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情シス
2024/08/03 更新

情シス(情報システム)でのキャリアパスとは?必要なスキルについても解説

「情シスで働きたいが、どのようなキャリアパスがあるか良くわからない」「情シスとして成功するために必要なスキルが知りたい」このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

情報システム部門の仕事は、プロジェクト管理からネットワーク設計、要件定義まで、獲得できるスキルは多岐にわたり、多くの魅力とキャリアの機会が広がっています。

本記事では、情シスで身につけられるさまざまなスキルと、キャリアパスについて解説します。

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情報システム(情シス)とは何か

情報システム(情シス)とは、企業や組織が情報を効率的に処理・管理するためのシステムを、設計・運用することです。大きく分けると、以下の3つのカテゴリーに分類されます。

カテゴリー

内容

詳細

業務システム

社内の業務プロセスを自動化

  • 在庫管理
  • 注文処理

基幹システム

企業運営に必要な重要な業務をサポート

  • 人事労務
  • 財務会計

営業支援・顧客管理システム

営業活動の効率化や顧客情報の一元管理を支援

  • SFA(Sales Force Automation)
  • CRM(Customer Relationship Management)

情シスの主要な役割は、社内システムの開発、構築、および保守です。情シスは新しいシステムを設計し、既存のものを更新・修正し、安全性と性能を維持するという、現代の企業において不可欠な役割を担っています。

情報システム(情シス)の業務内容は? 

ここからは、それぞれの業務内容について解説します。

ネットワーク・サーバーの設計とセキュリティ対策

ネットワークやサーバーの設計には、運用、管理が含まれます。具体的には、社内で使用するコンピューターがスムーズに動作するようにしたり、メールが安全に送受信できるようにするといった作業を行います。

また、システムの運用だけでなく、セキュリティ対策も非常に重要な業務です。最近では「ゼロトラスト」というセキュリティのアプローチが注目されています。ゼロトラストは、社内外に関係なく、すべてのデバイスやユーザーを信頼せず、認証・検証するセキュリティモデルのことです。全ての通信を厳密に制御して、侵入者があっても最小限に被害を抑えることができます。

ITプロジェクトや社内システムの開発と管理

情報システム部門では、企業の成長に密接に結びつくシステムの導入や改修も主要な業務です。ITプロジェクトや社内システムの開発と管理は、最適なIT環境を提供するために不可欠です。

システムの観点からは、社内で使用されるソフトウェアやハードウェアの選択を行います。また、マネジメントの立場からは、プロジェクト全体のスケジュール管理や予算管理などが業務に含まれます。

IT機器の導入、運用、管理、およびサポート(ヘルプデスク)

情報システム部門では、IT機器の導入から運用、管理までの一連を担当し、会社全体のIT環境の整備、スムーズな業務遂行をサポートします。

具体的には、ソフトウェアのアップデートやセキュリティ対策を実施します。特に、社内情報のセキュリティの維持のために、アカウント管理はとても重要な業務です。

また、ITに不慣れな社員をサポートするための、ヘルプデスクを設けるケースもあります。IT機器やソフトウェアに関する問題を、情報システム部門が迅速にサポートすることで、業務の効率化を図ることができます。

情報システム(情シス)に求められる能力 

情シスに求められる能力として、PCやITのスキルを思い浮かべるひとは多いでしょう。しかし、情シスは企業全体のIT戦略やシステム企画も担当しているため、幅広い能力が求められます。

ここからは、PCや基本的なIT能力に加え、情シスに求められる能力について解説します。

プロジェクトマネジメント能力

プロジェクトマネジメント能力は、ITプロジェクトを円滑に進行させ、目標を達成するためのスキルです。企業のビジネス戦略や経営戦略に密接に関連している各プロジェクトは、技術的な側面だけでなく、ビジネスの全体像を理解する能力が求められます。たとえば、新しいシステムを導入する場合、そのシステムが企業にどのような価値をもたらすのかを理解し、チームに伝える能力が必要です。

また、プロジェクトのスケジュール管理、リソースの割り当て、リスクの評価なども求められます。プロジェクトマネジメント能力を磨くことで、プロジェクトを成功に導く鍵となるのです。

