転勤や残業が少なく、ライフワークバランスが取りやすいイメージがあると、学生から人気の経理職。一方、「経理職に就きたいけれど新卒でも採用されるのか?」「どんなスキルがあれば採用されやすいのか?」という疑問を抱く学生も多いのではないでしょうか。そこで今回は、経理職の魅力や求められるスキル、現在の経理職の求人市場について、今後のキャリアアップ戦略などについて紹介します。新卒で経理職を目指したい方はぜひ参考にしてみてください。
経理職は、企業の資金の流れを記録し管理するのが主な仕事です。この役割は、さまざまな企業に欠かせない重要な職種です。経理担当者がいることで、企業はお金の流れを把握し、的確な経営判断を行えます。では、経理職のやりがいや魅力とはどのようなものでしょうか。
経理職は、企業運営に不可欠な職種です。
予算編成や営業経費の管理、給与の支払い、預金の出納管理など、多岐にわたる業務を担当します。月末には集計を行い、決算書を作成することも重要な仕事です。経営層と近い立場で仕事をするため、経営の全体像を把握しやすいという魅力があります。
経理職のキャリアパスは、企業の規模により異なります。大手上場企業では、自社内での昇進を目指すのが一般的です。
一方、中小企業では経理だけでなく、人事や総務、労務など複数の業務を兼任することが多いです。ベンチャー企業では、上場準備など貴重な経験を積む機会があり、幅広いスキルを身につけるチャンスがあります。
これにより、経理職はさまざまな企業で重要な役割を果たし、キャリアを築くことができます。また、専門知識を活かして独立開業やコンサルタントとして活躍する道も開かれています。
経理職の将来性について考えてみましょう。近年、AIの発展により、多くの職業がAIに取って代わられると言われています。単純作業やルーチンワーク、大量のデータ処理などはAIが担うようになるでしょう。
そのため、経理職においてもAIが一部の業務を代替することが予想されます。しかし、人間の判断が必要な業務や手作業が求められる部分は依然として残るでしょう。今後、経理職で活躍するためには、各人がスキルアップを図り、AIにはできない価値を提供できるかどうかが重要です。このように、経理職の市場価値と将来性は、個々のスキルと適応力に大きく依存しています。
では、新卒で経理職を目指すメリットは何でしょうか。また、どんな人が経理職として働くのに向いているのでしょうか。合わせて紹介します。
経理職の大きな魅力は、数字を通じて会社の経営状態を全て把握できることです。経理の仕事をしていると、日々記録しているデータの内容から、会社がどの事業・部署にどれだけのコストをかけて、また会社の収益構造を把握できるようになります。
新卒で未経験から始めると、最初は日々の仕事に追われ、収益や費用のバランスにまで目が向かないかもしれません。しかし、仕事に徐々に慣れてきて、会社の動きを数値で把握できるようになると、やりがいを感じることができます。また、経理の知識やスキルは普遍的であり、一度身につければどの会社でも活躍することができます。
経理職に向いている人の特性は以下の通りです。
特性 | 説明 |
---|---|
責任感が強い人 | 経理は会社の資金を管理する重要な仕事です。どんなに些細な業務でも正確に遂行することが求められ、小さなミスが大きな問題につながるため、確認を怠らず真面目にコツコツと取り組む姿勢が不可欠です。 |
几帳面な性格の人 | 経理では細かい数字を扱うため、几帳面な性格の人が向いています。大雑把な性格の人にはストレスがかかるかもしれません。 |
コミュニケーション能力が高い人 | 経理職は内勤のイメージが強いですが、他部署の人と関わることも多くあります。コミュニケーションを無理なく取れると日々の業務が円滑に進められます。 |
経理職を候補に入れる際には、以下の点をしっかりと見極めることが重要です。
これらのポイントを考慮して、就職活動を進めましょう。
経理の業務には簿記の知識や経験が求められますが、近年は会計システムの普及により、経験が浅くても活躍できる場合があります。ただし、経理職は単なる数値管理にとどまらず、経営戦略に関わることもあり、企業の財務状況を支える重要な役割を担います。ここでは、経理職に求められるスキルや資格について紹介します。
