どの企業でもITの活用が発展のために求められている時代となり、企業内における情報システム部門の業務は年々重要度が上がってきています。一方で、情シス部門は企業の発展の核となると同時に業務量が膨大に増え、情シス担当者はきつくてつらい労働環境に身を置いているというケースが増えている現状があります。
本記事では、情シスの業務がきつくてつらいと言われている理由や情シス業務のやりがい、情シス業務に向いている人や向いていない人の特徴について解説。
労働環境を改善する手立ても紹介していきますので、情シス業務の過酷さに悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
情シスは、企業においてなくてはならない重要な役割を担い活躍している部署といっても過言ではありません。しかし、そもそもなぜそのような重要なポジションの情シスが世間ではきつくてつらい仕事だと言われてしまっているのでしょうか。
その理由を5つにまとめて紹介していきます。
情シス担当者は、ヘルプデスク業務も担当している事が多く、ユーザーからの問い合わせに日々対応しています。ユーザーはうまく活用できない状況にストレスを感じ、即対応を求めてくるケースがほとんどです。問い合わせ内容は事前に予測することができないため、初歩的な案件から時間のかかる案件まで都度幅広く対応する必要があります。予測のできないものをひたすらに緊急対応し続けるのは、とてもストレスを感じる業務です。
情シスの業務は、周りに影響されて勤務時間の変更を余儀なくされるケースがあります。システム障害などの突発的なトラブルが発生することにより、休日や夜間での勤務が急遽生じることも。案件によっては数日間かけて対応しなければいけない場面も出てきます。
通常業務に加えてこのような対応をする必要が出てくるので、勤務時間が長くなりやすい傾向にあります。一般的にスケジュールを自分でコントロールできないというのはストレスが強くかかります。
世の中のIT技術は、日々急速な進化を遂げています。情シス担当者は、その変化にもタイムリーに適応することが求められます。そのため、新たな技術やツールへの知識を身につけるために継続的な学習を行い続ける意欲が必要です。
最新の情報を取り入れ、それを活用できるスキルを持っているのが当然という風潮が圧力となっている企業もあるのが現実です。企業が最先端のIT技術を取り入れるためには、学ぶ意欲の高い情シス社員の活躍が必要となります。
企業で行われる新たな試みには多くの場合情シスが関わってきます。そのためプロジェクトメンバーとして情シスが駆り出されることが頻繁に生じ、複数のプロジェクトを抱えているという状況になることも多々あります。
ユーザーから理想のシステムのイメージを伝えられ、それを導入していく具体的な業務は、情シスに任されることがほとんどです。実際に利用するユーザーに試験的に利用してもらったり、予算面での経営層との相談が必要になるなど、プロジェクト一つにも乗り越えなければならない工程がたくさんあります。それらを複数抱えるとなるとより管理が複雑になるため、煩雑なマルチタスクにも対応できる能力が求められます。
情シスの業務は、社内のインフラ整備や運用といった企業の基盤を支えるものです。社内インフラが機能しなくなれば、企業としては業績にも大ダメージを受けることになりかねません。そのため、情シスには業務を正確に遂行する力が求められます。
間違ってはいけないというプレッシャーから、ストレスを強く感じるシーンが多くなりやすい職種と言えるでしょう。
情シスで働く上でのきつさやつらさについて解説してきましたが、もちろん情シスという仕事ならではの魅力もたくさんあります。ここからは情シスの魅力を3つにまとめてご紹介します。
情シスで働いていく中で築けるキャリアパスには大きく分けて2種類あります。まずは、一つの組織の中で自信の評価を高めていきマネジメントまで上がっていくというものです。企業内で重宝されている職種だからこそ、叶いやすいキャリアパスであると言えます。
二つ目が、社外でエキスパートとして活躍するという選択です。情シス部門で働くことで事業とITの橋渡しとしての機能を果たす経験が積めます。これによりマネジメントスキルや事業の深い理解を身につけることができるため、例えば外部企業のコンサルタントとして活躍をするキャリアを伸ばすことができます。
社内の技術周りの最前線を進む存在として活躍できるのは、情シス社員ならではの魅力です。保守運用から開発まで幅広く対応することができ、困ったときに頼られることも多いことでしょう。社員の働きやすさを技術を使って実現できるのも魅力です。
新たな技術を社内に取り入れ、それを実践を通して活用できるのも情シス社員にしかできないこと。技術を活用して社員や会社をさらに発展させることができます。
近年、各企業では経営の重要課題としてDXが注目されており、IT化を進めるにあたり情シスは必要不可欠なポジションとされています。
組織改革が進められていく中で中心的な存在として企業運営に関わる機会も増えていくことでしょう。企業の一大チャレンジに関われるチャンスが多い職種です。貴重な経験を積むことができるのでその後のキャリアにも繋げやすいでしょう。
そもそも情シスに向いている人とはどのような人でしょうか。情シス社員が企業から求められていることや必要な能力を基にして、向いている人の特長を以下にまとめたのでご紹介します。
技術を身につけることを楽しめる情熱を持っている人は、情シスに向いていると言えるでしょう。
そもそもIT技術に対して好きな気持ちがなければ、忙しい日々の中で技術を高めることは難しくなります。常に進化し続ける最新の高度な技術を前向きに受け入れ、活用できるように自分のスキルとして積極的に落とし込める人は、優秀な情シス担当者になる素質があると言えるでしょう。
技術の発展が大きい世の中だからこそ、システムを導入することで業務を効率化を目指す企業が増えています。そのためにできることを提案できるのが、情シス担当者ならではの仕事です。
