「サイバーセキュリティの仕事に興味があるけれど、未経験からも転職できる?」とお悩みの方もいるでしょう。近年、IT業界ではセキュリティ人材の需要が急増しています。サイバー攻撃の巧妙化や法規制の強化を背景に、セキュリティ専門職は今や売り手市場です。そのため、未経験からの挑戦も決して珍しくありません。
この記事では、転職市場の動向や職種別の仕事内容、求められるスキルを紹介します。未経験からの転職成功のポイントもまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
サイバーセキュリティ業界は深刻な人材不足により、転職市場が売り手市場となっています。企業にとってセキュリティ対策は経営課題の一つであり、攻撃の高度化や個人情報保護の強化に伴い、専門人材のニーズが急増中です。
注目すべきは、未経験者向けの育成型求人やポテンシャル採用が増えている点です。加えて、政府の支援や制度整備も追い風となり、今後も市場の拡大が予測されます。
そのため、現役エンジニアだけでなく異業種からの転職にも有利な状況です。今こそ、スキルや資格を身につけてこの成長市場に飛び込む好機といえるでしょう。
サイバーセキュリティの業務内容は多岐にわたります。専門性の異なる職種が連携しながら、組織の安全を守っているのが実情です。ここでは、代表的な3つの職種について、それぞれの仕事内容と求められる役割をわかりやすく紹介します。
セキュリティエンジニアは、情報セキュリティ分野に特化し、主にサーバー関連の業務を担うITエンジニアです。ITインフラの中でも、サーバーの構築・運用・保守に関わる技術を基盤に、セキュリティを意識したシステム設計や運用を行います。また、サイバー攻撃を未然に防ぐための脆弱性調査や防御策の実装も重要な役割です。
たとえば、社内システムに侵入されないようファイアウォールや侵入検知システム(IDS/IPS)を設計・運用するのも彼らの仕事です。また、日々進化する攻撃手法に対応するため、ログ監視や脆弱性診断などの継続的な運用も重要な任務となります。
技術力が求められる職種ですが、チームや他部門との連携も多いため、コミュニケーション能力も欠かせません。構築から保守まで一貫して担うエンジニアは、企業にとってセキュリティの要といえる存在です。
SOC(Security Operation Center)アナリストは、24時間体制でネットワークを監視し、不審な挙動を検知・分析します。
一方、CSIRT(Computer Security Incident Response Team)は、インシデント発生後の対応をリードし、原因の調査・再発防止策の提言・社内連携のハブとして機能します。
この2職種は、セキュリティエンジニアと異なり「守る」というより「対応・回復」がおもな役割です。スピードと正確な判断力が求められ、近年はAIやSIEM(セキュリティ情報イベント管理)ツールを活用した運用も増加しています。緊急対応に強い適性がある人に向いている職種です。
セキュリティコンサルタントは「企業の課題を見える化し、最適な対策を提案するプロ」です。顧客企業の現状分析を行い、セキュリティリスクを評価したうえで、制度や体制・技術の面から改善提案をします。
たとえば、情報漏洩リスクが高い業種には、アクセス権の見直しや内部統制の強化を提案したり、クラウド移行時には、設定ミスによるリスクを抑えるアドバイスを行ったりします。
セキュリティコンサルタントは、技術力だけでなくビジネスの理解力と提案力も求められます。IT業界だけでなく、コンサルティングファームや監査法人でも求められる職種であり、年収レンジも比較的高めです。企業の経営層とも関わることが多く、戦略的な視点が問われる仕事といえるでしょう。
▼「サイバーセキュリティ コンサルタント」について詳しくはこちら
サイバーセキュリティコンサルティングとは?仕事内容・必要スキル・転職成功のポイントを解説
サイバーセキュリティ業界では、技術的な専門知識だけでなく、実務に直結するスキルや資格が求められます。とくに未経験からの転職を目指す場合、これらのスキルや資格を身につけることで、採用の可能性が高まるでしょう。以下に、業界で評価されるおもなスキルと資格を紹介します。
サイバーセキュリティの分野で活躍するためには、以下の基礎スキルが重要です。
ネットワークの構築・運用・管理、OSやデータベースの設定・管理など、ITインフラに関する基本的な知識が必要です。
ファイアウォールやIDS/IPSの設定・運用、暗号化技術など、セキュリティ対策に関する知識が求められます。
セキュリティ上の問題が発生した際、ほかのエンジニアや管理者、経営層と連携して迅速に対応するためのコミュニケーション能力が重要です。