経理職として働くのに、必須となる経験や資格はありません。しかし、お金の流れを認識し、一定のルールに基づき記録するための専門的な知識やスキルは必要とされます。簿記の知識はもちろん、税金や給与などに関する法的な知識も求められることがあるでしょう。加えて、多くの企業が会計ソフトなどを導入して経理業務を行っているため、ITへの理解や数字を分析する能力も必要とされます。このほかOfficeソフトのExcelやWordはどの企業でも使う場面が多く、ある程度使いこなせることが必須の条件です。
経理業務でスキルを向上させるには、簿記や会計ソフトなど、仕事内容に関する資格の取得がおすすめです。代表的な日商簿記検定試験は1級〜3級、簿記初級や原価計算初級などの種類があります。このうち、経理として働くのであれば、日商簿記2級は押さえておくと良いでしょう。年3回の統一試験のほか、オンラインのネット試験でも受験可能です。
また、簿記のほかにも、給与計算検定、ビジネス会計検定などお金にまつわる資格から、マイクロオフィススペシャリストやファイナンシャルプランナーなど仕事の幅を広げる資格まで、さまざまな資格が存在するため、積極的に挑戦してみてください。
経理としてのスキルアップや資格取得のための効果的な学習方法はいくつかあります。たとえば、以下のような方法が挙げられます。
独学で勉強するほか、近年ではオンライン家庭教師も普及してきており、Zoomなどを使って1対1で簿記などを指導してくれる講師も選択肢の一つです。それぞれ、かかる費用や時間に差があるため、自分のライフスタイルにあった続けやすい方法を選びましょう。
経理職は現在の転職市場において需要が高い職種ですが、新卒ではキャリアのアピールが難しいことがあります。ここでは、経理職の求人市場の現状や効果的な就職活動のポイントについて解説します。
市場全体でみると、近年の求人倍率は右肩上がりです。しかし、経験者ニーズが高く、新卒など経理・財務未経験者を対象とした求人の割合は前年対比横ばいとなっています。そのため、新卒未経験者には競争が激しい状況です。
経理職の志望動機を書くときは、企業のリサーチや自己分析などの下準備が不可欠です。
経理職は、会社の会計・財務にまつわる業務をすべて担っています。経理職が1年を通してどのような仕事をするのかをしっかりと調べ、志望動機には業務を通じて会社や社会に貢献したい内容を具体的に記載しましょう。
とくに、誤字脱字には注意が必要です。経理職は慎重さや正確さが求められるため、丁寧に書くことが重要です。
面接では、経理としての強みや適性をアピールするだけでなく、どのように会社に貢献していきたいのかを伝えましょう。
面接官は、志望動機の回答から経理職に就きたい熱意や意欲だけでなく、現状の会社組織で活躍できる人材かを判断します。志望動機の締めには、企業での貢献を具体的に示し、経理職としての活躍をアピールすることが大切です。
経理として採用された後、どのようなキャリアアップ戦略を目指せば良いのでしょうか。また、面接でキャリアプランを聞かれた際の答え方も重要です。
実務経験は経理のスキルを磨く上で最も有効です。3年以上の経験を積むことで、年度末の決算業務や税務申告などの特別なタスクにも携わる機会が増えます。新しい税制の変更点を把握し、新たな資格を取得するなど、積極的に知識を習得しましょう。
経理職は上司や同僚、他部署の人や顧客など、周囲との円滑なコミュニケーションが欠かせません。なぜなら、部署のメンバーで分担して業務を進めたり、漏れや間違いがないか互いにチェックしたりする場合があるからです。
このほか、予算編成や経費の精算など、部署の内外を問わずさまざまな人との連携も必要とされるため、円滑にコミュニケーションが取れる力が求められます。
システム化やAIの台頭により、単純作業をこなすだけの経理担当者は今後必要とされなくなる可能性があります。データを作ったり知識を身につけるだけでなく、分析や予測などを行うことができるなど、今よりスキルアップしていくことが望まれます。そのため、今の自分に足りない部分をいつまでにどのように身につけるのか、具体的なプランを決めておき、適宜振り返りをすることが大切です。自分の立ち位置を把握し、目指す経理の姿に向かって一歩ずつ前進していきましょう。
新卒から経理職に就職するのは難易度が高いですが、転職エージェントを活用することで、効果的な就職活動が可能です。経理や財務に強いエージェントは、多くの実績があり、独自の求人を持っています。キャリアアドバイザーのサポートを受け、スムーズに経理職への就職を進めましょう。
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