経理職は、企業規模・業種を問わず全ての企業で必要な部門です。オフィスワークを中心に、スケジュールも立てやすいことから、出産・育児などの後に復帰がしやすく、女性からの人気が高い職種と言われています。
この記事では、経理職に女性が多い理由や仕事のやりがい、キャリアパスについて紹介します。また、実際に経理として活躍する方の事例も紹介するので、経理職への転職を検討している人はぜひ参考にしてください。
経理は、事務職のなかでも特に人気のある職種です。日々の業務では、コツコツとした地道な作業が多い経理職ですが、会社の経営を支える重要な役割を担っています。経理に女性が多い理由や女性が経理職に向いていると言われる点から、経理職の魅力を探ってみましょう。
経理職に女性が多い背景として、平均年収の高さが理由の一つに挙げられます。
厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、経理に該当する会計事務従事者のうち、女性の平均年収は385万円でした。
一方、国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」 では、女性の平均年収は314万円と発表していることから、経理職の女性の平均年収は全国平均をやや上回っているといえます。
また、オフィスワーク中心で業務量や残業時間の調整がしやすいのも、家庭と仕事の両立を目指したいという女性に人気のポイントです。
女性が経理職に向いている、また経理職が女性にとって働きやすいお仕事と言われる主な理由は、以下の2つが挙げられます。
経理の仕事は、知識を増やし経験を積むことで、着実にキャリアを築けます。単純作業から始まり、月次業務や決算業務といった幅広い業務をこなせるようになることで、昇格や昇給のチャンスを掴みやすくなります。
出産や子育てによる仕事のブランクを懸念する方も多い中、経理は基本的な仕事内容や簿記の知識が変わらないため、復職しやすい職種です。たとえ業務のやり方に変化があっても、基本的なスキルを持っていればスムーズに職場復帰が可能です。
経理職は、企業のトップシークレットである会計情報を扱うため、非常に責任の重い仕事です。経理は会社の財布を握る立場であり、お金の流れやコストを管理することで、会社の成長に直接貢献できるポジションです。
また、簿記などの資格を取得することで、企業の経営状態を読み解く力が身につきます。他部門では扱うことのない企業内部の機密情報を任されるため、仕事の重要性から大きな満足感ややりがいを感じることができます。
経理職は、実務経験を通してスキルアップに励むことで長期的に活躍することができる仕事です。自分が希望する働き方を実現するためには、目標を決めてキャリアプランを立てることが重要になります。ここからは、経理職のキャリアパスやスキルアップのための資格について紹介します。
経理の仕事は、はじめのうちは伝票処理や仕訳などの基本的な業務を担当し、経験を積みながら月次決算、四半期決算、年次決算と、次第に広い範囲の決算業務に携わるようになるのが一般的です。
経理を経験したのち、会社の資金計画や投資戦略を策定するための財務・会計の経験を積み、決算だけでなく会社のお金に関する領域全般を管理できるようになれば、部門の責任者や最高財務責任者(CFO)といったポジションも目指せます。
専門性を身につけた人なら転職市場でも高く評価されるので、より良い条件の職場へ転職してキャリアアップを図ることも可能です。
経理に関する資格を取得し、スキルアップすることで、昇進・昇給が目指せるほか、資格手当の支給により収入が上がる可能性があります。以下は、経理の代表的な資格です。
資格を取得する過程で書類の処理能力や財務諸表の知識を身につけられると、さらに質の高い業務に携われるようになります。簿記のようにレベルによって級が設定されている資格は、難易度もわかりやすく企業側も評価しやすいポイントです。また、簿記1級だけでなく税理士試験に挑戦するなど、関連する分野の知識を一層深めることで、自身のスキルアップに役立ちます。
経理実務の経験を積み、知識やスキルに自信がついてくると、今よりも責任ある仕事、メンバーの育成やマネジメントを任されるようになります。リーダーシップを発揮することで、管理職などキャリアアップが可能です。
