バックオフィス業務の中でも人気の経理職。興味があっても、知識やスキルのない未経験だと難しそうと諦めている人も多いのではないでしょうか。未経験からの転職を成功させるには、経験のなさをいかにカバーして自己アピールできるかどうかがポイントです。
この記事では、未経験者が経理へ転職するための具体的な方法や、経理に向いている人・向いていない人の特徴などを紹介します。
バックオフィス業務の中でも、経理の求人はとくに人気があります。倍率が高く、即戦力を求める企業が多いため、経理未経験者の転職は難しいと言われがちです。しかし、未経験者の採用が全くないわけではありません。
企業が求めるスキルを理解し、必要な資格を取得したり、経験のなさをカバーしながら自己アピールをすることで、未経験でも転職の可能性を高めることができます。
経理職は、現在の転職市場において需要が高い職種です。コロナが落ち着き、売上が回復し始めた企業も多いことから、請求書処理や売り上げ管理などの経理業務の負担が増えているためです。
しかし、求人倍率が右肩上がりとはいえ、経験者ニーズが高く、経理・財務未経験者を対象とした求人の割合は横ばいとなっています。
経理の応募要件として、簿記を指定している企業も多くあります。これも未経験者の転職が難しいと言われる理由の一つです。簿記には1級から3級まであり、このうち日商簿記2級を要件としているケースが多い傾向にあります。
経理への転職を目指す場合、簿記の資格の有無によって応募できる企業が限られるため、転職を希望する場合は、まず簿記検定の受験を検討してみてください。
経理未経験者の転職が難しいといえども、対策をきちんととっておけば不可能ではありません。では、具体的にどのような対策を取るのが良いのでしょうか。5つのポイントを紹介します。
未経験から経理への転職を成功させるためには、求人の多い時期を狙い、適切なタイミングを見逃さないことが大切です。日本では3月を決算月にしている企業が多く、その少し前の1〜2月に経理の求人数が増加する傾向にあります。
ただし、この間は経験者が優遇される可能性が高いため、未経験の場合は繁忙期が終わる6月〜8月を狙うと良いでしょう。繁忙期を過ぎると、経理部門にとって比較的余裕ができるため、未経験応募可能な求人も多くなる傾向にあります。
経理は専門的な知識が必要な職種ではあるものの、すべての企業が経験者のみを採用しているわけではありません。数は少なくとも、「未経験者可」の求人は存在します。
また、未経験を前提に募集している企業は、入社後の研修が整っていることも多いため、積極的に「未経験者可」となっている求人を探して応募しましょう
経理未経験の場合でも、入社前の努力が採用担当者の評価に大きく影響します。たとえば、事前に簿記などの関連資格を取得しておくと、志望の本気度や知識レベルをアピールすることができます。とくに日商簿記2級は、多くの求人で募集要件とされているため、取得を目指すと良いでしょう。
さらに、Excelや会計ソフトを使いこなす基本的なパソコンスキルや、法律、税務に関する知識も持っていると、経理の転職活動において大いに役立ちます。
経理職への転職を考える際は、自分の適性を見極めることが大切です。企業が求めているのは、求人に記載されている業務をきちんと遂行できる人材です。任せられる業務を遂行できる能力が自分にあるかを把握し、履歴書や職務経歴書に記載しましょう。
企業研究や自己分析は転職後のミスマッチを防ぐことにもつながります。
未経験から転職する際は、自分が応募できる企業を幅広く知ることが重要です。すべての企業が一つの転職エージェントや転職アプリに採用情報を掲載しているわけではなく、非公開求人も多く存在します。そのため、複数のツールを活用し、候補企業を広く探しましょう。
とくに転職エージェントを利用すると、履歴書や職務経歴書の作成サポートなども受けられるため、効果的に転職活動を進めることができます。
経理の仕事は、向き・不向きがはっきりしている職種ともいわれており、自分が向いているかどうかを知ることが重要です。ここからは、経理の仕事が向いている人・向いていない人の特徴を紹介します。
一般的に、経理に向いている人には、以下のような特徴があります。
【経理に向いている人】
経理の仕事では、日常的に数字を扱うため、売上や利益など数字に強い興味や関心のある人は向いています。また、細かいデータを正確に扱う集中力や、物事をコツコツと進められる持続力、他部署と連携するためのコミュニケーション能力が高い人も当てはまります。
経理に向いていない人の特徴は、以下のとおりです。
【経理に向いていない人】
向いていない人が経理の仕事に就くと、毎日数字と向き合うことにストレスを感じたり、日々のルーティンワークや長時間のデスクワークに苦痛を感じたりすることがあります。経理の仕事を目指す前に、まずは自分の適性を見極めましょう。
では、採用担当者は履歴書や職務経歴書のどのような点を重視しているのでしょうか。採用側の視点を知っておきましょう。
経理未経験者が採用されるためには、履歴書と職務経歴書で以下のポイントを重視する必要があります。
これらのアプローチにより、採用担当者に経理未経験でも価値を認めてもらいやすくなります。
面接では、論理的で分かりやすい話の組み立てが好まれます。自分の過去の業務経験の中から、これまでに使用したソフトや、Excelのレベルなどのスキル面を整理しましょう。
次に、求人企業で行う経理業務について、どんな点が自分のスキルや希望とマッチしているのか、どんな点を魅力だと感じているのか、応募の理由を前向きに伝えます。企業の採用担当者から質問がくることも想定し、回答の準備をしておきましょう。
実際に、経理未経験から採用された例を紹介します。
地方銀行で法人融資営業を担当していたAさん。ノルマ達成のための残業も多く限界を感じていたところ、仕事で付き合いのあった事業会社の経理・財務の勤務環境を知ることに。
「転職すれば、現状の働き方を改善できるのでは…」と考えました。
そこで、残業時間やオフィス環境などの労働環境を最優先して転職活動を開始。銀行の法人融資営業という仕事柄、企業の財務・経理と接点があったことをアピールし、人材サービス会社への転職に成功しました。
小規模なIT企業に総務・経理・人事のアシスタントとして勤務していたBさん。あらゆる雑務を引き受けていましたが、「このままでは専門的なスキルが身につかない」と不安になり、経理の専門性を高められる企業への転職を決意しました。
実務経験が乏しく、経理関連の資格を取得していなかったため、小規模企業やスタートアップベンチャーなど、未経験でもチャンスのある企業を中心に応募しました。友人にも声を掛けるなど積極的に転職活動をすすめ、結果として友人の紹介によりコンサルティング会社への転職を決めました。
参考:未経験で経理に転職するためのポイントと成功事例 (rikunabi.com)
経理の仕事は専門的な知識が求められるため、未経験者が転職するのは容易ではありません。しかし、適切な知識やスキルを身につけ、市場の動向を把握することで、成功する可能性は高まります。
また、転職エージェントを活用すれば、適切な求人情報を探せて、自己分析や企業研究を進めることができます。経理未経験や転職に不安を感じている方は、転職エージェントを利用するのもおすすめです。
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