管理職は部下の育成や業務遂行、組織運営など、多岐にわたる役割を担っています。優れた管理職になるには、リーダーシップ、コミュニケーション力、戦略的思考など、様々な知識とスキルが求められます。
この記事では、管理職が本を通じて得られる知識とスキルに焦点を当て、リーダーシップから戦略的思考まで幅広い領域をカバーする本10選を紹介。
本を読んで、スキルやコミュニケーション能力を強化して組織の成長につなげていきましょう。
管理職にとって読書は、持続的な成長と成功に欠かせない重要な活動です。
本を読むことで得られるメリットは、以下の2点が考えられます。
読書をすることで、管理職は、優れた経営者やリーダーの考え方に触れる機会を手に入れられます。それによって、自らのマネジメントスキルを磨くことが可能に。また、異なる業界の知識を得ることで、新たなアイデアや戦略を見つけ、組織の成長に貢献できます。
このように、自己啓発とスキルアップのため、積極的に読書習慣を身につけることが大切といえます。
職種ごとに専門的なスキルに違いはありますが、全ての管理職に求められるものは、主に以下の5つです。
【管理職に求められる知識とスキル】
次に、それぞれ詳しくご紹介します。
書籍には、成功したリーダーや経営者の実践例や洞察が詳細に記されています。これらの事例を学ぶことで、リーダーシップスキルの向上が見込めます。
また、リーダーシップに必要な資質や行動パターンを理解し、自身のリーダーシップスタイルを洗練させることができる点もポイント。チームビルディングやモチベーション管理など、リーダーシップに関する具体的なスキルも習得できます。
コミュニケーションは管理職にとって不可欠なスキルの一つ。
書籍には、効果的なコミュニケーションの技術やツール、コミュニケーション障壁の克服方法などが解説されています。これらを学ぶことで、チームとの円滑なコミュニケーションを実現し、業績向上につなげることができます。また、プレゼンテーションやミーティングのスキルも高められます。
経営書や戦略書は、戦略的思考と意思決定能力を養うのに最適。
業界のトレンドや競合状況、市場動向などの情報を網羅した書籍を通じて、組織の将来を見据えた戦略を策定し、適切な意思決定を行う力を養うことができます。また、リスク管理や危機対応の戦略も学べるのも強みです。
クリティカルシンキングやデータ分析のスキルの向上により、管理職は情報を客観的に評価し、的確な意思決定を行う能力を養うことができます。
経営書やデータ分析の文献を通じて、論理的思考や証拠に基づいた意思決定の方法を学びます。これにより、複雑な問題に対する深い理解や分析力を身に付け、より効果的な解決策を導き出すことが可能となります。さらに、データ駆動型のアプローチを通じて、事実に基づいた判断を行うことで、組織全体のパフォーマンスを向上させることが期待されます。結果として、リーダーシップの信頼性や組織の競争力を高めることができます。
予算管理や資金調達の戦略を学ぶことで、経営者としてのビジョンを具現化するための重要なスキルを磨くことができます。具体的な予算策定や資金調達の戦略を習得することで、組織の資金を効果的に活用し、目標達成に向けた戦略的な計画を立てることが可能となります。さらに、リスク管理や財務の健全性を確保するための手法を学ぶことで、経営の安定性と持続可能性を高めることができます。経営者としての信頼性や専門性を高め、組織の成長と成功に貢献することが期待されます。
ここからは、管理職の方におすすめの本を、概要とともに紹介します。
本書は、インテル元CEOアンドリュー・S・グローブが執筆した、マネジメントの本質を解き明かす経営書。この本は、シリコンバレーの多くの経営者や幹部に影響を与え、特にベン・ホロウィッツやマーク・ザッカーバーグといった著名人から絶賛されています。
本書では、グローブがマネジャーが最大限のアウトプットを達成するための基本原理を詳述。例えば、マネジャーは部下の最高の業績を引き出すことに注力すべきであり、効果的なタイムマネジメントや意思決定の方法、ミーティングの進め方、ワン・オン・ワンの面談、人事評価の基準など、多岐にわたる具体的なアドバイスを紹介しています。
特に着目されるのが「テコ作用」の概念。マネジャーは自らの活動によってどれだけのアウトプットを生み出せるかを常に意識し、より大きな影響力を発揮できる活動に注力する必要があると説かれています。
価格(税込) | 1,980円 |
---|---|
本の概要 | インテル元CEOアンドリュー・S・グローブがマネジャー向けに、アウトプット最大化のための実践的な方法と基本原理を解説した経営書 |
おすすめの人 |
|
出典:Amazon「ハイアウトプット マネジメント」
本書は、西條晋一氏が執筆したリーダーシップ書で、60万部を突破する異例の大ヒットを記録。マネジャー(上司)と部下のコミュニケーションの本質を「仮面」という概念で説き明かしています。
