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経理
2024/06/26 更新

経理は難しいと言われる4つの原因|課題や解決方法もご紹介

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経理への転職を検討している人のなかには「経理は難しい」という意見を耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか。経理は業務の性質上専門性が高く、正確さが求められることなどから、難しいと言われがちです。

本記事では経理が難しいと言われる原因や経理の抱える課題、課題の解決方法を解説します。経理への転職を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

経理の基本を理解しよう

経理が難しいと言われる理由を知るには、経理そのものへの理解を深めることが大切です。まずは、経理の役割や業務内容を解説します。

経理とは何か?

経理とは企業のお金の流れを管理する職種です。領収書・請求書などの発行や確認、経費の精算、伝票の管理など、日々のお金の流れの記録や整理を行います。


企業にとって、お金は事業を成立させ企業を存続させるために欠かせない経営資源です。経理の扱う資料やデータは経営状態を把握するためにも活用され、将来の事業計画や意思決定などにも役立てられます。


企業によって経理部門の規模は異なり、企業規模が大きいほど経理部門の規模も大きくなります。逆に従業員が少ない中小企業では少人数で対応していることが多く、場合によっては1人で担当するケースも少なくありません。

経理業務の種類

経理業務は主に日次業務・月次業務・年次業務の3つに分けられます。それぞれの業務内容は以下のとおりです。


業務の種類

業務内容

日次業務

・現金預金の出納管理

・領収書や請求書、納品書などの確認、保管、整理

・立替経費の精算

・受発注数や売上の集計

・新規取引先の登録

月次業務

・取引先への請求や支払い

・従業員への給与の計算や支払い

・源泉所得税や社会保険料の納付

・月次決算

年次業務

・税務署への税務申告

・年末調整

・決算書(損益計算書、貸借対照表など)の作成

・有価証券報告書の作成

・株主総会の開催


日次業務で行うのは、出納管理や領収書・請求書などの帳票の管理といった日々の細かなお金の流れの管理です。月次業務では取引先への請求や支払い、従業員の給与などを期日通り正確に行うことが求められます。取引先ごとの締日の把握や内容に誤りがないかなどのチェックを行い、トラブルが発生しないようにすることが大切です。


年次業務では税務署への税務申告や決算書の作成などを行います。税金の納付や株主への報告などにも関係する重要な業務であり、不備がないように対応することが求められる業務です。


月次業務や年次業務を正確に行うには、日次業務の時点での適切な対応が欠かせません。企業のお金を正確に把握し管理するために、毎日コツコツ行うことが大切です。

経理の仕事が難しいと言われる理由

経理の仕事が難しいと言われる理由には、以下の4つが挙げられます。


  • 専門知識・資格が必要
  • 仕事量が多い
  • ミスが許されない
  • 法改正に対応しなければならない


それぞれどのような理由なのか詳しくみてみましょう。

専門知識・資格が必要

経理の仕事を行うには、専門知識や資格が必要な場面が多くあります。経理が扱う帳票の整理や管理には簿記の知識が必要です。


また、税金の計算や決算書の作成などは会社法や法人税法などの法律に則り、正確に行うことが求められます。そのため、企業は日商簿記検定や税務会計能力検定、公認会計士などの資格を取得している人材を求めていることが少なくありません。


さらに、経理業務はExcelや会計ソフトなどを用いることが多いため、ITスキルも求められます。ITスキルが身についていないと、システムを有効活用できず業務効率が悪かったりミスにつながったりしかねません。

仕事量が多い

経理は担当業務の幅が広く、毎日行う日次業務のほかにも、月次や年次で行う業務が数多くあります。日々の細かなお金の流れを管理しながら月次や年次の業務もこなさなければなりません。そのため、仕事量が多くなりやすい傾向があります。


とくに、取引先などへの請求や支払いの業務が集中する月末月初や、決算月の前後は経理にとっての繁忙期です。繁忙期には作業量が増えるため、その分残業が増えるケースもあります。


また、経理の業務は期日が決まっているものも多く、期日通りにこなすことが求められます。人手不足の場合、期日に間に合わせようとして担当者への負担が大きくなり、オーバーワークになってしまう恐れがあるため気を付けましょう。

