IT技術の進化は日進月歩です。情報システム(情シス)の現場で働く人々は、常に最新の知識や技術を身に付けていくことが欠かせません。
しかしながら、具体的にどのような勉強を、どのように続けていけばよいのか分からないという声も多いのが実情です。
この記事では、情シスの仕事をしている方・情シスに転職を考えている方にオススメの勉強方法を解説します。仕事に必要な知識や勉強を続けるメリットについても解説するので、参考にしてください。
勉強の継続は、情シスで働く方にとってメリットしかありません。特にメリットとされている3点について以下に解説します。
情シスの仕事に就いてからも勉強を続けると、常に最新の技術を習得できるのが最大のメリットです。最新の技術を用いると効率よく仕事ができます。業務のスピードだけでなく、自分自身の評価も上がる可能性も高くなるでしょう。
未経験で情シスの仕事に就いた場合は、情報機器やセキュリティ等、ITの基礎知識から身に付ける必要があります。未経験の場合は実務を通してスキルを磨くと同時に、IT関連の初心者向け書籍を読むのがオススメです。
情シスで働く方の中には、キャリアアップや転職のために勉強する方もいます。キャリアアップのためなら、現在のスキル・経験・職場での立場を把握したうえで、さらに知識量を増やす勉強をしましょう。
転職のためなら、情シス未経験者と経験者で勉強するべき内容が異なります。未経験者の場合は、情シスの仕事に求められる基本的な知識を身に付ける勉強をしましょう。情シスへの転職求人は即戦力を求めるケースが多いので、経験者の場合は仕事の専門性を高める勉強をするのがオススメです。
情シスの仕事もスキルアップすると、人材としての市場価値が高まります。市場価値が高まると、給与や年収を上げたり、転職活動したりする際に有利に働くでしょう。自分の市場価値を高めるには、以下の3点を高めるのを意識して勉強するのが大切です。
情シスと組み合わせるなら、経理や人事などバックオフィス系の職種がよいでしょう。また、自分の市場価値を高めておくと、キャリアパスを描きやすくなるのもメリットです。
情シスの仕事をするには、多くの知識が必要です。中でも、特に必要な知識を8点取り上げて解説するので、参考にしてください。
情シスの仕事をするには、ITの基礎知識が欠かせません。特に、以下に挙げる項目の知識は確実に身に付けておきましょう。
コマンドの知識は、社内ネットワークのほか、サーバー管理・PC設・パッチ処理にも役立ちます。近年は企業でも主流になってきているので、クラウドシステムの知識も必須です。
自社でシステム開発・管理をしている企業で働く場合は、データベース・サーバー知識が必要です。特に、データベースエンジニアは、データベースの設計から開発・管理・運用・保守まで担当します。サーバーの知識は、社内システムやIT機器の管理・運用を担当するのに欠かせません。
プログラム・ソフトウェアの企画や設計を担当する場合は、プログラミング言語やデータベースの知識が必須です。JavaScript・Java・SQLはよく使われているので、しっかり勉強しておきましょう。SQLはデータベースの操作に必要な言語です。
ヘルプデスクの運用では、PCの操作方法、Office系ソフト、ネットワークに関する基本的な知識とスキルが必要です。問い合わせ内容をExcelで整理したり、ソフトウェアのインストールやPC周辺機器の接続方法についての問い合わせに対応することも多いです。これらの技術的な問題だけでなく、ユーザーに対する明確で親切な説明が求められるため、コミュニケーションスキルも重要です。
実務経験を積むことは有効ですが、オンラインコースやIT系の資格取得を目指す勉強もおすすめします。例えば、MicrosoftやCiscoの認定資格は、ヘルプデスクで必要とされる技術知識を体系的に学べます。また、シミュレーションソフトウェアを使用したトレーニングは、実際のトラブルシューティングを想定した演習を提供し、現場での対応力を高める助けとなります。
プロジェクトマネジメントとは、現在使える経費や人員を活用してプロジェクトを成功させる活動を意味します。情シスはコストがかかる部門とみなす企業が多く、予算も人員も多く割いてもらえないケースが多いのが事実です。