本書が提唱するのは、組織内で「誤解や錯覚」が生じるのを防ぐための「識学」という方法論。マネジャーは部下に対して「仮面」をかぶり、一定の距離を保つことが求められます。一方で部下も、上司が「仮面」をかぶっていることを理解し、過度に近づきすぎないよう気を付ける必要。
このようにお互いが「仮面」を意識することで、健全な上下関係を築くことができるのです。単なるコミュニケーション術とは一線を画す、組織論的なアプローチが本書の核心となります。
価格(税込) | 1,650円 |
---|---|
本の概要 | 『リーダーの仮面』は、西條晋一氏が管理職の本音と建前を言語化し、リーダーシップの本質と実践方法を示すリーダーシップ書。 |
おすすめの人 |
|
出典:Amazon「リーダーの仮面」
本書は、ハーバード大学のテレサ・アマビール教授と心理学者スティーブン・クレイマーが共同執筆した書籍。35年に及ぶ研究の集大成となった本書では、創造性と生産性を高めるマネジメントの新しいアプローチが提唱されています。
この本の中心は、「進捗の法則」といわれる考え方。従来の目標設定やインセンティブ重視とは異なり、メンバーのやりがいのある仕事の進捗をマネジャーが支援することが創造性、生産性、モチベーションを最も高めると説きます。また、この法則は、1万件超の日誌分析と669人のマネジャー調査などの実証データから裏付けられています。
加えて、上司と部下の円滑なコミュニケーションや信頼関係構築の具体的方法も解説。理論と実践の両面からマネジメントの新たなあり方を提示する実践的な一冊です。
価格(税込) | 2,090円 |
---|---|
本の概要 | テレサ・アマビールとスティーブン・クレイマーが共同執筆した書籍。 |
おすすめの人 |
|
出典:Amazon「マネジャーの最も大切な仕事」
本書は、株式会社EVeMの代表取締役である長村禎庸氏が執筆した書籍。リクルートやDeNAなどの大手IT企業で培ったベンチャー企業のマネジメント手法を詰め込んでいます。
本書では、経験やセンスだけに頼らず、数値管理やKPI設定、組織デザインなどのフレームワークを実行することで、企業を急成長へと導く具体的な手法が解説。ベンチャー企業の経営者からマネージャー、メンバーまで幅広く役立つ内容となっており、マネジメントの本質を体系立てて学ぶことができます。
さらに、著者が無料で公開しているスライド「ベンチャーマネージャーのマニュアル」とも連動し、図解を交えた分かりやすい構成になっているのも支持されているポイント。実践的かつ理論的な内容から、ベンチャー企業に携わるビジネスパーソンにとって必携の書となっています。
価格(税込) | 2,508円 |
---|---|
本の概要 | ベンチャー企業の急成長を実現するためのマネジメント手法を、体系立ててフレームワークとして解説した実践的な一冊。 |
おすすめの人 |
|
出典:Amazon「急成長を導くマネージャーの型」
本書は、AI/DX時代におけるマネジメント手法を解説した実践的な一冊。著者の櫻田毅氏は、外資系金融機関でのCOO経験から、日米の働き方の違いを熟知しています。
本書では、管理職の最大の役割は「チームの成果最大化」であるとし、そのために必要な6つのルールを提示。単なる理論だけでなく、会議の運営、意思決定、権限委譲、部下育成など、具体的な仕事術がコンパクトにまとめられているのが特徴です。
AI/DXの進展で組織運営が複雑化する中、マネジメントスキルはビジネスパーソンに欠かせない力となっています。本書を通して、世界基準の シンプルかつ実践的なマネジメント手法を身に付けることができ、「無敵の人材価値」を手に入れられます。
価格(税込) | 1,760円 |
---|---|
本の概要 | AI/DX時代を生き残るための、シンプルながら実践的なマネジメント手法を解説 |
おすすめの人 |
|
出典:「新 管理職1年目の教科書」
『はじめての課長の教科書』は、日本企業における中間管理職、特に課長の役割と必要なスキル、心構えについて解説した書籍。2008年の初版以来、長らく愛読され続ける人気の書で、本書が「課長本」というジャンルを生み出すきっかけにもなりました。
本書が強調するのは、課長が組織の「情報」と「人」を活性化するキーパーソンであり、欧米発のマネジメント理論では説明しきれない日本的な役割を担っていること。時代の変化に合わせて大幅に加筆された待望の改訂版では、高齢化社会への対応など、新たな課題にも言及しています。
新任の課長はもちろん、中間管理職の育成を検討する経営者、マネジメント力向上を目指す全ての方におすすめの実践的な一冊となっています。日本的経営スタイルに興味がある海外の読者にもおすすめ。
価格(税込) | 1,980円 |
---|---|
本の概要 | 中間管理職、特に課長のための世界初の入門書。日本企業独自の課長の役割と必要なスキル、心構えを解説。 |
おすすめの人 |
|
出典:Amazon「はじめての課長の教科書」
