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経理
2024/06/27 更新

経理職のスキルアップとは?|必要な能力と資格でキャリアを向上させる方法

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経理職は、単なる数値管理にとどまりません。時には経営戦略にも関わることが求められ、企業の財務状況を支える重要な役割を担ってます。

そんな中で経理職としてのキャリアをさらに向上させるためには、スキルアップが欠かせません。

この記事では、経理職に必要な能力と資格について詳しく解説。どのようにしてキャリアをステップアップさせるかをご紹介します。

経理スキルアップの重要性とそのメリット

経理職におけるスキルアップは、個人の成長と企業の発展の両面で非常に重要です。


経理の知識や技術は日々進化しており、最新の情報を取り入れることで業務効率を向上させ、より正確な財務報告を行うことが可能になります。


また、スキルアップを図ることで将来的なキャリアパスも広がり、管理職や専門職としての道が開けます。


まずは、経理としてスキルアップする重要性とそのメリットについて詳しく見ていきましょう。

経理の仕事におけるスキルアップの意義

経理職のスキルアップは、単なる知識の拡充にとどまりません。新たなスキルを習得することで、日々の業務の効率化が図れ、ミスを減らせます。


また、経理の専門知識を深めることで、より戦略的な財務分析が可能になり、経営陣への有益な提案ができるようになります。

スキルアップがもたらすキャリアの可能性

経理のスキルアップは、キャリアの幅を広げる重要な手段です。専門的な資格取得や新しい会計ソフトの習得は、より高度なポジションに就くための強みとなります。


例えば、管理会計や財務分析のスキルを身につけることで、経理部門だけでなく経営企画部門やコンサルティング分野への転身も可能です。さらに、経理のプロフェッショナルとしての地位を確立し、高い評価を得ることで、昇進や昇給のチャンスも増加します。

経理の基本的な業務内容:日常から年次までの全貌

経理職の基本業務は多岐にわたります。


日常業務

  • 仕訳帳の記帳
  • 請求書の発行・支払い
  • 現金出納管理

月次業務

  • 月次決算の作成や支払い予定表の作成
  • 在庫の棚卸し

年次業務

  • 年度末決算や税務申告書の作成
  • 年次財務報告書の作成


これらの業務を的確に行うためには、幅広いスキルと知識が必要です

経理の基礎業務

経理の業務は、日々の資金の動向を管理し、経営判断に必要な財務報告書を作成することです。


主な仕事内容は、以下の通り。


  • 現金出納の管理
  • 売掛金および買掛金の管理
  • 伝票の記入および整理
  • 給与計算
  • 請求書の作成
  • 固定資産および減価償却の管理
  • 決算報告書の作成
  • 税務会計
  • 年末調整
  • 年次決算


経理の仕事は日々、月々、年々とサイクルがあります。それぞれ「日次業務」「月次業務」「年次業務」と呼ばれるケースがほとんどです。


企業の経理部門は会社経営に不可欠な重要な役割を果たしています。

経理の日常業務|スケジュール表

経理で日々発生する業務は以下の通りです。これらの業務は1日の間に発生次第順次行います。


業務内容

説明

現金の出納管理

現金の残高確認

立替経費の精算

  • 営業部門などの従業員が立て替えた経費の精算業務
  • 仮払伝票の起票と整理(取引に関する伝票を起票して、証拠書類と合わせて整理)

※企業によっては月次で対応

受注・出荷・売上を集計

受注額・出荷額・売上額を会計システムにてデータ化

棚卸資産の管理

棚卸資産(販売目的で一時保有している製品や原材料など)の受け入れ処理や在庫確認

取引先の登録

  • 新規の取引があったときに取引先を会計システム等に登録
  • 信用情報の調査を実施


経理の月次業務|スケジュール表

経理が毎月行う業務は以下の通りです。


時期

業務内容

上旬

  • 取引先からの入金確認
  • 帳簿の締め切りおよび月次決算
  • 売掛金・買掛金の管理
  • 予算と実績を対比して分析
  • 年度決算の見込み分析

中旬

源泉所得税納付(10日)

