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情シス
2024/07/25 更新

一人情シスの役割とは?情報システム部の課題や原因、対策を解説

昨今、情報システム部門を一人で担当する「一人情シス」体制をとっている企業も少なくありません。しかし、これにより業務過多やトラブル対応の遅延が起こっているケースも見受けられます。企業が抱える「一人情シス問題」や対策を知り、問題の改善をはかりましょう。

この記事では、一人情シス体制で起こる問題や今日から行える対策方法を解説します。

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一人情シスとは

そもそも、「一人情シス」とは、どのような状態を指すのでしょうか。ここでは、「一人情シス」の定義や現状について解説します。

情報システム担当者が一人もしくは少人数の状態を表す

「一人情シス」とは、情シス部門の業務を一人だけ、または限りなく少ない人数で担当する体制のことです。一人情シス体制は、部門に十分な予算をかけることが難しい中小企業や、創業して間もないスタートアップ会社に多く見られます。

一人情シスは、社内のシステム構築、保守運用、IT機器の管理など多岐にわたる業務を一人で担当しなければなりません。そのため、時間外労働の増加や、保守がおろそかになることによるトラブルにつながります。

一人情シスは人材不足やノウハウ不足が原因で起こり得る

一人情シス体制は、人材不足によりIT部門の人材を複数人配置できない場合や、情報システム部門に対するノウハウが不足している場合に該当することが多いです。

このほか、社員数が少ない企業は人材リソースが少ないため、情シス部門に専任をつけられないケースがあります。しかし、比較的大規模な企業でも、仕事量に対し人材が不足していれば問題になることもあります。

一人情シスの増加理由

では、なぜ一人情シス体制をとる会社が増えているのでしょうか。一人情シスは、経営者のITリテラシー不足や、DXによる転職市場の変化により起こります。

経営者のITリテラシー不足

社内システムやITインフラの運用、サイバーセキュリティなど重要な業務を担う情報システム部門ですが、直接的な利益を生むわけではないことから、その必要性が理解されにくい傾向があります。

そのため、経営者自体が情シスの重要性について理解していないと、予算や人員の拡充を渋ってしまいがちです。経営者のITリテラシー不足が、一人情シスにつながっているのです。

貴重な人材の流出

DXの推進により貴重なIT人材が報酬のよい企業へ流出してしまうことも、一人情シス増加の理由です。DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル化により新たな価値を創出する取り組みを指します。DX意識の高まりから市場ではIT人材の価値が高騰しており、より待遇のいい企業への人材流出が起きやすい状況です。

スキルを持った人材ほど他社へ流出しやすく、残された情シスの激務化が加速しています。

DX推進による影響

DX化によりさまざまなシステムやクラウドサービスを活用することで、自社でサーバーやソフトウエアを導入する必要がなく、運用・管理工数を大幅に削減することが可能になりました。これにより情報システム部門の業務量が減ったと誤解され、人員が削減されるケースがあります

しかし、実際には、多くのシステムを使うことで、各アカウントやデータの管理、連携手段など、対応範囲も増えていくため、業務量は増えている場合もあるのです。

一人情シスによって起こる問題6選

一人情シス体制の状況下では、情シス担当の負担が増えたり、社内トラブルの対応が遅れたりするなど、さまざまな問題が起こります。以下に、主に起こりうる6つの問題点を解説します。

情シスの負担増

一人情シス体制の下では、担当者一人あたりの負担が大きくなってしまいます。情シスは、自身の業務のほかに従業員からの問い合わせ対応なども担当する部門です。

情シスが複数人いれば作業を分担できますが、一人情シスの場合はすべてを一人だけで対応します。日中の出勤時間は従業員対応、終わらなかった自分の仕事は時間外労働で行うという悪循環が生まれかねません。

 社内のトラブル対応が遅れる

一人情シス体制では、社内でシステムトラブルが起こっても早急な対応ができません。一人情シスは一度に処理できるトラブルの数が限られるため、システムエラーや障害が発生した際の対処が遅れがちです。

