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経理
2024/06/27 更新

経理と会計の違いとは?初心者にもわかりやすく解説

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企業の管理部門の中で、経理と会計は財務・経営分野の中核的な業務を担当しています。しかし、経理と会計は混同されることも多く「違いが理解しにくい」と感じる方も多いのではないでしょうか。

そこで、この記事では双方の仕事の具体的な違いや内容を初心者にもわかりやすく解説します。また、会計・経理部門での転職を考える方にとって有益な資格の種類や適性についても補足するので、ぜひ参考にしてください。

経理の業務内容と具体例

経理とは「経営管理」の略で、主に会社の日々の資金の流れを管理する業務です。ここからは、経理の業務内容と具体例について解説します。

現預金の入出金管理の重要性

経理の業務には現預金の入出金管理が含まれます。

これは、日々の売り上げや仕入れの履歴、経費の精算、入金の確認など、会社の現預金の流れを管理することです。現預金とは、現金と預金を指し、現金は社内に保管されている現金を、預金は金融機関に預け入れされている普通預金、当座預金、定期預金などを指します。

正確な入出金管理は、収支状況を把握し、会社の利益拡大に貢献するため重要です。

伝票・帳簿の記帳方法とその役割

入出金の状況を記録するためには、仕訳伝票の作成や帳簿への記入が必要です。

仕訳伝票は「入金伝票」「出金伝票」「仕入伝票」「売上伝票」「振替伝票」の5種類があり、請求書や領収書、注文書などの取引を証明する資料を基に起票します。

帳簿には、日々発生するすべての取引の日付、目的、金額を記録し、最終的には損益計算書や貸借対照表などの決算書にまとめます。

伝票・帳簿の記帳は、会社の経営状況を正確に記録し、確定申告などの重要な作業にも貢献します。

月次・年次決算業務の詳細

月次決算は、1か月単位で行う決算業務のことで、法律で義務付けられているわけではありませんが、会社の判断で導入されます。月末の収支状況の確認、従業員の給与計算、取引先への買掛金の支払いなどが含まれます。

一方、年次決算は1年間の売上実績をまとめた「損益計算書」と「貸借対照表」を作成し、提示株主総会などで情報提供を行います。年次決算の具体的な流れは、年間の売上、利益、経費を計算して決算書を作成します。これは納税申告や決算書の公表など、企業の信頼性を確保するために不可欠です。

会計の業務内容と具体例

会計は、経理で記録された日々の資金の流れに基づき、会社全体の収支や財政状況を理解、記録、管理し、財務諸表を作成する業務です。ここからは会計の業務内容と具体例について解説します。

財務会計の役割と外部報告の重要性

財務会計とは、事業活動の成果を社外の利害関係者である投資家や銀行、取引先、株主などに公表するための会計手続きです。

具体的には、経理業務で記録された情報をもとに決算報告書を作成し、外部に開示します。財務会計の開示により、外部の利害関係者は企業の経営状況や資金の流れを把握できます。開示された情報をもとに、株主が株式を売却するか保有するかを検討したり、投資家が投資を検討したり、または金融機関が融資の可否を判断したりします。

管理会計の目的と内部活用方法

管理会計は、自社の経営陣が自社の経営状態を把握し、意思決定に役立てることを目的とした会計です。管理会計は法律による制限などはないため、各企業が任意で行い、外部に公表することはありません。

報告内容には特定の基準がなく、企業ごとに異なる指標や時期があります。経営陣は管理会計の内容をもとに、経営方針や経営改善の施策、新規事業の意思決定の材料として活用します。

経理と会計が向いている人の特徴とは?

経理と会計の仕事は毎日数字を扱い、会社の決算報告などに必要な書類を作成します。正確さや責任感、コミュニケーション力も求められます。ここでは、経理と会計が向いている人の特徴について紹介します。

数字や計算が好きな人

経理や会計の仕事は、数字や計算が好きな人に向いています。毎日細かな数字や多くの桁数を扱うため、数字や計算に苦手意識があるとストレスを感じやすくなります。経理や会計は正確に数字を管理・記録し、的確に数字を分析する能力が求められます。

収支や給与に関わる計算が好きな人や、計算が早い人は経理や会計に適しています。

協調性がある人

経理や会計の仕事は、業務上で社内外の利害関係者とコミュニケーションをとる機会が多いため、協調性も求められます。経理や会計の内容を経営陣や株主に報告したり、財務状況の改善点について意見を求められることもあります。また、経費精算や取引先とのやり取りなど、他部署や関係者との連携が必要です。そのため、相手の話をきちんと聞き、理解・対応するコミュニケーション能力が必須です。

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経理・会計に役立つおすすめ資格とは?