下旬

  • 従業員の給与計算
  • 従業員の給与の支給
  • 取引先への支払い
  • 請求書の発行
  • 従業員の社会保険料の納付


経理の年次業務|スケジュール表

経理の年間スケジュールは以下の通りです。(3月決算の株式会社を想定)


業務内容

4月

  • 決算整理仕訳
  • 軽自動車税納付
  • 固定資産税・都市計画税第1期分納税

5月

  • 開示資料の作成
  • 財務諸表作成
  • 法人税・法人住民税・法人事業税・消費税の確定申告および納税
  • 自動車税納付
  • 株主総会の招集

6月

  • 株主総会
  • 個人住民税納付

7月

  • 源泉所得税(納期特例を受けている場合)の納付
  • 固定資産税・都市計画税第2期分納税
  • 健康保険・厚生年金保険の定時決定

8月

消費税の中間申告および納付(大規模事業者が対象)

11月

法人税・法人住民税・法人事業税・消費税の中間申告

12月

  • 年末調整
  • 固定資産税・都市計画税第3期分納税

1月

  • 固定資産税における償却資産の申告
  • 源泉所得税の納付
  • 法定調書・給与支払報告書・支払調書を税務署に提出

2月

  • 決算準備
  • 固定資産税・都市計画税第4期分納税
  • 消費税の四半期中間申告と納付

3月

販売目的資産(棚卸資産)の実地棚卸現物点検と残高確認


経理のキャリアアップに必要なスキルと能力3選

経理のキャリアアップを目指すためには、特定のスキルと能力が必要です。


この章では、経理のキャリアアップを目指す上で特に重要な3つのスキルをご紹介。経理職としての評価を高め、キャリアの幅を広げるための参考にしてください。

1. 基本的な会計知識と正確な数値理解能力

基本的な会計知識は、経理職の基盤です。貸借対照表や損益計算書などの基礎的な会計処理を正確に理解し、実務に適用する能力が求められます。


数値の正確性は経理の信頼性に直結するため、非常に重要。細部にわたる正確な数値理解と処理能力は、日々の業務を確実に遂行するために不可欠です。


この基本をしっかり押さえることで、上位の業務にも対応できる基礎が築かれます。

2. 財務分析能力と予算管理スキル

財務分析能力と予算管理スキルは、経理のキャリアアップに欠かせません。財務諸表を分析して企業の財務状況を把握し、将来の経営戦略に役立つ情報を提供する能力が求められます。


また、企業の予算編成・実績管理・差異分析までを行い経営陣の意思決定をサポートするためには、予算管理スキルも重要です。


これらのスキルを高めることで、経理職としての専門性を発揮し、戦略的な役割を担えます。

3. 法的知識と税務に関する知識

経理職には、法的知識と税務に関する知識が必要です。企業活動は常に法律に基づいて行われるため、会社法や労働法などの基本的な法的知識を持つことが求められます。


また、税務に関する知識も必要。法人税や消費税、所得税などの各種税務処理を正確に行う能力が求められます。


これにより、法令遵守を確保し、企業のリスクを最小限に抑えることが可能に。法的知識と税務知識を持つ経理担当者は、企業にとって非常に価値のある存在となります。

経理に必要なスキルと人物像を確認できるチェックリスト

経理のキャリアアップには、スキルの向上が重要です。経理に必要なスキルと求められる人物像を示すチェックリストを活用し、現在の位置を正確に把握してみましょう。


実務年数

実務レベル

必要なスキル

求められる人物像

入社3年未満

  • 伝票処理と仕訳入力
  • 仕訳の確認と決算補助
  • 支払処理と売掛・買掛管理
  • 経費精算
  • データ分析と報告書作成
  • 正確な数値理解能力
  • 基本的な会計知識
  • PCスキル(Excelなど)
  • コミュニケーションスキル
  • 基礎業務の確実な実行
  • 仕事に対する責任感
  • チームワークを大切にする
  • 積極的な学びの姿勢

