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情報システム
2025/06/17 更新

情報セキュリティの仕事とは?主な職種・仕事内容・キャリアパスを徹底解説

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「情報セキュリティの仕事は、どのようなことをするんだろう?未経験でも目指せるのかな?」ネットやシステムに関わる仕事が増えるなか、情報セキュリティ分野の注目度は高まっています。しかし、仕事内容や求められるスキル、キャリアパスについては、意外に知られていません。

そこでこの記事では、情報セキュリティ分野の主要な職種とその業務内容、求められるスキル、未経験からのステップアップ方法まで網羅的に解説します。これからITやセキュリティ業界を目指す方にとって、最初の一歩となる情報が満載です。ぜひ最後までご覧ください。

▼情報セキュリティとは

情報セキュリティとは?基礎知識とリスク・対策を徹底解説

情報セキュリティの仕事とは

情報セキュリティの仕事とは、企業や組織が保有する「情報資産」を守ることが主な目的です。ネットワークやシステムへの不正アクセス、情報漏洩、サイバー攻撃などのリスクに対し、さまざまな職種が連携して対応にあたります。

以下で、情報セキュリティ業務の全体像や、職種別の役割をみていきましょう。

情報セキュリティの仕事の全体像

情報セキュリティの仕事は、組織のシステムやデータをサイバー攻撃や不正アクセスから守ることです。重要な社内データや顧客情報が外部に流出しないよう、技術的・人的・組織的な側面から対策を講じることが求められます。

サーバーの設定ミスや社員の操作ミスが原因で情報漏洩が起きるケースも少なくありません。こうしたリスクを未然に防ぐためには、技術者だけでなく、マネジメントや教育に関わる人材の協力も不可欠です。

また、情報セキュリティ業務には、インシデント(セキュリティ上の問題)が発生した際の対応だけでなく、その予防やルール整備、社内啓発活動まで含まれます。

つまり、情報セキュリティは単なる技術職ではなく、組織全体を守る「防衛体制の中核」となる重要な仕事です。

主な職種と役割一覧

情報セキュリティの現場では、多様な専門職がそれぞれの強みを活かして役割を担っています。代表的な職種とその主な役割は以下のとおりです。

セキュリティエンジニア

ネットワークやシステムの脆弱性診断、セキュリティ製品の設計・導入を担当。攻撃を未然に防ぐ仕組み作りが中心。

セキュリティアナリスト/SOCアナリスト

システムのログを常時監視し、サイバー攻撃の兆候をいち早く察知。異常を発見した場合の初動対応も担う。

セキュリティコンサルタント

顧客企業に対してセキュリティ戦略を提案。リスク評価や方針策定、従業員向けの研修支援など幅広くサポート。

システム管理者・IT運用管理者

日々のシステム稼働状況を管理し、セキュリティパッチの適用や障害対応を行う。

セキュリティアーキテクト

組織全体のセキュリティ設計を監修。個々の技術をつなげて、持続可能かつ強固な防御体制を構築。

これらの職種は、単独で動くことはなく、互いに情報を共有しながらチームでセキュリティ体制を築きます。それぞれの得意分野を活かした連携が、高度化するサイバーリスクへの対抗策となっているのです。

代表的な情報セキュリティ関連職種と仕事内容

情報セキュリティの仕事には、現場対応から戦略立案まで幅広い業務があります。ここでは代表的な職種ごとの仕事内容を具体的にみていきましょう。

セキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアは「攻撃を未然に防ぐ専門家」です。ネットワークやシステムの脆弱性を洗い出し、対策を講じる役割を担います。

具体的には、WebアプリケーションやOS、ネットワーク機器に対する脆弱性診断、ファイアウォールやIPS(侵入防止システム)などの導入・運用を行います。また、ゼロデイ攻撃(未知の脆弱性を突く攻撃)への備えや、インシデントが発生した際の再発防止策立案も重要な業務です。

攻撃者の視点を持ちながら、常に新しい技術に対応する柔軟さも求められるポジションです。

セキュリティアナリスト/SOCアナリスト

情報セキュリティの「最前線」で異常を検知し、迅速な対応を行うのがセキュリティアナリストです。

役割としては、ログデータや通信状況を解析し、不審なアクセスやマルウェアの兆候を発見することが中心です。異常を検出したら即座に対応し、被害の拡大を防ぎます。また、攻撃の手法や経路の分析を通じて、今後の対策に活かすレポート作成も重要です。

