IT技術の発展に伴い、どの企業でもシステムの導入といったインフラの整備が積極的に行われています。そのため、社内の情報システム部は企業の運営の要となり、日々膨大な業務量をこなしていることがほとんどです。情シスの運用代行サービスを利用することで、情シス社員の業務負担軽減・安定した人材確保に繋げることができます。
この記事では、おすすめの情シスの運用代行サービス7選をご紹介します。また、活用するメリット・デメリットや選び方のコツについても解説していますので、導入を検討する際の参考にしてみてください。
情シスの運用代行サービスとは、企業内にある情報システム部の業務を外部に委託できるサービスのことです。依頼できる業務内容は主に「システム構築・保守業務」「セキュリティ対策」「デバイスのキッティング」「ヘルプデスク業務」などがあります。業務負担軽減や人材不足の解消を目的に、活用する企業が増えているサービスです。
運用代行サービスは、企業によって対応できる範囲が異なりますので、サポートしてもらいたい業務を明確にしておくと業務の棚卸にもなり、依頼がスムーズになります。
情シス運用代行サービスを活用することで、企業が得られるメリットは多くあります。ここでは、その中でも特にメリットを得やすい4点について解説していきます。自社にとってのメリットになるかどうか、判断するポイントにしてみてください。
情シスが担当する業務は多岐に渡ります。加えて、情シスの人材確保が難しい実情があるため、情シスの対応業務の手厚さに濃淡が出ている企業もあるのではないでしょうか。
社内の情シス部員が、必ずしも全ての分野に精通しているとは限りません。情シス代行サービスであれば、豊富な経験と専門知識のある社員が依頼された業務をサポートしてくれます。人材を新たに確保できなくても、外部委託をすることで社内の弱点となりうる分野を補い、強化することに繋がります。
社内の情シスが、日々生じてしまうトラブルやヘルプデスク業務などの突発的な対応で、勤務時間の大半が奪われてしまうケースは多々あります。、そのため、「本来取り組みたい業務に手が付けられない」、といったことが問題として挙げられることも少なくないでしょう。外部委託できる業務を依頼することで、情シス社員がコア業務に専念する時間を確保することが可能になります。会社の利益に直接繋がる業務は「社内の情シス」が対応し、外部委託でも対応可能な内容は「運用代行サービス」を活用することで、社内リソースの最適化を実現できます。
情シス運用代行サービスを活用すれば、間違いなく情シス社員の負担を軽減することが可能になります。これまで業務に追われ、心身共に疲弊していた状態から余裕を作ることに繋がります。、その結果、ミスも少なく生産性の高い仕事が期待できます。リソース不足を解消することで、スピーディな対応が可能となり、情シス運用の安定化を図ることに繋がります。
情シス運用代行サービスを提供している企業では、様々なプランを用意しているのが一般的です。サーバー管理やアカウント管理・セキュリティコンサル・リテラシー研修など、情シスにまつわる業務に幅広く対応しています。自社にとってサポートが必要な分野を選定し、その分野だけを支援してもらうことも可能です。契約をする前に社内の情シスの状況や課題を事前に伝えて、解決策として必要なサービスを提案してくれる企業もあります。依頼する業務を整理するのが難しい場合には、直接相談するのも一つの方法です。
一方で、情シスの運用代行サービスを活用することのデメリットも存在します。メリットを理解することと同様にデメリットを理解することは導入する際にとても重要です。
ここからは、情シス運用代行サービスを使うデメリットを3つご紹介します。
情シス運用代行サービスを利用すれば、運用代行サービスのスタッフが社内業務をサポートしてくれることになります。しかし、他部署との関係性の難しさを感じるケースがあります。業務の依頼や指示を出すのにも、社内の情シスに依頼するよりハードルを感じたり、思ったような対応を取ってもらえないといったコントロールの難しさが生じる場面もあるでしょう。指示系統を明確にしたり、情シス運用代行サービスの担当者とのコミュニケーションが積極的に取れるよう、環境を整えておきましょう。
委託する業務によっては、社内の機密情報を代行会社に提供することになります。そのため、自社で情シス業務を完結させるよりも、セキュリティ面でのリスクが高くなります。情報漏洩に対する対策や開示する情報を絞るなど、情シス運用代行サービスを利用する際には予め準備が必要となります。
