「自分の年収、今のままでいいのかな?さらに上を目指せる方法はないのか知りたい」そう感じている社内SEの方も多いのではないでしょうか。たしかに、社内SEは安定した職種の1つですが、年収面では個人のスキルや所属企業の規模などにより大きな差があるのが実情です。
そこで、この記事では社内SEの年収をデータで徹底解説します。スキル・資格・役職など収入に直結する要因から、年収アップの具体的な方法まで網羅的にまとめました。転職やキャリアアップを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
社内SEの年収は、年齢や経験、所属企業の規模によって異なります。以下で最新の統計データを用いて社内SEの年収実態を確認していきましょう。
厚生労働省「令和6年度 賃金構造基本統計調査」によれば、情報システム部門(社内SE)の平均年収は約574万円です。月収ベースでは38.6万円、賞与は年間110万円程度となっており、比較的安定した給与水準にあることが分かります。
また、転職系情報サイトでは年収レンジを「480万円〜650万円」とするケースも見られ、企業によってやや差がある点にも注意が必要でしょう。このように、平均水準はある程度読める一方で、次項で解説する要素によって個人差が生じているのが実情です。
参考:e-Stat 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種
年齢やキャリア年数による社内SEの年収差は非常に顕著です。厚生労働省「令和6年度 賃金構造基本統計調査」によれば、年代別の平均年収は以下のとおりです。
年代 | 平均年収 |
---|---|
20代前半 | 348万円 |
20代後半 | 470万円 |
30代前半 | 541万円 |
30代後半 | 631万円 |
40代前半 | 650万円 |
40代後半 | 738万円 |
50代前半 | 695万円 |
50代後半 | 730万円 |
このように、経験や専門性の蓄積とともに役職や責任範囲が広がり、年収もそれに応じて上がっていきます。早めにスキルや成果を積み上げていくことが、将来の収入に直結するでしょう。
参考: e-Stat 令和6年賃金構造基本統計調査 職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
社内SEの年収は、企業の規模によっても明確な差があります。企業規模別の年収は以下のとおりです。
企業規模 | 平均年収 |
---|---|
中小企業(10~99人) | 516万円 |
中堅企業(100~999人) | 549万円 |
大企業(1,000人以上) | 655万円 |
中小企業が平均年収516万円なのに対して、大企業は655万円でした。企業規模が大きくなるほど、年収が高くなる傾向があります。社内SEとして年収アップを狙うなら、企業規模の選定も重要な視点といえるでしょう。
参考:e-Stat 令和6年賃金構造基本統計調査 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
社内SEの年収は、平均値だけでは見えないさまざまな要因によって上下します。技術力だけでなく、保有資格、マネジメント経験、業界や勤務地まで、複合的な要素が収入に影響を与えているのです。ここでは、年収アップに直結する重要なファクターを詳しく解説していきます。
実務に活かせるスキルが多ければ多いほど、年収は上がる傾向にあります。とくに市場価値が高いとされているのは、JavaやPythonなどの開発系スキル、AWSやAzureを扱えるクラウド運用スキル、さらにプロジェクトマネジメントスキルです。たとえば、インフラ設計から運用まで一貫して対応できるエンジニアは、年収600万〜700万円以上を目指せることも珍しくありません。
また、トラブル対応や業務改善の経験も評価されやすく、技術力に加え「現場感」を持った人材ほど高評価を得やすくなるでしょう。
資格は、スキルを証明する重要な武器です。社内SEにとって評価されやすいのは、国家資格とベンダー系資格の2つです。
国家資格である「応用情報技術者」や「情報処理安全確保支援士」は、公共系や大企業での評価が高く、資格手当や昇格要件にも反映されます。ベンダー資格では「Cisco認定ネットワーク技術者(CCNA)」や「Oracle認定技術者(OCA, OCP)」などがあり、年収アップに直結することもあるでしょう。
資格手当として月1万円〜3万円の支給がある企業も多く、年収で見ると12万〜30万円相当のプラスになります。
▼社内SEの資格について詳しくはこちら
社内SEにおすすめの資格5選|試験概要から学習方法まで徹底解説
社内SEとしての「役職」も年収に大きな影響を与えます。一般社員から主任、課長、部長とステップアップするごとに、100万円単位で年収が上がるのが一般的です。たとえば、課長クラスでは年収700万円以上、部長クラスでは800万〜900万円に達することもあります。
昇進には一定の経験年数が求められるものの、成果と信頼を積み重ねることで早期にマネジメント職へ登用されるケースも増えています。社内SEはプレイングマネージャーが多いため、技術×統率力の両立がカギとなるでしょう。
業界と勤務地も、社内SEの年収において見逃せない要因の1つでしょう。高年収が期待できるのは、金融・保険、IT・コンサル業界などです。たとえば金融系社内SEでは年収800万円を超えるケースもあります。一方で、製造やサービス業などでは500万円前後にとどまる場合も少なくありません。
地域別では、東京・大阪など大都市圏が高く、地方では100万円以上の差が生まれることもあるでしょう。リモート勤務の普及により地域格差はやや緩和されつつありますが、企業本社の所在が報酬水準を左右する実情は変わっていません。
年収アップを実現するには、「運」ではなく「戦略」が必要です。ここでは、社内SEとして現実的に実行できる3つの方法を紹介します。
スキルアップは年収アップへの最短ルートです。注目されているのは、クラウド(AWS・Azure)やセキュリティ、DevOps(CI/CD・Docker)といった領域です。これらのスキルは即戦力として評価されやすく、求人票でも高年収の条件が付きやすい傾向にあります。
学習方法としては、オンライン学習プラットフォームの活用がおすすめです。
スキルを身につけることで、将来的な年収アップにつながるでしょう。
今の会社で年収を上げるなら、社内評価を上げる工夫が欠かせません。まず取り組むべきは「見える化」です。自分の成果や改善提案、対応件数などを定量的に記録し、定期面談でしっかりアピールしましょう。また、他部署との橋渡しを担ったり、現場ニーズをいち早く拾って対応したりするなど、業務改善の仕掛け人として立ち回るのも有効です。
上司からの信頼を得るには、技術力だけでなく「報連相」や「共感力」といったソフトスキルも重要です。結果として、主任→係長→課長へと昇進が見えてきます。「技術屋で終わらない意識」が、社内での飛躍へとつながるでしょう。
最もダイレクトに年収アップを実現できるのが転職です。これまで積んできたスキルや成果が現在の評価に反映されていないと感じている場合は、転職によって一気に条件を改善できる可能性があります。
転職のタイミングとしては、「プロジェクト完了後」や「賞与支給後」などが狙い目です。転職活動はひとりで進めるより、IT系に強い転職エージェントを活用してみましょう。自分の希望や市場価値を客観的に把握しながら、条件交渉や面接対策まで支援してもらえます。現職にこだわる理由がないなら、積極的に転職という選択肢も視野に入れてみてください。
社内SEの年収は、スキルや経験、企業規模など多くの要因によって変動します。平均年収を把握し、自分の立ち位置を理解することで、適切なキャリア戦略が見えてくるでしょう。年収をアップさせるためには、スキル習得・昇進・転職の3方向からのアプローチが有効です。着実な年収アップを目指して、今こそ一歩を踏み出しましょう。
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