入社3年以上5年未満

  • 月次・年次決算業務
  • 予算管理と予測
  • 税務申告と税務管理
  • 財務分析とレポート作成
  • プロセス改善とシステム導入
  • 高度な会計知識
  • 財務分析能力
  • 税法や規制の理解
  • PCスキル(会計ソフトやExcel)
  • 問題解決能力
  • プロジェクト管理能力
  • リーダーシップ
  • 自己管理能力
  • コミュニケーションスキル
  • 経験を積みながら業務の幅を広げていく
  • 積極的な学習と成長意欲

入社5年以上10年未満

  • 財務戦略と予算計画
  • 経営報告と意思決定支援
  • 内部統制と監査対応・チームマネジメントと指導
  • 法規制や会計基準の理解と遵守
  • 高度な財務分析能力
  • 戦略的思考力
  • リーダーシップ
  • プレゼンテーション能力
  • コミュニケーションスキル
  • マネジメントスキル
  • 情報収集能力
  • 業界や会社のビジネスモデルを理解し、経営者に助言できる
  • 積極的に情報収集をし、ITスキルを活用できる
  • 経営陣と協力しながら、経理部門の発展と会社の成長に貢献する

経理スキルアップのための具体的な3つの方法

経理職としてキャリアを積むためには、スキルアップが不可欠です。


この章では、スキルアップを実現するための具体的な方法を3つご紹介します。

1. 実務経験の積み重ねの重要性

経理スキルを磨く上で非常に重要なのが、「実務経験」。日常業務を通じて、会計処理や財務分析の実践的なスキルを習得することが可能です。


また、問題解決能力や迅速な対応力を身につけるためには、さまざまな経理業務に積極的に携わりましょう。具体的には、月次決算や年次決算の経験を積むことで、決算書の作成や財務報告のスキルが向上します。


さらに、業務の流れを理解し効率的に仕事を進められるようになるためにも、実務経験の積み重ねが大切です。

2. 資格取得と学びの深め方

資格取得は、経理スキルを証明する手段として非常に有効です。例えば、日商簿記検定や公認会計士資格などの取得を目指すことで、専門知識を体系的に学べます。


資格取得の過程で得られる知識は実務に直結。経理業務をより深く理解するための強みとなります。


また、資格取得後も継続的に学ぶ姿勢が重要です。最新の会計基準や税法の変更に対応するため、定期的なセミナーや研修に参加し、知識をアップデートしていきましょう。

3. 経験豊かな人からの助言を得る方法

経験豊かな先輩や上司からの助言は、スキルアップにおいて貴重です。日常業務での疑問点や課題を共有しアドバイスを受けることで、自身の業務に役立つ実践的な知識を得られます。


また、メンター制度や社内研修を活用したり、業界のネットワーキングイベントや勉強会に参加したりするのも効果的。他の経理プロフェッショナルと交流を通じて異なる視点や最新の業界トレンドを知り、自身の知識とスキルを広げられます。


経理スキルアップに有益な5つの資格とその活用法

経理のスキルアップには、資格取得が非常に効果的です。


以下で、経理のスキルアップに有益な5つの資格とその活用法をご紹介します。

1. 日商簿記

日商簿記は、日本商工会議所と各地の商工会議所が主催する簿記検定で、国内で最も知名度が高い試験です。経理業務に必要な基礎知識やスキルを身につけられます。


1級・2級・3級・初級の4つの階級で試験が行われ、「会計処理」「財務諸表の作成方法」「仕訳記入」などが問われます。


合格することで、基本的な簿記の理解を証明できるだけでなく、経理職の信頼性を高められるのがメリット。経理職のスキルアップやキャリア発展に貢献する資格の一つとされている資格です。

2. 全経簿記

全経簿記は、全国経理教育協会が主催する簿記検定で、経理事務を目指す人向けの試験です。上級・1級・2級・3級・基礎簿記会計の5つのランクで試験が行われ、難易度は比較的低いとされています。


経理職や日商簿記検定の練習をしたい人やビジネスパーソンが受験するケースが多いです。上級合格者は税理士試験の受験資格を得られるため、税理士志望者も受験するケースがあります。

