
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試験日程 | 3月・11月(年2回) |
人事職に未経験から転職するためには、いくつかの方法があります。
以下で、具体的な方法について解説していきます。
未経験から人事に転職するには、まず人事の仕事を経験しておくのがおすすめです。多くの企業で経験者が優遇される傾向があるため、他部署での業務を通じて採用や労務管理を担当する機会を積極的に探しましょう。
たとえば、人事関連のスキルを身に付けられるのが、プロジェクト管理やチームリーダーの役割です。これらのポジションに携わることで、実際の人事業務にスムーズに移行しやすくなります。
人事アシスタントとしての業務を経験することも、転職に効果的です。
アシスタント業務では、採用活動のサポート・社員のデータ管理・研修の手配などを通じて、人事の基本的なスキルを身に付けられます。
アシスタントとしての経験は、人事の流れを理解するだけでなく、上司や同僚からのフィードバックを受ける機会も得られるのが利点です。これにより、実務能力を高め、将来的なキャリアアップにつなげられます。
未経験でも応募可能な求人を探すことも一つの方法です。
企業によっては、研修制度が充実しているため、未経験者でも安心して人事職に挑戦できる環境が整っています。求人サイトや企業の採用ページを定期的にチェックし、未経験歓迎の募集を見逃さないようにしましょう。
また、応募書類には自分の強みや熱意をしっかりとアピールすることが重要です。これにより、未経験であってもポテンシャルを十分に評価してもらえます。
転職エージェントを活用することもおすすめです。エージェントは、未経験者向けの求人情報を提供するだけでなく、履歴書の書き方や面接対策のアドバイスも行ってくれます。
さらに、エージェントが企業と直接交渉し強みをアピールしてくれるため、内定獲得のチャンスが広がるのもメリットです。自分に合ったエージェントを選び、積極的に相談することで、スムーズな転職活動が可能になります。
未経験から人事職への転職を成功させるためには、適切なステップを踏むことが重要です。
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人事職への挑戦を考えている方は、WARCエージェントを活用して転職活動をスムーズに進めていきましょう。
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