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経理、労務、総務の違いについて解説|それぞれの職種の適性も紹介

2023/12/05 更新

経理・労務・総務の違いが分からないものの、管理部門への転職や就職を考えている方もいるでしょう。どの職種が適しているか知らなければ、良い転職や就職にはなりません。

経理・労務・総務の仕事は魅力的な選択肢です。この記事では、管理部門・バックオフィスの主要な職種である経理・労務・総務それぞれの具体的な業務内容や適性、役立つ資格について紹介します。

経理・労務・総務の違いについて

経理・労務・総務の職種は、働く時間の計算がしやすいことや、仕事とプライベートのバランスを取りやすいことから、人気があります。しかし、これらの仕事内容が具体的に何をするのか、理解しづらいと感じる人もいるのではないでしょうか。

まず、経理・労務・総務それぞれの仕事内容について説明します。

経理の主な業務内容について

経理は、「経営管理」の略語で、企業の資金の流れを管理する役割です。日々の収支を記録し、会計業務である仕訳や帳簿を作成し、月次や年次の決算を行います。会社によっては、経理と会計が別々の部署に分かれていることもあります。

経理の業務は多岐にわたり、日々の帳簿作業から、管理会計での高度な分析まで幅広いです。経験や取得した資格によって、担当する業務が異なります。

また、一部の企業では財務という職種があり、会社の資金運用を担当しますが、中小企業では経理担当が、経理・会計・財務の全てを担当することもあります。労務に関連する業務、例えば給与計算や社会保険の手続きを行うこともあります。企業によって、担当する業務は様々です。

労務の主な業務内容について

労務の仕事は、従業員が安心して働ける環境を整えることです。具体的には、勤怠管理や給与計算、さまざまな社会保険手続きなど、従業員の労働管理に関連する業務を担当します。同時に、従業員と会社の調整や仲介の役割もあります。

勤怠管理や給与計算は、従業員の出退勤時間を集計し、給与に反映させるための作業です。欠勤や遅刻などの情報を管理し、従業員のデータを管理します。最近では、デジタル化により業務が簡略化されつつあります。従業員が会社で働く際には、労働法や関連法令を遵守する必要があるので、労務担当者は法律に精通している必要なのです。

また、従業員が安心して働ける環境を整えるため、労働時間や休暇などを設計・管理するのも労務の役割として挙げられます。従業員の離職を防ぎ、高いモチベーションと仕事への意欲を持続させることが求められる重要なポジションです。

総務の主な業務内容について

総務は企業運営に関する広範な業務を担当し、経理や労務とは異なり、特定の役割や仕事内容が明確に定められていない場合もあります。中小企業では、企業の環境整備全般を担当するケースも多いです。

具体的な総務の業務は、電話応対や来客対応などの事務作業から、福利厚生や社内イベントの企画・運営、株主総会や入社式など外部向けイベントの計画・運営、経営者のサポートなど多岐にわたります。衛生管理や防災対策、社内の慶弔事の実施も総務の役割です。

総務部署内のポジションによって担当する業務は異なりますが、株主総会の運営などの役職は、経営企画や経営陣に近いと言えます。総務は企業全体を俯瞰し、必要な環境を整える管理部門の中でも特に重要なポジションです。

経理・労務・総務の兼任は可能か?

中小企業やスタートアップでは、経理・労務・総務を兼務することがあります。これらの職務には共通点がありますが、従業員や会社のデータを扱う側面で重複することも多いです。

経理・労務・総務の業務は連携が必要であり、全体像を把握できる担当者が存在することはメリットとなることもあります。一方で、業務が集中することや複数の仕事を同時にこなすことによる人為的なミスの可能性など、デメリットもあるので注意しましょう。

業務負担の対策としては、ペーパーレス化やRPA(Robotic Process Automation/ルーティンな業務を自動化するシステム)、BI(Business Intelligence/データに基づく意思決定を行うシステム)などを導入し、会社全体のデジタル化を進めることが効果的です。

