2024/05/02 更新情シス業務の属人化を解消！リスク回避の具体的な対策方法とは
社内の情報システム（以下、情シス）に関する業務を行うためには、専門的なスキルや知識が求められます。そのため、どうしても任せられる人材が少なく、業務が属人化してしまいがちです。しかし、情シス業務の属人化は業務の品質の低下・仕事の停滞といったリスクの原因となりかねません。
本記事では、情シスの属人化が引き起こすリスクや具体的な対策方法を解説します。情シスの属人化に悩んでいる方、改善方法を知りたい方はぜひ目を通してみてください。
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情シス業務の属人化が引き起こすリスク
情シス業務が属人化が引き起こす主なリスクとして、以下の3つが考えられます。
- 業務効率の低下と改善の難しさ
- 担当者不在時の業務停滞と対応遅れ
- 属人化による情報共有不足とノウハウの喪失
それぞれを詳しく解説していきます。
業務効率の低下と改善の難しさ
情シス業務が属人化すると、業務効率が低下するリスクがあります。属人化は、業務の手順ややるべき項目、仕事の進捗を1人しか把握していない状態。業務効率について客観的な視点から判断できる人がいないため、次第に効率が低下していきます。
また、日々の業務をこなすだけで手一杯になってしまい、仕事のやり方を改善する余裕がなくなる恐れも。そもそも一人で業務を担当している状態では、改善すべきポイントも見えなくなってきます。
担当者不在時の業務停滞と対応遅れ
情シス業務が属人化していると、担当者が不在の際に起こったトラブルに早急に対処できません。システムエラーや障害に迅速に対応できず、損失が出る可能性が高いです。最悪の場合、会社全体の業務が止まってしまう恐れもあるでしょう。
属人化による情報共有不足とノウハウの喪失
情シス業務が属人化すると、情報共有が不足する可能性が高いです。担当者が1人のみの状況では、情報やノウハウなどが他の社員と共有できません。業務の進め方をブラッシュアップできず、担当者独自の方法で業務を進めることが多くなってしまいます。
また、属人化しているということは業務のノウハウを知っているのが担当者のみということです。そのため、情シス業務の担当者が異動・退職した場合、業務のノウハウが失われてしまいます。
なぜ情シス業務が属人化するのか？
リスクが大きいとわかっていても、情シス業務の属人化に対処できていない企業も多いです。属人化への対策を知る前に、まず属人化の原因を理解しておきましょう。主な原因としては、
- 情シス業務の専門性の高さ
- 人的リソース不足による属人化
上記の2つが考えられます。
情シス業務の専門性の高さ
情シス業務の専門性の高さが、属人化の原因の一つだと考えられます。情シス部門は、セキュリティ対策や社内システムの開発・運用、ヘルプデスクなど、専門性を必要とする業務を担っています。さらに近年は、企業の利益拡大を目指す「攻めのIT」への対応も求められます。
このようにIT関連の専門的な知識がないと対応できない業務が多く、人材確保が困難であるため、属人化が発生しやすくなるのです。
人的リソース不足による属人化
情シス部門は、直接利益を発生させる部署ではありません。そのため、情シス部門に人的リソースを割かず、他の部門にコストをかけようとする企業は多いもの。情シス部門への理解が追いついていないことが原因で、属人化することも往々にしてあるようです。
しかし、情シス部門は企業全体の業務に関わる重要な仕事を担当しています。。本来であれば、優先的に人的リソースを割くべき部門です。
情シス業務の属人化解消によるメリット
情シス業務の属人化を解消することで、以下3つのようなメリットが得られるといわれています。
- 業務の効率化と生産性の向上
- 適切なIT戦略の実現
- 情シス人材の計画的な育成
一つひとつを詳しくご紹介します。
業務の効率化と生産性の向上
情シス業務の属人化が解消されれば、業務が効率化します。属人化している状況では、業務を見直したり改善したりする余裕がほとんどありません。属人化を解消して業務を複数人で進めるようになれば、客観的な視点が生まれて作業の改善点に気づきやすくなります。