トラブル対応が遅れると社内全体の業務効率が下がり、生産性に大きな影響が出ます。

担当者不在時の対応不在

一人情シス体制を敷く企業では、唯一の情シス担当が休みの日にトラブルが起きても誰も対処できません。本来であれば、一人情シス体制の企業こそ、トラブルがあった際の対処法をほかの部署と共有しておきたいものです。

しかし、IT系トラブルへの対処は専門性が高いうえ、普段から忙しい一人情シスには周囲にナレッジを共有する時間がありません。情シス業務を一般化できず、結局一人ですべてを対処しなければならない悪循環に陥ってしまいます。

スキルアップの困難さ

一人情シスの中には、一緒に働くメンバーや知識を持った先輩がおらず思うようにスキルアップできないと感じる人もいるでしょう。情シスに限らず、スキルアップには自分の働きぶりを評価し、フォローアップしてくれる存在が必要です。

一人情シスには一緒に働く仲間や先輩がいないので、自分の働き方が合っているかわかりません。能力の伸びしろがあるにもかかわらず、スムーズにスキルアップできずもどかしさを感じる情シスは多いと考えられます。

引継ぎ不足による混乱

前任がいるにもかかわらず十分に引き継ぎがなされず、新たな情シスが混乱することも問題です。一人情シスが抱える業務は幅が広く、前任も自分の任されている仕事をよく把握していないというケースは少なくありません。

そのため、前任の退職後、当初聞いていた業務以外にも新たな仕事が次々と舞い込みます。新たな情シスは「これも私の仕事だったの?」と混乱してしまいます。

DX推進の遅延

一人情シスにより、DX化が遅れることも課題とされています。

DX化は企業における大プロジェクトであり、一朝一夕に達成できるものではありません。しかし、一人情シスは日々の業務で手一杯なため、DXの推進に着手することが難しいのです。その結果、企業が時代の流れに取り残されてしまいます。

一人情シスが業務効率化を図るメリット 

情シスが業務効率化に取り組むと、業務負担の軽減がはかれたり、コア業務に集中できたりとポジティブな効果を期待できます。

業務負担が軽減することはもちろん、今まで滞っていたタスクをスムーズに処理できます。情シスの業務循環がよくなることで、企業全体にもよい影響がもたらされます。

業務負担軽減

情シスが担当する業務を効率化することによって、業務の負担軽減が図られます。「本当にこの業務は情シスがおこなうべきものなのか?」という視点で、定期的に業務の棚卸しを行いましょう。他部署への移管できる業務や、現状の改善点を見つけることで、情シス業務の効率化につながります。

コア業務への集中

情シス部門の本来の役割は、社内システムの保守・管理や、社内インフラの構築・運用です。しかしそれらに加えて、社内外の問い合わせへの対応を求められるケースも少なくありません。問い合わせ対応のツールを導入したり、アウトソーシングを活用したりするなど、本来のコア業務に集中できる環境をつくることが大切です。情シス部門の負担を軽減し、合理的かつバランス良く効果的な運営が期待できます。

IT業務やセキュリティの安定化

一人情シスが担っている作業をアウトソーシングし、実績のある外部の企業に業務を託すことで、品質が安定し、セキュリティ上のリスクを低く抑えられる場合があります

たとえば、24時間365日の対応が可能なサービスであれば、休日夜間のトラブルやシステム障害にも迅速に対処してもらえます。ひとり情シス特有の、担当者不在時にサービスが止まるというリスクを回避できるのです。

DX推進のスムーズ化

情シス部門の効率化が進み生産性が向上すると、企業のDX推進につながるのもメリットです。近年、企業のITを取り巻く環境は目まぐるしく変化しています。環境の変化に適応し、DXを推進していくには、情シス部門がより戦略的な業務に集中できることが何より大切です。

一人情シス負担軽減のための対策

現役の一人情シス担当者の中には、なんとか現状を変えたいと考える人も多いでしょう。ここでは、一人情シスを乗り越えるためのアイデアをご紹介します。

業務範囲を明確にする

業務範囲を明確にし、情シス担当者として一番優先すべき事項を明らかにしましょう。最初のうちは、どれも優先順位が高いように感じられますが「人に任せられるとしたらどの部分をお願いするか」という視点で考えるのがおすすめです。業務の効率化が目指せるだけでなく、重要性の低い仕事を他部署の人や外部の専門業者に任せるきっかけにもなります。