ミスが許されない

経理は業務の性質上ミスが許されません。ミスをするとトラブルに発展する可能性もあるため、各業務を正確に行うことが求められます。


たとえば、取引先への請求や支払いにミスがあれば、取引先に迷惑をかけたり信頼関係を損なったりしてしまいかねません。税金の計算を間違っていれば、税務署から脱税を疑われる可能性もあります。つまり、経理のミスは企業の信用度や経営に大きく影響する恐れがあるのです。


経理業務を正確に行うために、経理担当者には専門知識のほかにも数字に強いことも求められます。計算ミスや数え間違いをしない、細かい経理データの管理・分析ができるなどのスキルが必要です。

法改正に対応しなければならない

経理に関係する法律は頻繁に改正が行われており、その度に法改正への適切な対応が求められます。経理に関係している主な法律は以下の通りです。


  • 会社法
  • 法人税法
  • 金融商品取引法


これらの法律が改正されれば、改正内容にあわせて対応しなければなりません。改正内容を把握していないと、知らずに法律違反を犯してしまう可能性もあります。そのため、法改正に関する正確な情報を把握することが大切です。


また、上記以外にも、企業の会計業務を行うにあたって守るべき原則である『企業会計原則』などのルールも遵守する必要があります。こうした法改正やルールへの対応によって業務が複雑化しやすいことから、経理は難しいと言われるのです。

経理業務の課題

難しいと言われる経理業務は、以下の3つの課題を抱えています。


  • コア業務に集中できない
  • 退職による人材不足
  • ミスや不正が発生してしまう


それぞれどのような課題なのか解説します。

コア業務に集中できない

経理には毎日行う細かな業務が多数あるため、経理業務が滞りなく処理されるよう一定の人員を確保する必要があります。しかし、経理の業務は直接的に利益を生み出すものではありません。経理に人員を割くことで、結果的に企業の利益を生み出すコア業務を行う人員の確保が十分にできないことが課題として挙げられます。


また、経理の業務は紙でのやりとりが多いことから、経理業務そのものも煩雑になりがちです。たとえば、請求書を取引先へ郵送するには、請求書と送付状を印刷して封筒に入れ、宛名書きをして郵便局やポストでの投函を行う必要があります。


経理業務を効率化できないとその分人員も必要になり、さらにコア業務に集中できなくなる可能性があります。コア業務に集中できる環境を整えるには、経理業務の効率化も必要と言えるでしょう。

退職による人材不足

経理は専門性が高い職種のため、経理を担っていた人材が退職するとなかなか人材を確保できず人材不足の状態に陥りやすい傾向があります。人材不足の状態が続くと経理担当者の業務負担が増え、オーバーワークになってしまいかねません。


その結果、経理担当者が不満やストレスを抱え、さらなる退職につながる可能性もあります。経理はコア業務を支える業務のため、人材不足で経理業務が滞ればコア業務にも支障がでてしまうでしょう。


このように、経理の人材不足は企業全体にも影響する可能性があるため、経理業務が円滑に行われるような人材の確保が必要です。

ミスや不正が発生してしまう

経理業務は正確性が求められる責任の重い業務です。しかし、どんなに注意していてもさまざまな理由からミスや不正が発生してしまうリスクがあります。


先述した通り、経理は仕事量が多く、毎日行う業務以外にも月単位や年単位で行う業務もある職種です。繁忙期や人材不足の状態では、仕事が回りきらずダブルチェックがおろそかになる恐れがあります。オーバーワークやミスが許されないプレッシャーが負担になり、以下のようなミスが増える可能性も否定できません。


  • 数字の打ち間違い
  • 計算間違い
  • 在庫の計上漏れ
  • 伝票の紛失
  • 経費の二重計上


また、特定の社員しか進め方を把握していない業務があると、業務のブラックボックス化が進んでしまいます。ブラックボックス化した業務は、その社員が退職すると他の社員では進め方が分からず業務が滞ったりミスしたりしかねません。ミスの原因を突き止めるのにも時間がかかる恐れもあり、経理業務の品質低下にもつながってしまうでしょう。