経理や会計の業務を進める上で、スキル向上や転職時に役立つ資格があります。ここでは、経理・会計に役立つおすすめ資格を紹介します。目標や試験のスケジュール、内容を個々の状況に合わせて考慮した上で、資格取得を目指してみましょう。

1.日商簿記

日本商工会議所が主催する資格試験で、取引内容を整理して帳簿に記入する簿記に関する能力を測定・証明する資格です。

正式名称は「日商簿記検定試験」で、1級・2級・3級・簿記初級・原価計算初級の5種類があります。

1〜3級を取得するメリットは以下の通りです。

  • 1級:商業簿記や会計学、原価計算などを大学で学ぶレベルのため、大企業の経営層や経営分析などに活用できます。また、税理士試験の受験資格も得られます。
  • 2級:初歩的な原価計算をはじめ、高校で学習するレベルの商業簿記・工業簿記など、最も企業に求められる資格としても知られています。
  • 3級: 基本的な商業簿記の技術を習得し、経理関連書類を適切に処理できます。

資格名

日商簿記

試験形式

記述式

試験日程

3級・2級:年3回(2月、6月、11月)

     ネット・団体試験は随時

1級:年2回(6月、11月)

試験時間

3級:60分、2級:90分、1級:180分

受講料

3級:2,850円、2級:4,720円、1級:8,800円

合格率

級によって異なる

公式HP

https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping

参考: 日本商工会議所

2.給与計算検定

給与計算検定は、内閣府認可の一般財団法人職業技能振興会認定が主催する検定で、給与計算や社会保険手続きなどの知識や実務能力を評価する資格です。

正式名称は「給与計算実務能力検定®」で、1級・2級の2種類があり、給与計算に関する唯一の資格です。

この検定には1級と2級があり出題範囲と会計・経理に活かせる内容は以下の通りです。

  • 1級:労働法令や税務について正確な理解を有し、年末調整を含む年間を通じた給与計算に関する全ての業務に熟知できます。
  • 2級:基本的な給与や賞与計算、明細書の作成が可能です。

資格名

給与計算実務能力検定®

試験形式

2級:マーク式、1級:マーク・記述式

試験日程

2級:年2回(3月、11月)

1級:年1回(11月)

試験時間

120分

受講料

2級:8,000円、1級:10,000円

合格率

級によって異なる

公式HP

https://jitsumu-up.jp

参考:一般財団法人実務能力開発支援協会

3.ビジネス会計検定

ビジネス会計検定は、大阪商工会議所などが主催する検定で、財務諸表の分析スキルを問う資格で、経理に加えビジネス全般に活用しやすい知識を得ることができます。

この検定には1〜3級があり、試験内容は以下の通りです。

  • 1級:財務諸表の情報から企業を評価し、企業の成長性や経営戦略などを理解できます。
  • 2級:財務諸表を分析する能力を身につけられます。
  • 3級:財務諸表の内容を理解する基本的な知識を身につけられます。

資格名

ビジネス会計検定®

試験形式

選択・記述式

試験日程

3級・2級:年2回(3月、10月)

1級:年1回(3月)

試験時間

3・2級:120分、1級:150分

受講料

3級:4,950円、2級:7,480円、1級:11,550円

合格率

級によって異なる

公式HP

https://www.b-accounting.jp/about/

参考:ビジネス会計検定試験

経理・会計の違いを理解して自分に合った転職を目指そう

企業の管理部門の中で、混同されやすい経理と会計ですが、仕事内容は異なるため、違いを理解することが重要です。いずれも数字や計算が好きな人には向いていると言えます。さらに、転職を考える人は、スキルを証明するうえでも経理・会計に役立つ資格を取得しておくことがおすすめです。

経理・会計に転職を考える人には、転職エージェントの活用が有効です。経理や会計の転職に関する実績を多く持つ「WARCエージェント」を活用し、自分に合った転職先を見つけましょう。

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株式会社WARC

WARCエージェントマガジン編集部

「人材紹介の『負』の解消を目指す、新しい転職エージェント」をビジョンに、ハイクラス人材紹介事業を展開しているWARC AGENT。WARCエージェントマガジン編集部は、このビジョンを支えるために、転職者に役立つ情報を執筆し、個々のキャリア形成をサポートしていきます。

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