3. FASS検定

FASS検定は、経済産業省の委託を受けた日本CFO協会が開発し、経理や財務部門で求められるスキルを問う比較的新しい検定試験です。


資産・決算・税務・資金の4分野から出題され、合否ではなくA~Eの5段階評価なのが特徴。近年は企業から高い信頼を得る検定として注目され、経営幹部を目指す人に自己評価を促す試験として活用されています。

4. 給与計算実務能力検定

給与計算実務能力検定は、内閣府認可の一般財団法人職業技能振興会が認定する民間資格です。2級と1級の試験区分があり、給与計算の実務スキルが評価されます。


他にも、給与計算業務に関する基礎知識や法律、労働法令などの理解が必要。合格することで、年末調整を含む給与計算業務のみならず、社会保険や税務などの関連手続きも遂行できるようになります。


給与計算実務能力検定試験は、人事部門だけでなく、経理担当者にも実務的なスキルの向上やキャリアの発展に寄与する有益な資格として認知されています。

5. 公認会計士・税理士

公認会計士と税理士は、会計・財務領域における専門的な知識と技能を有する資格です。


公認会計士は企業の財務諸表や監査業務を専門的に行い、会計の専門知識と法律に基づく監査能力が求められます。税理士は、税務申告や税務相談を行う資格であり、税法や経済に関する幅広い知識が必要です。


公認会計士や税理士の試験に合格すると、専門家としての信頼性を高め、企業や個人に対して財務や税務に関するアドバイスができるようになります。取得には長期間の学習と準備が必要ですが、公正で信頼性のある会計・税務の専門家としての地位を築ける有力な資格です。


経理がスキルアップした後のキャリアパス

最後に、経理のスキルアップ後に目指すべき具体的なキャリアパスについてご紹介します。


自分の強みや興味に応じて最適なキャリアパスを選択し、さらに成長を目指しましょう。

1. 経理主任や経営企画などのジェネラリストを目指す方法

経理のスキルを磨くことで、経理主任や経営企画などのジェネラリストとしてのキャリアを目指せます。


経理主任

チームのリーダーシップを発揮し、部門全体の業務効率化を図る

経営企画

財務データをもとに経営戦略を立案し、企業の成長に貢献する


経理主任や経営企画には、経理の基本知識に加え、幅広いビジネス知識や戦略的思考が必要。そのため、MBA取得やビジネス関連のセミナー参加がキャリアアップに有効です。

2. 経理のスペシャリストとしてのキャリア

経理のスペシャリストとしてのキャリアを追求する道もあります。例えば、税務専門家・内部監査人・財務アナリストなど、特定の分野に特化することで専門性を高めることが可能です。


税務専門家

複雑な税務処理や税務戦略の立案

内部監査人

企業内の監査を通じて内部統制の強化を図る

財務アナリスト

企業の財務状況を分析し、投資判断や経営戦略の策定に貢献


これらのスペシャリストは高度な専門知識と経験が求められるため、継続的な学習と資格取得が重要です。

3. 経理から異業種への転職の可能性と戦略

経理のスキルを活かして異業種への転職を目指すことも可能です。


例えば、IT業界やコンサルティング業界など、経理の専門知識が求められる分野は多岐にわたります。異業種への転職を成功させるためには、自分の経理スキルがどのように新しい業界で役立つかを明確にすることが重要です。


また、異業種で必要とされる追加のスキルや知識を身につけるために、関連するセミナーやオンラインコースに参加することも有効。ネットワーキングイベントや転職エージェントを活用して、新しい業界でのチャンスを探りましょう。

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株式会社WARC

WARCエージェントマガジン編集部

「人材紹介の『負』の解消を目指す、新しい転職エージェント」をビジョンに、ハイクラス人材紹介事業を展開しているWARC AGENT。WARCエージェントマガジン編集部は、このビジョンを支えるために、転職者に役立つ情報を執筆し、個々のキャリア形成をサポートしていきます。

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