「経理の楽しさを体験してみたい」「経理にはどのような人が向いているの?」。経理業界に興味や関心がある人は、どのような楽しさが待っているのか、事前に知っておくことは大切です。
この記事では、経理の楽しさややりがいについて紹介しています。記事を読むことで、経理業務の本質がわかり、その奥深さに気付くことができるでしょう。
経理は、企業内で日々のお金や取引の管理を担当する部門です。もともとは「経営管理」の略語とされ、企業の財政状況を正確に把握し、財務リスクを管理する極めて重要なポジションを担っています。
主に、「日次業務」「月次業務」「年次業務」などに経理の業務は分けられます。具体的には、日々の売上や仕入れの管理、請求書の作成や領収書の整理、伝票作成やデータ入力、決算書の作成などがあり、どのタスクも、会社にとって非常に重要な業務です。
経理が作成する資料は、経営陣が戦略的な判断を下すための材料となり、今後の会社方針を決定します。会社が利益を上げ、資産を生み出すためにも、正確なお金の流れや取引の管理を経理部門で行うことが重要です。
経理の業務は単純なタスクが多く、営業などの花形部署と比べると地味なイメージかもしれません。しかし、経理の仕事にはさまざまな楽しさが存在します。以下では、経理の楽しさを4つのポイントに分けて紹介します。
経理業務は主にデータや数字にもとづいて行われるため、正しい方法で処理すれば明確な答えを導き出せます。複雑な計算や分析が求められる場合でも、正確なデータがあるならばすぐに問題解決できるでしょう。
また、経理による資料作成は厳格なルールにもとづいて処理をする必要があります。そのため、あいまいなものではなく、明確な答えを求める業務が行えます。
日々の業務やルールにもとづいて明確な答えを導き出せたとき、やりがいと喜びを手にすることができるでしょう。
請求書の確認や経費報告など、各部門であらかじめ確認されていても、何かしらのミスは避けられません。経理は各部門からの報告を最終的にチェックし、数字や内容のミスを見逃さないよう細心の注意を払います。
念入りにチェックをした結果、お金や取引の流れのミスを見つけられれば、問題を修正し正確な情報を提供できます。ミスを発見し早急に解決することで、やりがいを感じることができるでしょう。
経理業務は毎日同じように感じられるかもしれませんが、新しいスキルや知識を身につけるチャンスもあります。経理業務のレベルが高まれば、法律や会計基準など、多くのスキルや知識が必要です。
これらのスキルや知識を習得することで自分の魅力を高め、成長にもなります。身につけたスキルや知識が評価されれば、さらなる昇進のチャンスも開かれます。
経理はお金の管理を通じて他の部署と連携し、協力をすることが多い部署です。経理の存在があるからこそ、他の部署が本業に専念できる点もあるため、他の部署や経営陣から感謝されています。
たとえば、取引先の入金遅延情報を早めに提供できれば、その後のリスクを回避し、企業の損失を防ぐことができるでしょう。他の部署との協力がうまく機能すれば、組織全体の目標達成に貢献し、会社の一員として楽しみや満足感を感じられます。
経理で働くメリットには、どんなものがあるのでしょうか?経理で働くメリットを知れば、業務の楽しさが何なのかもわかるでしょう。実際に経理職を経験した声をもとに、メリットを以下に5つ紹介します。
経理は、会社のお金管理と運用に深く関与しており、簡潔に言えば「会社の活動を数字としてあらわす仕事」です。会社のあらゆる動きは財務帳簿に記録され、伝票からはさまざまな情報が得られます。
このような情報がすべてわかるため、経理では社内の動きを把握することができるのです。
経理の業務には、単調なオフィス業務が目立つかもしれませんが、簿記などの専門スキルの取得が必須です。経済産業省が主導したプロジェクトで作成された「スキルスタンダード(平成15年度成果物)」には、必要なスキルがまとめられています。スキルを習得することで、能力が向上し、自分の成長を実感できるでしょう。
成長の実感はモチベーションを高め、業務効率が上がってミスも減るはずです。
