スキルマップとは、業務上求められる能力を見える化するツールです。スキルマップを活用しながら能力を補うことで、情シスエンジニアとしての総合スキルを身につけられます。
この記事では、情シスエンジニアが作成すべきスキルマップの活用法を解説します。
スキルマップを作成するにあたり、情シスエンジニアに求められる3つのスキルセットについて理解しましょう。
情シスエンジニアには、以下をはじめとする技術スキルが求められます。
プログラミングやデータベース管理、ネットワーク設計などの基礎的な技術スキルに加え、クラウドやIoT、AIなどの最新技術の知識も必要です。新しいビジネスニーズの到来に合わせて、スキルの習得に努める必要があります。
他部署との連携を円滑に行うには、以下のビジネススキルの習得も必要です。
各部門のニーズを的確に捉え、ITサービスやシステムの要件を定義する力が求められます。また、経営層や事業部門に対して、ITの価値や施策の提案を分かりやすく説明するプレゼンテーション力も必要です。
情シスエンジニアにとって、プロジェクトを円滑に進めるためのコミュニケーションスキルは欠かせません。コミュニケーションスキルとは、具体的に以下の総合力を指します。
情シスエンジニアには、要件定義書や設計書、マニュアルなど文書を分かりやすく作成する能力が必要です。また、メンバーやステークホルダーとの関係を促進するスキルとして、ヒアリング力やマネジメント力も求められます。
スキルマップは個人の能力開発のみならず、組織としての研修プログラム策定にも役立つツールです。ここでは、スキルマップのさまざまな活用法について解説します。
スキルマップを構成する要素は、前述の技術スキル、ビジネススキル、コミュニケーションスキルの3つです。さらに、リーダー層のスキルマップには、マネジメントスキルを付け加えることもあります。
スキルマップ構成の例
スキル名 | 小項目 | 評価 |
---|---|---|
ビジネススキル | 業務プロセスの理解 | ◎ |
要件定義力 | △ | |
プレゼンテーション力 | ○ |
各スキル名の中に小項目がリストアップされ、それぞれの能力レベルを自己評価できる構成となっています。
現状と理想の差である「スキルギャップ」を特定することで、今後の具体的なアクションプランの設定が可能です。現在の自分のレベルを客観的に評価した後、情シスエンジニアとして求められる理想水準を確認します。スキルレベルの目標を決めるには、組織や業界が定める水準を参考にしましょう。
分析結果を基に、具体的なスキルアップ計画として研修の受講や実務経験の積み重ねを行います。
スキルマップは個人の能力評価に留まらず、社内のキャリア開発にも活用できます。スキルマップで得られる情報から情シスチームの弱みを探ることで、自社エンジニアに合った研修や資格取得プログラムの構築が可能です。
たとえば、大手IT企業の情報シス部門では、社員のスキルマップを基に体系的な研修プログラムを設計しています。個人のスキルレベルに合わせたプログラムを展開することで、組織全体のスキル底上げに貢献します。
情シスエンジニアとして、各スキルをどのように伸ばしていくべきか気になるところです。座学だけでは得られない学びを得るには、実践やプログラムの参加を検討しましょう。
情シスエンジニアのスキルアップには、身につけたい能力に合った研修プログラムに参加しましょう。以下は、スキル別のおすすめ研修内容です。
スキルを集中的に補いたい人は、単発の研修だけでなく中長期的な研修プログラムへの参加も検討しましょう。自社内のキャリア開発制度や、e-ラーニングなどを活用するのも効果的です。
実務経験は、技術職である情シスエンジニアにとって欠かせません。実際のプロジェクトに携わることで、机上の知識を現場で活かしながら習得できます。
とくに、要件定義やシステム設計、プロジェクト管理といったスキルは、理論だけでは理解が難しいスキルです。新しいプロジェクトに自発的にチャレンジし、スキルを頭と体で身につける工夫が求められます。
情報システム分野は、AI、クラウド、IoTなど、日々新しい技術が登場しています。進化し続ける技術に対応できるエンジニアになるには、継続的な学習意欲と探求心が必要です。
たとえば、オンライン講座の受講、関連カンファレンスなど、参加型の学習機会の活用が有効です。ほかにも、社内の先輩エンジニアから新しい技術を学んだり、オンラインコミュニティに参加したりと、他者交流からもスキルアップにつなげられます。
資格取得は、情シスエンジニアの知識を効率的に身につけられる方法の一つです。ここでは、情シスにおすすめの資格6つを難易度順に紹介します。
難易度★☆☆☆☆