情シス運用代行サービスを取り入れることで、社内情シスにおける課題や負荷を解消し、安定した運用ができるようになります。しかし、契約が終了した後は派遣されたスタッフが持つスキルやノウハウは自社には残りません。そのため、社内の情シスが充実しない限り、サポートを必要とし続ける依存状態に陥る可能性があります。
将来的に、情シスを社内リソースだけで完結させたいという場合には、情シス運用代行サービスを活用している間に、人材の確保と共に育成を併行して進めていく必要があります。
ここからは、情シス運用代行サービスの選び方を3つの視点で解説していきます。
おすすめする選び方は下記の3点です。
社内の情シスが抱えている課題によって、依頼したい業務は異なります。情シス社員の負担軽減を目的としている場合には、ヘルプデスク業務を外部委託するのがおすすめです。ヘルプデスク業務は、突発的な対応が多く時間が読みづらいという特徴があります。そのため、情シス社員の労働時間を延ばしてしまう要因になりがちです。また、突発的な業務が多くなれば、取り組んでいるコア業務の手を止めてしまうため、
この業務を外部委託することで、社内の情シス社員が優先すべき仕事に集中することができます。さらに、モチベーション向上や作業効率の向上にも繋がりやすく、委託することで得られるメリットは大きいです。ヘルプデスク業務は、運用代行サービスに優先的に依頼したい業務の一つと言えます。
運用代行サービスの費用感
情シス運用代行サービスを利用することでかかる費用は、依頼する業務や企業によって異なります。また、全般を漠然と依頼するのではなく、業務を整理して必要な業務に絞って依頼をすることで、費用を安く抑えることが可能です。
一般的な相場は、大手企業に依頼する場合、約50万円程度が目安と言われています。社内完結するよりも費用がかかる印象があるかと思いますが、実際には新たに優秀な人材を雇うよりもコストは抑えられます。業務の円滑化にも繋がるので、コストパフォーマンスも高いと言えるでしょう。
様々な企業のサポートを行うプロとして、企業の要望や特有の業務にも柔軟に対応してくれる企業もあります。例えば、情シス運用の安定化のために「ITコンサルティング」を長期の契約で行ったり、社員の入退社時などの一時的な対応を任せられるスポットでの依頼が可能だったりと様々です。料金プランについても幅広く用意されているので、ニーズに合ったプランのある企業を選びましょう。
情シス運用代行サービスは数多くあります。ここからは、おすすめできるサービス7選をご紹介していきます。サービス内容や特徴についてもまとめているので、参考にしてみてください。
「フレクシーサポート(フレックシステムズ株式会社)」は、主にリモートでのIT業務の代行サービスを提供しています。コストを削減しながらスピーディな対応が可能です。また、低コストでのサービス提供を行っているのも特徴です最近多くなってきている、テレワークに伴うトラブルにも対応しています。緊急時には、訪問での解決にも対応しているので手厚いサポートが期待できます。
料金についてはサポート内容によって異なるため、問い合わせて確認してみましょう
【サービス内容】
【料金】
サポート内容による※詳細は要問い合わせ
「情報システム代行アウトソーシングサービス(エイネット株式会社)」は、情シス代行依頼を数百社から承った経験のある、実績豊富な企業です。依頼できるプランを多く用意しており、必要な業務に絞ったコスパの良いサービスを受けることができるのが特徴です。料金は選択したプランにより異なるため、問い合わせて確認してみましょう。
【サービス内容】
【料金】
サポート内容による※詳細は要問い合わせ
「トータルITヘルパー(リップル株式会社)」は、年間対応件数17万件を超える経験豊富な情シス代行のプロフェッショナルが提供しているサービスです。業界最高水準の解決力を駆使することで、利用したクライアントの94%がコストダウンを実感しています。低価格でのサービス提供も強みとしており、最も低価格なヘルプデスクプランであれば、PC1台あたり2,000円から依頼することができます。
【サービス内容】
【料金】
最低価格PC1台あたり2,000円~※他、詳細は問い合わせ要(2024年4月時点)
「情シスサポートサービス(アイチーム株式会社)」は、システム企画から運用までの業務を支援することで、一人情シスでも余裕のある運用ができるサポートを行うサービスです。企業の安定した情シス部門の運営を目指します。費用は利用するサービスによっても異なるので、問い合わせて確認してみましょう。
【サービス内容】
【料金】
サポート内容による※詳細は問い合わせ要