簿記や会計などの経理に関する知識を学ぶことで、実際の業務にその成果を活かすことができます。実務経験からわかることも多く、やりがいのある仕事です。財務に関するさまざまな知識を習得することで、どの会社に入っても経理のスキルを活かすことができます。
また、簿記以外にも実務に活かせる資格が多く存在し、これらの資格を目指して学ぶことで、自分の目標を明確にできるでしょう。
経理の業務経験を積むことで、将来的に海外での活躍するチャンスが広がります。日本の企業が海外進出するケースや、外資系企業が日本へ進出するケースが増えており、これに伴い現地の法律や税制に精通する経理の知識が欠かせません。
さらに、英語のスキルを磨けば、国際的な業務に貢献できる価値のある人材になり、国際的な業務を任せられる可能性も出てくるでしょう。グローバルなステージで活躍するチャンスを掴むことができます。
経理業務は専門性が高いので、高い知識とスキルを磨けば、周囲から頼りにされる存在となることが可能です。経理はお金を管理する重要な役割であり、身につけた知識はどの会社においても役立ちます。知識を深めれば年齢や役職にかかわらず活躍できるでしょう。
人から頼られることで、やりがいが得られ、「もっと知識を身につけよう」とモチベーションの維持や向上心も高められます。
経理では、どのような人物像が必要とされているのでしょうか?もし経理職に転職を考えているなら、求められる人物像を意識してアピールをすることが重要です。同時に、経理の仕事を楽しいと感じられる人の特徴についても紹介します。
経理が楽しいと感じる人は、努力家で学ぶことを好む人が多いといわれています。経理業務は、会計基準の変更や税法改正など、学ぶべきことが増えていくため、最新情報を継続的に学び続けることが大切です。簿記などの知識を習得し、それを業務に活かすことで、自分の成長を感じることができます。
学ぶことを苦に感じず、新しい知識やスキルを積極的に磨くことができる人は、経理の楽しさを体感することができるでしょう。
数字に強いことは、非常に重要な要素です。経理は数値を扱うことが多く、ミスがないよう、高い集中力を持って数字と向き合うことが必要となります。数字が得意である必要はありませんが、数字への抵抗感がなければ問題ありません。
ただ単にお金の計算だけでなく、数字をデータ化して分析し、違和感にすぐに気づける人は、経理を楽しいと感じやすいようです。
会計ソフトへの入力や数字の確認など、コツコツと行う細かい作業が得意な人は、経理に向いているでしょう。基本的に、長時間のデスクワークになるため、机に向かって地道に作業が行われます。1日中、事務作業に耐えられる人にはぴったりです。
また、数字を扱う際に高い集中力も求められるため、作業に集中でき、効率的に仕事を進められる人は、経理業務を楽しいと感じることが多いでしょう。
経理業務は、常に締切との戦いです。支払処理、入金処理、経費精算などの日次業務に加え、月や年度ごとに定期的な業務が発生するため、期日までに作業をこなす必要があります。
自ら計画的にスケジュールを立てて期日内に作業を完了させるスキルがある人は、経理に向いています。確実なスケジュール管理が苦ではない人なら、経理の仕事も楽しいと感じることでしょう。
経理が未経験でも、簿記の資格を取得することで転職のチャンスを広げることができます。未経験から経理に転職したい場合、まず簿記2級以上の資格を取得することを考えてみましょう。
また、志望動機の書き方にも注意が必要です。以下のポイントを含め、自分の魅力をしっかりとアピールしましょう。
たとえば、「日商簿記2級の取得を機に、会社の経営状況を数字で把握できる経理の世界に興味を持った」「前職での資料作成や数字の管理の経験が、御社でも活かせると思った」など、具体的な内容を取り入れ、過去の経験をどのように転職先で活かして貢献できるかを伝えることがポイントです。
経理職として働くためには、以下に紹介する資格やスキルが必要とされます。実務経験があると有利ですが、未経験でも経理に求められるスキルを磨くことで、転職の成功率を高めることができるでしょう。
