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情シス(情報システム)と社内SEの違いや異なる点とは|業務内容や長所と短所も解説

2024/02/21 更新

IT関連の求人には、情シスと社内SEという表現が頻繁に登場します。しかし、これらの職種の違いを理解していない方も多いことでしょう。

この記事では、情シスと社内SEの違いを理解していない方々に向けて、両者の異なる点について詳しく解説いたします。しっかりと違いを理解し、転職活動や就職活動に活かしてください。

情シス(情報システム)と社内SEの違いについて

情シスは、組織内のITや情報システムに関連する業務を管理・サポートする部署を指します。一方、社内SEは、情シス部門に所属する個々のエンジニアを指言います。

近年、企業においてIT機器の使用は一般的となり、テレワークの導入などに伴い、機器の管理やセキュリティ対策が重要視されています。こうした状況下で、登場したのが情シスです。

情シスは、社内のシステム障害に対処したり、システムの老朽化に対するメンテナンスを行ったりする役割を果たします。適切なシステムの運用によって、企業内のIT環境を整える重要な部署と言えます。

一方、社内SEは、企業内の情報システムに関わるエンジニアを指します。社内SEは、企業の情報システムを運用し、サポートし、メンテナンスを担当する技術者です。

情シス(情報システム)部門がある場合の企業

情シス部門を有する企業では、その部門に所属するエンジニアを社内SEと呼びます。

社内SEは、SIerと連携する場面もありますが、業務内容や作業スタイルは異なることがあります。また、企業によって役割範囲が異なります。情シスの仕事に転職を考える場合、業務内容を詳しく確認することが大切です。

情シス(情報システム)部門がない場合の企業

企業の規模によって、情シス部門が存在しないケースも多いです。その場合、管理部門や企画部門に社内SEが配置されることがあります。

情シスは企業によって異なる呼称で呼ばれます。例えば、「情報システム部門」、「IT戦略部門」、「業務システム部門」などです。小規模な企業では情シス部門を設けず、社内のIT専門家が情シスの役割を兼ねることもあります。

情シス(情報システム)と社内SEの業務内容の違いについて

情シスと社内SEは、両方とも企業のITに関連した業務を担当するという点で共通していますが、実際の業務内容や範囲には違いがあります。

これらの違いをしっかりと把握し、必要なスキルや責務を理解することが重要です。

情シス(情報システム)の業務内容について

情シスの主な業務内容は、ITシステムの企画と構築です。組織内の業務がより効率的に実行できるように、どのプロセスをシステム化するかを評価し、計画を策定します。

また、システムが構築された後も、情シスは運用に責任があります。日々、システムが正常に機能しているかを確認し、必要に応じて調整を行います。

システムの安定稼働が重要であり、問題が発生した場合、情シスは速やかに対処する責任もあります。システムのトラブルが企業の生産性に悪影響を及ぼすことを防ぐため、情シスは日常的な監視とトラブルシューティングを行う役目です。

さらに、情シスは社内の従業員に対してITスキルを教育する役割も果たします。このように、情シスの業務は多岐にわたる特長があります。

社内SEの職務内容について

社内SEの仕事は、社内のインフラとシステムに関連する一連の業務を含みます。これらの業務は、システムの提案から設計、構築、運用、保守にわたる幅広い業務です。

社内SEの具体的な業務内容は、企業によって異なることがあります。典型的には、社内からの機器に関する問い合わせに対応することも多いです。

また、社内SEは社内のインフラとシステムの管理、改善に向けた予算案を策定する役割も担います。ITに関連した業務だけでなく、業績分析やコンサルティングなど、多岐にわたる業務に従事することがあります。

情シス(情報システム)と社内SEの必要なスキル

情シスと社内SEの両方に必要なスキルは、基本的に同様です。

どちらの職種も、システムに関する知識や運用スキルなど、さまざまなスキルが求められます。以下では、その中で特に重要なスキルを紹介するので、情シスや社内SEに興味がある方は、参考にしてください。

コンサルティングスキル

技術的なスキルはもちろん重要ですが、情シスや社内SEにはコンサルティングスキルも必要です。

特に社内SEは、社内のIT機器についての相談や問い合わせに応じる役割を果たします。このため、社員の質問や相談に適切に答える能力が求められるケースが多いです。また、業績の分析や社内業務の効率向上について考え、改善策を企画・提案するコンサルティングスキルも必要でしょう。

情シスや社内SEは、IT関連の予算案を企画する責任も持ちます。従って、コンサルティングスキルは不可欠な要素といえるでしょう。

リーダーシップスキル

情シスが設置している企業の中には、システムの開発を外部のベンダーにアウトソースするケースが多いです。この際、情シスはベンダーのマネジメントを行う役割が求められます。

情シスは提案依頼書を作成し、要件定義や工程管理を行い、開発されるシステムが自社の目的に合致するように確認をします。プロジェクトを効果的に進め、自社の要求事項を満たすようにするために、リーダーシップスキルが必要です。

そのため、情シスにはリーダーシップスキルが必要とされています。

コミュニケーション能力

情シスや社内SEに求められるのは、単なるパソコンやIT機器の知識だけではありません。彼らはその知識を効果的に伝えるためのコミュニケーション能力も必要です。

具体的には、現場で何が求められているのか、社内のニーズや課題をヒアリングし、最適なシステム導入や改善策を提案する必要があります。また、社内SEは社内からの問い合わせに対して問題を解決し、改善する役割を果たします。

