経理職はどの会社・業界でも不可欠で、そのキャリアパスは多岐にわたります。自己のキャリアゴールを明確に設定することで、数ある経理関連の資格の中から必要なものを選ぶことが必要です。その結果、計画的にキャリアプランを進行させることで、転職も円滑に進むでしょう。
本記事では、経理のキャリアプランの例、プランの策定方法、面接時の回答例などを解説します。経理職への転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
経理職の人々は、異なるキャリアプランを持っていて、経理に携わる人の数だけ、さまざまな道が存在します。
経理職未経験の方は、経理アシスタントのポジションからスタートすることが一般的です。実務を通じて、出納、起票、記帳、集計などの基本的な経理業務を学び、自身のスキルアップを目指しましょう。以下は、経理アシスタントのスキル向上における具体的な目標となる3つのスキルレベルです。
スキルレベル | 習得したい事務業務 |
---|---|
レベル1 | 日常経理〜月次補助 |
レベル2 | 一連の月次決算 |
レベル3 | 一連の年次決算 |
上記の業務をしっかりとこなせるようになると、キャリアアップの可能性がさらに広がります。一般的には、年次決算の責任を持つためには、「最低でも3年以上の実務経験」が必要です。また、経理職での理解を深め、スキルアップのために、以下の資格の取得もおすすめします。
経理アシスタントの卒業後は、経理スタッフとして働くことになります。その後、同じ職場内でキャリアを発展させる場合は、「経理スタッフの上位職」を目指すことになります。
経理スタッフの上位職には、経験豊富な経理担当者が担当する現場の責任者や指導役である「経理主任」、企業全体の財務や資金管理を統括する「管理職」、財務戦略の立案に関わる経理の最高責任者である「CFO(最高財務責任者)」などがあります。
上位職を目指すためには、経理・会計に関する適切な知識が求められますので、以下の資格も取得することをおすすめします。
大企業への転職では、中小企業と比べて経営規模が大きく、経理業務の範囲も広いため、より複雑な業務が求められます。例えば、決算報告や株主総会の準備・運営など、中小企業では経験できない業務を担当することもあります。そのため、業務は細かく分担されることが一般的です。
大企業の経理職に転職するためには、一定以上の経理知識と経験に加えて、専門性をアピールできることが重要です。大企業への転職を目指す場合、以下のような資格の取得もおすすめします。
経理職の経験を経て、会計事務所などで独立・開業を目指す場合は、関連する国家資格の取得がおすすめです。具体的には、「税理士」という資格を取得すると、納税者の代わりに税務申告を行うことができます。また、「公認会計士」という資格を取得すると、企業の監査業務に携わることができます。さらに、税務経験を活かしてコンサルティングを行いたい場合には、「中小企業診断士」という国家資格の取得も検討できます。
外資系企業への転職を考える際には、経理・会計の知識だけでなく、財務諸表を英語で作成するスキルが必要とされます。「英文経理」を行うには、一定レベルの英語力が必要です。また、外資系企業では日本の会計基準ではなく、アメリカの会計基準や国際会計基準(IFRS)に基づいて業務を行うこともあります。そのため、関連する学習や資格取得を目指すことが重要です。
経理業務の範囲内でキャリアアップする方法はいくつかありますが、同時に経理の経験を活かして他の職種にも挑戦する「キャリアチェンジ」も可能です。経理経験を活かせる具体的なキャリアチェンジの選択肢は以下のようなものです。
経理経験を活かしてキャリアチェンジできる職種の例です。
キャリア | 主な仕事内容 | おすすめの資格 |
---|---|---|
公認会計士 | 監査、会計、税務、コンサルティング | 公認会計士資格 |
税理士 | 税務代理、税務書類作成、税務相談 | 税理士資格 |
英文経理 | アメリカの会計基準や国際会計基準(IFRS)に基づく経理業務 | 米国公認会計士(USCPA)、国際会計検定(BATIC)、国際会計基準検定(IFRS)、TOEIC、TOEFL |
財務担当 | 企業の資金管理、資金調達、予算管理 | ビジネス会計検定試験、経理・財務スキル検定(FASS) |
経営企画・コンサルタント | 経営計画作成、財務状況の改善 | 中小企業診断士、公認会計士 |
IR | 投資家・株主向けの情報発信・広報、株主総会の運営 | IRプランナー(CIRP) |
経理職にはさまざまなキャリアアップの方法があります。同じ職場内で昇進するだけでなく、大企業や外資系企業への転職や、資格を取得して独立開業することも可能です。未経験の方でも、経理アシスタントとして働きながらスキルを向上させることができます。また、経験を活かして他のキャリアに転身することもできます。経理職には様々な可能性があります。
ただし、円滑なキャリアアップやキャリアチェンジを実現するためには、求人のミスマッチを避けることが重要です。まずは自分に合った転職サイトや展初期サービスを探してみましょう。