現状の企業内の業務を深く理解し、その中に潜む問題を発見し言語化することが求められます。またそれらを解決するためには何が必要なのか、問題解決のプロセスを見出せると、社内でも重宝される情シス担当者になることでしょう。
どんなに優秀な情シス社員でも、新たな技術が日々開発されている世の中では持続的に勉強し続け、自分自身を常に成長させていく必要があります。最先端の技術や情報を誰よりも早く身につけるという強い意気込みが必要です。
業務過多で多忙な生活を送る中でも、強いモチベーションを持って自己成長をさせていくことで、優秀な情シス部員として活躍することができます。
情シス担当者はプロジェクトを円滑に進めるために、最適な計画を立てながら期限までに業務を遂行しなければなりません。業務を進めている中で他の問題が発生する可能性もあるため、厳しい状況下でもやり切ろうという強い責任感が必要になります。共に進めているチームメンバーとの円滑なコミュニケーションを取ることも大切です。
一人で抱えずにチームを上手に活用するスキルがあることも情シスに向いていると言える要素の一つです。
企業がIT化による業務効率化を目指すようになったのは、まだまだ最近の話です。これまで行っていた業務で効率化できることは、多く眠っている企業がほとんどでしょう。それらをシステム導入を進めることでどんどん発展させようとしている真っ只中にいるという企業は多くあります。そのため、情シス社員は特に求められることや業務内容は変化し続けています。
これまでの業務に固執せず、そのような変化を受け入れて柔軟に対応していく力が必要になります。
情シスに向いている人の特徴はご紹介してきましたが、それでは情シスに向いていないとされる人の特徴にはどんなものがあるのでしょうか。業務の内容や特徴を基にして5つにまとめたので、解説していきます。
ネットワークの管理からツールやシステムの開発、ヘルプデスク業務まで情シスが担う仕事は多岐に渡ります。日々様々な業務をマルチに対応し続けるような働き方が求められます。同じ業務を淡々と進めるような仕事を求めているという人には適さない仕事である可能性が高いです。
情シスには高いコミュニケーション能力が求められます。システム構築や導入などでは、必ず多く部署の人たちと協力しながら進めていかなければならないからです。専門知識をかみ砕いて、ユーザーに伝えられる能力も不可欠です。
対人関係に苦手意識を強く持っている場合には、情シスの仕事は苦に感じてしまう可能性が高くなります。
情シスの仕事には正確性が求められます。大雑把な業務では、細かなところに気付くことができず、結果として対応することが増え、余計に情シスの仕事を増やすことになり兼ねません。また、不完全なシステム導入等をすることで企業の運営にダメージを与えてしまうことも。
細かなところに気付きすぎるくらいの方が、情シスの仕事をする上では適性があると言えるでしょう。
情シスは、難易度の高い業務をマルチタスクでこなしていく多忙な職種です。また、労働時間とは関係なく起こる突発的な対応や日々のユーザーへの対応など、時間が読めない中で働くことも頻繁に起こります。そのため、ストレスのかかりやすい仕事であることは間違いありません。
高いストレスがある状況下でも一つ一つの業務に集中して対応できるメンタルがなければ、情シスとして勤めていくのは難しくなります。
世の中のIT技術は日々目覚ましい進化を遂げています。激務の中でも新たな技術を取り入れようと学ぶ姿勢がなければ、古くて使えなくなっていく情報のままとなり業務に支障が出てきます。
情シスの仕事は抱えている業務とは別に最新のIT情報を常にアップデートしていく必要となる職種です。このような環境下で適応するのに遅れがちな方は、情シスの仕事に向いているとは言えません。
きつくてつらい環境の中で仕事をしている情シス社員向けに具体的な対策を3つご紹介します。ぜひ実現できそうなものから積極的に取り入れてみてください。
近年では業務効率化のために様々なシステムやツールが開発されています。情シスが担っている業務の中にも対応可能なものが多くあります。情シス部門の担当業務と照らし合わせて、導入してみるのもおすすめ。
少しでも業務量を減らすことで、情シス社員の負担を軽減することができます。またそのようなシステムを積極的に導入すること自体が、精神的な不安も減らすのに繋がることも期待できます。
情報システム部門の業務負荷を軽減する一つの効果的な手段として、アウトソーシングサービスの活用が挙げられます。
内部の情報システム部門で実施しなければならない業務に専念できるよう、外部委託が可能な業務やプロジェクトは積極的にアウトソーシングすることが賢明です。業務の棚卸しを行い、自部門でなくてはならない核となる業務を明確にした上で、それ以外の業務についてはアウトソーシング先を検討するのがよいでしょう。
環境がどうにも変わらないのであれば、転職を検討するのも有効な一つの手段です。過度な業務負荷が続いていたり、体調に支障をきたすようなことがあるのであれば、環境の良いところを探してみてはいかがでしょうか。
転職は簡単な決断ではありませんが、現状に我慢を重ねるよりは前向きな選択だと言えるかもしれません。自身の経歴や希望を見つめ直し、適切なタイミングで転職活動に乗り出すことで、新たな活躍の場を切り拓くチャンスが広がるはずです。
厳しい環境下で無理に勤め続けてしまっては、いずれ体調を崩すことにも繋がるかもしれません。とはいえ、転職しようにもなかなか踏み出せないという方も多いことと思います。
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情報収集をしてみて、今後の自分のキャリアをじっくりと考えてみるのもおすすめです。
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