IT技術の発展に伴い、企業はシステムの導入やインフラ整備を積極的に進めています。情シス部門は企業運営の要となり、日々膨大な業務をこなしていますが、仕事量の多さや人材不足で困っている企業も少なくありません。そんな場合には、情シス運用代行サービスの利用を検討してみましょう。
この記事では、おすすめの情シス運用代行サービスを9社厳選してご紹介します。また、運用代行サービスを活用するメリット・デメリットや選び方のポイントについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
情シスの運用代行サービスは、企業内の情報システム部門が行っている業務を外部の専門企業に代行してもらうサービスです。近年、情シスの業務負担を軽減し、人材不足を解消する目的で利用する企業が増えています。情シス運用代行サービスが請け負う業務には、以下のようなものがあります。
業務を依頼する前には、サポートしてもらいたい業務を明確にしておきましょう。スムーズに依頼できるだけでなく、自社情シスの業務を整理するきっかけにもなります。
情シス運用代行サービスの活用で、企業が得られるメリットは多いです。とくに、以下の4点は大きなメリットとして挙げられます。
情シス運用代行サービスの社員は、自社にいる情シス担当者の相談相手にもなってくれます。
情シス運用代行サービスには、以下の3つのデメリットがあります。
運用代行サービスを利用すると、社内の他部署との連携が難しくなったり、業務の依頼や指示がしづらくなったりする場合があります。また、セキュリティ対策を外部に依頼することで、情報漏洩のリスクが高まる可能性もあります。さらに、運用代行サービスに過度に依存すると、自社内で情シスの人材を育成する環境が整いにくくなるでしょう。
情シス運用代行サービスにはさまざまなタイプがあり、提供できるサービスも異なります。自社のニーズに合う企業に依頼しましょう。以下に、多くの情シス運用代行サービスが提供している主なサービスについて解説します。
デジタル機器の設定(キッティング)は、PCなどのデジタル機器を業務で使える状態にする作業です。設定作業は、依頼した企業が新しく購入した機器だけでなく、今まで使っていた機器を次の従業員に使わせる前にも必要です。
デジタル機器の設定には時間も手間もかかります。企業では、一度に大量のデジタル機器を設定する機会もあるので、外注すると社内情シスが他の重要な業務に時間を割きやすくなるでしょう。
システム構築や保守を請け負う情シス運用代行サービスは多いです。システム構築には専門的な知識が必要であり、システムトラブルはいつ発生するかわからないため、情シス担当者は常に対応できる体制が求められます。
システム構築・保守を請け負う方法は、企業によって異なりますが、主なタイプは以下の3つです。
依頼する際は自社のニーズを把握し、適切な企業を選びましょう。
セキュリティ対策は、企業の情報漏洩やウイルス感染を防ぐ重要な業務です。情シス運用代行サービスには、環境構築やウイルス対策ソフトの導入だけでなく、個人パスワードの管理まで代行してくれるところもあります。
情シス運用代行サービスの従業員はITの専門家であり、高いノウハウや知識を持っています。委託すると、自社のセキュリティシステムが常に最新の状態に保たれるメリットがあります。
情シスには、ITツールやシステムについての問い合わせが頻繁に寄せられます。企業によっては顧客の相談にも応じる必要があり、対応に追われる情シス担当者も多いです。
情シス運用代行サービスには、社内ヘルプデスク業務だけでなく、顧客からの問い合わせやクレーム対応を請け負う企業もあります。自社のニーズに合ったサービスを提供する企業に依頼しましょう。
情シス運用代行サービスを選ぶ際は、以下の3点を重視して選びましょう。
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
運用代行を依頼する業務は、社内情シスが抱えている課題によって異なります。情シス担当者の負担軽減が目的の場合、ヘルプデスク業務を外部委託するのが有効です。ヘルプデスク業務は突発的な対応が多く、解決までに時間がかかることがあります。これにより、コア業務に集中できなくなるリスクがあります。
ヘルプデスク業務を外部委託すると、社内情シス担当者は優先すべき仕事に集中しやすくなり、モチベーションや作業効率の向上につながる可能性があります。
情シス運用代行サービスの費用相場は、大手企業に依頼する場合、約50万円程度です。費用は依頼する企業や業務によって異なるため、事前に依頼したい業務を絞り込み、予算に見合ったサービスを提供する企業を探しましょう。
情シス運用代行サービスの利用は、社内情シスの人員を増やすよりも低コストであり、業務の円滑化にもつながります。コストパフォーマンスを考慮することで、最適な選択が可能です。
運用代行サービスには、さまざまな企業のサポートを行うプロとして、企業の要望や特有の業務にも柔軟に対応してくれるところもあります。長期契約で「ITコンサルティング」を請け負うところから、社員の入退社時などの一時的な対応を任せられるスポットでの依頼を受けてくれる企業まであるのも魅力です。
料金プランの設定も企業によってさまざまなので、自社に合ったサービスと料金プランを提供している企業を選びましょう。
情シス運用代行サービスは数多くあります。この項では特におすすめの企業9社について、サービス内容や特徴をまとめるので参考にしてください。
タイプ | 会社名 | 主な代行業務 | 費用 |
---|---|---|---|
ヘルプデスクに特化 | 情報システム代行アウトソーシングサービス |