プロジェクトマネージャーを担当する方は、積極的にプロジェクトマネジメント能力を身に付けましょう。「情報処理技術者プロジェクトマネージャー」の資格を目指すのもオススメです。
情シスは、企業の情報化を支える重要な役割を担っています。ITを活用して業務効率化やビジネスモデル変革を実現するためには、経営層の意向を汲み取り、ビジネスニーズを的確に捉える必要があります。つまり、企業経営やビジネスモデルに関する幅広い知識が求められるのです。
プロジェクトマネジメントとビジネス知識の両面を学んでおくと、情シス部門でより高い貢献が可能になるでしょう。
IT化が進む現代社会では、IT機器やネットワークのウイルス感染・情報漏洩・不正アクセスなどへの対策は非常に重要です。情シスの担当者は、仕事の最重要事項と認識し、常に新しい情報を収集しながら対応策を学び続ける必要があります。
加えて、情シスも実際に仕事をする際は、社内コンプライアンスや法律を遵守しなければなりません。法務の知識があると、契約書の内容を情シスの方だけで理解したり、リスクを未然に防いだりできます。また、近年は個人情報保護法・日本版SOX法・不正アクセス禁止法など、、情シスの職員が知っておくべきシステム関係の法律が増えているのも事実です。近年求められるセキュリティ対策に関する知識を以下に挙げます。
情シスの仕事に就いたら、常に新しい技術の情報をチェックするようにしましょう。新しい技術はクラウドシステムのようなIT系のものだけでなく、DevOpsのように担当者同士の連携など、仕事の進め方に関するものもあります。
DXの潮流が本格化したのは、2015年(平成27年)頃からといわれています。DXの潮流本格化に伴い、情報システム部門の役割も大きく変化してきました。従来は社内システムの構築・運用が主要な任務でしたが、DX時代には企業の転換をけん引する存在が求められるようになったのです。
具体的には、クラウドコンピューティングやDevOpsなど、新しいIT技術動向を積極的に取り入れるようになった点が挙げられます。情シスの方も経営層の意向を踏まえ、デジタル技術によるビジネスモデル改革を主導できる力が必要不可欠になってきました。
つまり、情報システム部門には、技術動向の把握はもちろん、ビジネスへの深い理解と経営陣とのコミュニケーション能力が一層求められる時代になったといえます。DXへの対応を通じて、情シス部門は企業の未来を切り拓く重要な役割を担う部署になるでしょう。
情シスの仕事では、同僚・他部署の社員・顧客等さまざまな方と関わる必要があります。コミュニケーションスキルは就職活動の段階から使えるので、学生時代から磨いておきましょう。
要件定義とは、ITシステム開発をする際、システムに取り込みたいものをまとめる作業を意味します。ITシステム開発で一番初めに行うもので、作業の効率化・コスト拡大の抑制のためにも的確な定義の設定が重要です。よい要件定義を設定するなら、以下のスキルを磨きましょう。
情シスの職場はIT関係の企業ばかりではありません。金融・コンサルタント企業・医療機関などさまざまな業界にあります。同じ情シスでも業界によって情シスへのニーズが異なるので、就職するまでに勉強しておきましょう。
社外の顧客に対してサービス提供や商品販売をする企業で働く場合は、顧客ニーズの理解が必須です。情シスの方には、よいサービスや商品を提供できるよう、取引先企業・時代のニーズの両方を把握する力が求められます。
情シスの勉強方法は、書籍で独学をする以外に、オンラインで学習する方法もあります。また、普段の仕事について自分で振り返ったり、他の専門家からの助言を受けたりするのもよい方法です。この記事では4つの方法を解説するので、自分に合った勉強方法がわからない方は参考にしてください。
情報システム分野での勉強は一人で続けるのが難しい場合も多くあります。特に未経験者にとっては、適切な学習方法を見つけるのは容易ではありません。特に未経験者の場合は、専門のスクールやオンライン学習サービスを利用するのがおすすめです。
スクールでは、体系的なカリキュラムに基づいた対面形式の講義を受けられます。講師から適切なアドバイスを受けられるため、着実に知識を身につけることができます。一方のオンライン学習は、動画や書籍、ハンズオン形式のコンテンツなどが用意されており、自宅や外出先からでも自分のペースで学習可能です。