ITアウトソーシングの活用

外部の専門業者に一部の業務をアウトソーシングし、一人情シスの負担を減らしましょう。優先順位付けで比較的重要度が低かった業務をアウトソーシングすれば、情シスは戦略立てやセキュリティ対策などのコア業務に専念できます。たとえば、従業員からのIT機器に関する問い合わせ対応のような、日常的に繰り返し発生するタスクはアウトソーシングに向いています。

外部の勉強会に参加する

社内でのスキルアップが難しい問題に関しては、外部の勉強会に参加することで解決をはかりましょう。情シスやIT関連人材が集まるセミナーに参加すれば、普段の業務では身につけられない知識や知見を得ることが可能です。共に学ぶメンバーと知識や悩みを共有する中で、一人情シスの孤独や不安を乗り越えられる可能性もあります。

なお、外部の勉強会に参加する時間のない人は、オンライン講座などを探すと良いでしょう。

経営層の理解

経営層に情シスの重要性を理解してもらうよう働きかけることも、負担軽減の対策として有効です。

今までは一人の担当者で業務に対応できていたから、そのままの体制で問題ない、と考える経営者もいるでしょう。しかし、近年は業務範囲の拡大や複雑化が進み、一人で対応することは非常に困難な状況です。その状況を理解してもらうよう、業務内容やかかる時間などをアピールし、人材確保を促しましょう

業務効率化のためのツールを紹介

一人情シスを乗り越えるための手段として、業務効率化のためのツールの導入も方法の一つです。タスク管理やコミュニケーションツール、セキュリティツールなどの導入が有効でしょう。

以下は、情シスが導入するとよいツールの具体例です。

メール配信システム

  • 重要な社内情報を自動で確実に送信することができる
  • メールの一斉送信で起こりうる、誤送信やスパム扱いのリスクを軽減しながら配信作業の手間を減らせる。

IT資産管理ツール

  • ハードウェアやソフトウェアの情報を一括で管理できる
  • 企業のソフトウェアのインストール状況やファイル操作などの情報を自動で収集できるため、トラブルが起きても原因を速やかに見つけ出せる。

情報管理・共有ツール

  • 社内で利用するファイルや文書に対し、メンバー全員でアクセスや編集ができるツ
  • すべての重要情報を1つの場所に集約するため、業務フローのスムーズ化を期待できる。

例)Googleドライブ・Dropbox

FAQツール

  • スタッフからの問い合わせ内容をデータベース化し、社員が自ら解決策を探せるようにする。
  • 情シスへの問い合わせが減り、重要度の高い業務に専念できる。

コミュニケーションツール

  • チャットなどを用いて情報共有ができる。
  • リアルタイムでやり取りできるため、社員同士でのトラブル解決や写真やファイルの送り合いがスムーズに行える。
  • 必要なデータの一元管理にもつながるため、ファイルやリンクをあとから探しやすい。

例)Slack・Chatwork

RPAツール

  • 繰り返しの手作業を人に代わって行うことができる。
  • データの入力や集計、定型メールの作成といった業務を自動で進められるため、作業時間の削減につながる。

WARCエージェントで理想の情シスキャリアを見つけよう

情シスは、日頃の業務や問い合わせで忙殺されがちです。しかし、情シスの抱える悩みは増員やアウトソーシング、ツールの利用などにより解決できます。コストや時間効率を考慮し、企業ごとに合った方法で解決を目指しましょう。

なお、今の企業では悩みが解決されないと感じたら、他会社の情シスに転職するという手もあります。各自業界研究を行ったり、転職エージェントを利用したりすることで、自分に合う企業を見つけましょう。

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著者画像

株式会社WARC

向井 達也

レバレジーズに入社し、IT領域を中心とした人材紹介事業に従事。その後ベンチャー企業の紹介事業においてグロースフェーズに携わり、2020年WARC入社。現時点でのキャリアやスキルを掘り下げ、潜在的な希望を引き出すキャリアアドバイスを心がける。ベンチャー、スタートアップにおける情報システム部門に強みを持ち、国家資格キャリアコンサルタントを保有。

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