経理・労務・総務に関連する役立つ資格

経理・労務・総務の職務には資格が必須というわけではありませんが、専門知識や経験が求められる場合もあります。そのため、関連する資格取得を目指して勉強することは有益です。

経理・労務・総務に役立つ資格にはどのようなものがあるでしょうか。以下で解説します。

経理に関連する有益な資格4選

経理の職務には、日々の帳簿や仕訳の記録能力や月次・年次の決算スキルが要求されます。法令への理解も必要なので、資格取得による勉強は日々の業務に役立つでしょう。

①日商簿記検定

日商簿記検定は、多くの経理担当者が保有している日本商工会議所の簿記検定です。1級から3級まであり、3級は基礎的な内容から2級は高度な商業簿記や原価計算までをカバーし、財務諸表の解読方法などが学べます。経理の転職において2級の取得は有利です。1級は経営分析や管理会計を行うための高度な会計知識を含む資格で、税理士や公認会計士などの進路への一歩とされています。

②ビジネス会計検定試験

ビジネス会計検定試験は、大阪商工会議所が実施するもので、ビジネスパーソン向けの会計知識を学べます。

1級から3級までのレベルがあり、3級は財務三表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)の基本的な理解や分析、2級は企業の戦略理解のための分析能力を養い、1級は経営意思決定に役立つ財務諸表の分析や管理会計、企業価値分析までの高度な会計分析能力を身に付けられるようになっています。

③税理士試験

税理士試験は難易度の高い国家資格で、法人や個人事業主の確定申告や税申告を専門業務とし、独立も可能です。試験難度が高く、受験資格には学歴や資格、職歴などの規定があります。受験科目は11科目の中から5つを選択し、「簿記論」「財務諸表論」が必修で、「所得税法」「法人税法」のどちらかを選択する必要があります。

税理士は経験豊富な経理担当者や資格取得に積極的な人々が目指す資格で、取得後は部門の中核となります。

④中小企業診断士

中小企業診断士は、中小企業の経営課題に対処する国家資格で、経済学や財務会計、経営法務などの基礎的な知識が求められる1次試験をクリアし、組織やマーケティング、経営戦略についての2次試験に合格し、実務経験も必要です。

多くのビジネスパーソンが興味を持つ資格ですが、取得の難易度は高いでしょう。経理で得た知識を活かし、中小企業診断士の資格を取得することは、経営やマーケティングを学ぶ上で非常に有益です。

労務に関連する有益な資格2選

労務は、企業全体の労働に係る部分を管理する役割です。従業員に関連する業務を担当するため、人事部門での業務も含まれることがあります。労務担当者が専門的に必要とされるのは、労働三法を含む労働管理に関する法令の理解です。そのため、労働や社会保険に関する資格取得は、労務業務において有益でしょう。

①社会保険労務士

社会保険労務士は、社会保険の申請書作成や手続き代行、労働関連の帳簿作成などを専門的に行う国家資格です。公認会計士や税理士に比べ合格までの期間は短いですが、難易度は高くなっています。

受験資格には学歴要件や資格要件があり、労働基準法などの労働関連法令が出題される試験をクリアする必要があります。社会保険労務士資格を持つことで、企業の法律知識が十分にあり、法令に基づく業務管理や福利厚生、休暇などの計画が可能になります。また、中小企業では労務関連業務を社会保険労務士に委託する場合もあり、独立開業も視野に入れられる資格です。

②キャリアコンサルタント

キャリアコンサルタントは、学生や求職者に対しキャリア形成のアドバイスを提供できる国家資格です。合計140時間の講習を受講し、国家試験に合格するとキャリアコンサルタントとして登録できます。

試験は論述と面接で行われ、面接ではキャリアコンサルティングのロールプレイなどが試されます。企業において、キャリア形成の課題を解決したり、退職後のセカンドキャリアの相談に応じたりするキャリアコンサルタントは重要な存在です。また、自身が退職後には、職業紹介機関や教育訓練機関での活動も可能でしょう。

総務に関連する有益な資格2選

総務の役割は会社全体の運営を担うことです。従業員が安全に業務を行える環境を整えるため、総務担当者にはそれに関する知識が求められます。そのため、安全管理や健康管理に関連する資格は総務に役立つでしょう。