『なぜ部下とうまくいかないのか』は、ハーバード大学の発達心理学理論を基に、部下とのコミュニケーションや育成方法を分かりやすく解説した一冊。
主人公の課長が、人財コンサルタントと対話を重ねながら、「自分勝手な部下」「意見を言わない部下」など、さまざまな部下のタイプと上手く付き合う方法を学んでいきます。成人にも発達段階があり、自分よりも低い段階の部下とコミュニケーションがうまくいかない理由と、それを乗り越える方策が述べられているのが特徴です。
発達段階は、知識を増やす"水平的成長"とは別に、視野を広げる"垂直的成長"があり、リーダーには部下よりも高い発達段階が求められます。また、対話形式で構成されており、コーチングの実践例を体感しながら読み進めることができるのもポイント。サクサクと読めるので、本が苦手な方にもおすすめです。
価格(税込) | 1,650円 |
---|---|
本の概要 | ハーバード大学発の発達心理学理論を基に、部下とのコミュニケーションがうまくいかない理由と、それを改善するための具体的な方法を、課長と人財コンサルタントの対話形式で分かりやすく解説。 |
おすすめの人 |
|
出典:Amazon「なぜ部下とうまくいかないのか」
『1兆ドルコーチ』は、シリコンバレーの超一流経営者たちを育て上げた伝説的なコーチ、ビル・キャンベルの成功哲学を描いた衝撃的な一冊。
著者は、アップルのスティーブ・ジョブズ、グーグルのラリー・ペイジ&セルゲイ・ブリン、アマゾンのジェフ・ベゾスらを指導してきたキャンベルに徹底的に迫り、その革新的な考え方と手法、そして人となりを余すところなく明らかにしています。
例えば、チームビルディングの極意、リーダーに求められる資質、苦境を乗り越える術など、シリコンバレー最高のメンターが説く「成功の教え」を紹介。
本を読むことで、一見破天荒とも映るキャンベルの言動には、すべて深い意味が込められていることに気付かされます。彼の教えを実践すれば、誰もが飛躍的な成長を遂げられるはずです。
価格(税込) | 1,870円 |
---|---|
本の概要 | シリコンバレーの超一流経営者たちを育て上げた伝説のコーチによる、成功の秘訣を徹底的に明らかにした |
おすすめの人 |
|
出典:Amazon「1兆ドルコーチ」
本書は、グーグルが実施した"プロジェクト・アリストテレス"によって導き出された、高パフォーマンスチームを作る秘訣を解説した一冊。
本書では、チームの生産性を最大化する上で最も重要なのは、チームメンバー間の"心理的安全性"を高めることだと述べられています。多様性に富んだメンバーの"集合知"を最大限に活かすには、愚痴やもめ事と向き合い、建設的な議論につなげていくのが大切。
グーグルがこの手法を導入して以来、"働きがいのある会社"で常に上位にランクインするなど、高い実績を上げています。変化の激しいビジネス環境下で勝ち残るには、組織の多様性を尊重し、一人ひとりの強みを引き出せる環境作りが不可欠だと説きます。
価格(税込) | 1,540円 |
---|---|
本の概要 | グーグルが生み出した、少人数でも最大の成果を上げられるハイパフォーマンスチームの作り方を解説。 |
おすすめの人 |
|
出典:Amazon「世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法」
本書は、経営の権威であるピーター・F・ドラッカーによる名著『マネジメント―課題、責任、実践』の要点を凝縮した、マネジメントの入門書。
本書では「マネジメントの本質は実践にあり、成果を出すこと」と定義しています。そのために、マネジャーが果たすべき使命と具体的な役割、取り組むべき仕事、さらには中長期の戦略について解説しているのがポイント。
組織においては、「平凡な人々が非凡な業績を上げられるよう導くことがマネジャーの役目であり、そのためにはマネジャー自身が誠実でなければならない」、と説きます。
マネジメントの基本原則から実践に至るまでを体系的に学べる、初学者向けの手引き書としておすすめ。
価格(税込) | 2,200円 |
---|---|
本の概要 | 経営の第一人者ドラッカーによるマネジメント入門書。マネジャーの使命と具体的な実践方法を解説。 |
おすすめの人 |
|
出典:Amazon「マネジメント[エッセンシャル版]」
管理職にとって必要不可欠なリーダーシップ、コミュニケーション能力などのスキル向上は、本を通じて習得することが可能です。
また、キャリアアップを目指したい方は、WARCエージェントに相談するのもおすすめ。自分に足りない部分や今後身に付けておくスキルも丁寧に教えてくれます。自己成長を図り、ビジネスの世界での活躍を目指しましょう!
「WARCエージェント」なら、大手上場企業からIPO準備企業のベンチャー求人まで幅広く対応しています。
業界トップクラスの転職実績もあり、業界に精通しているエージェントも多数在籍していますので、ぜひ気軽にご相談ください!