| サポート内容によって異なる※詳細は要問い合わせ |
RICOH 情シスおまかせパック |
| 基本メニュー1件あたり3,900円 | |
まるごと情シスBPO |
| サポート内容によって異なる | |
ReSM plus |
| クライアントの規模によって異なる(社員数250名なら月額約34万円程度) | |
システムの運用全般 | フレクシーサポート |
| サポート内容によって異なる※詳細は要問い合わせ |
トータルITヘルパー |
| 最低価格PC1台あたり2,000円~※他、詳細は問い合わせ要 | |
情シスサポートサービス |
|
| |
情シスSAMURAI |
| 企業規模とサポート内容によって異なる |
中小企業で情シス担当者が少ない場合は、中小・中堅企業向けにヘルプデスクの請負をしてくれる企業がおすすめです。以下に、とくにおすすめの企業を2社取り上げて解説します。
エイネット株式会社は、ヘルプデスクを中心に、ウイルスソフトの更新やアカウント管理も代行しています。数百社もの企業から依頼を受けており、豊富な経験を持つエンジニアがチームを組んで対応しています。
サービスプランは、ヘルプデスクの利用頻度と代行して欲しい業務の組み合わせで3種類用意されているうえ、リーズナブルな価格で提供されています。また、1件から依頼できるオプションサービスも用意されています。
「RICOH 情シスおまかせパック」は、PC・サーバーからPCアクセサリまで、マルチにサポートするのが特徴です。クライアントの困りごとには、電話・リモート・オンラインの3つの方法で対応します。サポートメニューは「情シスおまかせパックスタンダード」が基本ですが、ヘルプデスクの利用回数などを増やせるオプションメニューもあり、企業の状況に合ったプランを組みやすいのも魅力です。
中小企業で情シス担当者を雇う余裕がない場合は、情シス業務をすべて請け負ってくれる企業に委託しましょう。特におすすめの企業は、以下に解説する4社です。
「フレクシーサポート(フレックシステムズ株式会社)」は、主にリモートでIT業務の代行サービスを提供している会社です。基本的に、情シス関連業務をすべて請け負います。低価格で対応が早いので、中小企業におすすめです。フレクシーサポートには定額のサポートだけでなく、必要な時にだけ依頼できるオプションサービスもあります。ホスピタリティを重視していて、クライアントが相談しやすいのも特徴です。
リップル株式会社が提供する「トータルITヘルパー」は、情報システム部門・ヘルプデスクのアウトソーシングに特化したサービスです。経験豊富な情シス代行のプロが業界最高水準の解決力を駆使してサポートします。PC1台から依頼できるうえ、トラブル解決率が97%と高いのも特徴です。
また、トータルITヘルパーには、遠方にある企業にも対応する出張サービスも含まれています。
アイチーム株式会社の「情シスサポートサービス」は、一人情シスで運営している中小企業にとくにおすすめです。このサービスでは、システム企画から運用までの業務を支援してもらえるため、自社情シス担当者の業務量を軽減することができます。
企業の安定した情シス部門の運営を目指し、提供される定額プランにはヘルプデスクプラン、スタンダードプラン、カスタムプランの3種類があり、さらに必要な時に依頼できるオプションプランも6種類用意されています。
株式会社Gizumoが提供する「クラウドSE」は、IT業務・ヘルプデスク・PCのキッティング・サイトやサーバー保守などの業務を代行するサービスです。依頼内容に応じて専門家が対応するので、幅広い分野で高品質なサポートを受けられます。月額49,0000円から代行プランを提供しているのも魅力です。
大企業で情シスのヘルプデスクをアウトソーシングしたい場合は、以下の2社がおすすめです。それぞれの特徴やサービスについて詳しく解説します。
キューアンドエー株式会社の「まるごと情シスBPO」は、自社の情シス従業員をIT戦略関連の業務に専念させたい企業におすすめのサービスです。
この契約を結ぶことで、ヘルプデスク業務からシステム運用・監視まで、幅広い業務を代行してもらえます。ITスキルの高い人材が対応するため、安心して任せることができるのも大きな魅力です。
「ReSM plus(株式会社DTS)」は、ヘルプデスクの代行に特化した大企業向けの情シス運用代行サービスです。「ReSM plus」を契約すると、50%以上の問い合わせ対応の削減を期待できます。情シス関連だけでなく、バックオフィスの代行にも対応しているので、自社従業員が本来の業務に集中できる環境を作れるのが魅力です。また、契約前にはアセスメントがあり、適切なプランを提案してもらえるので、適切な料金で利用できます。
大企業で情シスの人員が足りない場合は、システム運用のアウトソーシングも検討しましょう。とくにおすすめなのは、以下に解説する企業です。
情シス運用代行業者として、30年の歴史を持つ企業です。提供サービス「情シスSAMURAI」では、実績と高い技術力を基に、情シスのプロがIT業務の悩みを解決します。システムトラブルの対応からIT化・DXに関する相談に応じてもらえるのも魅力です。契約締結から2週間で代行業務を開始するので、大企業で情シス担当者が少ない場合は、ぜひ利用しましょう。
情シスの運用代行サービスやスキルマップの活用法を理解したら、次は情シスを担当している自分自身のキャリアをさらに飛躍させましょう。情シス関係への転職なら、WARCエージェントの利用がおすすめです。
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