セキュリティ業務の中でも緊張感が高い一方、迅速な対応によって被害を最小限に抑えるやりがいのある仕事だといえるでしょう。

セキュリティコンサルタント

セキュリティコンサルタントは、企業の「防御力を高める指南役」です。現場での対応というより、経営層や各部署との対話を通じて、セキュリティ対策の方針を立てる役割があります。

具体的には、リスクアセスメント(どんな脅威があるかの評価)を行い、それに基づいてセキュリティポリシーやルールの策定を支援します。また、社員へのセキュリティ教育や訓練の実施も重要な業務です。

社内にセキュリティの意識を根付かせることがミッションであり、ITスキルと同時に高いコミュニケーション能力が求められます。

システム管理者・IT運用管理者

システム管理者は「日々の運用とセキュリティの維持」が主な役割です。ネットワーク機器やサーバー、クラウド環境などの稼働状況を管理し、トラブルが起きないよう事前に整備を行います

たとえば、OSやアプリケーションのセキュリティアップデートを定期的に行い、既知の脆弱性から守ることも重要です。加えて、ユーザーのアクセス権限管理や、異常検知システムの設定なども含まれます。

技術的な知識に加え、運用の安定性を重視した慎重な判断が求められる職種です。

セキュリティアーキテクト

セキュリティアーキテクトは組織全体のセキュリティ設計や方針策定、システム構築の監修などを行います。全社的な視点で情報資産をどう守るか、その全体像を描くのが仕事です。

クラウド化が進む現代では、複雑なネットワーク構成やリモートワーク対応といった課題に応じたセキュリティ設計が必要になります。セキュリティ製品の選定から導入計画、他部署との連携ルール設計までを統括します。

各セキュリティ職種の業務がうまく機能するように、戦略的な視点で全体を調整・設計できる高度な専門性が求められるポジションです。

情報セキュリティの仕事に求められるスキル

情報セキュリティ分野では、高度なIT知識だけでなく、チームで連携する力や常に変化する脅威に対応する柔軟さも必要です。以下で求められるスキルについて具体的に紹介します。

技術的スキル

セキュリティ職において技術力は「土台」となるスキルです。ネットワーク、サーバー、OSの基本構造や通信プロトコルを理解していなければ、脆弱性の把握や攻撃検知ができません。

たとえば、TCP/IPの仕組みや、Linuxのコマンド操作、ファイアウォールの設定知識などは基本です。また、暗号化技術(SSL/TLS)やマルウェア解析の知識があれば、より高度な対策が可能になります。

マネジメント・コミュニケーション力

セキュリティは技術だけでは守れません。関係部署との連携やルールの徹底、社内教育を通じて組織全体の意識を高める必要があります。

このため、リスク評価の説明や、プロジェクト推進における調整役としての力が問われます。また、非エンジニア層にわかりやすく説明するプレゼン力や、教育研修の講師経験も大いに活かされます。

たとえば、セキュリティポリシーを社内に浸透させるには「なぜそれが必要なのか」を論理的に伝える力が不可欠です。技術職であっても、マネジメント力はキャリアを広げる武器になります。

最新トレンドへの対応力

情報セキュリティは進化のスピードが非常に速く、昨日までの常識が通用しない場面もあるでしょう。近年は、AIを活用した攻撃やクラウド環境へのシフト、ゼロトラスト(すべての通信を疑うセキュリティモデル)といった新潮流が注目されています。

こうした動向をキャッチアップし、実務に反映する力がなければ、最新の脅威に対抗できません。定期的な勉強会参加、ニュースチェック、資格更新などを通じた学習姿勢が重要です。

未経験から情報セキュリティ分野で働くには

情報セキュリティの仕事は専門的なイメージが強いですが、実は未経験からでも挑戦可能なフィールドです。ここでは、ゼロからセキュリティ職を目指すための現実的なステップについて、具体的に解説します。

必要な資格や学習方法

未経験者にとって資格取得はスキルや知識があることを示す信頼材料になります。とくに国家試験である「情報セキュリティマネジメント試験」は、入門者向けながら実務に直結する内容で人気です。