コミュニケーション能力・リスニング能力

情シスにはコミュニケーション能力と、ヒアリング能力も非常に重要です。たとえば、ITにあまり詳しくない相手からヒアリングをする場合、相手の要望や問題を正確に理解するためのヒアリング能力が必要です。さらに、ヒアリングの結果をもとに最適なサービスやトラブル解決策を提案するスキルも求められます。

また、情シスは通常チームで業務を行うため、チーム内で効率的に情報を共有したり、円滑なコミュニケーションを確立できる能力も不可欠です。

PCや基本的なIT能力

情報システム部門での仕事には、基本的なPCスキルやITに関する知識が不可欠です。電子メールのやり取りや文書作成の基本スキルはもちろん、データベースの操作や特定のソフトウェアを使ってデータを分析する能力も求められます。また、IT分野で必要な一般的な用語や、基本的なネットワークの仕組み、セキュリティー対策など多岐にわたる知識が求められます。

ITの世界は急速に変化しているため、常に新しい技術や手法を習得できるよう、自己学習とスキルの更新をする積極的な姿勢が、情シスとしてのキャリア向上につながります。

情報システム(情シス)のキャリアパス 

情報システムのキャリアパスには主に2つの方向性があります。一つ目は社内でスキルを高めてマネージャーを目指す道、もう一つは社外でも高い評価を得られるエキスパートになる道です。

どちらを選択する場合でも、基本的なプログラミングスキルやプロジェクト管理の知識は不可欠です。ここからは、主な情シスの4種類のキャリアパスについて解説します。

ヘルプデスク

ヘルプデスクには主に「社内ヘルプデスク」と「社外ヘルプデスク」の2種類があります。社内ヘルプデスクは、従業員からのネットワーク障害やトラブルに対応し、外注先のシステム担当者がお客様のシステム部門に常駐します。

一方、社外ヘルプデスクは、社外の顧客に対して提供するヘルプデスクのことです。顧客ごとに異なるトラブルを抱えているため、状況を把握するためのヒアリング力や、より高度な専門知識が求められます。また、サポートセンターやコールセンターに所属して業務に対応するのが一般的です。

システムエンジニア

システムエンジニアは情報システムのキャリアパスとして選択されることが多い職種で、略して「SE」とも呼ばれます。

システムエンジニアはクライアントに解決したい内容を直接ヒアリングして、システムの設計や開発を担う仕事です。高度なネットワーク知識が必要なのはもちろんのこと、ヒアリング能力やコミュニケーション能力も要求されます。

マネージャー

マネージャーは、ヘルプデスクやシステムエンジニア、従業員のマネジメントを担う仕事です。具体的には、新規プロジェクトが始動する際の状況判断やトラブル発生時の対応、外部との交渉や調整を行います。高度なマネジメント力とビジネススキル、交渉力や調整力が求められます。

CTO/CIO

CTOは「最高技術責任者」を指し、企業のテクノロジー全般に責任を持つ役職です。CTOには情報技術に加え、研究開発や製造技術など、幅広い技術知識と経験が求められます。さらに、企業戦略において重要な責務を持つ役職で、企業に対する影響も大きい分、やりがいを感じるポジションでもあります。

一方、CIOは「情報統括役員」を指し、企業のビジネス戦略と情報戦略を結びつけ、目標に合わせて最適な情報システムを設計、実行するのです。CIOには、情報システムに関する専門知識だけでなく、ビジネスへの深い理解とリーダーシップの資質が求められます。

情報システム(情シス)のキャリアパスを阻む問題 

情報システムの仕事は、基本的にはシステムの運用や問い合わせ対応が主な仕事で、企業の売上に直接結びつかない間接部門です。そのため、コストカットなどの対象となりやすく、情シスのキャリアパスが阻まれる原因ともなっています。