「まるごと情シスBPO(キューアンドエー株式会社)」は、情シスが攻めの業務に集中できる環境を整えるため、豊富なアウトソーシング業務で支援しているサービスです。テクニカルサポート25年の実績で積み上げたノウハウを基に、ITスキルの高い人材が対応してくれるので安心して業務を任せられます。依頼できる業務の種類が豊富に用意されており、利用するサービスによって費用が異なります。詳細は問い合わせて確認してみてください。
【サービス内容】
【料金】
サポート内容による※詳細は問い合わせ要
「ReSM plus(株式会社DTS)」は、ヘルプデスクのアウトソーシングに特化した情シス運用代行サービスです。導入することで、50%以上の問い合わせ対応の削減が狙えます。クライアントの規模によって料金は異なりますが、社員数250名の規模であれば月額約34万円が目安です。
【サービス内容】
【料金】
社員数250名の規模であれば月額約34万円が目安※他、詳細は問い合わせ要(2024年4月時点)
「情シスSAMURAI(クロス・ヘッド株式会社)」は、創業30年の実績と高い技術力を基に、IT業務の悩みをアウトソーシングで解決するサービスです。最短2週間で業務の引継ぎを行うため、スピーディに課題解決ができるのが特徴です。利用するサポート内容や規模感によって費用が異なるため、詳細は問い合わせて確認してみましょう。
【サービス内容】
サポート内容による※詳細は問い合わせ要
上記で紹介してきた企業のポイントをまとめて紹介します。
情シス運用代行サービス | 費用 | サービス内容 |
---|---|---|
フレクシーサポート(フレックシステムズ株式会社) | 要問合せ |
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情報システム代行アウトソーシングサービス(エイネット株式会社) | 要問合せ |
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トータルITヘルパー(リップル株式会社) | PC1台あたり2,000円から |
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情シスサポートサービス(アイチーム株式会社) | 要問合せ |
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まるごと情シスBPO(キューアンドエー株式会社) | 要問合せ |
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ReSM plus(株式会社DTS) | 社員数250名規模で月額34万円(参考価格) |
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情シスSAMURAI(クロス・ヘッド株式会社) | 要問合せ |
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※費用に関しては、2024年4月時点の情報です。詳細は、各サービス会社へお問い合わせください。
情シス運用代行サービスを利用することで、一時的な情シスの業務負担の軽減には期待できますが、根本的な解決には繋がりません。契約が終了すれば、情シスの業務過多状態や不安定な運用に逆戻りです。そうならないためには、契約終了後を見据えて社内で完結できるだけの十分な人材の確保と、社員教育によるスキルアップが不可欠です。
情報システム部のリソース確保と質の向上が必要になるため、アウトソーシングと並行して採用活動も行いましょう。
情シスは人材不足と言われており、社員の確保が難しいと言われています。WARCエージェントでは、ベンチャー・IT企業を中心に経営管理部門のプロフェッショナル人材と企業をつなぐ人材紹介サービスを提供しております。即戦力となるような人材の紹介も可能です。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
情シスの職員は日頃の業務や問い合わせで忙殺されています。しかし、情シスの抱える悩みはこの記事で紹介したような方法で解消できるので、コストなどと見合わせて、企業ごとに合った方法で対応を図りましょう。
情シスの職員は他部署の職員から、IT関連なら何でも知っていると思われがちです。私用のスマートフォンや家電の相談まで受けさせられている職員もたくさんいます。情シスの悩みを軽減するには、情シスの担当範囲を明確にする・企業全体のITスキルやリテラシーを向上させて自力解決の力を養うなどの対策も重要です。