企業によって役職名は異なるものの、主任から経理部長、さらに最高財務責任者(CFO)と経営者のポジションを目指す人も増えています。経理実務以外のスキルなど求められる資質も増えますが、その分やりがいや自分自身の能力アップにつながるでしょう。
では、経理職として働く女性たちはどのように活躍しているのでしょうか。大手企業、中小企業、そしてフリーランスとして経理職に携わる女性の例を紹介します。
複数回転職しながらも、コアキャリアとして10年近く大手ソフトウェア開発会社で経理を務めたAさん。キャリアの中で、シンジケートローンの組成や、外資系企業でIFRSの導入など、貴重な経験をしていたほか、社会人大学院に通い、MBAの取得を目指すなど精力的に仕事に取り組んでいました。
ゆくゆくは海外事業や経営判断にも携われるようなポジションに挑戦したいと考え、現在はマザーズ上場企業で働いています。
参考:経理 40代以上の転職成功事例 (career.jusnet.co.jp)
不動産の経理担当から夫の転勤に合わせて転職したBさん。
前職で簿記・宅建を取得していたほか、キャッシュフロー計算書や請求書の発行、資料作成などを積極的におこなっているなど、仕事へ取り組む姿勢を評価され、課長補佐として採用されました。
経理業務だけでなく、総務・人事など幅広い業務を行い、会社を支えている実感が得られるのがやりがいにつながっているとのこと。年収は450万円から500万円にアップしたうえ、年間休日も125日に増え、休日もより楽しめるようになりました。前向きな姿勢で他業務のスキルアップにも励み、経理部門を牽引しています。
参考:転職&相談事例 企業経理(tacnavi.com)(TAC)
大手ゼネコンの経理部から結婚・子育てを経てフリーランスとして活躍するCさん。
10年というブランクの後、再就職するも両親の介護が必要に。そんな折、時間と場所にとらわれない働き方に魅力を感じ、フリーランスとして働くことを決意しました。小さなスタートアップ企業からの依頼をはじめ、知人や求人募集をしている企業にアプローチするなど積極的に営業活動を進めています。会計システムの導入、月次決算、会計事務所とのやり取りなどをこなしながら、忙しい業務の合間をぬって、フリーランス社労士とチームを立ち上げるなど、幅広い活躍を見せています。
経理職のように、女性に人気の職場は「魅力もたくさんあるけど、悩みも多いのでは?」と気になる方もいらっしゃるでしょう。もちろん性別だけですべてが決まるわけではないですが、どのような課題や悩みがあるのかも知っておきましょう。
働く女性のなかには、出産のために長期休暇が必要になったり、家事や育児など、仕事以外にもさまざまな役割を担っていたりする人も多く、ワークライフバランスが課題として挙げられています。
繁忙期とそうでない時期がわかりやすい経理職では、スケジュール管理をきちんとし、残業を減らすなど効率的に仕事がこなせる環境をつくることが大切です。
また、システムなどが変わったとしても、経理としての基本知識や経験はいかすことができます。長期休暇取得の前に、しっかりと知識や経験を積み、スムーズに復帰できるようにしておきましょう。
経理の仕事は、女性が多数を占めることが多いため、人間関係が複雑になりがちです。噂話やグループ分けによる対立なども起こりやすい傾向にあります。
職場で苦手な人がいる場合は、次のような対処法を試してみてください。
自分の思っていることを正直に伝えることも大切です。相手の意見を直接否定するような言い方は避け、なるべくやわらかい表現を用いて伝えましょう。
日々の業務に慣れてくると、キャリアの停滞を感じることもあるでしょう。そのような時は、今一度自分自身のキャリアプランを構築しなおすのも手です。新たな目標を設定すると、到達するまでのステップがわかるため、足りない知識やスキルを得るためにしなければならないことが見えてきます。
今いる会社で上位職を目指す、中小企業から大手企業への転職をはかる、経営企画などにキャリアチェンジするなど、自分のライフプランと照らし合わせながら検討してみてください。
経理職はワークライフバランスを保ちながら、結婚や出産を経ても長く働ける職種として人気です。経理で働く女性がさらなるキャリアアップを目指すには、目標に沿ったキャリアプランを立てることが重要です。現在の職場でその目標が叶わない場合、転職で環境を変えることも一つの選択肢です。
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