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経理
2024/10/22 更新

40代から経理職への転職成功の道|重要なポイントと必要なスキル

経理部門への転職を考えるときには、不安や悩みがたくさんあります。特に40代では、20代や30代とは違って、実務経験があるだけでは転職が難しくなります。

この記事では、40代で経理職に転職するために必要な資格や、他の求職者と差をつける方法、そして経理以外のスキルについて詳しく説明します。

経理の業務内容とは?

経理の業務内容について説明します。具体的な業務内容を把握することは、転職活動を進める上で非常に重要です。

日常業務

経理の日常業務は、会社の日々のお金のやり取りに関わる仕事です。具体的には、現金や預金の出納管理、経費の計算や処理、伝票の作成や整理などが含まれます。日常業務が正確に行われることは、月次業務や年次業務にも影響します。

経理の具体的な日常業務

  • 現金や預貯金の出納管理
  • 社員が立て替えた経費の計算や精算
  • 仕訳伝票の作成と整理
  • 入金の確認
  • さまざまな支払いの処理

数字の確認や情報を入力し、把握する能力やスキルが求められます。

月次業務

月次業務では、取引先との請求や支払いに関わる出入金を確認し、社員の給与計算も大切な仕事です。月末には収入と支出を確認して、残高の照らし合わせも行います。台帳の管理や記入も必要ですので、給与支払日の前後は忙しくなります。

経理の具体的な月次業務

  • 社員の給与計算と支払い
  • 社員の源泉所得税、住民税、雇用保険、社会保険などの計算と支払い
  • 取引先からの売掛金の入金確認と債権の調整
  • 取引先への買掛金の支払い
  • 請求書や領収書の作成・発行

取引先とのお金の出入りを確認する際には、事業部門や営業部門と連携する必要があります。情報をスムーズに確認するためには、聞き取りやコミュニケーションのスキルも重要です。

年次業務

年次業務では、主に決算書の作成が大切な業務です。1年間の企業の活動をもとに、売上、利益、経費を計算し、バランスシートをまとめます。納税申告も重要な業務です。一部の企業では四半期ごとに決算を行うことがありますので、同様の業務が発生します。

経理の具体的な年次業務

  • 決算書の作成
  • 所得税や消費税の申告と納税
  • 社員の年末調整

決算業務は、企業の信頼を証明する重要な業務なので、ミスは許されません。正確さや疑問点を徹底的に追究する能力が求められます。

その他の会計や保険に関連する業務

経理の業務では、ほかにも会計や保険に関わる業務が発生します。社会保険の支払いは福利厚生において重要であり、給与支払いと同時に行われます。また、取引先の金融機関との良好な関係維持も経理部門の大切な役割です。

  • 社会保険や雇用保険などの申告と支払い
  • 賞与の計算
  • 取引先の金融機関とのやりとり
  • 予算案の策定

なぜ40代の間で経理が人気なのか

経理が人気なのは、安定性やキャリアの構築、柔軟な働き方ができることが挙げられます。安定した職業でありながらワークライフバランスの維持が可能というのが、経理が40代で人気な理由といえるでしょう。

安定性があり比較的転職がしやすい

経理が人気なのは、営業や企画などの総合職に比べ、専門性が高く個人で経験やスキルを蓄積することができるからです。

営業や企画の場合、会社の商品やサービス分野に特化する傾向がありますが、経理の経験を積むと、どの企業の経理でも通用します。経理業務は基本的にどの企業でも必要であり、内容もほぼ同じです。転職やキャリアアップの際に、専門的なスキルと経験を持っていることは有利です。

ワークライフバランスを維持しやすい

経理は、月末や年度末などの忙しい時期には残業が増えることがありますが、業務量が明確に定まっているルーティンワークです。日次、月次、年次といった業務内容が決まっているので、部署内で作業の分担を決めることで無理な残業を避けることができます。

また、営業や企画などの職種と比べて、クライアントや取引先の都合で、急な業務の追加やスケジュールの変更が起こることも少ないです。

比較的余裕のある時期には休暇を取りやすいです。経理の仕事は、プライベートな時間を大切にしながら働くことができる魅力があります。

40代経理職の平均年収

40代で経理職に転職する際に、気になるのが年収です。具体的な数字を知るために、「令和3年賃金構造基本統計調査(※1)」という統計データを利用します。従業員数が10人以上の企業における経理職である「会計事務従事者」の収入に基づいています。平均年収は以下のとおりです。

年齢

給与額

賞与

年収

20〜24歳

21万2,700円

40万6,800円

295万9,200円

25〜29歳

24万9,700円

72万3,200円

371万9,600円

30〜34歳

28万7,400円

86万3,600円

431万2,400円

35〜39歳

31万9,100円

107万9,100円

490万8,300円

40〜44歳

32万400円

103万8,600円

488万3,400円

45〜49歳

33万6,000円

102万2,000円

505万4,000円

50〜54歳

33万8,800円

107万8,700円

514万4,300円

55〜59歳

34万1,700円

100万6,000円

510万6,400円

60〜64歳

27万5,800円

61万7,300円

392万6,900円

65〜69歳

25万0,400円

39万6,000円

344万900円

給与額については、「きまって支給する現金給与額」という項目を参照、基本給にさまざまな手当や所定の残業代が含まれています。この統計で平均値を算出する際に、管理職の給与は含まれていません。