①安全管理者

安全管理者は、元々林業、鉱業、建設業、運送業、清掃業、製造業、電気業、ガス業などの現場に配置される管理者です。

彼らの役割は従業員の作業環境、施設、作業方法に危険がある場合に応急対応や危険防止、安全装置の点検、安全教育や訓練、災害時の原因調査、消防や避難訓練などを担当します。

特定の業種に配置されるだけでなく、業種に定められていない企業でも避難訓練や器具の点検などの業務は総務の担当となるため、安全管理者の資格は非常に有用です。この資格を取得するためには厚生労働大臣が指定する研修を受ける必要があります。

研修内容には法令関連、安全教育、安全管理、リスクアセスメント、労働安全衛生マネジメントシステムなどが含まれます。

②衛生管理者

衛生管理者は労働安全衛生法で定められた国家資格です。50人以上の職場には「衛生管理業務従事者」を配置する必要があり、この資格はそのために必要とされます。

第一種衛生管理責任者と第二種衛生管理責任者の2つの種別があり、第一種はあらゆる業種に対応できます。受験資格は定められていますが、比較的取得しやすい資格です。

50人以上の企業には配置が義務付けられていますので、総務職の方々にとって役立つ資格でしょう。

経理・総務・労務に向いている人の特徴とは

経理・総務・労務に向いている人の特徴は、管理部門内でも異なります。共通点は、会社全体を支えながら「縁の下の力持ち」として活躍することに喜びを見出せることです。それでは、それぞれの分野に向いている人の特徴を見てみましょう。

経理の仕事に向いている人

経理の仕事に向いている人は数字に堪能で、集中力と注意力があり、論理的思考が得意な人です。経理は会社の日々の資金の流れを管理する役割があります。日々の取引記録では、単純ながらもミスなく正確に入力できることが求めらるのです。

さらに、年次の財務会計業務では、財務諸表の作成と分析が必要であり、経営戦略を導くための管理会計も重要でしょう。そのため、分析力や論理的、客観的な視点を持つことが不可欠です。

外部の専門家との折衝も必要になりますので、根気強い交渉力やコミュニケーション能力も求められます。

総務の仕事に向いている人

総務の仕事に適性を持つ人は、会社全体の世話役的な仕事から大きなイベントの運営まで幅広く担当します。人や会社のために尽力することを喜ぶタイプが向いているでしょう。

逆に、個人の成績による評価よりも会社全体のために働くことを好むタイプが向いています。また、安全対策や施設管理などの細かい業務もありますので、常に機転を利かせられる人が優れた総務になるとされています。

労務の仕事に向いている人

労務の適性を持つ人の主な特徴は、精密にデータを取り扱い集中できる能力、従業員全体を考慮できること、そして、法令の解釈や運用に高い興味を持ち理解できる能力です。

特に、労務では労働関連法令の知識が求められます。法律の理解が低いと難しいでしょう。また、すべての従業員に対して公平かつ誠実に対応することが必要なので、個人的な感情や主張を持ち込まない人が適しています。

労務に関連する情勢は社会の動向と共に変化します。労働形態や雇用形態などの基本も法律によって変わりますので、社会の変化に敏感で自己の知識や情報を常に更新できる人が向いているでしょう。

それぞれの仕事の違いを理解し、自身の得意な分野に向けて転職しよう

経理・総務・労務のそれぞれの仕事内容を理解することが重要です。これらの職種は管理部門の代表的なものでありながら、業務内容は異なります。そのため、求められるスキルや業務内容を把握し、適切な準備をすることが求められるでしょう。転職を考える際には、自分の適性を見極めて、適した職種を選ぶことが重要です。

管理部門の求人情報サービスは、経理・総務・労務の多くの求人情報が掲載されています。ここで求められる人材像や条件を参照することで、それぞれの仕事内容や求められる能力を把握することができます。求人情報サービスを活用しながら、管理部門への転職を成功させてください。

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WARCエージェントマガジン編集部

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