ITパスポートとは、ITに関する基礎知識があることを証明できる資格です。IT業界未経験者や、経理や法務などのバックオフィス職とのつながりがある人におすすめです。
参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「ITパスポート試験 - 独立行政法人情報処理推進機構」
難易度★★☆☆☆
情報セキュリティマネジメント(SG)とは、基礎から一歩踏み込んだIT知識を習得できる試験です。ITパスポートに合格した後、一歩踏み込んでトラブル対策や発生時のスムーズな対応を学び始めたい人に向いています。
参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「情報セキュリティマネジメント試験」
難易度
基本情報技術者:★★☆☆☆
応用情報技術者:★★★☆☆
基本・応用情報技術者試験とは、ICTや情報処理分野の知識を取得できる資格です。試験は基本と応用の2つに分かれており、個人のレベルに応じて受験できます。
参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「応用情報技術者試験」
難易度★★★★☆
プロジェクトマネージャー試験とは、システム開発の担当者として必要なスキルがあることを証明できる試験です。マネジメントスキルを学びたい人や、チームのリーダー候補の人に向いています。
参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「プロジェクトマネージャ試験」
難易度★★★★☆
ITストラテジスト試験とは、企業内でITを活用するための知識を問われる検定です。情報技術実務の経験があり、マネジメントスキルを学びたい人に向いています。
参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「ITストラテジスト試験」
難易度★★★★☆
情報処理安全確保支援士試験とは、情報セキュリティのプロフェッショナルとしての知識を証明できる試験です。取得するとIT系で唯一の士業資格保有者扱いとなるため、社会的な評価を期待したい人にも向いています。
参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「情報処理安全確保支援士試験」
スキルアップしたいものの、何から始めたらいいかわからない人も少なくありません。ここでは、今日から活用できる情シスエンジニアのキャリアサポートについて解説します。
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情シスエンジニアとしての転職を成功させるためには、明確な目標設定と計画的な準備が必要です。以下に、転職成功までに必要なステップをまとめました。
①キャリアビジョンの明確化 | どのようなキャリアを目指しているのか、どの仕事に就きたいのかを明確にする |
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②自己分析とスキルセットの把握 | 自己分析ツールやスキルマップを使用し、転職希望企業から見た自分に不足しているスキルを明らかにする |
③履歴書作成 | 選考に進むための魅力的な書類を作成する |
④面接対策 | 自己の強みをアピールできるよう準備する |
さらに、①が完了した時点から行いたいのが、求人探しとエントリーです。WARCエージェントのサポートを活用すれば、レアな求人情報の提供や応募支援なども受けられます。
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戸澤左斗士さんはWARCエージェントを活用して、ベンチャー企業の情シス部への転職を果たしました。
戸澤さんは、これまで1社で長年働いてきた経験から、自身のスキルや市場価値を明確に認識できていませんでした。しかし、WARCエージェントのサポートを通じて、これまでの経験が転職でしっかりと評価されることを実感しました。
転職後は、柔軟な対応力とコミュニケーションスキルが評価され、充実した環境で仕事に取り組んでいます。
情シスエンジニアに求められる3つのスキル「技術スキル」「ビジネススキル」「コミュニケーションスキル」をバランスよく習得するには、スキルマップの活用が有効です。
現状の評価だけで終わらず、定期的にスキルの定着具合をチェックし、エンジニアとしてのポータブルスキルを身につけましょう。
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