簿記や経理に関連する資格を取得することで、未経験でもその分野の専門知識やスキルをアピールすることができます。具体的には、「日商簿記検定」「ビジネス会計検定」「FASS検定」といった資格が評価されることでしょう。
経理に必要なスキルを身につけることで、専門的な知識を学び、その知識を実務経験に活かすことが可能となります。また、これらの資格取得は雇用主やクライアントに対する信頼性を高める助けとなるでしょう。
経理職では、経営陣に対して経理の専門知識を分かりやすく説明したり、経営施策の検討を共にする場面があります。日々の業務だけでなく、財務データや会社の経営戦略の関連性について経営者の視点から理解することも重要です。
一社員ではなく、経営者の視点から全体を見渡し、財務データから経営分析を行って論理的に導くスキルも必要です。
会計ソフトへの入力などのパソコン作業では、デスクワークで単調な作業を1日中行うことがあります。同じ作業を繰り返すなかで、ミスも発生するでしょう。忍耐力を持ち、注意深く作業を進めることで、ミスやエラーを最小限に抑えることができます。お金に関わる業務ゆえ、計算ミスや数え間違いはあってはならないことです。
地味で変化の少ない単純作業でも淡々とこなせる忍耐スキルは、経理職において欠かせません。
業務では数字を取り扱うため、数値に関する基本的な理解や分析能力が必要です。経理のデータ分析から得られた情報を経営判断に活かすことで、会社の利益増加に繋がることもあります。
経理に求められる役割は、お金の計算や管理だけをすればいいわけではありません。財務諸表や予算データなどを読み解き、費用増加の理由や影響がどう出てくるのかといった、適切に分析・解釈するスキルが必要です。
経理はさまざまな部署とやり取りをするため、コミュニケーションスキルが欠かせません。ミーティングなどで意見を述べる必要もありますが、他の部署や関係者との良好な関係を築くためには、明確で適切なコミュニケーションが必要です。
適切なコミュニケーションスキルを磨くことで、相手との意思疎通を図り信頼関係を築くことができるでしょう。
経理で働きたいと思ったら、まずは転職サイトをチェックしてみましょう。経理の仕事を探すときに役立つ転職サイトは以下の3つです。それぞれのサイトの特徴や強み、おすすめポイントについて紹介します。
WARCエージェントは、経理や財務分野をはじめとした管理部門に特化した転職サイトです。柔軟かつ徹底的なキャリアアドバイザーのサポートや高品質な求人情報がその強みであり、人事や労務、法務、総務などの求人にも対応しています。
面接に必要な知識や日程調整などもキャリアアドバイザーがサポートし、企業からのスカウトも期待できる場合もあります。
経理や財務に特化しているため、効率的な転職活動を進めたい人に特におすすめです。
パソナキャリアは、30,000社以上の取引先企業と半数以上がハイクラス求人の転職エージェントです。顧客満足度向上の取り組みが行われており、業界専門のコンサルタントがサポートするマッチング力とサポート体制が強みです。
初めての転職で、しっかりと面接対策を受けたい方、専任コンサルタントのサポートを希望する方に向けておすすめです。
dodaは、求人数約10万件の業界大手転職サイトです。エージェントサービスでは、登録後のキャリアカウンセリングを通じて、キャリアプランの相談や求人の紹介、活動スケジュールのプランニングなどを提供しています。転職市場に精通した専門スタッフによる幅広いサポートの提供が強みです。
求人件数が豊富で、さまざまな選択肢から選びたい方にぜひおすすめです。
経理は会社のお金を管理する部署で、会社の経営を左右する重要な役割を担っています。コツコツとした単純作業が主な仕事ですが、明確な答えを導き出せたときや念入りにチェックをしてミスに気づけた達成感には、喜びや楽しさもあるでしょう。
経理はやりがいがあり、経験やスキルを磨くことで自己成長にもつながります。未経験でも資格やスキルがあれば転職可能なため、数字に強く、コツコツ作業やスケジュール管理が得意な人に向いている職業です。