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経理初心者は何を勉強すればいい?始め方と有効な学習方法を解説

2023/10/22 更新

「経理の職場で新たにキャリアをスタートさせたが、まだ経理についての理解が浅い」「経理部門に異動してきたが、知識が一切なくて困惑している」「経理の知識を効率よく吸収したいが、どのように学べば良いか分からない」などと悩んでいる経理初心者の方も少なくないかと思います。

この記事では、経理の初心者に向けた学習方法、学習のメリットとデメリット、そして推奨する資格などについて解説します。

経理初心者が学び始めるべき内容は何か?

経理初心者としては、最初に基本的な事項を理解し、全体的な枠組みを捉えることが重要です。

具体的には、

  • 経理の基本的な知識
  • 簿記
  • ソフトウェアの操作方法

を学ぶことが必要です。知識を学びつつ、実務経験を積むことで効果的に様々な事項を学び取ることが可能になります。具体的なルールは実務の中で身に付けていきましょう。

経理の基本理解

「経理」と一言で言っても、会計システムは用途ごとに分けられており、主に財務会計、税務会計、管理会計の3つがあります。

  • 財務会計:財務諸表等、会計情報を社外に公開
  • 税務会計:法人税、所得税、消費税等の税金の計算を行う
  • 管理会計:社内で行われる経営の管理を目的とした会計。経営陣は、管理会計の情報を基に経営上の決断を行う

経理の役割を理解した上で、業務のフローを把握することが重要です。

経理業務のサイクルの一例

経理業務には日々の業務以外にも、1ヶ月または1年単位で、特定の期間に実施すべき処理が決定されています。全ての企業は事業年度を1年と定めており、年度末には決算書を作成します。

ピーク時には残業が必要になることもありますが、基本的には同じ業務を繰り返すルーティンワークとなります。

時間

1日の流れ

9:00

出社

10:00

小口現金を開く

11:00

経費や仮払金の処理

12:00

昼食

13:00

伝票作成

14:00

データ入力・帳簿作成

15:00

現金残高の照合

16:00

普通預金確認・入力メールチェック・ファイリング

17:00

小口現金を閉じる

18:00

退社

時間

1ヶ月の流れ

1日

領収書・請求書の発行

5日

売掛金・買掛金の管理

10日

住民税・源泉所得税の納付

20日

給与計算・取引先への支払い・請求書発行

25日

社会保険料納付給与支払

末日

在庫管理

時間

1年の流れ

4月

決算関係業務

5月

年次決算書作成

6月

株主総会・税務申告・有価証券報告書作成・賞与計算・振込・社会保険の算定基礎届提出

7月

労働保険の更新

11月

中間税務申告

12月

賞与計算・振込

1月

年末調整・給与支払・報告書作成・法定調書の提出・償却資産税申告書提出

3月

実地棚卸・残高確認

細かい部分は実践の中で学んでいくことが可能ですが、各業務内容が何の目的で、どのように遂行されるのかを把握しておくことが重要です。

簿記

簿記とは、日々の経営活動を記録・計算・整理し、経営成果と財務状況を明確にする技能です。経理の学習を始めるなら、簿記を理解することが最短の道です。

大多数の企業は会計ソフトを導入しており、簿記の知識がなくても入力作業は可能です。しかしながら、自分がどういった取引を入力しているのか理解できない状態でいると、経理職としては問題となります。企業の金融を管理する専門的な職業なので、適切な知識を有していることが必要です。

全くの初学者であれば、日商簿記3級から始めることを推奨します。転職やキャリアアップを視野に入れているなら、2級の取得を目指すと良いでしょう。

スプレッドシート・会計ソフトの操作方法

スプレッドシート・会計ソフトは経理業務において必要不可欠です。スプレッドシートは数値の集計・分析に利用されるソフトで、経理業務では資料作成にもよく用いられ、必須のソフトと言えます。会計ソフトは会計業務を効率化するソフトで、仕訳の入力だけでなく、総勘定元帳、貸借対照表、損益計算書、決算書等の作成・出力が可能です。

使用する会計ソフトは企業によって異なりますが、基本操作はそれほど違いはありません。無料の試用版を提供しているソフトもあるので、どの会計ソフトが使用されているかを確認し、先行して練習してみると良いでしょう。

経理学習の方法

経理の学習はなるべく効率的に実施したいところです。学習法として以下の手段があります。

  • 本で学ぶ
  • オンラインで学習する
  • 専門学校に通学する
  • 資格試験を受ける

本で学ぶ

書店を訪れると、会計や簿記に関するセクションがあり、参考書や問題集が並んでいます。図やイラストが含まれた分かりやすいテキストも多く、一冊を選んで何度も読むことで知識を深めることが可能です。自分の好きなペースで学習を進めたい、自分のリズムを乱されたくない、本を読むことが好き、手頃な価格で知識を得たいといった方には最適です。

利点としては、自分の都合のいい時間に学習できることや、1、2冊の本を購入するだけで比較的安価に学べることです。さらに節約したいなら、図書館で本を借りるのも一考に値します。