ここからは、情シスのキャリアパスを阻む問題について見ていきましょう。

人手不足による業務過多    

情報システム部門は、企業内でのシステム開発、保守、管理、運用などが主な業務です。しかし、人手不足により本来のコア業務以外の仕事に追われることも多く、業務過多となることが多いのが現状です。たとえば、社内ヘルプデスクや、パスワード解除、ID発行、PCの各種設定やソフトウェアのインストールなどが挙げられます。

情シス部門は限られた人員で多くの業務をこなさなければいけない状況にあることが多く、個々のメンバーにかかる負担が大きくなりやすいのです。さらなる成長やスキルアップの時間を確保するのが難しくなります。      

少人数体制

情報システムは、直接会社の売り上げに貢献する商品開発・セールス・マーケティングなどの部門ではないため、間接部門として位置づけられることがあります。企業の売り上げに直結しない情シス部門に割く経費を削減したいと考える経営陣も少なくありません。そのため、少人数体制で業務をこなしている企業も多くあります。

業務の量に対して、少人数で対応しなければいけないため、コア業務が後回しになってしまっているのが現状です。少人数体制により、休みが取りづらくなり、キャリアパスに向けてのスキルアップのための時間を設けるのが難しくなるのです。

長時間労働

本来、情シスの業務は企業内でシステム開発、保守、管理、運用などの業務です。人手不足や業務過多により、長時間労働を強いられてしまうことも多くあります。

加えて、従業員からはITに詳しい人という位置づけで見られることが多いため、自分で調べればわかる簡単なことなども、情シスに聞けば解決してもらえるという「なんでも屋」になってしまうこともあるのです。本来のコア業務に加え、社内ヘルプデスクの仕事が加わり、さらに長時間労働を加速させるケースも少なくありません。長時間労働が情シスのキャリアパスを阻み、なかなか次のステップに進めない原因にもなっています。

情シスでキャリアをつくるために必要なこと 

情シスでキャリアをつくるためには、何をすればいいのでしょうか。ここからは、情報システムでキャリアをつくるために必要なことについて解説します。

業務内容の見直し

業務過多や長時間労働などにより、コア業務に支障が出てしまうと、情シスでキャリアを形成することが阻まれてしまいます。人が働ける時間には限りがあるため、業務内容を見直し、魅力的なキャリア形成ができるようにすることが必要です。

具体的には社内ヘルプ業務を外部の専門業者に依頼するアウトソーシングを利用する方法や、マニュアルを作成して社内ヘルプ業務を軽減する方法などが挙げられます。情シスの本来のコア業務に集中できる環境を作ることで、キャリア形成につながるでしょう。

自身のキャリアの棚卸し

キャリアを育むには、自身のキャリアの棚卸しをして、将来像を設定することが重要です。キャリアの棚卸しとは過去の自分の経験から「自分には何ができるのか、何をしたいのか、どのようになりたいのか、やりたいことの実現のために何をするべきか」を考えることです。具体的には「今後、どうなりたいのかの設定」「自身がこれまでやってきたことの把握」などが挙げられます。

目標面談などを通じて、上司に「自分の経験の棚卸し」や「中長期的なキャリアプランの設定」について話す機会を設けてもらうのが良いでしょう。

転職エージェントを利用する

情シスでキャリアをつくる方法として、業務の見直しや自身のキャリアの棚卸に加え、転職エージェントを利用する方法もあります。転職エージェントは採用動向に加え、自身の経験やスキルを考慮して、プロの視点からキャリアプランを提案してもらえます。

また、キャリアアドバイザーのなかには、キャリアカウンセリングの専門資格を有する人もいるため、より良いキャリアプランについてカウンセリングを受けることができる可能性があるのです。

情シス部門で働く人は多忙なことが多いため、転職エージェントをうまく活用することで、効率的にキャリアアップを図れると言えます。

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著者画像

株式会社WARC

向井 達也

レバレジーズに入社し、IT領域を中心とした人材紹介事業に従事。その後ベンチャー企業の紹介事業においてグロースフェーズに携わり、2020年WARC入社。現時点でのキャリアやスキルを掘り下げ、潜在的な希望を引き出すキャリアアドバイスを心がける。ベンチャー、スタートアップにおける情報システム部門に強みを持ち、国家資格キャリアコンサルタントを保有。

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