さらに、IT全般の基礎知識を証明できる「基本情報技術者試験」や、グローバルで通用する「CompTIA Security+」もおすすめです。

資格取得に向けた学習では、次のような進め方が効果的です。

  • 基本用語や技術を動画や本で理解する

  • 過去問を繰り返し解いて出題傾向を把握する

  • 自分の生活スタイルに合わせて学習スケジュールを組む

情報セキュリティの資格は数多くあります。自分にあった資格や学習法を選ぶことが重要です。


▼情報セキュリティの資格について詳しくはこちら

情報セキュリティ資格17選|種類・難易度・取得メリットをわかりやすく紹介

キャリアパスと成長ステップ

情報セキュリティ分野では、段階的にステップアップできる明確なキャリアパスがあります。最初は「運用監視」や「ヘルプデスク」など、システムの安定稼働を支えるポジションからスタートするケースが一般的です。

実務経験を積むことで、ログ解析やインシデント対応などより専門的な業務を任されるようになります。やがては、コンサルタントやセキュリティ設計を担うアーキテクト職に進む道も開かれるでしょう。例として、以下のような成長ステップが描けます。

ステージ

主な職種・内容

初級

監視オペレーター、ヘルプデスク

中級

セキュリティアナリスト、エンジニア

上級

コンサルタント、セキュリティアーキテクト

実績とスキルが伴えば、年収アップやリモート勤務、上流工程への移行も可能です。

未経験者向け求人や転職のポイント

未経験からセキュリティ職を目指す際は、「育成型求人」や「教育制度の充実した企業」を狙うことが成功のカギです。とくに、セキュリティ専任ではなく「情シス+セキュリティ対応」など複合的な職種では、実務を学びながら徐々に専門性を高めることができます。

求人探しでは、以下のポイントに注目しましょう。

  • OJT(現場研修)やeラーニング制度の有無

  • 入社後の資格取得支援制度の有無

  • セキュリティチームの規模や成長余地

転職エージェントを活用すると、こうした企業の内部情報も把握しやすく、ミスマッチを防ぎやすくなります。

情報セキュリティ分野の仕事のやりがいと将来性

情報セキュリティは、大きな責任とやりがいを感じられるほか、将来的にも需要が高まる分野として注目されています。ここでは、仕事の意義や魅力、そしてキャリアの可能性を具体的にみていきましょう。

社会的意義とやりがい

情報セキュリティの仕事は「社会の安全を守る使命感」に満ちています。金融機関や病院、行政機関などの情報システムは、いまや日常生活に不可欠です。こうした重要な基盤を守ることが、セキュリティの役割です。

たとえば、サイバー攻撃を未然に防いだことで顧客データを守れた、という結果は、直接的に社会の信頼を守ったことになります。このように、自らの仕事が世の中に貢献していると実感できる点が、モチベーションの源になります。

また、攻撃手法の変化に対応する過程で、毎日が学びと成長の連続となるため、「飽きない仕事」としての魅力もあるでしょう。

キャリアアップ・年収の可能性

情報セキュリティ分野では、スキルを高めることで大幅な年収アップや職域拡大が可能です。とくに、専門性の高いポジションやマネジメント職に進めば、年収800万円以上も十分に狙えます。以下は職種別の平均年収の一例です。

職種

平均年収(目安)

セキュリティアナリスト

約500~700万円

セキュリティエンジニア

約500~800万円

セキュリティコンサルタント

約700~1,000万円以上

さらに、クラウドやIoT、ゼロトラストなど新分野へのスキル展開により、国内外の企業で活躍する道も広がります。専門資格を積極的に取得することで、評価と報酬に直結するのもこの分野の特徴です。

情報セキュリティの仕事でキャリアを広げよう

情報セキュリティ分野では、経験を積むことで多様なキャリアに発展できます。運用・監視から始めて専門職へ進むだけでなく、コンサルタントやマネジメント職への転向も可能です。AIやクラウド分野との連携も進んでおり、新技術に触れながら成長できる点も魅力といえるでしょう。

高い専門性が求められるため、一度スキルを身につければ長期的に活躍できる安定したキャリアを築けます。未経験からでも挑戦できる将来性ある分野で、キャリアを広げていきましょう。


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