このような改善には、実際のユーザーとの密接なコミュニケーションが欠かせず、高いコミュニケーションスキルが必要です。

コミュニケーション能力が不足していると、ユーザーのニーズを誤解し、本来の要求とは異なるシステムを導入してしまう可能性があります。その結果、逆に生産性を損ねることにつながりかねません。したがって、情シスや社内SEは、正確なヒアリングとコミュニケーション能力を高める必要があります。

情シス(情報システム)と社内SEの年収動向

2023年の情シスの平均年収は約511万円(※1)です。これに対して、日本の一般的な平均年収は307万4,000円(※2)のため、情シスの平均年収が日本全体の平均よりも高いことがわかります。

しかし、情シスと比較すると、システム開発や設計などに重点を置いた専門性の高いSEの方が平均年収が高い傾向があります。もちろん、情シスの平均年収は企業の規模に応じて異なります。ただし、専門スキルを磨くことで年収向上の機会が増えることが一般的です。

どちらの職種も多くの業務に携わるため、技術スキルが多岐にわたります。しかし、専門が高いSEに比べて、情シスや社内SEは専門スキルの深さにはやや欠け、そのため平均年収が専門性の高いSEよりも低くなることがあるでしょう。

(※1)参考:求人ボックス「社内SEの仕事の年収・時給・給料」
(※2)参考:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査の概況」

情シス(情報システム)と社内SEの雇用の違い

企業のIT化が急速に進展しているため、情シスと社内SEの求人は一定数存在しています。ただし、企業の規模によっては情シスが存在しない場合もあるので、留意が必要です。

DXやセキュリティ対策の推進に伴い、システム開発を自社内で行う企業が増加しており、これが社内SEの需要を増加させています。

最近では、未経験者向けの社内SEの求人も増えており、企業が社内で社員を育てる取り組みが増えているのが特徴です。

一方で、社内SEとしての転職を希望する求職者も増えています。内定を獲得するためには、他の応募者よりも有利な立場を築くために、スキルの向上が必要でしょう。

情シス(情報システム)と社内SEの利点と不利点

情シスと社内SE、多くの人が似たような仕事と給与だと考えているかもしれません。しかし、実際にはそれぞれ異なる利点と不利点が存在します。以下で、これらの2つの側面について説明し、自身に適した職種を検討してみましょう。

情シス(情報システム)の利点

情シスの利点は、プロジェクトごとに新しいスキルや知識を必要とすることが多い点です。このため、スキルアップがしやすいという利点があります。

情シスでは、高度な専門的業務を担当するため、自身のスキルと知識を活かす機会が豊富です。具体的には、システム開発などを通じて企業内の業務プロセスの効率化を図ることがあります。そのため、高度な専門スキルを求める人にとって魅力的な仕事と言えます。

また、プロジェクトごとに成果や評価が明確に示されるため、自分の成長を定期的に客観的に評価できる点も利点の一つです。

情シス(情報システム)の懸念点

情シスはプロジェクトごとに最新の技術を選定しなければなりません。したがって、常に新しい技術の習得が求められます。情報収集や自己学習を怠るわけにはいきません。

情シスでは、トレンドや企業の要求に応じたシステムを導入する必要があるため、常に新しいIT知識の習得が必須です。そのため、学びたい気持ちがないと難しい職種です。また、ITに関する学習やスキル向上が得意でない人には向いていません。

さらに、プロジェクトはしばしば厳格なスケジュールの下で進行し、指定された期限内に成果物を提供することが求められます。したがって、時間にルーズな人や高い責任を怖れる人には向かないでしょう。

社内SEの利点

社内SEのアドバンテージは、企画から開発、運用、保守まで社内のIT関連業務を包括的に担当できる点です。このため、社内SEとして活動しながら、ITに関する幅広い知識と技術を習得できるという利点があります。

自身が企画・開発したシステムが実際に社内で活用され、業務プロセスの効率が向上すると、達成感を味わえるでしょう。また、社内システムに問題が発生した場合、適切な対処策を講じてシステムを修復し、業務の円滑な継続を支援できます。社内SEは会社の業務や経営に密接に関与し、その重要な役割により達成感を感じやすい職種です。

社内SEの懸念点

社内SEは、社員からの質問や相談に応じる機会が多いため、本来の業務に時間を割くことが難しく、望む業務を遂行できないというデメリットがあります。

社内SEは、質問や相談に対して適切にコミュニケーションをとる能力が必要です。業務の遂行において、社員からの問い合わせがストレスとなる可能性があるため、コミュニケーションスキルは欠かせません。

また、一部の企業では社内SEの人数が不足しており、日常業務に追われて過度の労働負担に悩むことも考えられますので、留意が必要です。

情シス(情報システム)と社内SEを理解して、自分に最適な職を選ぼう

情シスと社内SEは、企業のIT関連業務を担当する点で共通していますが、具体的な仕事内容や求められるスキルは異なります。どちらも企業のシステムに関わることにやりがいを感じるかもしれませんが、あなたが何を実現したいのかによって、選択肢が変わるでしょう。

今回紹介した情シスと社内SEの定義や業務内容、必要なスキル、長所や短所を考慮し、自分にぴったりの職業を選択してください。

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株式会社WARC

向井 達也

レバレジーズに入社し、IT領域を中心とした人材紹介事業に従事。その後ベンチャー企業の紹介事業においてグロースフェーズに携わり、2020年WARC入社。現時点でのキャリアやスキルを掘り下げ、潜在的な希望を引き出すキャリアアドバイスを心がける。ベンチャー、スタートアップにおける情報システム部門に強みを持ち、国家資格キャリアコンサルタントを保有。