経理の管理体制が整っていないと、横領やデータ改ざんなどの不正が起きるリスクもあります。経理のミスや不正は企業の信用度に関わり、大きな損害につながる恐れもあるため、課題の早期解決が必要です。

経理業務の課題を解決する方法

経理業務の課題を解決する方法として、以下の3つが挙げられます。


  • 業務フローの可視化で効率アップ
  • RPA等による業務自動化
  • アウトソーシングの活用


どのような解決方法なのか、それぞれ解説します。

業務フローの可視化で効率アップ

経理業務の課題を解決するには、業務フローの可視化と効率化を行いましょう。業務フローが曖昧な状態では、各担当者の業務量や属人化した業務などが把握できません。だれが、いつ、どの業務を担当しているのかなどを洗い出し、業務フローを明確にしましょう。


どの業務にどのくらいの時間がかかっているのかを確認することも大切です。これらの情報をもとに、時間や人員をかけすぎている業務を見つけて効率化のための改善案を考えましょう。


また、業務フローの書き出しは、ブラックボックス化した業務の可視化や属人化の防止にもつながります。担当者ごとの業務量の偏りや特定の担当者だけが行う業務などを明確にし、適切な人員配置や業務分担などの対策を考えましょう。

RPA等による業務自動化

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ツールや会計ソフトなどを活用した業務の自動化も、経理業務の課題解決に有効な手段の一つです。RPAとはパソコンで行う事務業務を自動化できるシステムのことを指します。具体的には、データ入力や書類作成などの単純な事務業務の自動化が可能です。


経理の業務はルーチンワークが多く、RPAツールや会計ソフトなどの導入により業務効率を大幅に改善できる可能性があります。たとえば、入金管理や請求書の仕分け、税金の計算などの自動化のほか、勤怠データと連携させて給与計算が行えるツールなども登場しています。


業務の自動化は経理担当者の負担を軽減できるだけではなく、人的ミスや不正の防止にもつながる点もメリットです。ツールの活用により経理業務の経験年数にかかわらず誰でも同じ精度の業務ができ、業務の標準化につながります。また、経営層も企業のお金の流れをシステム上で把握できるようになり、不正が行われた場合も早期発見できるのも強みです。

アウトソーシングの活用

アウトソーシングを活用して人材を確保することも経理業務の課題を解決できる方法です。社外の人材に経理業務を任せることで、社員がコア業務に専念できる環境を整えられます。


アウトソーシングとは、業務の一部またはすべてを外部に委託するサービスのことです。経理の場合、主に以下の業務を外注できます。


  • 請求書や納品書の発行などの伝票管理
  • 売上の計算
  • 給与計算
  • 年末調整
  • 決算書の作成


税理士や会計士事務所や経理アウトソーシングサービスを利用してアウトソーシングできます。依頼先や担当業務などによって費用が異なるため、アウトソーシング利用する際は、先に担当してもらう業務を決めておくことが大切です。


また、繁忙期や担当者が退職した直後など、経理の負担が増えるタイミングのみの依頼も可能です。専門家に経理業務を任せられるため、経理の負担を軽減しつつ正確で信頼性の高い経理業務の実現ができます。

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経理は多くの企業で必要とされている職種である一方、専門性の高さや仕事量の多さなどから難しい仕事であると言われています。企業のお金を管理するため責任が大きく、正確に業務を遂行することが求められる職種です。


また、人材不足やミス・不正の発生などの課題も抱えており、課題解決に向けた取り組みも欠かせません。経理へ転職する際には、こうした経理の実情を把握したうえで対策することが大切です。


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株式会社WARC

WARCエージェントマガジン編集部

「人材紹介の『負』の解消を目指す、新しい転職エージェント」をビジョンに、ハイクラス人材紹介事業を展開しているWARC AGENT。WARCエージェントマガジン編集部は、このビジョンを支えるために、転職者に役立つ情報を執筆し、個々のキャリア形成をサポートしていきます。

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