(※1)参考:e-Stat「令和3年賃金構造基本統計調査」

40代経理職への転職に重視されるポイントは3つ

40代経理へ転職する難易度は高めです。求人数が制限されているため、選択肢は限られていますし、経験が重視されるため、これまでの実務経験が求められます。

経理の実務経験の有無

経理の求人は通常、即戦力としての能力を求められます。ほとんどの場合、経験者であることや実務経験◯年以上と指定されることが多いです。

40代の場合、経理業務だけでなく将来的には管理職になる人材が求められます。幅広い知識、実務経験がある人と、ポスト争いをすることになります。

経理未経験の場合でも、前職でのプロジェクト管理経験やチーム運営経験を強調することが有効です。達成能力や責任感を客観的に評価できる経験がある場合は、それをアピールするといいでしょう。

簿記2級以上の資格の有無

経理は専門職であり、転職時には知識と実務能力が重視されます。客観的な基準として、日商簿記2級以上を取得していることです。20代の場合、企業が育成するスタートラインは3級の取得からが一般的ですが、40代の即戦力を求める求人では2級以上の取得が必要です。日商簿記2級の資格は、企業の経理業務に必要な知識を持っていることを証明します。資格があれば、採用のスタートラインに並ぶことができるのです。

未経験の場合でも、難問である簿記2級を取得していれば、経理・財務への情熱と努力が証明されていることを意味します。

マネジメントに関する経験の有無

40代での転職では、経理の実務経験だけでなく、マネジメントの経験も重視されます。経理スタッフとしての経験だけでなく、プロジェクトリーダーやチームリーダーとして担当した案件や管理職の経験があると、有利です。

経理未経験の場合でも、プロジェクトの進行管理や企画マネジメント、予算管理などの経験があればアピールできます。マネジメントだけでなく、勤怠管理やチームの業務管理、予算管理など、経理業務に近い実務経験も有効です。

40代経理転職の成功に向けたアピールポイント

40代の経理転職は、管理職を目指す経験豊富な人材が重宝されます。経理の経験だけでなく、資格の取得や会計ソフトやパソコンスキル、さまざまなビジネス経験も求められます。

経理の業務に役立つ資格を取得しているか

40代での経理転職では、実務経験だけでなく、幅広い業務知識も求められます。能力を客観的に評価するために、関連する資格を取得していることは、求人への応募に有利に働きます。

資格例1:簿記検定(2級以上)

日商簿記2級は、高度な商業簿記や工業簿記(原価計算を含む)などが出題され、財務諸表の数字から財務状況を把握する広い知識が求められます。日本商工会議所は、この資格の水準を「企業活動や会計実務において、適切な処理や分析を行うために必要なレベル」と定義しています。

経理の実務経験がない場合、日商簿記2級は最低限取得すべき資格です。合格率も約26%と難しい資格ですが、経理の実務経験がなくても2級を取得するための努力は評価され、経理の実務に適性があることが認められます。

資格例2:FASS検定

FASS検定は、経理・財務の実務能力を評価する国内唯一の検定試験です。経済産業省が開発した「経理財務サービス・スキルスタンダード」をもとに実施されます。

実務スキルをA〜Eの5段階で評価します。受験者の実用的なスキルを客観的に把握することができます。資産、決算、税務、資金の4つの分野から問題が出題され、検定を受けることで自身の得意な分野や不得意な分野が診断されます。実務レベルに応じた評価方法により、経験を積むほど高いスコアを獲得できます。

経理部門で働いている人だけでなく、将来的に経理部門で働きたいと考えている人にとっても、実務能力をアピールすることができ有利です。

資格例3:給与計算実技能力検定

経理の月次業務で重要な給与計算に関する、知識と実務能力を評価するものです。2級では、労務コンプライアンスの理解、基本的な給与計算、給与明細の作成ができるレベルです。1級では、労働法令と税務に対する理解、制度やイレギュラーな給与体系への対応、年末調整、社会保険、税務手続きなどの実務も対象となります。1級を取得すれば、給与計算の管理業務を担当することができます。

40代での転職では、管理職への起用も視野に入れて採用されることが多いため、1級の取得は有利に働くでしょう。

会計ソフトの使用経験やパソコンスキル

経理業務において、会計ソフトの使用やパソコンの基本的なスキルも重要です。現在の経理業務では、パソコンスキルは必須となっています。会計ソフトは企業によって異なる場合もありますが、基本機能やデータ入力、分析方法については、いずれかのソフトで精通しておくことが望ましいです。環境が変わっても、基礎知識があればスムーズに対応できます。

また、パソコンスキルとしては、ExcelやAccessなどの基本的なソフトの使い方を習得しておく必要があります。自分のスキルを客観的に証明できる方法としては、Microsoft Office Specialist(MOS)などの公認資格を取得することも有効です。

企業の成長期に携わった経験やIPOの経験

40代の経理採用では、単に業務経験だけでなく、企業内でのさまざまな経験が求められます。特に、スタートアップ企業で資金調達、IPOに関わった経験は高く評価されるでしょう。成長期には、取引の拡大や社員数の増加などの変化があります。また、決算書や台帳などの資料を作成し、ステークホルダーに説明することも盛んです。

ルーティンワークが多い場合もありますが、イレギュラーな事案に関わった経験は、活気を生み出し改善に繋がることがあります。企業は、そのような経験を持つ人材を期待しています。

ポイントを活かして40代経理転職を成功させよう

40代での経理転職は、経験者でもマネジメント経験などが評価されるため、難易度が高くなります。必要な資格や経験などを効果的にアピールすることが重要です。

未経験からチャレンジする場合は、必要な資格を取得し、実務の勉強に専念しながら、マネジメント経験やその内容を職務経歴としてアピールする戦略を持ちましょう。

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WARCエージェントマガジン編集部

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