複雑な問題でも冷静に状況を分析し、論理的に解決策を導き出す能力が求められます。
これらの技術を備えることが、現場で信頼されるセキュリティ人材への第一歩となります。
転職市場で評価されやすい代表的な資格を以下に紹介します。
日本国内で知名度が高い国家資格で、情報セキュリティの専門家としての知識とスキルを認定します。
グローバルに認知されるセキュリティ資格で、基本的なサイバーセキュリティスキルを証明します。
情報セキュリティ分野でトップクラスの国際資格であり、5年以上の実務経験が必要です。
クラウドセキュリティに特化したスキルを証明する資格で、AWS環境におけるセキュリティ対策に関する知識が問われます。
これらの資格を取得することで、セキュリティ分野での専門性を客観的に証明でき、転職活動において有利に働くでしょう。
▼サイバーセキュリティの資格について詳しくはこちら
サイバーセキュリティ資格の難易度ランキング|転職・キャリアアップに役立つ資格一覧
サイバー攻撃の増加に伴って企業はセキュリティ対策を強化しており、専門人材の需要が高まっています。そのため、未経験者でもスキルや知識を身につけることで、転職のチャンスが広がっているといえるでしょう。以下で転職する方法について紹介します。
ネットワークエンジニアやインフラエンジニアなど、IT分野での経験がある方は、そのスキルを活かしてサイバーセキュリティ分野への転職が可能です。
たとえば、ネットワークの構築・運用経験は、セキュリティ対策の設計や実装に役立ちます。また、サーバーの管理経験は、システムの脆弱性評価や対策に応用できるでしょう。これらの経験をもとに、セキュリティ関連の資格を取得することで、専門性を高めることができます。
IT未経験者でも、サイバーセキュリティ分野への転職は可能です。
まずは、ITの基礎知識を学ぶことから始めましょう。オンライン講座や書籍を活用して、ネットワークやOS、プログラミングの基本を習得します。その後、情報セキュリティマネジメント試験やCompTIA Security+などの資格取得を目指すことで、セキュリティの基礎知識を証明できるでしょう。さらに、セキュリティ関連のイベントや勉強会に参加し、実務経験を積むことで、転職活動におけるアピールポイントを増やせます。
サイバーセキュリティ業界への転職では、実務経験の見せ方や書類作成、面接での伝え方が合否を左右します。とくに未経験者は、スキルや学習意欲、将来性をどうアピールするかが重要です。ここでは、転職成功のために押さえておきたい3つの観点を紹介します。
未経験者や異業種からの転職者でも、実務経験のアピールは可能です。ポイントは、セキュリティに直接関わっていなくても「関連性のある経験」を抽出して伝えることです。
たとえば、ネットワークやサーバー運用、情報管理、トラブル対応といった経験は、セキュリティの素地として評価されます。また、業務上での改善提案やデータ保護の工夫など、自ら考えて行動したエピソードは説得力を高める材料になるはずです。実績の大小ではなく、どのように課題に取り組んだかを論理的に説明しましょう。
志望動機では、「なぜセキュリティ職に興味を持ったか」「将来どのような貢献ができるか」を明確に伝えることが重要です。
「企業のデータを守る仕事に使命感を感じた」「脆弱性診断の分野でスキルを磨きたい」といった動機に加え、入社後のビジョンを含めることで、熱意と成長意欲を伝えられます。
職務経歴書では、業務内容を時系列で並べるだけでなく、成果や工夫、課題解決に向けた行動も加えると説得力が増すでしょう。セキュリティ関連の学習経験や資格取得への取り組みも具体的に記載することで、意欲と成長性をアピールできます。
面接では「何を知っているか」以上に、「どう考え、どう行動できるか」が問われます。とくにサイバーセキュリティの現場では予測不能なインシデントや判断を求められる場面が多いため、論理的思考力や問題解決力が重視されるでしょう。過去の経験から困難を乗り越えたエピソードを用意しておくと安心です。
一方で、専門用語を並べるだけでは理解の浅さを印象づけてしまいます。面接官のレベルに応じた説明力や、学び続ける姿勢を丁寧に伝えることが成功のカギです。
サイバーセキュリティ業界は今、急速に拡大を続ける成長分野です。職種ごとの役割や必要なスキルを理解し、自分に合った学習や実務経験を積むことで、未経験からも転職を目指せます。将来的には専門性を高めることで、年収やキャリアの選択肢も広がっていくでしょう。
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