どちらも、初心者向けから上級者向けまで多様なコースが用意されています。段階を踏みながら着実にスキルアップできるため、効率的に学習をしたい方におすすめです。
現在情シスの仕事をしている方なら、今まで積み重ねた経験の振り返りもオススメです。情シスで活躍するためには、常に学び続ける姿勢が欠かせません。過去の自身の経験や、他社の失敗事例から教訓を学び取ることで、よりレベルの高いスキルと対応力を身に付けられます。
過去に失敗した経験があれば、「なぜ失敗したのか?」「その失敗はどのようにして解決したか?」を考えてみてください。失敗の原因を掘り下げることで、注意を払えるだけでなく、新たな学びにもつながります。
自分の経験以外からも学びたい場合は、情シスの失敗事例を集めて分析している書籍を読んでみましょう。第三者の失敗を知ることで、自身が気付かない視点や新たな気づきを得られる可能性があります。
情シスの部署全体でスキルアップをしたい場合は、情シスコンサルの支援を受けてみてください。情シスコンサルはIT知識・IT戦略・情シス業務のスペシャリストです。自社にあるIT関連の問題を見出し、解決策を提案してもらえます。情シス部門はもちろん、自社全体の効率化・業績向上を達成できる可能性が高まるでしょう。
情シスコンサルは業者によって提供しているサービスが異なるので、サイトなどで業者の情報をよく調べてから申し込むようにしてください。
情シスで働く方が個人で知識量を増やしたりスキルアップしたい場合は、資格試験を目指すのもよい方法です。情シスで役立つ資格試験は、初心者向けから上級者向けまであります。特にオススメなのは、以下のような国家資格です。
対象分野 | 国家資格の名称 |
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情シス全般 |
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エンジニア |
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マネージャー |
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ITパスポートは、ビジネスに必要なIT知識やスキルを証明できる資格です。就職活動でも実務でも役立つので、情シスでない方もぜひ取得しましょう。
情シスの勉強なら、イベントやセミナーに参加する方法もあります。イベントやセミナーはよく開催されているので、ネット検索で情報を探してみましょう。情シスならぜひ参加したいイベント・セミナーの内容は、以下に解説するようなものです。
情シスの仕事をするうえで、IT系の情報収集は欠かせません。情報収集の手段としてはWebサイト・新聞・SNSなどもありますが、新しい情報を正確に要領よく集めるには、セミナーやイベントへの参加がオススメです。
IT系に特化したイベントやセミナーは、通年日本全国で行われています。講師もIT界のスペシャリストなど、ハイレベルな方ばかりです。近年はZOOMのようなツールを利用したオンラインセミナーもあるので、受けやすいものを探してください。
情シス向けの勉強会やコミュニティも近年、充実してきています。社内SE向け・ひとり情シス向けのどちらもあるので、自分に合うものを探して参加しましょう。勉強会には無料・有料どちらもあり、中には、研修や就職支援を実施しているところもあります。
ひとり情シスの方は、コミュニティに参加しましょう。ひとり情シスの方に特化したコミュニティなら、情報交換をして学び合ったり仕事の悩みを相談したりできます。仲間ができるので、ひとり情シスの方が感じやすい孤立感が解消されるのもメリットです。
情シス向けのイベントは、企業が主催するものも多いです。企業主催のイベントはITスキルに関するものだけでなく、IT戦略・経営的視点の持ち方・業務改革など幅広いテーマで開催されています。自分に必要な知識を得られるものに参加しましょう。
イベントの開催方法は、リアル・オンラインのどちらもあります。リアルイベントは現地に行く必要がありますが、相談会・IT機器の展示会・参加者同士の交流会を同時実施している場合があるのがポイントです。
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