一方、欠点としては、時間がかかり過ぎて知識が定着しにくいことや、あまりにも費用が低いために、やる気が続かない可能性があるということが挙げられます。

オンラインで学習する

最近では、オンラインでの家庭教師サービスが増えてきました。Zoomなどを利用して一対一の指導が可能で、簿記を教える教師も多数登録されています。自分に適した教師を選び、期間を設定して学習を進めることができますので、自分でスケジュールを組み立てて効率よく学びたい方に適しています。また、YouTubeなどの動画配信サイトでは、簿記の授業を見ることもできます。

自宅でレクチャーを受けることができ、通学時間を節約できるのが最大の利点です。さらに、一対一の指導なので、質問を気軽にすることができること、専門学校の授業よりも費用を抑えられることもメリットとして考えられます。ただ、講師が主に個人で営業しているため、講師の質が一定ではなく、当たりはずれがあることが欠点と言えるでしょう。

専門のスクールに通う

専門のスクールは、教材だけでなく専門の講師から直接指導を受けられるため、より深い知識を得ることが可能です。また、質問や相談がすぐにできる環境が整っているのも大きなメリットです。

しかし、スクールに通うための時間と費用が必要となります。自分のライフスタイルや学習習慣、学習目的によっては、この手段が最適かどうか考える必要があります。

資格試験に挑戦する

経理の知識を身につけるためには、資格試験の勉強を通じてシステマティックに学ぶ方法もあります。資格を取得すれば、自分のスキルを証明することができ、キャリアアップにもつながります。

特に、経理初心者の場合、日商簿記3級から始めることをおすすめします。キャリアアップを目指す場合は、2級の取得を検討するのも良いでしょう。

自学習により取得可能な推奨される資格

経理の職に就くにあたって、資格が絶対的な要件であるわけではありません。経験がない場合や資格を持っていない場合でも、経理の仕事を始めることは可能です。しかし、資格があると、就職や転職の際に評価を得やすくなります。経理の初学者にとって、自己学習を通じて取得可能な推奨資格は以下のようになります。

  • 日商簿記検定3級
  • ビジネス会計検定3級
  • 経理事務パスポート検定(PASS検定)
  • マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)

日商簿記検定3級

簿記の認定試験は数多く存在しますが、その中でも認知度が高く、年間60万人以上が挑戦しているのが、日本商工会議所の簿記検定です。1級から3級までと、初級の4つのレベルがあり、年に2回挑戦できます。

自学習で資格取得を目指す場合、日本商工会議所の簿記検定3級が推奨されます。おおよそ100時間の学習で資格を獲得できます。これは簿記の基礎的な知識を身につけていることを証明する資格で、合格率は年によりますが40〜50%程度となっています。取得期間が短いため、経理の職に新たに就いた人や、経理の仕事に興味を持つ学生に特に推奨されます。

資格名

日商簿記検定 3級

受験料

2,850円

難易度

比較的易しい

公式HP

https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/class3

ビジネス会計検定3級

ビジネス会計検定は、大阪商工会議所が主催する認定資格で、この試験は財務諸表の理解と分析能力を問います。重要視するのは、財務諸表が示すデータを解釈し、ビジネスに適用できる能力です。1級から3級までのレベルがあり、年に2回挑戦することができます。合格率は毎年60~70%と比較的高い水準にあります。自学でチャレンジを考えている初心者の方には、3級が適しています。

資格名

ビジネス会計検定3級

受験料

11,500円

難易度

易しい

公式HP

https://www.b-accounting.jp/about/

経理事務パスポート検定(PASS検定)

PASS検定は、経理事務スタッフが必要とする特定の知識領域を試験するもので、人材紹介や派遣業界で一般的に使用される3段階の実務レベルをカバーしています。1級から3級までのランクがあり、3級は事務スタッフが持つべき態度や日々の経費処理業務などが試験範囲となります。

学習から試験まで全てをeラーニングで進めることができるため、自分のペースで学習することが可能です。経理の初学者が独力で学び始める際に、非常におすすめの資格です。

資格名

経理事務パスポート検定

受講料

eラーニング受講料(受験料含)1,650円、受験料のみ1,100円

難易度

易しい

公式HP

https://www.cfo.jp/pass/

マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)

MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)試験は、毎月1〜2回行われるパソコン操作の実技テストです。マイクロソフトのOffice製品、たとえばWordやExcelなどの操作能力を認証する試験で、スペシャリストとエキスパートの二つのレベルが存在します。合格率はスペシャリストが約80%、エキスパートが約60%となっています。

就職や転職時にパソコンスキルを証明できることから、この資格は有用です。自己学習で取得を目指す場合、WordとExcelのスペシャリストが特に推奨されます。

資格名

MOS試験 スペシャリスト

受験料

10,780円

難易度

易しい

公式HP

https://mos.odyssey-com.co.jp/index.html

経理の経験を重ねて、さらなるキャリアアップを

経理での実務経験を重ねることで、転職においてもキャリアアップが見込めるでしょう。経理初心者にとって、簿記や会計ソフトの学習はその分だけ現場での仕事に直結するので、さまざまな学習に取り組んでみることをおすすめします。

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株式会社WARC

WARCエージェントマガジン編集部

「人材紹介の『負』の解消を目指す、新しい転職エージェント」をビジョンに、ハイクラス人材紹介事業を展開しているWARC AGENT。WARCエージェントマガジン編集部は、このビジョンを支えるために、転職者に役立つ情報を執筆し、個々のキャリア形成をサポートしていきます。