業務の効率が上がれば、それに比例して生産性も向上していくでしょう。企業の利益のためにも、情シス業務の担当者が働きやすいように環境を整える必要があります。
適切なIT戦略の実現
適切なIT戦略が実現できる点も、情シスの属人化を解消するメリットです。今後、企業が生き残っていくためには「DX（デジタル・トランスフォーメーション）」が欠かせません。しかし、情シス業務が属人化していると日常の業務で手一杯になり、適切なIT戦略が図れません。
複数人の担当者を置いて一人の負担を減らすことで、最新のITに対応できる余裕が生まれます。その結果、IT戦略が進み会社全体の生産性が高まるのです。
情シス人材の計画的な育成
情シス部門の担当者を増やすことで、人材を計画的に育成できます。情シス部門を担当する人材には専門知識・技術が要求されるため、育成には時間がかかります。しかし、一人が業務を担当している状況では、他の社員を育成する余裕がありません。属人化を解消して担当者を増やすことで初めて、人材の育成にリソースを割けるようになるのです。
また、担当者同士で話し合うことでノウハウが育ち、新たな人材を育てる際に役立ちます。継続的に後任を育成するためにも、早急な属人化の解消が求められます。
情シス業務の属人化を解消するための具体的な対策
ではここから、情シス業務の属人化を解消するための対策をご紹介します。以下4つの方法を参考に、具体的に何を行うべきか検討してみてください。
- 情シス業務の洗い出しと標準化
- 情シス担当者の計画的な教育と育成
- 情報共有の仕組み作成とナレッジ蓄積
- ITアウトソーシングの戦略的な活用
情シス業務の洗い出しと標準化
属人化を解消するには、情シス業務の洗い出しと標準化が欠かせません。まずは情シス部門の担当者にヒアリングを行い、対応している業務を可視化します。それを踏まえて必要・不要な業務の仕分けや改善すべきポイントなどを把握し、どの程度の人的リソースを割くべきか検討しましょう。
また、マニュアルを作成して業務を標準化することも重要です。全従業員が情シス部門の業務に携われるようになれば、担当者の不在時にもスムーズに対応可能です。
情シス担当者の計画的な教育と育成
属人化解消に向けて、情シス担当者の計画的な教育・育成に着手しましょう。業務を担当できる社員が限られていると、どうしても属人化が起こりやすくなります。慢性的な属人化から脱却するためには、時間やコストをかけて計画的に人材を育てることが重要です。
情報共有の仕組み作りとナレッジ蓄積
情シス部門の属人化を解消するため、情報共有の仕組みを作成するのも1つのアイデアです。属人化している状況では、「情報を知っているのが担当者のみ」「担当者以外は業務に携われない」といったことが起こりがち。
そこで必要なのが、情報共有の仕組み作成です。他の社員と情シス関連の情報を共有することで、情シス担当者の負担が分散されます。それだけでなく、業務に関するノウハウや知識などのナレッジも蓄積していくでしょう。
ITアウトソーシングの戦略的な活用
ITアウトソーシングを戦略的に活用することで、情シス業務の属人化を解消できるでしょう。専門的なIT知識・技術を持っている外部の業者に情シス業務を委託することで、属人化を解消できます。情シス部門の担当者の負担を大幅に軽減できるほか、人材不足の解消や採用コストの削減にもつながります。
情シスの属人化を解消した組織づくりへ
情シス部門の業務には高い専門的知識・技術が求められるため、業務を担当できる人材が限られがちです。しかし、情シス部門が属人化すると、業務が停滞したり対応が遅れたりとさまざまなリスクが発生します。
本記事で紹介した4つの対策を踏まえて情シスの属人化を解消し、企業全体の生産効率を高めましょう。
情シス（情報システム）の悩みはさまざまな工夫で軽減できる
情シスの職員は日頃の業務や問い合わせで忙殺されています。しかし、情シスの抱える悩みはこの記事で紹介したような方法で解消できるので、コストなどと見合わせて、企業ごとに合った方法で対応を図りましょう。
情シスの職員は他部署の職員から、IT関連なら何でも知っていると思われがちです。私用のスマートフォンや家電の相談まで受けさせられている職員もたくさんいます。情シスの悩みを軽減するには、情シスの担当範囲を明確にする・企業全体のITスキルやリテラシーを向上させて自力解決の力を養うなどの対策も重要です。
